大澤真幸のレビュー一覧
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イスラム教に対して感じてきた疑問に、クリアーに答えられてる気がする。特に、キリスト教との対比において。
アッラーの最大の性質は「慈愛」
旧約聖書のヤハフェの冷酷さとは対照的。
イスラム教では「ヨブ」はありえない。
不幸は悪いことをした報いであるから。
イスラム教は神の謎を消して明確化した。
キ...続きを読むPosted by ブクログ -
社会学者の大澤氏と憲法学者の木村氏の対談本。
内容は興味深いが、対談形式だと、少し理解しにくい。
個人的には、木村先生単独の作品のほうが、ギャグや小ネタが入っていて面白い。Posted by ブクログ -
これは生権力について語っているのだろうか。フーコーをメインに語ってるというかというと、違う。むしろいつもの大澤節というべき、猟奇犯の動機推理小説。主体の客観的同一性の自己崩壊から甘さの再措定へ。
そこからでてくるのは、神のゾンビ。価値の生々しい否定によって別の超越的価値を復活させる錬成術。
そして、...続きを読むPosted by ブクログ -
最低限、同著者の『不可能性の時代』(岩波新書)を読んでいないと、まったく理解できないと思われる。相変わらずの衒学趣味とアクロバットな力技には辟易させられることもあるが、さまざまな社会問題に対するちまちました対症療法の繰り返しにうんざりしている向きには魅力的な問題提起ではある。少なくとも第3章と第5...続きを読むPosted by ブクログ
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規律訓練型の権力から逃れるために、むしろその権力が自己否定的な結果をもたらす程度まで徹底的に作動させること。
規律訓練型権力から管理型の生権力への変容を内在的に後付ることによって、権力に対する抵抗の足がかりを見出す。管理され尽くされること自体がその権力関係を内側から食い破っていく。
この論点はわ...続きを読むPosted by ブクログ -
資本主義の来歴と現状を広範に論じた対談。「知的遊戯」としては抜群に面白いし、新自由主義経済の犯罪的本質への批判も真っ当だが、「資本主義はこのままでは破綻する」という現状認識の域を出ないため、副題の「『成長なき時代』をどう生きるか」という問いに対する具体的・実践的な指針は示されない。歴史学サイドとし...続きを読むPosted by ブクログ
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功利主義の最大の問題は「普遍性」を放棄すること。
功利主義は。犠牲を正当化するケースからもよくわかるように、公平性に二義的な関心しか向けない。Cf. トローリー・ケース by イギリスの哲学者フィリッパ・フット p73
【修正功利主義】p74
「最大多数の最大幸福」のような目標を、数学ではダブルオ...続きを読むPosted by ブクログ -
ミシェル・フーコーが提起した「生権力」から現代社会において、生権力がなぜ、どのようにして規律訓練型から管理型へと転換したのかをオーム真理教事件、宮崎勉事件などをとりあげて説明する。私には少々難解でした。Posted by ブクログ