村山由佳のレビュー一覧
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Secondseason7巻。
勝利がオーストラリアにいる間に、日本にいる面々で何が起きていたのかを、丈の目線で語られています。前巻で既に爆上がりだった丈の評価がさらに上がる7巻です。
いつの間にか、こんなに周囲の人々のことを思いやりことができる男になっていたのか。自分が未熟であることを知りながらも、現在の自分に出来ることを丁寧にやる、というのはなかなかの仕事です。
あの事件の関係者の中では、なんとも微妙な距離にいる丈。当事者のマスターや由里子さん、マスターと兄妹のかれん、加害者の勝利。全員との関係が、誰よりも強いというわけでないし、離れた距離から見ているというほど遠いというわけでもない。
むしろ、そんなどうにも踏み込めない、踏み込みすぎてしまうかもしれない、という距離感でありながら、必要な時に踏み込んでいける丈の心の機微は、なんという感覚なんだろうか。
マスターや勝利たちとのこれまでの繋がりが、丈を成長させたのでしょうね。それは、マスターや勝利も影響されているはずです。
自分に置き換えてみると、マスターの立場だったら、怒りに任せてしまうし許すことはできないだろうと思う。許す態度の裏に、いつまでも忘れられずに、些細なことで爆発してしまうという感じになってしまうと思う。
勝利の立場なら、逃げ出すしかない。逃げに逃げて、風見鶏のコミュニティーには関わらない。自分のしたことに向き合わず、逃げ出したまま。
丈の立場なら、時間が経つことを待つだけ。傷つけずに慰めているような、それっぽいことを言って、自分の身を守りそうだ。
どの立場でも、あんな事件があったなら仕方がないよ、という免罪符を利用して、自分のことだけを考えて生きてゆくと思う。なんと卑怯で惰弱な生き物であることか。 -
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Second season6巻。
ラストで感情が溢れてしまった勝利。後悔に囚われて、自分の感情を押し殺すしかなかった状態から、前進するきっかけになったのだろうか。
自分自身を追い詰めることが、見せかけの贖罪であるとは理解していても、そうすることでしかできなかったであろう日本での自分との別れになれば良いと思います。
どんなことがあっても、人は前に進むしかないのだから。
オーストラリアで出会った人々は、さまざまな悩みを抱え、自身の人生を歩んでいました。進めなくなって押し潰れてしまった佐藤さんや、迷路から抜け出せないリッキーのように、勝利が陥るかもしれなかった人たちも。
処理だけじゃない。アレックスもダイアンも秀人さんも、誰もが何かの拍子にをそれてしまうのかもしれない。
広大な土地を車で進むシーンは、人の歩む道の危うさの暗喩だったりするのだろうか。闇夜でなくて昼間で、行き先は見えているはずなのに、いつの間にか気づいたら違う場所を漂っているかもしれないという怖さ。
その危うさを抱えながら、人は日々を過ごし、さまざまな関係の中で互いに軌道を修正しながら、人生を積み重ねて歩んでゆくのでしょう。 -
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Second season5巻。
4巻の終わりを受けて、どんな形で始まるのかと思いきや、まさかのオーストラリアで開幕。あの出来事から半年後のオーストラリアからです。
秀人さんの元で、アボリジニ研究所のバイトとして過ごす日々。半年後でも、あの出来事の後悔は癒えてはいない様子。あの直後、どんな状況だったのかは語られていないので想像するしかないのですが、見るに耐えないものだったのだろうと思います。
その勝利を見たくないから、5巻を読むのが怖い、と思ったので半年後から物語が始まったのは一安心か。
ただ、それは物事と向き合わずに目を逸らしていることでもあるので、一時的な緊急回避ではあります。
南半球のオーストラリア。日本とは文化も生活リズムも違う場所で、精神を通常運転ができるくらいまでは戻すことが今は優先することなのでしょう。そうでないと向き合うことすらできない。星野りつこが弱ってどうにもならなかった時に、原田先輩と勝利が支えてあげたように、あの事件に向き合うための精神を取り戻すために。
でないと、贖罪はできない。たとえ、マスターと由里子さんが許してくれたとしても、自分で自身を許せずに、堕ち続けるだけになってしまいそうです。
そのキーパーソンになりそうなのが、アレックスか。
今まで出会ってきた人とは、全く違うキャラクターの彼女。劇薬のような気もするけど、予想外のアプローチで支えになってくれそうです。
今のところ、第一印象も間合いの詰めかたも最悪ですが。
丈の手紙が不器用だけど、真剣に勝利を案じてくれているのが伝わってきて優しい。弟分で悪友だったりするけども、親友と呼べる存在は勝利にとって、丈のことなんだなぁ。マスターや原田先輩、秀人さんと年上の存在ばかりが、勝利の支えであり憧れだったりするのだけど、丈もそういう存在でありました。 -
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Second season3巻。
前巻の不穏な幕引きは、大家さんチでの一件でした。
秀人さんかぁ。山男には惚れるなよ、という文言を思い出す人です。社会の通念を放り投げてでも、自分の意を通したいものがある。そのためなら、全てを投げ打っても構わない。という覚悟を隠し持って、ギリギリのところで踏みとどまっている人だ。
それは違うだろう、と思いもするけども、そういう覚悟を持って生きている人には憧れてしまうものです。自分の人生全てを、これまで培ってきたもの全てを捨ててでも、成し遂げたいものがあるのなら、自分自身のためだけに進むことを選ぶ。
憧れです。
そこに憧れる一方で、秀人さんのお兄さんの生き方が魅力がない、というわけではないのが困ったことです。
