大澤真幸のレビュー一覧

  • ふしぎなキリスト教

    購入済み

    なるほどね―と感心しました

    キリスト教の思想が現代の底流にあるというのは、なんとなく皆が感じているのではと思う。
    この本はその辺の事をハッキリと感じさせてくれます。

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    2014年06月17日
  • 思考術

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    自由なはずの研究は、権威に拘束された探究よりもはるかに浅薄な命題しか導き出せない。何者かに不法侵入されたことによって思考は深まり、歩みを続けるのだ。そして、いい問いとは、こうした事情から思考せざる負えなくなったテーマ(問い)である。切実なテーマは、一見何の関係性も無さそうな様々な事象と結びつく。”答えはある”と信じ、理論や概念を利用しながら、自分自身が対峙する問題との折合いをつけていくことが、思考する楽しさなのかもしれない。
    一人は間違える。聞いて欲しい、理解して欲しいというテーマについて、他者との対話、”説得力”が思考を深める上で必要だ。それは実際の対話でなく、文章にする際も同じ。但し、”説

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    2014年05月17日
  • おどろきの中国

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    いろいろと「おどろき」ました。
    中国は3回旅行しましたが、その時に感じた疑問のいくつかが解決しました。
    2013年2月に出版されていますが、台湾問題なんかは、橋爪先生の予言通りに推移してますね。

    本書で触れられる日中関係等の近代史の解釈は納得できない人もいるでしょうが、
    それ以外の中国についての話は誰しも一読の価値ありです。

    巷に溢れる中国評は、現在の利害だけを強調し、危機を煽るようなものばかりで辟易します。
    中国は反日教育をしてる、と言う。
    なら日本の教育はどうか。日本史を選択したら、世界史は選択しない…というのは常識ですしね。

    そのような論法に欠けているのは、現在を歴史の流れの中で捉

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    2014年05月16日
  • 「正義」を考える 生きづらさと向き合う社会学

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    大学時代にこの本で出てくる人物を聞いたので、すごく懐かしく読めました。

    今の時代ストーリー化されない、かなり難しい時代。

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    2014年04月12日
  • ふしぎなキリスト教

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    言うまでもなく、今、世界を席巻しているのは、
    欧米由来のルールや習慣、文化などだったりします。
    欧米の様式をデファクトスタンダードとして、
    世の中は成り立っているところがある。
    つまり、欧米のやり方が、世界のあらゆる場面の常識になっているということです。

    そんな欧米の考え方を成り立たせているのは、
    近代になって世俗化し、一部ではもはや形骸化してきているなどとも
    言われているキリスト教だったりするのです。
    哲学や科学が発展し、人間の理性を重視して宗教への態度が希薄になったことで、
    キリスト教の考え方に縛られなくなったかといえば、
    それはまったくそうではなく、その根本に、キリスト教の考えかたから

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    2025年06月24日
  • 「正義」を考える 生きづらさと向き合う社会学

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    授業で著者のことが紹介されていたので読んだ。
    正義論の変遷について学ぶことができた。

    <功利主義>(ベンサム)
    最大多数の最大幸福

    <リベラリズム>(カント)
    定言命法(汝の~行為せよ)

    <コミュニタリアニズム>(サンデル等)
    多文化相対主義(共同体の慣習の指向する共通善を重視)

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    2014年03月08日
  • おどろきの中国

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    内容の濃い鼎談.中国の特性を細かく分析している.中国との関係を欧米風の国際関係の観点から見る危険性を指摘している.朝貢体制が存在していたと述べている.また、日本の侵略に関して明確な意図がなかったとも指摘している.日中関係はやはり難しいことが再認識できた.

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    2013年12月15日
  • おどろきの中国

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    13年前に中国に1年ほど留学したときの感想は、
    「なんなんだ、この国は!」

    本書でも紹介されている小室直樹先生の『中国原論』でその“特異さ”はある程度予習したつもりだったが、実際見て体験した国はまさに驚きの連続だった。

    本書は3人の社会学者の鼎談で、中国なるものの原理、日中の近代化の近代社会学的な考察、日中の歴史問題、そして今後日本が取るべき針路などについて語っている。

    国家や国民と行った欧米のフレームにはおさまらない国、カリスマ毛沢東は現代の皇帝、「改革開放こそ文革の最終的な仕上げ」などなど、「おどろき」の理由がだいぶ明らかになった。

    歴史問題も含め、「日本は米中関係の付随物にすぎな

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    2013年10月16日
  • 資本主義という謎 「成長なき時代」をどう生きるか

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    成長戦略とは聞くが人の数に限りがあり、市場も限られている以上「成長し続ける事が可能なのか?」という疑問を持っていた。
    そんな疑問に答えてくれる入門書です。
    最後の章で「成長」の無い時代に、どう未来を切り開いていくかを論じています。

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    2013年07月01日
  • 資本主義という謎 「成長なき時代」をどう生きるか

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    社会学者と経済学者の対談本。とはいっても、水野さんは経済学者と言っても、歴史の造詣に深く、利子率革命からの歴史から見た経済学の著書が多い方なので、歴史の観点から見たら、人、経済システム、国家システムなどを絡めた対談となっている。

    水野氏の主張は一貫しているので、出版された本を読めばよいと思うが、対談なので比較的わかりやすいと思った。しかし、本書を理解するために必要な前提条件となる知識が多いなあと改めて思った。

