進化論は、産業の発展によって着想ができた。古生物学者のデイヴィッドラウプは、40億年の地球の生物の歴史の中で、99.9%の種は絶滅してきた。進化は、生き残りの歴史というより、むしろ、圧倒的な絶滅の反復であるということから進化論をみる。
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絶滅のシナリオは、3つある。第一は、公正なゲーム。繁殖戦略上で有利な遺伝子をもっていた種が生き残り、不利な遺伝子をもっていた種が絶滅するというシナリオ。第二は、弾幕の戦場。単純に運が悪い生物が絶滅する。白亜紀末期(6500万年前)の天体(隕石)の衝突のことを考えてみよう。このときの衝突のエネルギーは、広島型の原爆の10億倍だった。過酷な場所に住んでいた運の悪い種が絶滅。第三は、理不尽な絶滅。ゲームのルールが変わって、たまたまそのルールにあったものが生き残る。それは、進化ではない偶発性のものだ。