大澤真幸のレビュー一覧
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資本主義の「終わり」を大きな観点から論じた対談。目先のこまごました事象は気になるが,こうした大局的な見方を自分のものにしておくのは大事。Posted by ブクログ
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水野和夫と大澤真幸の顔合わせは意外だったが、以前より知り合いだったらしい。2人の対談を通じて、経済学的な観点と社会学的な観点から、いまにも崩れそうな資本主義について、歴史的なスパンでとらえ直している。
近代とともに発展した資本主義は、現代に至ってかつてないレベルでグローバル化した。この帰結として、搾...続きを読むPosted by ブクログ -
尊敬する社会学者の一人、大澤真幸さん。今回もおもしろかった。どこかでもう一度読み返したい。『不可能性の時代』と合わせて読むと、より効果的かと。
原子力を巡る「信と知の乖離」や、「例外の守備範囲の拡大」などは、多くの人が共感できると思う。また、ロールズの正義論の限界を乗り越えられる理由として、「未来...続きを読むPosted by ブクログ -
資本主義は普遍的なものなのか、過渡期的なものなのか?なぜ西洋〜キリスト教の下で発生したのか?国民国家と資本との関係は?
ローマから始まって、スペイン、オランダ、イギリス、アメリカ、日本、EU…。歴史上、ヘゲモニー国家は生産拡大→金融拡大→バブル→崩壊というサイクルで移行して行きます。その指標とし...続きを読むPosted by ブクログ -
大澤先生の新書での著作。いつもの議論の展開ではあるが、権力と身体とのあり方についての考察。個人的には「見られているかも知れない不安」から「見られていないかもしれない不安」への転換についての議論は非常に面白かった。まだ自分の頭も十分に整理は出来ていないので、何度か見返したい。Posted by ブクログ
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震災・原発事故のお話を、フロイト、ロールズ、江夏、イエス・キリスト…と相変わらずの「そんな無茶な」と思わせるアクロバティックさを保ちつつ、その説得力に今回も驚きました。Posted by ブクログ
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『夢よりも深い覚醒へ』岩波文庫・大澤真幸
正直言って自分の手には余るテーマだけれど、こういう時世だからこそあえてレビューを。3.11を受けて、原発のありかたの是非を根源的に問う哲学書。この問題設定をおこなう以前に答えは決まっている。かくも危険な存在であると分かっている原発をなぜに容認してしまうのか...続きを読むPosted by ブクログ -
「これからの千年を人類はどう生きるべきか?」
震災をはさんで『atプラス』でおこなわれた対談に加筆を加えて収録するとともに、90年代の重要な対談、そして大澤さんの原発事故に関する論考 を収録。ものごとを大きな射程でとらえるという前提に立ち、「人間とはどう生きるべきか、社会はどうあるべきか」について...続きを読むPosted by ブクログ -
[ 内容 ]
9・11テロは、文明の「外敵」が引き起こした事件というだけではない。
アメリカを含む「私たち」の内にも、イスラーム原理主義に呼応する側面があるのではないか?
テロリストは、私たちの内なる欲望を映し出す鏡ではないか?
文明間の衝突は、同時に私たちの文明の内なる衝突ではなかったか?
現代世...続きを読むPosted by ブクログ -
201103/
ウォルター・リップマンの『世論』/
世論の形成においてエリートの存在がいかに重要か/
個々の市民は群集の中におぼれている。だから、彼らにはローカルなものしか見えていない/
エリート知識人があたかもすべてを見通しているかのように人に思われることは、世論が形成され、民主主義がうまく機能す...続きを読むPosted by ブクログ -
むむ、この人はすごい。
素直にそう思えた本。
ありきたりなことでなく、
しっかりと自分の頭で一から思考している学者だなと。
「第三者の審級」とか「愛」についてのくだりとか、
思わずそっか〜っと感心する話がボロボロでてきた。
言い回しがややわかりずらいところがあったような気もしたが、
知的な刺激...続きを読むPosted by ブクログ -
「他者性」、他者になる(赦す)こと(デリダとハーバーマスを超えて)、といったことで、これは2005年あたりからいってきたこと。今回新書だからかわかりやすくて、丁寧で、攻撃的。この人が50人くらいいれば世界は変わると思う。とりあえず政治家になるか、ブレーンになるか。Posted by ブクログ