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    2013年06月22日
  • 資本主義という謎 「成長なき時代」をどう生きるか

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    二人の対談集だが、水野氏については、「終わりなき危機」で非常に詳しく自分の主張を書いているので、主張そのものを知るにはそっちを読んだ方が良い。
    というか、前著を読んでしまうとこの本を読む意義があんまり無い様な気もする。敢えていえば、分かり易くなった入門的な位置づけか。

    資本主義がフロンティアを求める性質のものなので、フロンティアがもはや残っていない現代で行き詰るのは自明の理、という主張の流れには大いに納得。これから考えるべきは、経済成長ありきではない世界のありかたになっていくのだろう。

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    2013年06月01日
  • 資本主義という謎 「成長なき時代」をどう生きるか

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    法的には資本主義、システム的には……もはや資本主義の終わりの始まりになっているのが今なのでしょう。

    社会学者と経済学者の対談で、この社会の中で経済がどのように機能しているかを立体的に考えることができました。

    個人的には、世界史に全く疎いので、16世紀の話について行くのがやっとでしたが、確かに、今の経済状態も歴史の積み重ねの上に成り立っているはずですから、歴史と重ね合わせた方が理解しやすいのでしょう。

    今までと違う角度で資本主義を見ることができました。

    世界史の勉強、もっとしておくんだったなぁ、とつぶやき……。

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    2013年05月08日
  • 資本主義という謎 「成長なき時代」をどう生きるか

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    資本主義の本質を蒐集(博物館)の論理と捉える点が面白いが、その蒐集の論理がなぜ生じたかは、更なる検討が必要。

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    2013年04月28日
  • 「正義」を考える 生きづらさと向き合う社会学

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    より良い社会を作るにはどうしたら考え、行動したら良いか。そういうことを論じて、提示してくれる本だと思って読んだのですが、そうではなくて、あくまで「正義」を「考える」という体裁です。つまりは、より良い社会を作るための土台としての知識、勉強をこの本を通してしようじゃないかというもの。一つの答えをドンと提示してくれていたら、星5つでした。喩えるならば、ゴール前までドリブルで切り込んでいって、シュートを打てるようなところなのに、誰かにパスするFWでしょうか。

    「物語」というものが失われがちな現代というところからはじまって、
    これまで考えられた、「正義」を位置づける数々の思想の紹介と論考。
    そして、そ

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    2013年03月21日
  • 社会は絶えず夢を見ている

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    「日本語で考えること」「コミューン主義」「リスク社会」「現代における革命」の4講から構成。一読読解困難な面もありますが、3.11後の日本、および現代資本主義に対する思考的アプローチとして重要な視座が書かれています。

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    2013年02月09日
  • 二千年紀の社会と思想

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    大学のゼミの先生とその恩師との対談集。現代社会の問題に対して、理論的に大きなスケールで構想されようとしている姿勢は素晴らしい。自分なりにも考える上で刺激を与えられる本。

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    2012年11月20日
  • 「正義」を考える 生きづらさと向き合う社会学

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    サンデルの「これからの「正義」の話をしよう」を意識して書いたと思われる、大澤版「正義についての話」だと思う。

    サンデルは、コミュタリアンとしての正義を書籍で語っていたが、大澤氏は、サンデルと同じように功利主義、リベラリズム、コミュタリアン、アリストテレスと展開しながら、コミュタリアンの限界も指摘している。

    その上で、資本主義や普遍的な正義も絡めながら、冒頭の1章で引用した「八日目の蝉」の物語のように人は感動することから、「癒し」というキーワードで現代社会ををまとめている。

    サンデルが講義から始まったように、この本も講義から文章を起こしたようでわかりやすいが、前半が非常にまとまっているのに

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    2012年09月08日
  • 不可能性の時代

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    ※ 超単純化した、独断的な説明です。

    本書のテーマは、終戦から現在までの「戦後日本」の時代の移り変わりです。

    日本人が時代ごとにどんな生き方をしてきたか?また、今どんな生き方をしようとしているのか?
    この疑問に答えてみた、という本です。

    本書の内容に関して、まず人が生き方を決めるときの「基準」・「指針」について考えてみます。

    かつて日本では、その基準や指針の典型的なものは「親父」でした。
    これについては、今NHKでやってる『梅ちゃん先生』なんか見てると、少しはイメージできるかと思います。

    「親父」が家族の生き方について、これは良い・あれは悪い、と決めるポジションに就いている。
    だいた

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    2019年10月24日
  • 生きるための自由論

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    ネタバレ

    2本の論文からこうせいされている。一方は科学的な見地から。他方は哲学的な視点から。2本目は正直よくわからない部分が多かった。1本目は面白かった。自由とは他者による愛や承認があって成立する=第三者の審級 など個人的に興味深い内容であった。

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    2012年07月12日
  • 社会は絶えず夢を見ている

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    資本主義のもとでは、常に未来の快を考えねばならず、その連鎖は終わることがない。それゆえ、未来の快そのものの内容がどんどん抽象化され、その果てに快自体が不可能であるという事態が来る。快は超越的な規範(第三者の審級)とも置き換えられる。利潤獲得のためのさらなる投資は、止むことはない。この資本主義の単純なメカニズムを用いて、新しい社会構造を模索していくと、コミュニタリアニズムはある決定的な社会の構造を見逃していることに気づく。

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    2012年07月07日