【感想・ネタバレ】謎のクィン氏のレビュー

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Posted by ブクログ 2022年03月13日

漫画的といえばそうなのだけど、最初の4篇を読んだ時点で、仄暗く温かみのある雰囲気がかなり気に入った。続く2作品(クルピエの真情、海から来た男)は作り話すぎてあまり好きになれなかった。原題のMysterious Mr. Quinが韻を踏んでいてすごく良いので、邦題にもうまく生かして欲しかったけれど難し...続きを読むいかな。逆にクィン氏の名前はもうちょっとひねりが欲しかった。

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購入済み

ひとつ残念なこと

2021年02月17日

本の内容には文句ありません。しかし、一つだけ残念なことがあります。それは、この本の原書の巻頭にあったはずの、作者による序文(Foreword)が割愛されていることです。

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Posted by ブクログ 2019年03月13日

短編だけど、一通り同じ人物が登場します。クイン氏は、一貫して神出鬼没の道化師です。死の猟犬のような超常的な話もあって、ゾクッとします。推理に超常的なテイストをプラスした感じです。

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Posted by ブクログ 2015年07月08日

久々に本棚奥からひっぱり出してきて何度目かわからない再再読。
昔からアガサクリスティの中で1,2を争うぐらい気に入っていて、何度も読んでるわりによく無くすので3回ぐらい買いなおした気がします。

内容的には安楽椅子探偵…とはちょっと違うけども色々なところを動いて回る感じでもない。
またミステリのよう...続きを読むだけれどもファンタジーのようでもありと言う雰囲気が全面に漂っている。

突然現れる神秘的な人物ハーリ・クィン氏は、主人公たちの話を聞き、主人公たちから話を聞き、それを組み立て事実を話すが、決して答えを与えず主人公たちに答えを導き出させて、そして答えが出ると魔術のように消えて行く。
そんな不思議な感じが個人的に気に入った部分なのかなと思う。

正直、主人公サタースウェイト氏が人間観察好きの決してハンサムでも若くもない62歳のおじいちゃんと言うのも気に入っています。ものすごく。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2013年04月20日

アガサ・クリスティー が生んだ「推理をしない名探偵」ハリー・クイン登場。ハリー・クインは(たぶん人間ではない)「死者の代理人・恋人たちを救う男」なので、推理しなくても最初から全てを知っている。そこでハリー・クインは、「他人の人生の傍観者」サタースウェイト老人にヒントや霊感を与え、彼に事件を解決させる...続きを読む

事件が解決し、ハッピーエンドで終わっても、ハリー・クインは悲しげに去ってゆくことが多い。その理由は、

1.死んだ男が、生きている妻・恋人を救うため、「死者の代理人」ハリー・クインに仕事を依頼する。ハッピーエンドで終わっても、死んだ男の愛は、生きている妻・恋人に届かない。届いても、死んだ男が生き返ることはない。

2.ハリー・クインには「死ぬと決まっている人間の運命」を変える力はない。最悪の場合、「死ぬと決まっている人間」に「幸せな夢」を見せてから死なせることがある。『道化師の小径』では、サタースウェイトを使わず、ハリー・クイン本人が「幸せな夢」を見せる仕事をした。

……こういう宿命を背負うハリー・クインは事件解決後、「その先に何もない断崖の端を目指して去ってゆく」、あるいは「いつの間にか消える」ことが多い。ハリー・クインという人名には「道化役者」という意味があり、普通の人間には一瞬、彼の姿が「仮装した道化役者」に見えることがある。

本の題名通りハリー・クインは「謎の探偵」。なお、読んだ『謎のクイン氏』は石田英士先生が翻訳した古い本。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2011年08月13日

サタースウェイトとクィンが登場する短編集。12作品。

サタースウェイトは、物語の主人公である。
話によっては69歳となっている。
引退して余生を送っているので、探偵というわけではない。

クィン氏は、突然現れて消えてゆく謎の人である。
サタースウェイト氏が、事件を解決するのを誘導する質問...続きを読むをする。
「事実をありのままに見る」
と、見えてこなかったことが見えてくるという。

