大澤真幸のレビュー一覧

  • 思考術
    自由なはずの研究は、権威に拘束された探究よりもはるかに浅薄な命題しか導き出せない。何者かに不法侵入されたことによって思考は深まり、歩みを続けるのだ。そして、いい問いとは、こうした事情から思考せざる負えなくなったテーマ(問い)である。切実なテーマは、一見何の関係性も無さそうな様々な事象と結びつく。”答...続きを読む
  • おどろきの中国
    いろいろと「おどろき」ました。
    中国は3回旅行しましたが、その時に感じた疑問のいくつかが解決しました。
    2013年2月に出版されていますが、台湾問題なんかは、橋爪先生の予言通りに推移してますね。

    本書で触れられる日中関係等の近代史の解釈は納得できない人もいるでしょうが、
    それ以外の中国についての話...続きを読む
  • 「正義」を考える 生きづらさと向き合う社会学
    大学時代にこの本で出てくる人物を聞いたので、すごく懐かしく読めました。

    今の時代ストーリー化されない、かなり難しい時代。
  • 「正義」を考える 生きづらさと向き合う社会学
    授業で著者のことが紹介されていたので読んだ。
    正義論の変遷について学ぶことができた。

    <功利主義>(ベンサム)
    最大多数の最大幸福

    <リベラリズム>(カント)
    定言命法(汝の~行為せよ)

    <コミュニタリアニズム>(サンデル等)
    多文化相対主義(共同体の慣習の指向する共通善を重視)
  • おどろきの中国
    内容の濃い鼎談.中国の特性を細かく分析している.中国との関係を欧米風の国際関係の観点から見る危険性を指摘している.朝貢体制が存在していたと述べている.また、日本の侵略に関して明確な意図がなかったとも指摘している.日中関係はやはり難しいことが再認識できた.
  • おどろきの中国
    13年前に中国に1年ほど留学したときの感想は、
    「なんなんだ、この国は!」

    本書でも紹介されている小室直樹先生の『中国原論』でその“特異さ”はある程度予習したつもりだったが、実際見て体験した国はまさに驚きの連続だった。

    本書は3人の社会学者の鼎談で、中国なるものの原理、日中の近代化の近代社会学的...続きを読む
  • 資本主義という謎 「成長なき時代」をどう生きるか
    成長戦略とは聞くが人の数に限りがあり、市場も限られている以上「成長し続ける事が可能なのか?」という疑問を持っていた。
    そんな疑問に答えてくれる入門書です。
    最後の章で「成長」の無い時代に、どう未来を切り開いていくかを論じています。
  • 資本主義という謎 「成長なき時代」をどう生きるか
    社会学者と経済学者の対談本。とはいっても、水野さんは経済学者と言っても、歴史の造詣に深く、利子率革命からの歴史から見た経済学の著書が多い方なので、歴史の観点から見たら、人、経済システム、国家システムなどを絡めた対談となっている。

    水野氏の主張は一貫しているので、出版された本を読めばよいと思うが、対...続きを読む
  • 資本主義という謎 「成長なき時代」をどう生きるか
    二人の対談集だが、水野氏については、「終わりなき危機」で非常に詳しく自分の主張を書いているので、主張そのものを知るにはそっちを読んだ方が良い。
    というか、前著を読んでしまうとこの本を読む意義があんまり無い様な気もする。敢えていえば、分かり易くなった入門的な位置づけか。

    資本主義がフロンティアを求め...続きを読む
  • 資本主義という謎 「成長なき時代」をどう生きるか
    法的には資本主義、システム的には……もはや資本主義の終わりの始まりになっているのが今なのでしょう。

    社会学者と経済学者の対談で、この社会の中で経済がどのように機能しているかを立体的に考えることができました。

    個人的には、世界史に全く疎いので、16世紀の話について行くのがやっとでしたが、確かに、今...続きを読む
  • 資本主義という謎 「成長なき時代」をどう生きるか
    資本主義の本質を蒐集(博物館)の論理と捉える点が面白いが、その蒐集の論理がなぜ生じたかは、更なる検討が必要。
  • 「正義」を考える 生きづらさと向き合う社会学
    より良い社会を作るにはどうしたら考え、行動したら良いか。そういうことを論じて、提示してくれる本だと思って読んだのですが、そうではなくて、あくまで「正義」を「考える」という体裁です。つまりは、より良い社会を作るための土台としての知識、勉強をこの本を通してしようじゃないかというもの。一つの答えをドンと提...続きを読む
  • 社会は絶えず夢を見ている
    「日本語で考えること」「コミューン主義」「リスク社会」「現代における革命」の4講から構成。一読読解困難な面もありますが、3.11後の日本、および現代資本主義に対する思考的アプローチとして重要な視座が書かれています。
  • 二千年紀の社会と思想
    大学のゼミの先生とその恩師との対談集。現代社会の問題に対して、理論的に大きなスケールで構想されようとしている姿勢は素晴らしい。自分なりにも考える上で刺激を与えられる本。
  • 「正義」を考える 生きづらさと向き合う社会学
    サンデルの「これからの「正義」の話をしよう」を意識して書いたと思われる、大澤版「正義についての話」だと思う。

    サンデルは、コミュタリアンとしての正義を書籍で語っていたが、大澤氏は、サンデルと同じように功利主義、リベラリズム、コミュタリアン、アリストテレスと展開しながら、コミュタリアンの限界も指摘し...続きを読む
  • 不可能性の時代
    ※ 超単純化した、独断的な説明です。

    本書のテーマは、終戦から現在までの「戦後日本」の時代の移り変わりです。

    日本人が時代ごとにどんな生き方をしてきたか?また、今どんな生き方をしようとしているのか?
    この疑問に答えてみた、という本です。

    本書の内容に関して、まず人が生き方を決めるときの「基準」...続きを読む
  • 生きるための自由論
    2本の論文からこうせいされている。一方は科学的な見地から。他方は哲学的な視点から。2本目は正直よくわからない部分が多かった。1本目は面白かった。自由とは他者による愛や承認があって成立する=第三者の審級 など個人的に興味深い内容であった。
  • 社会は絶えず夢を見ている
    資本主義のもとでは、常に未来の快を考えねばならず、その連鎖は終わることがない。それゆえ、未来の快そのものの内容がどんどん抽象化され、その果てに快自体が不可能であるという事態が来る。快は超越的な規範(第三者の審級)とも置き換えられる。利潤獲得のためのさらなる投資は、止むことはない。この資本主義の単純な...続きを読む
  • ふしぎなキリスト教
    西洋の前提になるキリスト教について、徹底的に考える、日本人。

    幼稚園からキリスト教系だったので、あまりキリスト教について、深く考えることもなく、自然に捉えていたのかもしれない。それは、わかったつもりになっていただけだったのかもしれない。

    タイトルはキリスト教ですが、比較対象として他の宗教もあげら...続きを読む
  • 社会は絶えず夢を見ている
    著者の講義録。
    自分が東大に入れないことを考えると、講義録って嬉しいのかな?
    サンデルの白熱教室みたいなものでしょうか。
    実際に現場で講義を受けてみたいですけどね。