アガサ・クリスティーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
今年の1月に初めて刊行されたアガサ・クリスティーの未発表作品、ということで一も二もなく購入したけれど、
よくよく説明を読むと、
既に発表されている作品の原型になったものだったらしい。
とはいえ、出版社(業界)の都合で強い思い入れのあった作品が発表できなかったという事実は在り、
また、今作を基に長編に膨らませたという「死者のあやまち」が未読だった私にとっては実に新鮮に楽しんで読めた。
実はオリエント急行以外ではヘイスティングスの出てる作品しか読んだことがなかったんだよなぁ。
クリスティブームが再燃したのを好機に、未読のポアロシリーズやクリスティの自伝も読んでみたい。 -
Posted by ブクログ
大富豪ゴードン・クロードが戦時中に死亡し、莫大な財産は若き未亡人が相続した。
戦後、後ろ盾としてのゴードンを失った弁護士や医師らクロード家の人々は、まとまった金の必要に迫られ窮地に立たされていた。
“あの未亡人さえいなければ”
一族の思いが憎しみへと変わった時・・・戦争が生んだ心の闇をポアロが暴く。
(当書裏表紙あらすじより)
解説を読んで初めて知ったんですが、クリスティー作品の中後期には本作のようなタイプが幾つかあるんだそうです。
クリスティー作品の超有名作品「ナイルに死す」もそのタイプに入るそうで、そのタイプとは「ドラマ性の高いミステリー」なのだそうです。
曰く、「事件がなかなか起きない」「事件に関わる人々の物語が詳しく書かれている」というものなのだそうです。
実際、本作は冒頭にポアロが少しだけ出てきて以降、半分をクロード家の人々の状況や遺産を相続した兄妹の事をつらつらと描写することに費やしています。
「誰かが殺されてドラマが始まる」にではなく、「様々な問題を抱えた登場人物たちの誰が犠牲になり、そして誰が犯人なのか」という読み方が出来る作風とも言えるそうです。
なるほど、そういう読み方をすると全然違った感じになりそうです。
こういったことを全く知らずに読み始めたので、なかなか事件が起きないなぁ、と感じながら読んでいました。
だから前半は読むスピードが遅かったんですが、事件が起きてからは一気でした(笑)
え、こいつが犠牲者になるのか!
絶対犯人と思ってたけど違うの?
おっと、そうくるのかぁ!!
と、事件の謎解きでは見事にヤラれました(^^ゞ
読み直してみたくなる作品、ということで星4つにしました♪ -
Posted by ブクログ
戯曲「ブラック・コーヒー」と「評決」の2編収録。
「ブラック・コーヒー」
資産家の息子。その嫁。嫁に付き纏う男。詮索好きの叔母。
そして資産家が殺された。絡まる動機と疑心暗鬼。
核爆発の方程式を巡る国際スパイの暗闘。
人物の心理描写をスキャンダラスに描くアガサ十八番の展開。
勧善懲悪、無敵のポワロ。クリスティ初のオリジナル戯曲。
「評決」
自ら傷付いても慈悲の心を優先させる学者。
学者と運命を共にする三人の女性。
慈悲の心は多くの不幸を引き起こすのか。
あなたは自分が信じられることはどんどんやります。
その結果他の人がどうなろうとお構いなしです。
あなたを愛しています。でも愛だけでは充分ではありません。
私は私のようにごく普通の人を見つけます。
私は、愛する者に苦しみをもたらすような男だったのか。
なぜ帰ってきたんだね。
私がおばかさんだからよ。 -
Posted by ブクログ
考古学者と再婚したルイーズの元に、死んだはずの先夫から脅迫状が舞い込みます。
さらにルイーズは寝室で奇怪な人物を目撃したと証言しました。
しかし、それらは不可思議な殺人事件への序曲に過ぎませんでした・・・。
過去から襲い来る悪夢の正体をポワロは暴くことが出来るのか?
中近東を舞台にしたクリスティ作品の最高傑作。―解説:春日 春樹 より
話はひとりの看護婦エイミー・レザランのレポート形式で綴られます。
遺跡発掘現場で働く様々な人間達。
彼らはエリック・ライドナー博士をリーダーに家族のような雰囲気でした。
しかし今年の調査隊には奇妙な緊迫した空気が漂っていました。何故か?
この緊迫した空気は、物語のほぼ前半を支配し読者をも不安な気持ちにさせます。
生意気な小娘、人の心を弄ぶお嬢様育ちの女性、翻弄される男達。
殺人予告の脅迫状、怪しい人影・・・。
ついに殺人事件が起きます。何人もの容疑者は誰もが決定打に欠けます。
謎が煮詰まり、半ばお手上げ状態となった所で、満を持して名探偵ポワロが登場します。
ここから後半は、事件と人間関係の謎が解明されていくストレス解消のスタートです。
なるほど結局そういうことか・・・。気になる人物達も収まる処に収まって、
更にはオリエント急行殺人事件への期待も抱いて気持ちよく本を閉じました。
アガサの生涯の伴侶 考古学者マックス・アローワンとの出会いが生んだ記念の一冊。 -
Posted by ブクログ
ポアロの友人で推理小説家・オリヴァが企画した、とある田舎屋敷で催された犯人探しゲーム。
その中で被害者役の少女が本当に殺されてしまう。さらにその屋敷主の夫人が行方不明になってしまう。
オリヴァからイヤな予感がするから未然に防いでほしいと依頼され、滞在していたポアロだったが、悲劇を止めることは叶わなかった。
失意の中、ポアロは地道な捜査を開始する・・・。
珍しく犯行を未然に防ごうとするところから始まる本作。
しかし犯行は起こってしまい、そこから犯人を探し求める話が進んでいきます。
前半から中盤にかけては少々ダレたところもありましたが、終盤に犯人が特定されてからの展開は流石クリスティーと唸ってしまいました。
実は物語の前半から、真相に近付くための布石はいくつも散りばめられていた、ということに気づかされると正直、言葉を失ってしまいます(^^ゞ
面白み、という点では他の代表作に一歩譲ってしまうかな、とも思いますが、それでもアガサ・クリスティーの代表作の一つであることは間違いないと思いました。