村山由佳のレビュー一覧

  • すべての雲は銀の…(上)

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    それぞれの傷を負い、出口のない自分の居場所を失った人々が、信州菅平のペンション「かむなび」に引き寄せられ、徐々にそれぞれの出口を見つけ歩き始めるというストーリー。ハッピーエンドでもなく、その逆でもなく、人生はまだまだ続くし、その一歩一歩の途中であるという終わり方は嫌いじゃない。
    作中の、個性についての園主の言葉や、瞳子さんの逆の発想にはっとさせられたり。
    「個性」とは、「人と違うもの」ではなく、「どれだけ沢山の人に共感してもらえるか」なるほどその通りだと思った。

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    2014年08月30日
  • 夢のあとさき おいしいコーヒーのいれ方 X

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    とりあえず勝利くんおめでとうですね。長かったです。毎年毎年このシリーズが出るのをちまちまと集めているときは本当に感無量の10作目でした。
    こうして一気に再読してしまうとあっという間でしたが。
    勝利のスランプ(ではないらしいですが)が重たく、精神的にボロボロになってく姿は今までの中で一番人間らしかったなと思います。
    そつなくこなす奴というのが勝利のイメージで、唯一の例外がかれん関係だと思ってました。かれん以外の壁にぶち当たった勝利は少し大人に、かれんに近づいたんじゃないかなと思います。
    中澤氏にきっぱり告げたかれんも。
    それにしても中澤氏といい星野りつ子といい、この作品の脇キャラは割とストーカー

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    2014年08月27日
  • 聞きたい言葉 おいしいコーヒーのいれ方 IX

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    あたしの持ってるおいしいコーヒーの入れ方シリーズ、この巻から背表紙が黄色になりました……別に装丁が変わるのは良いんだけど、シリーズものは同じ色で揃えたかったなぁとショボンとしました。まぁ読者にはどうしようもないことなんだけど。
    本作を読んでてこのシリーズの中で一番成長したのってかれんじゃないかなと思いました。
    もともと割と頑固なかれんだけど、こうまで強行突破しようとするとは……そりゃ勝利も焦った気になるってもんです。
    かれんの考えはカッコイイと思います。転職するなら年齢的にもそろそろキツくなるし、前に進もうとするポジティブさは立派だと思います。
    でも花村夫妻の反対する気持ちもごもっともだと思う

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    2014年08月24日
  • 雪の降る音 おいしいコーヒーのいれ方 IV

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    なんだかんだで、かれんはやっぱり年上なんだよなーって思いました。勝利より5年長く生きてる分色んな経験をしたり見てきたりしてるんです。
    勝利はかれんに追いつきたいと思うなら、まずそこを認めないといけないと思うのです。
    後半の雰囲気が悪すぎて、前半の勝利パパのスキャンダルはあっという間に隅っこに追いやられた気がします。

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    2014年08月20日
  • 彼女の朝 おいしいコーヒーのいれ方 III

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    進展したようなそうでないような。前回の勝利キャンパスライフは懐かしい感じがしたけど、段々星野りつ子と原田先輩のキャラが鬱陶しくなってきました。
    それもこれも勝利がハッキリしないせいなのかもしれませんが。
    ビデオ屋のシーンは笑いました。ご愁傷様ですとしか言いようがないです。やっぱり丈は良いパス出しますね。

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    2014年08月19日
  • 僕らの夏 おいしいコーヒーのいれ方 II

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    甘ったるさは相変わらずですが、コミカルなシーンも増えたのでテンポの良い2作目です。
    勝利のバカっぽいところに笑いました。大学生らしくて逆にかれんとお似合いな感じです。変に大人ぶるよりずっと魅力的に見えるけどね。
    勝利と丈の会話も物語を引き締めたり緩めたり、丈の存在感は1作目より増してますね。良い味出してます。

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    2014年08月18日
  • 遥かなる水の音

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    序盤、村山さんが小説の舞台を通して語りたいテーマをつらつらと述べているようにしか思えなかったことと、少し無理矢理にあの過去の作品の二人を登場させてることには違和感を覚えた。
    ただ、読み進めたときに、なんだか自分まで旅してるかのような気分になれたのは不思議で、少しいい気持ちだった。

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    2014年08月05日
  • 遥かなる水の音

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    生前、「死んだら焼かれた灰を砂漠に撒いて欲しい」と言って亡くなった男性の実姉、旧友カップル、一緒に暮らしていたゲイの男によるサハラへの旅行

    生とは?死とは? 恋愛とは? 家族とは? ... いろいろなことを考え直させられる非日常的な北アフリカの旅

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    2014年07月27日
  • 野生の風

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    この前に読んだ『空中庭園』がホラーじゃないのに、怖いと感じたので、次は甘目のお話を読みたいと思ってこの本を手にした。
    村山さんが書くアフリカの文章は情景が思い浮かぶようで、素晴らしいけど、内容は読後感すっきりとはいかず、後味が悪かった。

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    2014年07月04日
  • 僕らの夏 おいしいコーヒーのいれ方 II

