大澤真幸のレビュー一覧

  • 三島由紀夫 ふたつの謎

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    その疑問2つ、まさに同じく不思議だった。完全に納得したわけではないが、読み解いていく、という醍醐味を味わえた。

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    2019年06月05日
  • アメリカ

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    アメリカについて、宗教(プロテスタント)とプラグマティズムという観点からの考察が深く書かれていました。
    平等主義を掲げながら黒人差別や奴隷制度などが残る矛盾についての考察が特に印象的でした。
    アメリカ人の思想について知らなかったことが多く、興味深かったです。

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    2019年05月20日
  • 社会学史

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    社会学の入門書としてはちょっとハードルが高いけど、一回いろいろさらった人が読むとものすごくわかりやすい。

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    2019年05月04日
  • アメリカ

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    米国という極めて特殊な国を理解するための深掘りとして、キリスト教(しかもプロテスタント)、そしてプラグマティズムという切り口から二人の学者が対話をする。「本気でキリスト教を信じる人たちの国」それがプロテスタントの独特の考え方と相俟って、無神論のような色彩も帯びていたりして、きっと日本人には分かりづらいだろう。
    そして日本が米国のことを理解していないにもかかわらず、米国が好きであり、かつ米国に好かれていると思われている!米国という存在の不思議さを感じさせられる。

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    2019年04月29日
  • 社会学史

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    様々な学問の中でも、19世紀~20世紀になってそのディシプリンが確立された社会学は、比較的その歴史が浅い部類にあたる。しかし、歴史が浅いという点は、その学問自体の重要性とは何も関係がない。むしろ、近代において、社会学という学問がなぜ発達したのか、そして社会学とはどのようなイシューをその固有主題として成立したのか?、というごく自然な疑問に答えるのは実はなかなか難しい。

    本書は、一つの学問史としてなかなか統一的なパースペクティブを描きにくい社会学の歴史にターゲットを当てた一冊である。本書では社会学固有の主題とは「社会秩序はいかにして可能か?」という1点にあることが提示された上で、社会学の始祖たる

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    2019年03月31日
  • 生権力の思想 ──事件から読み解く現代社会の転換

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    ネタバレ

    恐らく、ベースとなる通底する論拠がないのであろう、つらつら文章が流れるだけで、何を訴えようとしているのかが、わからない。
    大澤との結論とは別に、抵抗への主体を紹介している、ソクラテスに代表される真理を語るパレーシアに見た。
    権力への抵抗は、包括的に権力に依存する。
    第3領域において、真理を語る主体、運動の方が、余程、権力にとって、厄介だ。

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    2019年03月27日
  • 三島由紀夫 ふたつの謎

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    三島由紀夫の自殺、「豊饒の海」の結末の謎を解きほぐす。

    抜粋: 「一の内的不可能性 」は 、 「一 (存在 )」でもなければ 、 「 0 (虚無 ) 」でもない 。…三島由紀夫の出発点に一の内的不可能性があり、豊饒の海を見たのだろう>

    「永遠回帰、すなわち、虚無の世界が永遠に繰り返す。だからこそ生きるに値すると肯定できる」のは超人なんでしたっけ(ニーチェ)…三島由紀夫は超人ではなかったのだろう。そこで彼はイデアの肯定行為として自傷した、は了解するとして、政治的行為でそれを果たす必然性は、依然未解決では?

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    2019年02月13日
  • アメリカ

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    キリスト教とプラグマティズムからアメリカを考えるとういことで、プラグマティズムはあまり知らなかったので勉強になった。

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    2019年01月14日
  • 資本主義という謎 「成長なき時代」をどう生きるか

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    資本主義の定義、歴史、現代での位置付け
    ・長い16世紀
    利子、法人の概念の発展と宗教の役割(キリスト教の抵抗)
    法人の概念により複数世代に渡る永続的な投資が可能に→イギリスの海洋権益拡大
    スペインが陸を支配しようとしたのに対してイギリスは海(貿易)を支配→資本主義的支配
    中国の明も航海を行ったが資本主義がなかったためアフリカ等の支配には至らなかった
    オランダは固定資本で海洋拡大したがイギリスは事業ごとの資本調達→永続性

    ・現代
    現代における資本主義の限界と永続可能性
    ゼロ成長社会が示唆すること、その捉え方
    「桐島部活やめるってよ」が現代社会において意味すること

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    2018年11月23日
  • 不可能性の時代

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    ネタバレ

    同著者『虚構の時代の果て』とセットで読むのがいいと思う。『虚構の時代の果て』でまず筆者の言わんとする「虚構」の概念、枠組みを捉えた上で、「虚構」がどのようにして「不可能」へとすり替わる・移行するのか、その過程に目を向けた本『不可能性の時代』であるという印象。

    実例として取り上げられているのが子供時代のわたしにも強く印象に残った(かつ多くの人も覚えているであろう)かつての少年犯罪の数々なので、理解しやすい。時代の変遷に伴い、少年犯罪の加害者の心理、動機が全く反転しているという指摘が面白かった。
    「オタク」をめぐる様々な概念についても、オタクの社会の捉え方、他者との関わり方等々、言われてみれば思

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    2018年10月03日
  • 憲法の条件 戦後70年から考える