出しゃ張りのポアロに対して、
真逆の性格のようだが、
事実に対する接近方法は、似ているかもしれない。

人が思っていることの中に、回答があるという。

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Posted by ブクログ 2010年07月11日

恋愛がらみの事件を解決する、謎めいたクィン氏。
彼はうつし身の存在なのか。
幻想的な短編集。雰囲気が大好きだ。

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Posted by ブクログ 2010年12月25日

ホラー色の強い異色な作品集。謎めいたクイン氏の存在が魅力的で、語り部であるサタースウエイト氏も大好きでした。

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Posted by ブクログ 2024年01月12日

クリスティ作品の中でも異質さが群を抜いているハーリ・クィンを主題に据えた短編集
この短編集の魅力は本来なら探偵役となるハーリ・クィンが推理もしなければ捜査もしない点。それどころか事件への関わりだって少ない
なら、誰が推理を行うかと言えば人間観察が趣味のサタースウェイトとなるわけだ。ハーリ・クィンによ...続きを読むって与えられた天啓を元に想像の輪を広げ事件の真相に気付く
本作は一般的なミステリと大きく異なる構図を持っているからこそ、面白さも際立ってくるね

そもそもからして、ミステリの短編集なんて或る一つのポイントに気付ければ真相も容易に気付ける構図となっている事が多い。その意味ではミステリの短編では必ずしも探偵が必要と言いきれないのかもしれない。素人探偵が活躍できる余地が生まれる
だからってハーリ・クィンに導かれたサタースウェイトの振る舞いは特異としか言い様がないのだけど

サタースウェイトは人間観察が趣味というだけ有って、気付くべきポイントにはおおよそ気付いている。でも探偵ならではの捜査・推理方法を持っているわけではないから事件に出会っても動き方を知らない
そこでハーリ・クィンが示す天啓が役立つわけだ。探偵でもないサタースウェイトはハーリ・クィンの存在に拠って自分に何かしらの役割があると確信する。それによって事件との向き合い方を見定められる
2人は相棒というわけでもないのに、まるでタッグを組んでいるかのように最良のパートナーとなっていくね


収録されている短編の中では『死んだ道化役者』が一番好印象を受けたかな

10年以上前に終わった話だった拳銃自殺。それが現場をモチーフとした絵画をきっかけとして過去への追憶が始まり、役者が揃い、そして真相へ到る。その上で恋の端緒も見え隠れする
本短編集の魅力が詰まった話であるように思えましたよ

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Posted by ブクログ 2024年01月12日

タイトルの通り、ハーリ・クィン氏が謎すぎる。ちょっとオカルト風味? 
「面前でくりひろげられる、さまざまな人生ドラマを、間近に見物してきた」サタースウェイト氏は、トリックスターのクィン氏登場によって探偵役を演じることになる。変わった探偵役コンビで面白い。ポワロともマープルとも違う雰囲気だ。特に最初の...続きを読む「クィン氏登場」が好き。

クィン氏の名前の元ネタと思われる「ハーリクイン(道化役者)」を検索したら、イタリア語で「アルレッキーノ」だという。サタースウェイト氏いきつけのレストランの名前が「アルレッキーノ」で、小ネタが知れてちょっと嬉しい。

