考えるということ 知的創造の方法

考えるということ 知的創造の方法

ビジネス・実用
968円 (税込)

4pt

3.5

読み、考え、そして書く――。考えることの基本から説き起こし、社会科学、文学、自然科学という異なるジャンルの文献から思考をつむぐ実践例を展開。創造的な仕事はこうして生まれる。

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    社会学の大澤先生の思考論。
    考えるにあたり、書物の力を媒介とする点は、編集工学の「探究型読書」と似ている。

    以下が主な命題。
    ・何を、いつ、どこで、いかに、なぜ考えるか
    ・ショックがあった思考が起動する・・・ジル・ドゥルーズの「不法侵入」 
    ・が、常識の壁を破るのはなかなかに難しい
    ・思考を化学反応ととらえると触媒となるのは、他者と書物
    ・書物の力をいかに創造的に活用するかがテーマ


    読んで考える、という観点で、テーマごとに下記の書物が取り上げられている。いずれも考え甲斐があるのは間違いない。また思考の共鳴を促すようにも編集されている。

    社会科学:主題 時間・・・真木悠介「時間の比較社会
    学」(ハイデガー「存在と時間」)、カール・マルクス「資本論」、ベネディクト・アンダーソン「想像の共同体」、エルンスト・カントーロヴィチ「「王の二つの身体」、マックス・ヴェーバー「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」

    文学:主題 罪・・・夏目漱石「こころ」、ドストエフスキー「罪と罰」、赤坂真理「東京プリズン」、イアン・マキューアン「贖罪」、フィリップ・クローデル「ブロデックの報告書」

    自然科学:主題 神・・・吉田洋一「零の発見」(春日真人「100年の難問はなぜ解けたのか」)、大栗博司「重力とは何か」、ヴィクトル・I・ストイキツァ「絵画の自意識」、山本義隆「磁力と重力の発見」、リチャード・ファインマン「光と物質のふしぎな理論」・ブライアン・グリーン「エレガントな宇宙」


    なお、実務的に書くを扱った章も新鮮。「思考は書くことで完結する」は名言。
    (原稿の依頼 執筆 公表 などの実務的問題)

    0
    2020年08月18日

    Posted by ブクログ

    いわゆる「知的生産」や発想法について、著者自身のこれまでの仕事を振り返りながら具体的な方法が語られている本だと思って手にとったのですが、中心となっているのは社会科学、文学、自然科学のそれぞれの分野からいくつかの本を導きの糸として、大澤社会学の比較的新しい展開を語ったものになっています。

    社会科学篇では、真木悠介の『時間の比較社会学』を導きの糸として、時間についての理論社会学的な考察が展開されています。時間意識のありかたが社会によって異なることを論じつつ、西洋近代における時間意識の背後に、予定説によって想定された神の位置から自己を規定するとともに、そうした自己の視点から逆に神を規定するような見方が可能だと述べられ、そうした見方にもとづいて未来の他者への倫理の展望が示されることになります。

    文学篇では、夏目漱石の『こころ』、赤坂真理『東京プリズン』、イアン・マキューアン『贖罪』などの作品の解釈がおこなわれています。社会科学篇で提示された倫理とも共振するような思索をそれぞれのテクストのうちに読み込むとともに、「罪」というテーマをめぐる魅力的な考察がなされています。

    自然科学篇は、耳目を引くような科学上のいくつかの事実を紹介しつつ、「存在」についての考察がおこなわれています。

    期待していた内容とはちがいましたが、興味深く読むことができました。

    0
    2020年02月18日

    Posted by ブクログ

    この頃読んだ本の中では比較的面白かった。特に文学編における読解の仕方やアプローチは刺激的だったし、読みたい本も増えた。が、副題の「知的創造の方法」そのものは取り立てて一般的で、目新しさはない。ただこれに関しては本質とは得てしてそういったものだと言えるかもしれない。
    あとは一冊の本としての構成がややアンバランスに感じた。骨太な1章から3章と比べて序章と終章があまりに軽すぎるのだが、「知的創造の方法」自体は主にそのふたつの章で語られている(1章から3章は、方法を実践するとこのように考えられる、という著者自らの実例だ)。方法論の章も思考実例同じくらい骨太にしろというのは無茶な要求とは思うが、何かやりようはあったのではないかと思う。正直読んでいて温度差に面食らってしまった。具体的な改善策がなくて申し訳ないが、感じたことを記録しておく。

    0
    2019年07月13日

    Posted by ブクログ

    私は考える,この世界を。

    難しいところもあったけど,とりあえず読みとおした。考えること,そして書き表すこと。決して止めてはならないと思う。最近,あまり考えてないけど。

    0
    2017年07月02日

    Posted by ブクログ

    『考えるということ』を、社会科学、文学、自然科学から見ていく。
    言い方が難しいけれど、各分野の権威がそれぞれ何をきっかけにして、どう考えたかということを詳しく述べていく。
    なので、それぞれの章にはテーマがあるのだけど、そこから大きく考えることそのもののとっかかりにもなる構成。

    とは言え、哲学的要素の多い部分は私には理解出来なかった。
    特に社会科学の章。時間という概念の話。
    過去、現在、未来に対する意識。
    面白い問題提起は、なぜ、夜中0時に日付けが変わるのか、というところ。

    文学の章が、一番分かりやすかった。
    「罪」と赦しと神。
    『こころ』『罪と罰』『東京プリズン』の前半は読んだ作品であるから余計、入り込めた。
    ここにも社会科学で語られた視点が存在する。

    自然科学の章では、0の発見とポアンカレ予想という数学的視点から、重力と粒子という物理学的視点を重ねてスライドしていく。
    これも、面白かった。
    観念的であることと、唯物的であること。
    科学的な見方とは一見唯物的であるように思うが、見えないものの世界では、ともすると観念的な視点が必要であるということか。

    これを書き上げた筆者はすごいなぁと思わされるが、全て細かく理解することを求められる中身ではないようにも思う。
    ここで挙げられたことの幾つかを残しておくことで、いつか自分の問題意識と重なってアンテナに引っかかるように思う。

    0
    2017年01月22日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    社会学者として最もリスペクトしている大澤真幸さんの著書。序章の時点で気に入りすぎて付箋をいっぱい貼るほど。何よりも面白いのが、著者が本をどのように読み、いかにして思考を紡いでいくかを疑似体験できること。

    各章において、社会科学・文学・自然科学の名著をどのように読み解き考えるかも述べられている。自分の専門外の部分は、正直難しいが、例えば社会科学の部分では「時間」の概念の歴史的変遷などが分かり興味深い。著者の知識の深さに驚きながら読み進めることができる。

    ☆心に留めたい箇所
    ・思考を進化させるためには、書物の力を創造的に活用する技術を持たなくてはならない

    ・常に自分に問いかけると良い。この理論や概念は、自分が自分の問題を考える時にはどういう表現になるだろうかと。

    ・自分は何かにインパクトを受けた。それは人生の中でずっと持続させたい。あるいは他人に伝わってほしい。そのためには十分考え抜いて言葉にするしかない。

    思考したことを相手に伝える楽しさをこの本を通じて感じることができた。本を通して感じたことをきちんとアウトプットすることで、自分の考えを他者に伝える力を身に付けたいと思う。

    0
    2017年08月12日

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