村山由佳のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレライトノベル。と言いきっても怒られないと思います。
教科書のような筋書きで、しかもテンポがいいのでリズムだけでスラッと読んでしまえる。現在と戦国時代という場面の変化を上手に使っているせいかも。
村山作品は2冊目ですが、一切の破綻や筆が流れるということがなく、きっちりと起承転結に納まるのは見事。その上で「出逢い」にものすごくこだわっているように感じます。
題材は輪廻転生。と言うよりも、運命の人との出会いを描いた作品なのかな。
女性にとっての白馬の王子様、男性にとってのお姫様。赤い糸で結ばれているのなら、その人との出会いは前世から決められた未来。
約束された少し先の未来までを、時を往き来しながら描 -
Posted by ブクログ
ダイアンの妹アレックスの登場に、初めは不愉快に思いながらも徐々に心を通わす勝利。
しかし、まだ日本での出来事に対して向き合う準備はできないのであった。
今年は二冊同時刊行なので、オーストラリア編の後半という感じです。
最後のかれんとの電話越しでのやりとりで、おいコーの雰囲気が出てたし、「会いたい」じゃなくて「逢いたい」を使っていた所が、本当粋だなーと。
これぐらい言葉に敏感になりたいです。
佐藤先生とのやりとりや、最後のアレックスが勝利を慰めてるシーンは泣きそうになりました。
次巻あたりからもっと動き出しそう!と思いきや、次巻は勝利のいない間の日本の出来事ということらしいです。
ど -
Posted by ブクログ
ネタバレ一体この話は何処まで続くのだろう。そろそろ飽きてきた。
話の内容は面白いとは思う。年齢差に悩み、秘密に悩み、葛藤する二人―。
だがしかし、勝利がかれんに対するあの一直線な想いはどうも、信じがたい。
弱音を吐かない人はいるだろう。心の中で葛藤する人もいるだろう。
その葛藤の様子があまりにも上手く出来過ぎているように思えてならないのだ。
こころなんて、どろどろしたものではないのか。
どんなに愛している相手であっても相手を瞬間的に憎いと思えてならない。
勝利の心中は、言葉が簡単に連なっているように感じた。
著者の本はエッセイを除けばほぼ読んだ。
読みやすく感情移入もしやすいのだが、本当にそうな -
Posted by ブクログ
中学生の時に村山さんを知り、無我夢中で読んだ作品の中の一冊。
最近出された「放蕩記」を読み終え、作者の思いや育った環境等を知り、また読み返してみようと思って再読に選んだ一冊。
タイトルや、表紙、イルカのもたらす人への癒し、海の魅力、チェロの奥深さ、私のストライクど真ん中でした。
私はこの作品でイルカに惹かれ、まだ実現できてませんが「いつか珊瑚の産卵を見たい」という夢を持ち続けています。
ただ、今回読み進めていく中で、どうしても主人公理緒の恋愛面での行動は私には理解に苦しむところがありました。
女として、男に惹かれる。その結果がゲイリーと関係を選んだとはいえ、「傷を負った」理緒があそこまで露骨に