アガサ・クリスティーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ【再読】
老富豪ゴードン・クロードから莫大な遺産を相続した若き未亡人ロザリーンと、金を必要とする富豪の一族クロード家。突然遺産を奪われるかたちになったクロード一族の面々は、ロザリーンを忌々しく思う。
そんな中、ロザリーンには前夫がおり、しかもその前夫は生きている可能性が浮上する。そうなれば富豪との結婚そのものがなかったものになるため、クロード一族は躍起になる。一方ロザリーンの兄デイヴィッドは、そんなことになれば妹の遺産はなくなってしまうので大いに慌てる。しかも前夫の知り合いを名乗る男が現れ、前夫が生きている事実を公表されたくなければ金を払えと恐喝までされる始末。
そしてデイヴィッドを恐喝した男が死体となって見つかると、実はその男こそがロザリーンの前夫ロバートだったことが発覚する。動機と機会からデイヴィッドが逮捕されるが、ポアロはそのことに疑問を呈する。ロバートと見られていた男は、クロード一族の一人フランセスのいとこチャールズという男だったのだ。夫の経済的な損失を補填するためフランセスはチャールズにもちかけ、ロバートのフリをして恐喝を働いたのだった。ポーター少佐が死んだチャールズを見てロバートだと証言したのは、クロード一族のことを思ってのことだった。偽証をしたポーター少佐はその後ピストル自殺を図る。
ここにきても、チャールズを殺した犯人はわからないままだった。だがチャールズが殺害される直前に謎の女性と会っていたことがわかった直後、ロザリーンが自殺する。遺書には自分がチャールズを殺したことが書かれていたが、真相は全く違ったものだった。
チャールズを殺したのはローリィだった。ローリィはロバートになりすましたチャールズに気づき、腹を立てて死なせてしまった。直後チャールズを訪ねたデイヴィッドは死体を発見し、自分に嫌疑がかかることを懸念してチャールズの死体をめちゃくちゃにし、さらに女装までしてチャールズを訪ねた女がいたように見せかけた。
さらには、デイヴィッドとロザリーンは兄妹ではなかった。本物のロザリーンは戦時中にすでに死亡しており、デイヴィッドは使用人を唆してロザリーンになりすまさせたのだった。だが偽のロザリーンが罪の意識に苛まれるようになったため、自殺に見せかけて殺したのだった。
ロザリーンとデイヴィッド兄妹を憎むクロード一族、死んだはずの前夫が現れると困る兄妹。それぞれの思惑が渦巻き複雑な人間ドラマが形成される。戦争から戻り安穏な暮らしに戻ったことに倦むリンが、無軌道な青年デイヴィッドに惹かれるというのも戦争が投げかけた暗い影の一つなのかもしれない。
人は変わるようでいて変わらない。
「いやー、リンの最後の選択はないよね」などと語り合えるのもクリスティー作品の魅力だと思う。
●見どころ
・自分を殺そうとしたローリィを逆に愛するようになるリン
・いつの時代も、女性はちょっと危ない男性に惹かれるもの(だが少し危な過ぎやしないだろうか)
●名言
「人生の悲劇は、人間はぜんぜん変ることができないというところにあります」
「さて話をはじめますか。私がこう宣言するときは、本気で根こそぎしゃべります。そのおつもりで」 -
購入済み
カルチャーショックというのか
異文化交流というのか
誰も彼もがひと癖も二癖もあるような人たちばかりで、面白かった。
常識が通用しない世界にあっては
自分で思う常識なんて
勝手な思い込みに過ぎないのだなと思った。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ以下、推理。
まずざっくり10人がマザーグースされる(?)のは序文とかマザーグーされるときでわかるので、途中で死んだと思われたやつが生きているパターンだろうな、とは予想がつく。
当初疑っていたのは軍人の爺さん。
なんでかというとあの爺さんの動きがやたらと犯人に都合良すぎるので、さすがにここから飛び降りとか目撃されて消えるのだろうな、と思ったら撲殺死体で発見。さすがにこれは偽造しようもないだろう。
で次に疑ったのが若い女。ヒステリー起こしたのがわざとではないが、犯人としての戸惑いのようなものが感じられたため。
しかしさすがに判事殺すのは無理では……ということでパス。
で最後に医者。これは誤魔化しやすい立場だし、消えたときも「おっ、やっぱりな」と思ったのだが、若い女も似たようなこと言い出したのでうーむ違うのかなと思い始める。
最終的に死体として発見されたわけだが、逆にこれが怪しめる。水死体なわけだし、もう2人は検視できないわけだから他の死体とかで偽装できるんでは? と予想。まぁ判事殺したときとかわからんことはあるが、そのへんはどうにでもなるし……。
などと思っていたらうーむ。
いや話自体は面白かったんだけど、肝心のところが無理あるやろ! 案件だと思った。
あと考察とか読むと面白かった。 -
Posted by ブクログ
『クリスマス・プディングの冒険』
ポワロに宝石捜索を依頼するが、捜索の宛所はクリスマスの片田舎。寒く、快適でないだろうからと、ポワロが行くのを頑なに嫌がるところが人間味あって面白かった。
クリスマスぽくて微笑ましいながらも、謎の手紙や殺人事件と推理どころも欠かさない。全体通して、ドロドロとも殺伐ともしていなくてクリスマスに読むのにピッタリだと思う。
「プラム・プディング」や「牡蠣のスープ」はじめ、イギリスのクリスマスの慣習をなぞることができて良かった。
『グリーンショウの阿房宮』
ミス・マープル名探偵の一編。とんでもなく大きく古びた美しい建物、老主人を巡る人間模様が秀逸。ミス・マープルの推理は、小さな会話の「何故そう言ったのか」を丁寧に解き、最後に、あっそうかと思わされる。好奇心が満たされて満足そうな様子が文章から伝わって、可愛らしいと思ってしまった。