城戸淳の作品一覧
「城戸淳」の「極限の思想 ニーチェ 道徳批判の哲学」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「城戸淳」の「極限の思想 ニーチェ 道徳批判の哲学」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
ニーチェの『道徳の系譜』を読み解く上で非常に参考になった。『道徳の系譜』初読の時点では全く見えなかった景色が、この本を足がかりに見えた。ニーチェ初心者は、できれば『道徳の系譜』とこの本を交互に理解しながら読み進めるのがいいのではないと思う。
しかしこの本で解説される部分は、『道徳の系譜』の特に大事なところ、要点に絞られるので、ところどころは自分自身で、あるいは他の解説書を参考にして読まなければいけないところもある。
また、『道徳の系譜』では触れられていないニーチェの思想も四章で触れられるが、『道徳の系譜』のみの解説で良い人には二章と三章で十分だろう。
それと、著者はニーチェが専門ではなく、
Posted by ブクログ
ニーチェの『道徳の系譜』を読み解くとともに、彼の道徳批判がもつ超越論的な意義を解き明かそうとする試みがおこなわれています。
ニーチェの道徳批判といえば、われわれの道徳的な心性の背後にルサンチマンが控えていることを指摘したものとして広く知られています。しかし著者は、ニーチェの道徳批判を、いわゆるモラリストたちのそれから区別しなければならないと主張します。モラリストたちは、表面上は道徳的にふるまっている人びとの心の奥底に、非道徳的な動機が存在していることを鋭く見抜きました。しかしそうした批判は、いまだ道徳そのものに対する問いなおしではありません。
著者は、「ニーチェがカントの批判哲学の超越論的
Posted by ブクログ
哲学的歴史を相剋したものとみなすとき、それが因果的な過去や史実に限らず、「昨日何をしたか」という個人の記憶や道徳的履歴まで含めて考えるべきだと感じた。その上で、結局、一人の人生は生まれながらの初期設定も含めて〝因果“あるいは〝予定説、運命論“で描き出せるものであり、ニーチェの超人という思想は、その関係性からの思考的離脱にあるのではなかろうか。
ルターやカルヴァンの予定説は、「人間は生まれる前から救われるか否かが決まっている」という救済の選別を前提とする。が、ニーチェは人間が自己を創造しうる「自己超克」を重視。つまり、予定説が押し付ける「すでに決まった運命」や因果論には反旗を翻し、自らの運命へ