村山由佳のレビュー一覧
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既視感 村山由佳さんの小説が好きだ。ファンになってからが遅いので、既刊をできるだけ先に読み、最近の書籍はなるたけ後で読もうと思っている。が、何せ著作が多い方なので時々順番が逆になる。
この本も、時間潰しに入った本屋で手に取り、しばしの迷いのうちに購入した。
さて、最初から既視感がある。独立してそれなりに稼いでいそうな主人公。夫との間に子はなく、夫婦はすでに倦怠期。夫の機嫌を損ねたくない主人公は、「面倒にしたくないから」という動機で夫の機嫌を取り、しかし彼女を取り巻く人たちのおかげで少しずつ自立すること、自分でいることを取り戻していく。
そう、「ダブルファンタジー」と設定がめちゃくちゃ似ているのである。特に、夫側の性格は「同じ人?」と言いたくなるほどだ。展開もまた然り。
不倫を通して自立を、考える。
それもまあありだと思うし、小説に正論を求めるほどには私は若くないし受容性もある。
だが、作者が過去作品と同じような設定を使うならば、もう少し捻ってほしかったな、というのが本音である。特に、好きな作家だからこそ。
彼女の中で、もしかしたら「離婚を考える男性像」というのは固定化されているのかもしれない。
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購入済み
女性にオススメ
初めてこういった分野に足を
踏み入れてみました。
内容は総じてソフトな印象で
幸いでしたね。ノーマルな志
向の?女性向けの一冊だと思
います。 -
Posted by ブクログ
シリーズ8作目。
勝利の好感度がどんどん下がっていく…星野りつ子を一人暮らしの部屋にあげ、お願いを聞いて背もたれになり腕を回すなんて…うーむ、それはアウト。八方美人だなぁ。嘘が嘘を呼び、どんどん深みにハマる勝利。なんか嫌な予感がする…
花村のおばさんにかれんとのことがバレそうになった時は焦った。
マスターの言葉メモ
「一つでいいから、どんな時にも揺るがないものを持て。うまいと思うコーヒーの味でもいい。あるいは、手本にしたい誰かの背中でも、胸に響いた言葉でもいい。そういう、まわりの状況に左右されない自分だけの基準があれば、いざという時に方角を見失わずにすむ。ちょうど、どこからでも見える高い塔みたいなものさ。知らない場所で、たとえ進む道がわからなくなっても、そこへ立ち戻りさえすればまた一からやり直せる」 -
Posted by ブクログ
ネタバレ目次
・HEARTACHE TONIGHT
・DON'T THINK TWICE
・TIE YOUR MOTHER DOWN
若い人たちの初々しい恋愛シーンに胸キュンすることはあまりなくても、微笑ましく読むことがほとんどですが、このシリーズはきついなあ。
どうもかれんが好きになれない。
23歳の美術教師でありながら、あまりに天真爛漫というか…かまとと。
高校生同士の恋愛ならそれでもいいけれど、23歳で?
美人で?
性格がよくて?
で、5歳年下の同居しているいとこである勝利と恋愛中。
火傷しないようにお湯を沸かすことも出来ない23歳社会人って、バカじゃないの?
教師が自宅近所の児童公園でイチャイチャなんて無防備すぎる。
もっとしっかりしろと説教したい。
だけどこれ、人気あるシリーズなんだよね。
私が良さに気づいていないだけなのかなあ。
悶々としながら次に続く。 -
Posted by ブクログ
恋人の笠松由美子を兄にうばわれた主人公・大和祐介は、恋人や家族といった濃密な人間関係のなかに走った亀裂に耐えきれなります。「とにかく東京から離れたい、兄貴と由美子の気配を感じないで済むところならどこでもいい」という思いにみちびかれた彼は、親友のタカハシのすすめにおうじて、信州菅平の農園「かむなび」でアルバイトとして働きはじめます。
読みはじめた当初は、自然のなかで過去の傷が癒されていくといったストーリーだと思っていたのですが、そうではなく、うっとうしいくらい濃密な人間関係のなかで戸惑いつつも、たくましくなっていく祐介の姿に焦点を当てた物語のように思えました。ちょっとナイーヴな自然礼賛に流れるところもありますが、園主の神山十兵衛、姪の瞳子さん、その息子の健太、源さん、茂市つぁん、美里ちゃんと花綾ちゃんの花売娘コンビなど、登場人物がみんな魅力的に感じます。
結婚式の花の飾りつけを全部まかせるといわれて、美里が「一番やりにくいお客よね」といったのに対して、花綾ちゃんが「一番やりやすい、お客さんよねー」といったところに、おっとりしているように見えて芯の強い彼女の性格が感じられ、強く印象にのこっています。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ香りをテーマにした恋愛短篇集。
嗅覚を表現した言葉の数々、その多彩な表現のバリエーション、記憶との結び付きなど、、さすがでした。
読んでいるうち、嗅覚に贅沢な刺激がほしくなり、香水を纏って、その世界観を感じながら読み進めました。
印象的だった作品
「アンビバレンス」
調香師の安藤との、精油を使ったシーン。
『オレンジの木の下に咲き乱れる花々のような。旅したこともないはずの地中海の風に吹かれたような。かの思えば、深い森の奥、苔のしとねに身を横たえたかのような…。』
『悩みも吹き飛ぶ明るく幸福な香りから、高貴さお愛くるしさを併せ持つ優雅なそれへ。また少したつと、くらくらと眩暈がするほど蠱惑的な香りに…』
「サンサーラ」
骨董屋の店主の安心できる香り。
『かすかに麝香のよくな沈香のような、何と言い表せばいいのだろう、深い森や苔や土を連想させる香り』
輪廻。悠久の時など生きられない。
『もしかして、私にとって今生はすでに、初めてのものではないのだろうか。もう何度も生まれ変わって、そのたびに、香りを頼りにこの人を探していたのでは…』