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Posted by ブクログ
社会学の古典に着手する前の準備段階として、社会学史を押さえておきたく本書を再読。「社会秩序はどのようにして形成されるのか」という社会学固有の問題意識が誕生した背景と各理論の繋がりを俯瞰できました。どの学問にも言えることだと思いますが、特に社会学は各時代の具体的な文脈と向き合うことが求められており、時代と向き合い、理解しようとする姿勢が欠如していると、独りよがりな営みになってしまうと感じました。その意味で、今起きていること・歴史に対して関心・問題意識を持つことが、社会学を学ぶ中で、最も重要な素養だと思います。歴史に疎く、きちんと学んでいなかったので、これを機に歴史を学びたいです。
Posted by ブクログ
著者の論理というか、問題意識がはっきりしているおかげで、歴史上のそれぞれの思想が驚くほど生き生きと頭に入ってきた。
以下、終盤のルーマンとフーコーの説明についての僕なりの理解。
ある要素は、システムを前提に他の要素との関係性によって相対的に構成される。システムの複雑化に伴い複雑性の縮減は進行し、アルシーヴの可能性の地平が拡張するとともに希少化し空間内での偏りが増す。偏ったアルシーヴ内で、可能性の地平が収縮して意味が選択されるとディスクールが立ち現れる。
一方、人間は社会を前提として他者との関係性によって相対的に構成される。社会進化に伴い生権力によるパノプティコン的支配が定着し、「告白」が常態化する。告白が蓄積され内面化され、他のあり得た可能性を否定して一つのアイデンティティが選択されると人間が立ち現れる。アイデンティティの構築には、告白だけではなく告白されなかった秘密も関与する。告白は選択されたディスクールに対応して、秘密はディスクールになり得たが否定された可能性に対応する。ディスクールが存在するためには、否定された可能性の地平が保存されている必要がある。
フーコーは権力を前提として人間が初めて立ち現れることを示したのち、人間が権力に抵抗する方法としてパレーシアに目を向けた。パレーシアは真実を語ることを表すギリシア語である。
パレーシアは、秘密のない告白、権力による監視を前提としない人間に対応するとみなせる。これはひいては、それでしかあり得ない必然的なディスクールを表すと考えられる。つまり、縮減していない空間内の全ての可能性がディスクールとして発現する場合にのみ、それらはパレーシアだとみなせる。しかしそれではカオス状態となりシステムとして機能しないためパレーシアは実現し得ず、人はレトリックを道具として利用し認識や表象を少なからず単純化せざるを得ない。
権力や社会システムがあることで初めて複雑性が縮減し、私たちは収縮したディスクールから成る制御可能な程度の複雑さをもつ秩序あるアルシーヴ(エピステーメー)を利用することができる。また、収縮した意味から構成される制御可能な程度の複雑さをもつ社会秩序がオートポイエーシス的に構築される。社会進化とは、社会システム内でその要素であるコミュニケーションの数の増加を指す。閾値を超えると本来カオス化するところ、その複雑性を縮減する方法が各段階に備わっており、たとえば近代社会ではそれが生権力である。複雑な社会に生きる人々は、物事をありのままに捉えたり発話したりすることはできない。
Posted by ブクログ
非常に面白い。社会学の歴史を、それぞれの理論の生まれた背景を含めて、的確に提示してくれている。そして、各学問には、固有の問があることを教えてもらう。
社会学においての基本命題は、社会秩序は、如何にして成り立つのか?である。
社会学初学習者である私にとって、社会学の外観と、それぞれの位置付けを知ることができ、自分の興味のある事柄や、今現在生きている理論がなんなのかも合わせて知ることができた。これから勉強を進める上での地図が得られた。
ルーマンの社会システム論を掘り下げつつ、社会学のアプローチと、地理学、システム論、法律、マーケティング、数理最適化などを合わせてみていく中で、土地利用の最適化や、認証系の有効性を検証して、自然環境保全に資する論理を立てられないだろうかと、夢想する。社会実装に向けたことわりを、探究したい。
大澤先生の研究室を訪ねてみようか?
Posted by ブクログ
社会学がどのような学問であり、どのような思想を辿って発展してきたのかを主要な人物と学説を用いて紹介していく内容である。600ページ以上と長いが、微妙な解釈の違いや世界の動向を簡潔にまとめられていると思う。大きなテーマとして、社会学の誕生、社会の発見、システムと意味に分けている。根底にあるのは、「社会秩序はいかにして可能か」という問いであり、これを基に読み解いていくと分かりやすいと思う。
社会学者は、一見何を考えるのか分かりにくい学問分野だと思う方にはぜひ読んでほしい。どの人物も社会が出来上がる方法、移り変わる法則、平和への方法を中心にあらゆる角度から物事を見ようとしていることが理解できるだろう。
本書を読んで、社会学に大きな貢献をもたらしたのは、マルクス、ヴェーバー、パーソンズだと思う。マルクスは価値形態論、ヴェーバーは予定説やプロテスタントについて、パーソンズは構造-機能主義を用いて功利主義で解決できないホッブズ問題を説明しようとした人物である。
本書以外にも様々な考えや現象について考察されていると考えると、人間同士の関わり方は数多の種類があり、それもフレームワークごとに異なるので、その複雑性に驚かされる。
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