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なぜ他のものは捨てられても、
天皇制だけは捨てられないのか?
悠久の謎の根幹に挑む。
天皇とは何か。天皇制は何のために存在しているのか。天皇の家系は、どうして他の家系と比べて特別に高貴なのか。
こうしたことを誰にも納得できるように説明することは、とてもむずかしい。だがいかにむずかしいとしても、天皇制こそが、日本人である「われわれ」は何者なのか、を理解する上での鍵なのだ。
天皇制の過去、現在を論じることを通じて、日本人とは何か、日本社会の特徴はどこにあるのかを探究する刺激的対談。社会学者と憲法学者が、誰もが答えられない天皇制の謎に挑戦する。
天皇制を理解することは、日本社会の中のひとつの政治制度や特殊な文化様式を理解すること(に尽きるもの)ではない。天皇制を見ることは、結局、日本人と日本社会の歴史的な全体を見ることに直結している。──大澤真幸
天皇制は、天皇・皇族にとっても、日本社会にとっても犠牲が大きく、他方で、それが果たしている法的役割も国民の関心も低い。この制度が存在すること自体が最大の不思議だと言わざるを得ない。──木村草太
【目次】
第1章 現代における天皇制の諸問題──象徴、人権、正統性
第2章 歴史としての天皇制──上世、中世、近世まで
第3章 近代の天皇制──明治維新から敗戦まで
第4章 戦後の天皇制──憲法、戦後処理、民主主義
Posted by ブクログ 2023年08月10日
天皇という存在の不思議さ、ユニークさ、将来性に対する不透明さを社会学者と憲法学者が語る内容が実に斬新に感じた。女性・女系天皇を認めたとしても、今の少子化時代にあっては天皇家の絶滅はかなり有り得ること、天皇や皇室には基本的人権がなく、むしろ内閣の奴隷的な存在であり、その犠牲の上に日本国が成り立っている...続きを読む
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