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Posted by ブクログ 2023年09月20日

クイン氏登場
クリスティが生み出した探偵の中でもかなり特異な人物であり、シリーズ化はされていない(短編集のみ)がかなり好きな作品になった。
 自動車事故により年跨ぎの夜にとある屋敷に現れた謎の人物。過去、この家で家主が自殺しており、その真相は未解決ねままであったが、十年の後、過去を振り返ればいらない...続きを読むものが削ぎ落とされ、真実のみが見通せるものだと謎のクイン氏は話し一座と共に過去の事件の記憶に潜っていく。独特な手法により、過去の事件の真相を見事に解き明かす。結末もクリスティ的だ。
窓ガラスに映る影
クイン氏の物語はサタースウェイトで始まる。そして一作目に続き、お化け屋敷が話題だ。アンカートン夫妻が暮らすグリーンウェイズ荘。その館の窓には過去に暮らしていた大佐の影に見えるシミが現れて人々を不幸にする。遥か昔から窓ガラスを変えてもそのシミは必ず現れて何かしらの不幸が起きる。今回もガラス窓を取り替えたのにも関わらずシミが現れその後、銃声が聞こえ二人の男女の死体が発見される。また、とある婦人が銃を握っている様から事件は簡単なものと思われたが。そんな中でたまたま主人と約束をしていたクインが姿を現し事件の真実を導き出す。
〈鈴と道化服〉亭奇聞
 サタースウェイトとクインは運命的に出会う。とある田舎にて車がパンクしてしまい短い時間、宿屋で食事をする事にしたサタースウェイト。そこで偶然クインと再会し、宿屋のある地区で起きた不思議な失踪事件について見解を話す。物事は過去になればなる程余計なものが削ぎ落とされて真実が見えやすくなる。失踪事件の結末についてはクリスティ得意の人物の入れ替わりを駆使したトリック、面白い物語だ。
空のしるし
 今回はサタースウェイトが冒険を強いられる。とある男が有罪になるが、サタースウェイトは判決に納得出来ない。彼の行きつけのレストランでクインと再開し事件の詳細を告げる。事件後、お手伝いさん一人がカナダに渡っており、サタースウェイトはクインに後押しされて、カナダまで出かける。彼女を見つけ、話を聞き出し、ロンドンへ戻り、クインと再会。サタースウェイトはクインに真実を告げ、クインは彼に助け船をだしながら真実に辿り着く。少しクインと言う人物の印象が変化した作品。
クルピエの真情
こういった作品を短編の中に入れてくるのは驚いたが、いいスパイスだ。ロマンス作品も出しているクリスティならではだし、二組のカップルについてとある仕掛けを施すサタースウェイトとクインはとても人間臭い一面があるのだなぁと感心する(クルピエと伯爵夫人について何かした様な描写は無いが、クインがクルピエを連れて来たことが仕掛けの様に感じた)とても平和な作品であり、こういうものだけだと疲れてしまうが短編集の一編で、しかもクインのシリーズの世界観がわかってくるタイミングなのでとてもよかった。
海から来た男
 余命宣告を受けた男。自身は孤独であり、断崖絶壁を訪れるがサタースウェイトと出会う。サタースウェイトは自身がこの土地に来た事を後悔していた。そんな折り、男性と出会い、会話をしながら彼が自殺を仄めかしている事に気づき諭そうとするが手ごたえはない。男は昨日も別の人物に止められており、二日続けて上手くいかなかった。一方でサタースウェイトはこの地にある屋敷がどうしても気になってしまい、ついつい勝手に家のドアを開けてしまう。そこで女主人に呼び止められ、事情を伝えると、家に招かれ不思議な話を聞かされる。
 自分の人生が将来、とある時点で誰かの人生を変えるかも知れない。神という演出家が出番を最後にしているかも知れないし出番自体がないかも知れない。というのはミステリには珍しく胸に刺さる教訓だ。そして、今作もハッピーエンドで幕を閉じる。終盤にようやくクインも登場するが、サタースウェイトの冒険であるだろう。
 闇の声
 女男爵というのは初めて聞いたが、基本は男性が爵位を継ぐものだが、稀に女性が継承することもあるらしい。何度も結婚し、自由奔放に生きる女性。反対に堅実で真面目な娘。娘が住んでいる屋敷で交霊会が開かれ、過去に船の事故で亡くなった叔母より、何かを返せとお告げがある。サタースウェイトは彼女達を知っており、とあるテストをしてみたが、本人達しか知り得ない事を知ってた。結末はクリスティお決まりパターンだったが、現状に至るまでのプロセスに現実味が無く、リアリティの面では難しい作品だ。犯人の結末も雑に感じてしまった。
 クインはサタースウェイトの事を面倒になったのかなぁ(笑)何か裏がありそうだ。
ヘレンの顔
オペラハウスでサタースウェイトとクインは再会する。クインは探偵役というよりは超優秀なワトソンなのかも知れない。余りに美しい女性を見つけて二人が興味を持ち彼女と連れの男性の後を追いかけていく様には笑ってしまうが、それ程の美女だったのだろう。彼女達にもう一人の男性が加わり、サタースウェイトは嗅覚を発動するが、クイン曰く何かがあった場合、それはサタースウェイトの事件だと告げて何処かに消えてしまう。
 女性をめぐり男性同士トラブルがあり、サタースウェイトが彼女の救済にはいる。後々結ばれる側の男性と別れを告げられる側の男性。そして女性に訪れる危機。トリックはある程度有名な知識なのだが、実際ラジオでできるのかは難しいところだ。
死んだ道化役者
第一作目のパロディになっており、今度はサタースウェイトが客人達を促し過去の殺人事件の真相を探る。いつの間にかクインも現れており、ワトソン役を演じる。きっかけが面白く、とある画廊で出会った絵画。サタースウェイトが知っている屋敷を舞台にクインそっくりな人が倒れている構図。彼が購入した後にそれを買いたい夫人とモデルの屋敷の夫人も招待し十四年前の事件の謎解きが始まる。解決はその場にいた人達に委ねられ、クインはいつの間にかに消えていなくなっていた。
翼の折れた鳥
 ロンドンのとある屋敷で交霊会が開かれ、偶々部屋に居合わせたサタースウェイトはクインからのお告げだと言われたものを聞く。その日、サタースウェイトは郊外の屋敷に招待されていたが、寒さ等不快なものを避ける為に断っていたのだが、お告げに因果を感じ招待を受ける事に。
 招待先の屋敷で起こる殺人事件。サタースウェイトは面識のある警察官と話しながら謎を解明していく。ウクレレのトリック描写は丁寧で、分かりやすい。
 ますますクインの正体が謎に満ちてきた。
世界の果て
 クインのシリーズは不思議な出会いの物語なので、事件の土台がそれに由来していても不思議には思わない(偶然の出会いの筈が、計画的事件等)がギャップは感じてしまう。今回も伯爵夫人、若手の女流画家、舞台女優達がそれぞれ偶然に会合する訳だが、実はそれぞれにとある窃盗事件絡みの接点があり、その真相こそがそれぞれの人生の道筋を照らす。今回もクインは目立たないが、サタースウェイトを導いた。
道化師の小径
 結末はよくわからなかったが、サタースウェイトとクインの物語はひとまず落ち着く事になる(クインシリーズがもう一編あるのは知っていて、楽しみだ。また、ポアロシリーズにサタースウェイトが登場していた事は完全に忘れていた)
とあるダンサーの話。人々を魅了する様なダンサーだが一方でバレェを捨てることが苦にならない程の愛情を持って結婚している。とある興行が開かれる予定だったが、ダンサーが事故で怪我をしてしまい、急遽婦人とクインが代役を務める。
 結末はとても寂しいが、悲哀の物語として素晴らしい。

