村山由佳のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ毎回だけど、前のストーリーを忘れすぎていて、初めて読むかのように新鮮な気持ちで読んでいる。自分で書いた人物相関図を見ながら(笑)
勝利は時々星野さんと一緒にごはんを食べていて、しかもかれんに言ってないとかさらっと書いているけど、それは嫌だなぁ。せめて何人かで行くとか。
星野さんは勝利のことを切り離さないといけないのに依存して、心配させて、頼りまくって。無意識かもしれないけどこの関係は良くない。やっぱり星野さんは苦手だ。
勝利も八方美人というか、この場合全員を助けて丸く収めるのは無理だということに気付かないと、一番守りたいはずのかれんが傷付く。懸念事項を放っておくと、その内とんでもなく悪いことになって襲ってくるものだ。
かれんは花村家では丈のお姉ちゃんだけど、勝利と接している時はなんか長女ぽくないなと思ったけどそりゃそうか、マスターというお兄ちゃんがいるので、妹や真ん中っこでもある。意外と年下と付き合う下の子って多いよなーと思い出した。
90年代から2000年前後って、まだネットもSNSもそこまで普及していなくて、勝利の部屋探しもチラシを見て電話して・・・と所々アナログ感が残っていて懐かしさを感じる。人との出会いやコミュニケーションも今より自然だったかもなぁ。
一人暮らしの自由で爽やかな空気が良い。この巻はその幸福感のまま終わって欲しかった。
巻末のサイドストーリー、お兄ちゃん目線で面白かった。事故の日のこと、詳細が読めて良かったけど、残酷で切ない。後輩(花村父)が責任感じるのも分かるわ。
たまに作中の洋楽のタイトルを調べてみるけど、『What a Wonderful World』、イントロでピンときて知ってる歌だった。
幼少期に子供向け番組で何度も流れていて特に好きだった。なぜか飛行船と、髭の生えた白人のおじさんを想像していたけど、黒人のおじさんが歌っていたんだね。
いつ聞いても安心感と開放感を感じられる歌。
そして毎回楽しみなあとがき。
作中でもそうだけど、村山さんはいつも私が日々思うことや悩みに対して、処世術のような言葉をくれる。
数学の話を読んで、私も最近、自分の感情を無視して嫌なことをしたり嫌な場所に居続けたりするのをやめて、積極的に逃げる、能動的に避ける、を実践しているのでとても刺さった。
「世間と同じように」ってなんだろう?
多数派の生き方が自分に合うとは限らない。無理に合わせて自滅しても誰も責任は取ってくれない。皆にある程度の幸福が約束されている訳でもない。
人は一人一人全くの別人なので、量産型ではなくオーダーメイドの人生を送らなければならないはず。
それに、自分を偽って自分に合う人生を模索「しなかった」しわ寄せや代償みたいなものがいつか来る気がする。
どんな人生を送ればこんな文章になるのだろうと村山さんについて調べてみると、紆余曲折あり相当苦労されたようで納得した。経験豊富で、あらゆる方面に考えを巡らせてきたから達観されているのだろうなと想像できる。
やっぱり作家と作品は切り離せなくて、作者の経験や理想が反映された半身のようなものなのだろうなと思う。
いつか自伝的小説も読んでみようと思う。
個人的に人生の先生・師匠にしたい人。
20250428 -
Posted by ブクログ
村山由佳さんの作品は久しぶりです。
新人発掘オーディションでグランプリを獲得した真由。
福岡のクラブハウスで歌っていたところをスカウトされたミチル。
二人の少女がアイドルとしてデビューして輝くスターになるため駆け上がって行く物語。
面白かったです。
物語の先が気になって、省いて飛ばして最後まで読んでしまいました。
それで終わっても良かったのですが、もとに戻ってもう一度読みました。
二人の少女がスターへ駆け上る様子は、とても勢いがあって面白かったです。
また、時代設定が昭和となっていて、他の登場歌手が当時の人気歌手の名前を少し変えて使われていて、「あっ。この人あの歌手だ」と見つけるのも楽しかったです。
村山由佳さんって、こんなに読みやすかったんですね。
とてもテンポ良く読めました。
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Posted by ブクログ
ネタバレ途中から最後まで一気読み。
歩太から春妃への想いや行動に、「あぁ、若いってこういうことだな」と思わされた。言葉の選び方が綺麗でありながらも場面がリアルに思い浮かぶ文章で、賞を受賞するのもさもありなん、という感じ。
ただ、そうであるがゆえに物語としては後半に向け「え?」と思ってしまう箇所が多かった。
年末に男が乗り込んでくる場面は、その後の2人の関係性の進展を描くのに必要だったとはいえ、春妃が病院の同僚に家を教えているのは不自然ではないか。(性格上教えていてもおかしくはないかもしれないし、名簿とかで見ていたのかもしれないが…)
春妃が亡くなった時は妊娠していた状態で、結果として2回も赤ん坊を殺すことになってしまう演出は正直人の親の立場としてはしんどいし、夏姫との鉢合わせからの流れと合わせて展開が駆け足で一気に作り物感が増してしまった印象。
実際働きながら母になった身としては、赤ちゃん用の靴下を編む時間なんて正直なかったし、考えたこともなかった…(個人差あるとは思うけど、精神科医って忙しそうだし余裕あるんだろうかと思ってしまう)
とはいえ、リアルさを物語に求めるのも違うのかもしれないけれど…
個人的にはなんとかハッピーエンドになって欲しかったがゆえに結末は辛かったけど、続編があるようなのでまた読みたいと思った。 -
Posted by ブクログ
衝撃作「ダブルファンタジー」以来、村山由佳作品を読むのは二作目。
巻末の解説中の、賞レース選者の評価には、「筋書が凡庸」の言葉が並ぶが、それでもなお本作が受賞している、ということは、読者が望む恋愛小説の要素が詰まっている、ということなのだろう。
電撃的な一目惚れ、とか、運命的な再会とか、健気な姿の裏の深いトラウマとか、それがもうひと抉りされてしまうこととか、惚れた相手が今付き合っているひと(夏姫)の姉貴とか、やっとうまく行き始めたのに悲劇的な結末が待っている、とか、「純愛」に浸りたいと思う凡人が想像の及ぶ限り劇的な展開を小説にするとこうなる、という印象で、ストーリー自体はAIが書きそうな内容に思えた。
でも一気に読み終えてしまうくらい、引き込まれた。そして切ない。ラストは違う形で良かったのではないかと思う。医者が医療過誤に会う、という設定は、筋を劇的にするためとはいえ、医療従事者に失礼な気がするし。。
8歳歳上の女医さんに予備校生が一目惚れ、という設定に、「上手くいくはずがない」と思うものの、表紙に映画化の際のキャスティングである、市原隼人と小西真奈美が載っているので、「あり?」
とも思えてしまう。
もしもラストの事故が起こらなかった場合、二人の恋愛は上手く続いただろうか? 一目惚れして突っ走るような人間は、またいつかは「ビビッときた」とかなんとか言って、違う人を突然好きになったりするのではなかろうか、と余計な心配をしてしまった。