村山由佳のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
遠距離恋愛を始めた勝利とかれん。
案の定、すれ違いが続くことに焦りと不信を覚える勝利。信じているとかいないとかではなく、変なルール決めるからいけないのだと思います、うん。
変に希望があるから、それがなかったときの落差が辛い。互いを慮るあまりに、自分と相手を縛ってしまって、どうにもこうにも動けなくなってゆくやつです。
ルールは決めた以上完全に守らないと意味ないので、とんだ縛りになってしまう。
感情が先走りがちな恋愛に、とってつけたようなルールを作るのはよくない。
勝利が早く大人になりたい。自分が思い描いている、かれんにふさわしい男性になりたい、という願望が強いからでしょう。敵ながら認めざるを得ない中沢氏のような大人の影響もありますね。マスターとか。原田先輩も入れてもいいかもしれません。
年下の人間が思っているほど、年上というだけで大人というわけでないのですけどね。若菜ちゃんに対して引け目を感じる場面が多々あるように、勝利と接して同様に感じている人は多いと思います。まあ、わからないですよね。若菜ちゃんもなんだかんだ言いながら、勝利には大人として甘えている面があると思います。
すれ違いからくる不和を乗り越えて結ばれた勝利とかれん。やっと結ばれた。その前の喧嘩のシーンは、余計なことを言ってしまう勝利の心情がわかりすぎて、いろいろとしんどかったです。古傷をこんなところでえぐられるとは。売り言葉に買い言葉を、自分自身の感情でぐるぐる回してしまって、相手の言葉でさらに燃え上がって、どうにもならなくなるやつ。その自分に引け目があるから、意地はって謝れなくてダメになってしまうやつ。しょうもないやつです。
この10巻で1st season終了。ずっと積読でした。初版で購入して積読放置。登録されている表紙と手元にある表紙の絵が違う。どちらも、リラックスしている姿を見せているかれんさんは素敵です。
高校生の時に読み始めた物語。10代の感情のまま読み進めることができていたら、どんな感想を思っただろうか。一気読みができる人は幸せだと思います。なんと言っても、2ndも完結してますからね今では。
積読はたくさん溜まってるので、解消していかないとなぁ。 -
Posted by ブクログ
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猫にもいろいろ居るように。
アリス目当てで珍しく猫短編集など読んでみたけれど(『猫は見ていた』に収録のエア・キャットを他で読んで気に入ったのもある)、猫好きにもいろいろ居ますなぁ。
にしても短編というのはどうにも、良いところも悪いところもはっきり出ちゃうよね。いまいちかなぁと思っていた作家さんのはやはりいまいちだし、反対に思わぬ出会いもあったりで、まぁほんとに肌が合うかどうかなんだけど…
そうねぇ。結局のところキャラクタ、或いは物語そのものにさえ、生命性を感じてしまうタイプなのよね。極端に云うなら作家の仕事は、生まれてきた物語を伸びやかに世に放ってあげるブリーダー的なものなんじゃないかと思っていて、きっとその育て方? に好き嫌いが出てくるのだ。キミはこういう物語なんだよー、みたいのが嫌いで、だから登場人物Aくんはこんなふうに感じてこんなこと口に出しちゃおうねー、みたいなキャラクタが苦手になりがち(そんなこと云ってるから満足に書けないんだと云う思いもあり〼)。
その点、猫をキーワードに上手にテーマを定めた短編は楽しく読めましたね。なるほど猫っぽい物語、ということなのかもしれない。
なんでも猫派犬派、って分ける風潮をそこそこ面白がって居たけれど、遂に物語にまでその魔手が!
総合2.5ってとこかしら。にゃんにゃん。なら2.2か?
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Posted by ブクログ
ネタバレメンタルヘルス系。
村山由佳の初期作はあんまり期待していなかった(失礼)のだけれど、予想していたよりもずっとよかった。村山由佳はやはり南の島との相性がものすごく良いなあ。情景描写、特に海の描写が卓越している。『ありふれた愛じゃない』にも通じるものがこの時点で存在している。
しかし『ありふれた愛じゃない』など近年の作品が好きな村山由佳ファンにとっては、本作は初期作品なので書き方としてはやや物足りないように感じる。里緒と、JBと、ゲイリーと、フィオナと、それぞれの人物が傷を負っている、わりにそれぞれの傷があっさり描かれすぎている(あるいはほとんど言及されていない)。そして終わり方がよく分からなかった。え、イルカはどうなっちゃうの……??テレビの撮影はどうなったの……??フィオナとゲイリーは……??
大ケガさせられただけのイルカがめちゃくちゃ可哀想だし、イルカにそんなひどいことをせずにいられないゲイリーの精神状態が1番心配。ゲイリー、いちばん悲しい存在というか、病理がキツすぎる。「俺はこういう手段しか取れないんだよ」みたいなことを自分でも言ってたけど、自分の思い通りにならなかったものはぜんぶズタズタに傷つける、って生き方しか知らないのが深刻。それなのに最終的に里緒にほっとかれてこの物語全体からも置き去りにされたまま終わる。そこはちゃんと回収してほしい。
村山由佳が色んなところに行ってイルカとたくさん泳いで、それを踏まえて出来た小説なんだなっていうのはものすごく伝わってくるけれど、その他の部分で言葉が足りなくて勿体ないかなあと感じる小説。