今作は実はクィンがワトソン役、サタースウェイトが探偵役と捉える方がしっくりとくる。優秀なワトソンが人間観察が得意なサタースウェイトにヒントを出して解決に導く。更に作中通して何か超世界的な雰囲気を纏い、独創的な作品にしている。ある意味でクリスティの他作とも違った世界観をしており、シリーズの長編を読んでみたかった願望がある。ポアロシリーズに続き、クインのシリーズも誰か描いてくれないかなぁ。

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Posted by ブクログ 2023年04月14日

ポアロとはまた一風変わった作風。

突然現れるクィン氏。
彼自身が謎を解く訳ではないけれど、出会った人に大きな変化を与えるクィン氏。
幻想のような不思議なミステリーです。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年06月07日

サタースウェイト氏、いいキャラだった 三幕の殺人の前に読めてたらさらに楽しめたな〜読み直すべき?
クィン氏のことをいつも気にしていてちょっとのことですぐ連想したり、会えたらテンション爆上がりなのよかった

でもほとんどの話が難しくて理解できなかった… 最後の話クィン氏がピエロになって踊りだすのが一番...続きを読む謎だった どういうことなの すぐいなくなっちゃうし

ラジオを聞いてほしいって言ってくる話がおもしろかった

友達が中学生の頃アガサ・クリスティにハマって、歌声で窓ガラスを割りたいと修行しだしたのはこの短編集のせいだったのかも

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Posted by ブクログ 2021年12月26日

タイトル通り、語り手であるサターウェスト氏の近くになぜだかクイン氏が現れ、クイン氏の問いかけを元にサターウェスト氏自身が謎を解いてゆくという、一風変わった短編集。
語り手とクイン氏の立場が他のミステリーには無い独特形であり、目新しさがあり、面白く読めた。
残念なのは、短編の最初の方が毎回諸々の設定が...続きを読む出てきて読むのが大変なこと(特に、海外の人の名前と人同士の関係を頭にいれるのが大変)。まぁ短編ミステリーではしょうがないかもしれないが。

