アガサ・クリスティーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
アガサクリスティーがミステリーの女王と言われる理由は、ミステリーとしての組み立ての見事さはもちろんだと思うのですが、英国文化にあまり詳しくない私でも登場人物のキャラクターがきちんと判別出来る、関係性をそれとなく感じるといった表現にあるのだと思った。
よく結末が見えてしまって興醒めすることもあるのですが、本作は登場人物皆が怪しく最後まで楽しめました。
大どんでん返しとかがあるわけではないのですが、物語の中でほのめかされる伏線をきちんと回収しいて見事だと感じた。
舞台装置についても写真と見取り図が付いていたのでイメージが湧きやすかった。ロングラン戯曲ということなので、是非演劇も見てみたいと感じ -
Posted by ブクログ
ネタバレ聖書や童謡になぞらえて人を殺していく犯人は古今東西数あれど、自分が解決した事件を神話に見立ててコレクションする名探偵はなかなか珍しい部類かと。
最初、子供じみた理由で事件を選り好みするポアロの高慢さに鼻白みながら読み始めたのですが…何これ、超面白い。
どの話も良かったのですが、一番のお気に入りは『ステュムパロスの鳥』。ポーランドの双子の貴婦人をビジュアルで見てみたいです。映像化されているのかしら。
次点で『ケルベロスの捕獲』。久しぶりに会ったロシア美女に「地獄へきて」と告げられるドラマチックな出だしと、その後ミス・レモンに「ご存じなかったのですか、ポアロさん。ナイトクラブですわ」とあっさり謎解 -
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Posted by ブクログ
相変わらずクリスティーは心理描写が上手すぎてそこらの小説よりも安心して読める。
ストーリーを読み進める中で何処を軸に推理を進めれば良いのか迷ってしまった。一瞬だけあの方法を想像したもののあまりにも想像の域を出ない推理だったのですぐに放棄してしまったくらい。
今回登場する容疑者は主に三つのタイプに分けられるように思う。善人、演者、精神異常者。だからこそ登場人物たち全てに対して表と裏があるように勘繰ってしまう。夢見がちな人間に見えたキャリイでさえも終盤には浅い人間ではないことが判るのだ。クリスティーは読者の抱いた印象を崩す事無く人間の意外な一面を描くことが非常に得意なように思える。
また -
Posted by ブクログ
ミス・マープルシリーズの長編11作目。9作目「カリブ海の秘密」の続編にあたる。
クリスティが最後に執筆したマープルシリーズでもある。
【あらすじ】
「カリブ海の秘密」で知り合った大富豪のラフィール氏が死去した。氏の遺言である事件の調査を引き受けることになったマープルだが、漠然とした情報のみが提示され困惑する。やがて、死去前の氏の計らいでイギリス各地の名所・庭園を回るバスツアーに招待されたマープルは、ある場所で悪の気配を感じ取る。
【感想】
「カリブ海の秘密」の続編ではあるが、関係者の再登場は故・ラフィール氏と元秘書程度なので、この本を先に読んでも楽しめる。最初は事件の陰すら暗中模索状態 -
購入済み
テレビドラマを見て。
年始に放映されたテレビドラマ、オリエント急行殺人事件を見て、原作も興味を持ち読みました。
ミステリーはあまり読みませんが、登場人物が多彩でとても面白い作品です。
ドラマとあわせて見ると違いが比較的出来、また設定を日本にまた、ドラマの枠に納める努力も分かり、より面白いです。
また、訳者のコメントにあった、筆者の代表作アクロイド殺人事件も読みましたが、面白かったです。お薦めです。 -