アガサ・クリスティーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
僕が最初に触れたミステリは、『シャーロック・ホームズ』と、『そして誰もいなくなった』だと思う。
ミステリ界の巨人と言えば、コナン・ドイルとアガサ・クリスティ。
そのクリスティの傑作戯曲と言えば、なんといっても、『検察側の証人』でしょう。
ぐいぐい見るものの興味を引きつけ、一瞬たりとも目が離せなく、二転三転していくラストは、圧巻の一言。
「エルキュール・ポワロ」シリーズや、「ミス・マープル」シリーズなどで、小説ばかりがどうしても目立ちますが、戯曲もけっこう書いていて、その中でも、ロングランを誇る作品として知られるのが、この、『ねすみとり』。
実は、ミステリというのは、芝居にはしにくいんですね。
なぜと言うに、単純な話、「殺人事件を扱った場合、殺される役の人は、その後、出番がない(もしくは極端に少なくなる)」ので、出番の少ない役者が不満に思う可能性があるのですね。
まあ、気にしなきゃいいだけの話かもしれませんが、そこはそれ、僕は気にする性格なので。
ついでに、昨今のミステリだと、いわゆる「叙述トリック」というのが人気だと思いますが、これもまた、生身の役者がそこに存在する芝居ではなかなかうまくいくことがまれであり。
さてそんな芝居で、ロングランになり得るだけの傑作をものせるクリスティには、もはや脱帽と言うしかないわけで。
戯曲なので、小説に慣れ親しんだ人にはちょっと読みにくく感じるかもしれませんが、舞台写真や舞台配置図などの図版もありますので、いろいろと想像しながらお楽しみいただければ良いのではないかなと思います。
いつか生の舞台で観てみたいものです。 -
Posted by ブクログ
なんだか今回は、たちの悪い男に良いように操られる女性がたくさん登場した。
一筋縄ではいかない犯人。しかも、皆その人物を、不審に思うことさえしなかったのだから。それこそ、自分がその手にかかる、その瞬間まで。
ラストの二人の人物の台詞は、あまりに悲しい。そして、普段穏やかなミス・マープルでさえ、怒りに震え涙するのだ。
ところでこの作品、ミス・マープルが探偵であるのはお馴染みだが、ニール警部もなかなか良い動きをしている。頭の回転が良くて誠実で正義感も強い。事前情報なしで、ミス・マープルを小馬鹿にしない警察官には、なかなかお目にかかれないと思うので。 -
Posted by ブクログ
ネタバレトミー&タペンスシリーズ、第2作目。
短篇集。
ふたりの何気ない一言がひらめきを生み出し、事件を解決していく。
“探偵ごっこ”。
様々な文学上の有名探偵を模倣してみたりしているので、海外のミステリ好きはそういう面でも楽しめるかも。
勿論、ずーっと仲良くああだこうだ言って終わりの物語ばかりではなく、シリアスな事件も…。
トミーもタペンスもとても可愛らしく、親しみの持てるキャラクター。
なんだかんだで探偵業をこなしていく二人。
トミーは「一、二度は幸運にめぐまれたおかげだ」と言いますが、タペンスは「バカみたい。すべてはちいさな灰色の脳細胞のおかげだわ」と一蹴。
こんな二人のやり取りが微笑ましい。 -
Posted by ブクログ
1963年というクリスティにしては晩年に近い作品。
ポワロ物だが登場は後半。
ドラマを見たら原作と違うようだったので、再読。
そう探偵役というか語り手がコリン・ラムだったよね。
レイス大佐の息子の人格に疑いがかかるような改変でした。不自然に思えた部分はほぼ改変。まあさらっと見ればいいんだけど。
高齢で盲目の女性ペブマーシュさんの所へ、秘書斡旋会社から派遣された若い女性シェイラ・ウェッブ。
名指しでの依頼で、入って待っているように言われた部屋には、時計がやけにいくつも置いてあった。
そして、ソファの陰には男性の死体が!
悲鳴をあげて飛び出してきたシェイラを受け止めた若い男性コリンは、ある仕事の捜査に来ていたのだったが…?
ウィルブラーム・クレスントという三日月型に2列に並んだややこしい家並み。裏庭が接しているのだ。
クレスントとは、新月の意味。クレスントというのは実際に幾つかある地名らしい。
見えそうで見えない隣近所。
ペブマーシュさんは秘書を依頼したことはないという。
男性のことは近所の誰も見たことがない。
各家の住人達の個性が面白い。
猫を14匹飼っていて、猫のことしか見ていない隣人とか。
男の子二人の子育てに疲れ切っている主婦とか。
たまたま警部と友人だったコリン・ラムは捜査にも同行。
シェイラへの好意をからかわれつつ。
半ば隠退して、退屈しているポワロに連絡を取る。ヘイスティングスは南米に行ってしまったとか。
さて、ポワロの推理は。
後書きは脇明子さん。
巻末の著作リストが親切。