大澤真幸のレビュー一覧

  • コロナ後の世界を語る 現代の知性たちの視線
    コロナ後の世界というのはわたし自身にとっても明確にいろいろな意味でそれまでと変わりました。
    わたし自身は50代半ばですがワクチン接種は拒否しています。
    コロナウイルス自体に関しましては、日本人にとってはもともと大騒ぎをするほど大して問題ではなかったのですが、健康な人達までもがコロナワクチン注射を受け...続きを読む
  • 私たちはAIを信頼できるか
    AIとは、人間には不可能な全知に近い領域から、その対象にとって最も合理的な最適解を導く事の出来るツールと言える。桁数の多い暗算は人間には難しいが、計算機は即答だ。同様に、数字による規則性ではなく、言語による記号接地、つまり現物と言葉を対にして紐付け、概念にも言葉を当てはめ、自然言語をマスターした上で...続きを読む
  • 危機の時代に読み解く『風の谷のナウシカ』
    教養がないと読み切れない対談集、難しい内容だと感じる本だった。これほどの知識人、文化人がその立場や専門分野から様々な考察がされる。宮崎駿作品ならではのことだろうと思う。それこそ20年以上前に、ナウシカの漫画本を途中までだか、読んだ記憶はあるのだが、自説を語れるほどの読者ではないので、偉そうなことは何...続きを読む
  • 三島由紀夫 ふたつの謎
    社会学者の大澤真幸さんによる三島由紀夫論。

    ふたつのなぞは、1970年11月25日の割腹自殺と同日に書かれた「豊穣の海」の最後のシーンのこと。

    あれほど頭の良い人がどうしてあんな愚かな死に方をしたのだろう?そもそもどうして天皇陛下万歳になってしまったのだろうというのはわたしにとっても大きな謎なの...続きを読む
  • おどろきのウクライナ
    「おどろきの中国」が面白かったので、こちらも読んでいた。

    タイトルと内容は、ちょっと違う感じで、内容はウクライナ戦争を真ん中にはさみつつ、中国、ロシア、そしてそれに対する西側の対立の話しかな?

    いろいろな話しがあって、もちろんウクライナの話もあるわけだけど、それはほとんどロシアとの関係ででてくる...続きを読む
  • 私たちの想像力は資本主義を超えるか
    ウルトラマンの考察だけ面白かった
    デスノートとカントの繋げ方とか君の名は。の議論はいまいちこじつけ感が強い
  • 新世紀のコミュニズムへ 資本主義の内からの脱出
    資本主義は終わりに近づいている。しかし、次に来るべきコミュニズムへの備えが出来ていない。今、どのように備えれば良いのか。という事を論じているように思うのだが、その主義主張は何となく理解できても、詳しくは理解できなかった。そもそも、本当に資本主義は終わりを迎えようとしているのか、そして本当に次に来るの...続きを読む
  • ふしぎなキリスト教
    一神教のgodと多神教の神様との違い
    日本人にとって、神様は仲間(自分の支え)
    godは人間を創造(所有物) 絶対的存在

    なぜ神様が創造した、この世界が欠陥だらけなのか?

    イエスが起こした奇蹟の真相  

    ユダの裏切り
  • おどろきのウクライナ
    安定の橋爪・大澤対談。
    しかし、今回は後半に二人の考え方の違いが際立っていた。
    今後、最大の課題となる国については同意する。
  • コロナ後の世界を語る 現代の知性たちの視線
    様々な分断が派生したコロナ禍において、民の声が政治の力へと昇華されているのか、疑問が浮かぶ。為政者の判断はもちろん過ちも含まれよう。しかしそのまま看過するのではなく、修正していく判断力が現在も問われ続けている。さらに大切なのは私たち有権者の関心であり、声あげる人を中傷するのではなく、その選択肢に取り...続きを読む
  • コロナ後の世界を語る 現代の知性たちの視線
    色んな分野の様々な人がそれぞれの意見を述べていて面白い。

    在宅勤務が可能な仕事は「弱者」の低賃金労働に支えられることによってしか成立しない。

    「会う」ということの暴力性。会って圧力をかけた方が、会わないより物事が進む。リモートは物足りない。
  • 理想の国へ 歴史の転換期をめぐって
    政治的な思想には人それぞれで、筆者のお二人の思想に必ずしも共感しているわけではないですが、文学にからめての話など、興味深かったです。
  • 戦後の思想空間
    1
    60年間隔
    柄谷行人「昭和・明治平行説」
    1920大逆事件 1972連合赤軍

    加藤『敗戦後論』=敗戦による自己否定の構造による抑圧
    太宰治は戦後、戦争についてほぼ書いてない
    戦前と戦後のあいだの水門
    太宰治だけ開けても水が微動だにしないようだ
    =戦時中にかけた以上のことは戦後に書こうとしなかっ...続きを読む
  • 極限の思想 ハイデガー 世界内存在を生きる
    「存在と時間」を実存解明の書として読むという視点が卓抜。
    しかもかくまで平易に噛み砕いて解説した入門書はかつてなかったと言ってよいだろう。
    ただ、分量が限られているせいか、やはり物足りなくはある。
  • コロナ後の世界を語る 現代の知性たちの視線
    2021年8月発行の本。
    盛んに出版されたコロナ関係の本も、結局のところ、喉元過ぎれば熱さを忘れるのが人間だからあと2年もしたらすっかり忘れ去られてしまいそう。
  • おどろきの中国
    中国は西洋より早くに国として成立したので、西洋的国家概念には当てはまらない。
    古代から一貫して支配層は文官。
    毛沢東は史上もっともラディカルで、利己主義を徹底した(伝統的な儒教すら破壊しようとした)。
    そんな毛沢東を中国人が否定しないのは、伝統的な皇帝システム(天と天子というシステム)の形式が無意識...続きを読む
  • コロナ後の世界を語る 現代の知性たちの視線
    もう少しでいいので、それぞれの人の話をテーマを絞って深掘りして欲しいなと思った。
    最後の柚木さんの話がやはり一番印象に残った。苦労されてる分、意識が高いのだなと、彼女の昨今の著書の傾向に納得。
  • 支配の構造 国家とメディア――世論はいかに操られるか
    堤未果他、4人の論客が、各自テーマに沿って一冊の本を持ち寄り、考察を述べ、意見交換、対談するという形式。濃淡あるが、私が興味を持ったのは、堤未果による ハルバースタムの『メディアの権力』高橋源一郎の『華氏451度』。

    ペンタゴンペーパーズとスノーデンを比較して、時代の暴露者による扱いの違いを指摘。...続きを読む
  • 逆接の民主主義 ――格闘する思想
    現代の日本が直面しているいくつかの問題をとりあげ、民主主義そのものについての思想的に掘り下げて、大胆な提言をおこなっている本です。

    著者は、本書の提言が非現実的なものではないということをたびたび述べていますが、これを常識的な意味で実現可能性のある提言として受けとるべきではないのでしょう。それは、本...続きを読む
  • 夢よりも深い覚醒へ 3.11後の哲学
    東日本大震災と原発事故が問いかけている倫理的な問題について、さまざまな思想的資源を活用しながら、考察をおこなっている本です。

    著者は本書の冒頭で、脱原発という方針を「いきなり結論」として提出します。しかし問題は、これまでもこれからも、原発をめぐる議論がロールズの想定するような民主主義的な議論の枠組...続きを読む