大澤真幸のレビュー一覧
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大澤真幸が、911テロの問題を様々な視座から抜本的に問い直していく。
『虚構の時代の果て』でも言えることですが、やはり他者の他者性、他者としての他者、あるいは「他者」といったものが
大澤真幸を読み進めていく上で基幹となるテクニカルタームであると思う。
この「他者」という大澤氏の考えがわかると、非常に...続きを読むPosted by ブクログ -
ニーチェの『道徳の系譜』を読み解くとともに、彼の道徳批判がもつ超越論的な意義を解き明かそうとする試みがおこなわれています。
ニーチェの道徳批判といえば、われわれの道徳的な心性の背後にルサンチマンが控えていることを指摘したものとして広く知られています。しかし著者は、ニーチェの道徳批判を、いわゆるモラ...続きを読むPosted by ブクログ -
死者が生者を元気づけるように、「未来人」が生者を励ますことが出来れば、我々の将来は明るいものになるだろうなと小説のような感想を持ってしまいました。
本書は著者も言うように「幽霊本」です。それは、後世の人々に影響を与えられればという呪いの書のような側面があるからです。
キューブラー=ロスの精...続きを読むPosted by ブクログ -
秀逸の現代ロシア論・現代中国論・現代資本主義論
社会学者・大澤真幸(おおさわ・まさち)氏が朝日新聞出版のPR誌「一冊の本」に長期連載している「この世界の問い方」をまとめたもの。
第1章の「ロシアのウクライナ侵攻」ではロシア(≒プーチン)がなぜこんな戦争をしてしまうのかをロシアの心性から解き明かす...続きを読むPosted by ブクログ -
プーチンのウクライナ侵攻の発想を事細かに分析しており、ロシア人の思いとプーチンの最終構想を述べているが、ある程度理解できたと思っている.プーチン(ロシア人)のヨーロッパに対する深い劣等感とそれに由来するルサンチマン(怨恨)が根底にあるとの議論は面白かった.中国とアメリカの体制に関して、前者の権威主義...続きを読むPosted by ブクログ
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来月講演をお聞きする機会もありそうなので
読んでないと言うのも如何なものかと手に取る。
綻びを見せる資本主義。だからといって共産主義を
呼び起こせではない。
|マルクスだって、昨今、斎藤幸平さんが
|人新世の「資本論」でも指摘するように、
|共産主義の後がある。自然/人間/環境を
|繋ぐ思...続きを読むPosted by ブクログ -
ハイデガーの『存在と時間』の解説書です。
『存在と時間』はかつて、既刊部分のみをもとに実存哲学の代表的な著作とみなされていましたが、その後「存在の問い」というより大きな問題設定のなかで『存在と時間』の位置づけを見なおすことの必要性が主張されるようになり、日本でも木田元が多くの著作を通じて、そうした...続きを読むPosted by ブクログ -
現在2023年4月末。先日、まもなく新型コロナが5類になることが正式決定されたとニュースで流れた。
この本に掲載されているインタビューや手記は2020年。コロナ禍がいよいよ始まり、おそらく世界中の誰もが、今まで非日常と思ってきたことを日常的なものとしなくてはならないという不安に覆われはじめてきた、そ...続きを読むPosted by ブクログ -
バタイユによれば、内的体験とは通常、神秘体験と呼ばれているものであり、自己が脱自、法悦、瞑想的感情の状態へと至ることである。それはブランショの夜、レヴィナスのある、に重ね合わせた経験であり、そこでは主体は非知であり、対象としては、未知のものであるような、主体と対象の融合に到達する。
非知は、脱字を...続きを読むPosted by ブクログ