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    木村草太の対論を連読。今回は、社会学者・大澤真幸が相手でしたが、二人の学者によって非常に高尚なレベルでの憲法論が展開されているのはわかるにしても、それが私たちにどうつながっているのか、他人ごとに思えてしまうのでは、今の憲法との関係と同じになってしまいます。
    二人には、それを自分ごとと感じさせる工夫を、私たちもそれを受けとめる努力が必要だと思います。

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    2018年03月13日
  • おどろきの中国

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    あの愚策である、文化大革命の良い面として、中国の長い歴史に根付いた伝統を無化した功績が大きいとある。それにより、伝統の拘束力が低下してこの後につづく改革開放がいっきに進んだ。今日の中国の資本主義化がスムーズに移行できたのも納得がいくわけである。

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    2018年02月11日
  • おどろきの中国

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    このシリーズはなかなか面白い。
    橋爪先生をちょっとよいしょしすぎなような感じはするが。
    中国に住んでいたものとしては、納得できるところが多くあったような気がした。
    毛沢東に散々な目に合わされても、打倒するわけではないというのは今の北朝鮮に近いものがあるのかなというところ。
    しかし、毛沢東はブチギレてる人物だよな。

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    2018年01月14日
  • 夢よりも深い覚醒へ 3.11後の哲学

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    自分では当然と思っている事が、周りには受け入れられない。

    著者にとって、その1つが原子力発電です。危険で廃止するのが自明と思っているのに、3.11にもかかわらず廃止という意見が少ない。

    そんな時、ただ声高に主張するのではなく、どう行動すればよいか?

    著者は持論を展開していきます。それを成功/失敗と批評するより、「では、自分ならどうするか」と読後に各々が行動を工夫する事が、この本の効果になると思います。

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    2018年01月07日
  • 憎悪と愛の哲学

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    営利企業に就職し、ビジネスの論理やメカニズムを学んでいく過程で僕にとっての最大の疑問は、「なぜ企業は成長を宿命づけられているのか?」という点であった。もちろんそれは上場企業であれば、株式の評価が「成長性と収益性」によって決められているということが一つの解にはなるが、だとしても次の問いは「なぜ成長性が重要なのか?」という点となり、依然として先ほどの問いは解決されない。当時の僕は、十分に社員に給与を払うことができ、事業の安定性があるのであれば、過度な成長は不要なのではないか、と思っていた。

    結局のところ、その疑問に対する僕自身の現時点の答えは、資本主義とは永遠の成長を義務付けられたゲームである、

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    2017年11月19日
  • げんきな日本論

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    碩学の二人の対話は巧みなプレイヤーのジャズのように,お互いのフレーズを巧妙にアレンジしてさらに深い点にのめり込むといった,読んでいてぞくぞくするような場面が続出.例えば,幕藩体制の定義で,戦国時代が平和の裏に伏流している という表現は通常の歴史書には出てこない.さらに幕藩体制の政治原理に朱子学を持ってきたがうまくいかず,儒教と仏教をうまくミックスした という説.江戸時代の武士の正統性を何に求めるか苦労したこと 等々.非常に楽しく読めた.

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    2017年09月03日
  • 資本主義という謎 「成長なき時代」をどう生きるか

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    チャーチル『資本主義は最悪のシステムだが、これ以上のものはない』
    限界収益低減の法則、 数を重ねると満足度が下がる。→満足度のシェアをすれば、解決するのでは?パイをどんどん大きくすればよいのでは?

    サモア  最後通帳ゲームは3割を切ると拒否されやすい。 利子率革命 ウェストファリア条約 三十年戦争を終結させた世界最初の大規模講和条約
    →17世紀のドイツを中心として起こった宗教戦争です。
    荒廃するドイツにおいて、争いの渦中にいなかったプロイセンが台頭してきた。
    →家康?

    1618年から1648年まで、三十年間にわたって繰り広げられたため、こう呼ばれています。
     中世ヨーロッパ 利子悪いの

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    2017年09月01日
  • 考えるということ 知的創造の方法

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    社会学者として最もリスペクトしている大澤真幸さんの著書。序章の時点で気に入りすぎて付箋をいっぱい貼るほど。何よりも面白いのが、著者が本をどのように読み、いかにして思考を紡いでいくかを疑似体験できること。

    各章において、社会科学・文学・自然科学の名著をどのように読み解き考えるかも述べられている。自分の専門外の部分は、正直難しいが、例えば社会科学の部分では「時間」の概念の歴史的変遷などが分かり興味深い。著者の知識の深さに驚きながら読み進めることができる。

    ☆心に留めたい箇所
    ・思考を進化させるためには、書物の力を創造的に活用する技術を持たなくてはならない

    ・常に自分に問いかけると良い。この理

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    2017年08月12日
  • げんきな日本論

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    二人の非常に知的で好奇心溢れる対談が読むことができた。
    改めて日本という国の特異性が浮き立つ議論だと思った。

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    2017年07月27日
  • げんきな日本論

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    「ふしぎなキリスト教」の社会学者二人が日本の歴史に語り合った内容をまとめた本。
    歴史の流れに従って書かれているけれど、それぞれの時代の中での天皇の位置づけの変遷が興味深い。
    「あさきゆめみし」だとか「世に棲む日日」を最近読んだっていうこともあるけれど。カミの子孫であったり、お飾りであったり、神輿にのせられたり。
    学生の頃、歴史の授業で習った単語が出てくるけど、そういった点を線で結ぶ作業もしないとな。

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    2017年05月22日