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Posted by ブクログ 2015年11月26日

何よりもかによりも、
サタースウェイト氏の裕福な暮らしぶりが羨ましい\(^o^)/
周りの方々も優雅で、
幸せな時代に見える…

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Posted by ブクログ 2011年11月02日

探偵のいない探偵小説。
クィンは示唆する人。
人間観察が好きで、広い交際を持っているサタースウェイトはクィンに影響され、事実を組み上げて解決する人。
面白かったなぁ。
クィンが謎めいてるので、幻想的ではあるけど、サタースウェイトが愚痴を言ったり現実味があるので、ちょっと不思議な雰囲気になっている。
...続きを読む「クィン氏のティーセット」(マン島の黄金に所収)も読んでみたい。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

主人公であるサタースウェイトは、どこにでもいる普通のひと。でも何か事件が起こりそうなときには必ず、なぞのクィンさんがやってきて、ヒントをくれる。ポアロのように自信たっぷりでもなく、マープルのようにおしゃべりでもない。そんなクイン氏も魅力的です。

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購入済み

面白かった

A
2021年07月28日

じんわりくる面白さというか
たまにはこういうのもいいかな
という感じでしょうか。
派手さはないので
自分で面白いところを探しながら読みました。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年06月06日

人生に降りかかる悲劇と祝福と。

ハーリ・クィン氏は人間なのか? 読み進めるにつれて、「死」とかとにかく人間外の存在ではないかと思い始めた。答えは書いていないけれど。ありえないところに抜群のタイミングで現れるクィン氏。サタースウェイト氏を促し、事件の解明に導くクィン氏。その正体はわからないけど、幻想...続きを読む的な雰囲気に飲み込まれ、なんとなく納得してしまう。自分は脇役、人生の観察者だと自称するサタースウェイト氏だから、クィン氏に会えるのかもしれない。人生に降りかかる悲喜劇のこんがらがった筋に演出をつけるクィン氏に。

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Posted by ブクログ 2021年02月13日

本書は、サタースウェイト氏というセレブ(うん、多分セレブ)なお爺さんを主人公にした連作短編が12話収録されていますが、もう、タイトルそのまんま“謎のクィン氏”という感じです。
行く先々で“ドラマ”(というか、痴情のもつれ)に関わることになるサタースウェイト氏のもとに、どこからともなくクィン氏がやって...続きを読むきて、問題や事件へのアドバイス的な示唆をして、どこへともなく去っていく・・というパターンです。
言うなれば、クィン氏は“謎のナビゲーター”というところでしょうか。
そんなクィン氏がサタースウェイト氏は大好きなようで、明らかに不自然な場所でクィン氏に会っても「やあ、クィンさん!」とすごく嬉しそう。挙句の果てに交霊会で“降りてきた”クィン氏に呼び出されてホイホイ出かけていくという、シュールな場面も・・。
個人的には「翼の折れた鳥」がミステリとして楽しめたかな、という印象です。あとは「海から来た男」が後味が良くて好きでした。
解説によると、本書のメインキャラ・サタースウェイト氏がポアロものに特別出演している話があるそうで、是非読んでみたいですね。

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Posted by ブクログ 2020年09月07日

人生の観察者サタースウェイト氏と、彼の前にたびたび登場する謎の探偵ハーリ・クィン氏の短編集。
クィン氏同様、全体的にとらえどころのない雰囲気で何とも不思議な読後感。ハマる人にはハマりそう。

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Posted by ブクログ 2014年08月04日

再読だか。再々読だか。。

以前は良さがよくわかりませんでした
ポワロほど派手ではなく、マープルほど
緩急自在な訳でもなく。
そもそも探偵役とワトソン役がぼやけて
あいまいで

しかしこの霧の中のようなファジィな感じが
今は心地よいことに気づきました

サタースウェイト氏も素敵なところもある反面
...続きを読むらしいところももちあわせていて、
クィン氏も優しいのかと安心していれば
牙を見せつけてくるような怖さもあり
炎がゆらめくと影が変わるような
夢幻の暗い世界観です

クリスティの小説に出てくる人物は
たいてい類型的です。
でもこの二人は例外です
ミステリというより雰囲気を楽しむ短篇集

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

クイン氏が活躍するのは、この一冊の短編集のみ。
大きな事件も、トリックもない。
番の謎はクイン氏その人だったりする。

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