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    じりじりとした二人の進み方といい、砂糖のように甘い勝利の心理描写といい、オンノベやラノベにありそうだなという感じ。
    文章力という点では、比べようもないですが。
    今時の高校生、もっと進んでいるだろうと、勝利君我慢強いなと、ある意味感心です。
    まあ、いろんな意味であり得ないだろ、とは思うけど、嫌いじゃないです。
    しかも、タツエさんがかれんに何の用があるのか、非常に気になるところで終わっているので、続きは読みます。

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    2014年06月25日
  • もう一度デジャ・ヴ

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    ページ数が少ないのですらすらと読めました。エピローグの最後の台詞「きっと、思い出させてみせます」にこの作品のすべてがこめられていると感じました。

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    2014年06月12日
  • 永遠。

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    ちょっと物足りないな、もっと続きが読みたいな、と思ったら卒業という映画のアナザーストーリーだったらしい。映画も見てみたいと思った。
    葉月さんの「誰かに何か、大事な事を伝えるときはね。心の底からよーく考えてからにしなさい。それは私があのひとから教わったこと。言葉にしたとたんに終わっちゃうことって、世の中にはいっぱいあるから」という言葉が心に残った。素敵な言葉がたくさんあって読みやすかった。

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    2014年06月05日
  • ヘヴンリー・ブルー

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    ネタバレ

    夏姫目線。
    『天使の卵』では、どうしても歩太と春妃に感情移入してしまうので夏姫のことは正直、明るいけど子供っぽい、気の強い子と思っていた。
    それはそうなんだろうけど、夏姫側から物語を追うと、大人になって回想する形を取っているからか、彼女もまた救われない人だったということがわかってすごく切ない。

    両方読むと、誰が悪いとか、どの選択が正しかったのかとか、ないような気がしてくる。
    でも10年経って、それぞれが過去をやっと乗り越えて、一歩踏み出すことができたのかな。

    あとがきの著者のブログが面白かった。作家の1日の過ごし方が垣間見れて。小説を書くだけじゃなく、宣伝やらインタビューやらで忙しそう。あ

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    2014年05月12日
  • アダルト・エデュケーション

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    ネタバレ

    官能小説だった。
    村上由香が好きで読んだけど、読んだって公言できないのが残念。
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    「ミズキさんでないと、だめな軀になっちゃうよ」。弟を愛するあまり、その恋人・千砂と体を重ね続けるミズキ。千砂はその愛撫に溺れ--(「最後の一線」)。女子高のクラスメイト、年下の同僚、叔母の夫、姉の……。欲望に忠実だからこそ人生は苦しい。覚悟を決めてこそ恍惚は訪れる。自らの性や性愛に罪悪感を抱く十二人の不埒でセクシャルな物語。

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    2014年05月08日
  • 永遠。

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    映画のサイドストーリーとは知らずに、薄いしすぐ読めるだろうと思って手にとってみました。
    映画本編を知らずとも話はわかるし、これ単体でも十分楽しめました。むしろ、映画を見たくなってきました。

    近いうちに映画もみたくなる、そんな短編でした。

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    2014年04月18日
  • 夜明けまで1マイル somebody loves you

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    学生の時に初めて読んで、この本をきっかけに村山先生の本を読むようになっていった。
    久しぶりに読み返してみたけれど、青春を生きる内容で涯みたいな少年の生き方をうらやましく思ったりもしたなと思った。
    今読み返してみても、胸に刺さるフレーズは多々あり、他の作品も読み返してみようと思った。

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    2014年04月02日
  • 永遠。

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    ネタバレ

     徹と弥生は幼なじみ。21歳と20歳。友達以上恋人未満。
     どちらも複雑な家庭で、徹の母は小さい頃出て行き、弥生の父は誰かよくわからない。

     弥生の母、葉月さんは2年ほど前に亡くなり、短大の寮に入っていた弥生は卒業して今日、実家に帰る。

     徹は弥生を迎えに来て、水族館で待っている。

     過去の色々なことを思い出している徹。


     こういう感じの短編でした……
     ビックリしたのは本の三分の一から四分の一くらいが後書きだったことでしょうかσ(^_^;

     本編は30分ほどで読み終わってしまいました、肩透かし……。
     そしてやはり本編も肩透かしな感じでした。

     切ない系のお話かもしれないけれど

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    2014年03月11日
  • 蜂蜜色の瞳 おいしいコーヒーのいれ方 Second Season I

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    ちょっとドロドロした感じになるけど、それを不器用ながらも乗り越えて、より絆を深める二人が素敵☆来年の夏が楽しみ(o^-^o)

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    2014年03月09日
  • きみのためにできること Peace of Mind

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    「どうして今まで、こんな簡単なことに気づかなかったのだろう。
    メールは、確かに気持ちを伝えるのには向いていても、お互いを抱きしめることまではできやしない。どんなに思いのたけをつづった手紙でも、相手が三十秒抱きしめてくれる温かさにはかなわない。」

    このセンテンスにぐっときました。

    ほんとにね、そう。しみじみ思う。

    ストーリー的にも面白いです。
    ただ、主人公の俊太郎があまり好きになれない。
    ひとりの女性だけをずっと思い続けるような、芯からの強さを持っていてほしいと願ってしまいます。

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    2014年02月06日
  • アダルト・エデュケーション

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    ブラック村山作品だとか。
    過激な描写だなんて思わなかった。
    女性たちそれぞれの虚無感が繊細に描き出されていて、ブラックどころかとてもせつない。

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    2014年02月02日