毎日コツコツチ小さな幸せを積み上げてゆく生き方。地味だけど堅実に、大きな喜びはないかもしれないけど、大きな悲しみもない生き方です。
過去の悪事から更生したから素晴らしい。それは賞賛されることだけども、悪事に身を染めないで行くことが一番。ニュアンスは違うだろうけど、ここの兄弟の違いって、こういうことなんだと思います。
秀人さんが悪い人ではないですけどね。
大学3年生だっけ勝利は。学生生活の終わりが近づいてきているであろう時期に、出会ってしまった秀人さんという存在。マスターともネアンデルタール先輩とも違う大人の男性との出会いは、勝利の行き先に何をもたらすのか、ですか。
勝利の進路が二人の行き先にどう影響するのかなぁ。かれんさんが突然アパートを訪ねてきた理由も不明だしなぁ。あとがきで不穏なこというので、暗い想像ばかりしてしまう。 -
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Second season2巻。
星とかれんの関係は安定飛行に入ったように思えるけども、そうは問屋がおろさないという引きです。そのきっかけとなった出来事が何なのかは、3巻なのでしょう。
大家さん関係な気もするけど、部活関係なのかなぁ。ために溜め込んだものが爆発してしまった、大人の人間関係のような気がするなぁ。
収録のサイド・ストーリー。かれんさん視点での語り。普段は勝利の一人称の語りなので、どうしてもかれんさんの気持ちは想像するしかなく、そのもやもやしたりやきもきする部分が、物語に引き込まれる要素なのですが。
それだと、勝利に偏りすぎだと思うので、たまにはかれんさん視点でもありだと思います。似たモノ同士だなぁ、と思うけども、それは誰しもが思うことであって、その不安や不信を少しずつすり合わせて、少しずつ埋めあって、そうやって進んでゆくのだと思います。
聞き手の桐島先生って、そうか「もう一度デジャ・ブ」の人か。「二度と離れ離れになりたくないんだ」の言葉で気づきました。懐かしいなあ。
運命的な出会いと別れを経験して、奇跡のように出会った二人でも、別れをいつかくるかもしれないこととして考えてしまうという事実。
永遠の愛は存在しない、というのは常に壊れているからかもしれないなぁ。壊れたら、作り直すの連続。その結果、永続に見えるから永遠と思うのかもしれないなぁ。 -
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Second season開幕。
タイトルの蜂蜜色の瞳の持ち主はかれんさんのことなのですが、その瞳がどんな状況でショーリを見つめてくるか、ということです。
前巻の「夢のあとさき」の内容を読めばわかるのですが、まあ幸せであること。
作品は違うけども、「天冥の標」の『混爾』はこういうことなのだろうな。
若菜ちゃんの悩みも、ここにあります。本能的に勘づいているから、不安になる。それをストレートに口に出してしまうと、裏切っている気持ちになるから、罪悪感で望むままに行為に及んでしまう、といったところでしょうか。罪悪感を盾にするという甘え。心当たりがあるようなないような。
進行中にはわからない。そして、本当に欲しいものが得られないから、簡単に手に入りそうに見える偽物に流されてしまうというのも、よくある話です。丈の彼女さんの過ちのように。
闇の星野りつこ再臨。悪い女になってしまうんだよなぁ。次の恋に進まないと、戻ってこられないよなぁ。原田先輩とくっついて仕舞えばいいのに。
ネアンデルタールだとしても、すごく親身に接してくれているのに。先輩の魅力に気づいて欲しい。大切にしてくれると思うんだけどなぁ。 -
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遠距離恋愛を始めた勝利とかれん。
案の定、すれ違いが続くことに焦りと不信を覚える勝利。信じているとかいないとかではなく、変なルール決めるからいけないのだと思います、うん。
変に希望があるから、それがなかったときの落差が辛い。互いを慮るあまりに、自分と相手を縛ってしまって、どうにもこうにも動けなくなってゆくやつです。
ルールは決めた以上完全に守らないと意味ないので、とんだ縛りになってしまう。
感情が先走りがちな恋愛に、とってつけたようなルールを作るのはよくない。
勝利が早く大人になりたい。自分が思い描いている、かれんにふさわしい男性になりたい、という願望が強いからでしょう。敵ながら認めざるを得ない中沢氏のような大人の影響もありますね。マスターとか。原田先輩も入れてもいいかもしれません。
年下の人間が思っているほど、年上というだけで大人というわけでないのですけどね。若菜ちゃんに対して引け目を感じる場面が多々あるように、勝利と接して同様に感じている人は多いと思います。まあ、わからないですよね。若菜ちゃんもなんだかんだ言いながら、勝利には大人として甘えている面があると思います。
すれ違いからくる不和を乗り越えて結ばれた勝利とかれん。やっと結ばれた。その前の喧嘩のシーンは、余計なことを言ってしまう勝利の心情がわかりすぎて、いろいろとしんどかったです。古傷をこんなところでえぐられるとは。売り言葉に買い言葉を、自分自身の感情でぐるぐる回してしまって、相手の言葉でさらに燃え上がって、どうにもならなくなるやつ。その自分に引け目があるから、意地はって謝れなくてダメになってしまうやつ。しょうもないやつです。
この10巻で1st season終了。ずっと積読でした。初版で購入して積読放置。登録されている表紙と手元にある表紙の絵が違う。どちらも、リラックスしている姿を見せているかれんさんは素敵です。
高校生の時に読み始めた物語。10代の感情のまま読み進めることができていたら、どんな感想を思っただろうか。一気読みができる人は幸せだと思います。なんと言っても、2ndも完結してますからね今では。
積読はたくさん溜まってるので、解消していかないとなぁ。