村山由佳のレビュー一覧

  • 妖し

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    十人の人気作家が作る、妖しげな世界。

    「ANNIVERSARY」は言葉の持つ明るい世界とは異なる、なんだか奇妙な、悲しい世界だ。
    世界がループするのだ。
    ちょうど今読み返している『D.Gray-man』にも、繰り返される日々の話が出てきていた。
    この漫画について語るのはまた別の機会として、とにかく元の世界においてきた子供のことが気になってしまう。
    愛する者との離別を考えると、胸が苦しくなる。

    『李果を食む」は、私が感じ取ったおぞましさは二つあった。
    どちらだ。
    どっちなんだ。
    いや、どちらでも構わないだろう。
    もうすぐ、スモモの季節。
    あの甘酸っぱいすももを、私はこの話を思い出さずに食べられるだろうか?

    「かぐわしきひと」「喪中の客」はどちらも気味の悪さで際立つ。
    前者は自分の思い込みに騙され、そして、終わりの凄惨さに胃液が上がってくる。
    後者は、自分の見ている世界が本当に正しいのか、わからなくなる。
    それにしても、あの客人は一体なぜきたのだろう?
    そちらの方が、より、恐ろしい。

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    2020年05月16日
  • ヘヴンリー・ブルー

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    ネタバレ

    天使の卵というのが本編らしいのだが、そちらを読まずにこちらを読んでしまった。お姉ちゃんに恋人を取られる話だが、しっとりとした文調でまとまっている。

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    2020年05月05日
  • ダブル・ファンタジー(下)

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    自分自身の欲というものをまるっきり正確に捉えることは、案外難しい。プライドの高い女なら尚更だろう。自分はこうあるべきだ、こういう人間だ、と思い込めば思い込むほどにその理想を叶える欲求が満たされこそすれ、芯にある本能がどこかに置き去りにされてしまう。そして気づかぬ内に蓄積されていく。最も恐ろしいのは、それを制御する糸が千切れる瞬間だと思う。
    主人公の奈津の弱さと強かさと、ある種の思い切りの良さが好きだ。けれど多くの場面で辟易ともする。恐らく自分と似た性質が根本にあるからだろう。私も数年後になれば、奈津のように女としての人生を馬鹿みたいに全うし悩み抜くのだろうか。そんな日は一生やってこないで欲しい、ような、怖いもの見たさで少しだけ好奇心を煽られる、ような。
    結局、一人で歩いていく人間にとって寂しさというものはすれ違う人の数だけ訪れるけれど、どれも長続きはしないのだろう。奈津のような女にとって、独りは、不治の病だ。肉体を繋げたところで、本当に埋没したかった穴は溝を深めるばかりだろう。そのことに気づかぬ彼女は成熟した大人のようでいて、ただただ我儘な子供のようだと思った。
    余談だが、多くの女性は《キリンのまなざし》の男に恋する願望を持っている気がする。変わってしまった先輩に、その後幸せな日常はあったのだろうか。

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    2020年05月04日
  • すべての雲は銀の…(上)

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    ちょっと不思議な感覚。ロースタートからちょっとずつアクセルを踏み込んで、上巻が終わった今がちょうど半馬力くらいに思える。
    この本の中で移り変わっていったのは季節と、美里ちゃん、花綾ちゃん。そして由美子と兄貴。
    変わらないのはかむなびに流れてる田舎の雰囲気と園主のスタンス。
    主人公祐介と瞳子さんは、同じとこぐるぐるしてて変われてない(でも実際はちょっとずつ前に進んでる)という対比に思えた。
    下巻はこの2人それぞれに更にスポットが当たっていくんだろうなと予想してます。
    引き続き緩やかに加速するような物語であってほしい!

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    2020年04月28日
  • キスまでの距離 おいしいコーヒーのいれ方 I

    購入済み

    キスまでの距離:おいしいコーヒ

    主人公が恋焦がれる女性(かれん)の魅力に、読んでる私も引き込まれた。かれんと行く安房鴨川は本当に素敵な場所である。コロナ自粛で外出できない今、本の中でかれんと旅ができてとても幸せだと思った。

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    2020年04月23日
  • 永遠。

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    再読。
    村山さんのだいぶ前の作品。
    今より好きかも…
    幼なじみのつながり、母娘の、父母の、そして会ったことのない父娘の。

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    2020年04月13日
  • 彼女の朝 おいしいコーヒーのいれ方 III

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    ネタバレ

    遠方のデート、そして宿泊。
    初々しい男女の恋物語。歳が離れていようと、世間の目がどうであろうと関係ない。絶対に手放さないという思いが犇々と伝わってきます。
    次巻で、徐々に歯車が狂わせる予兆が出ている。長い恋の終焉はどうなるのか・・楽しみである。

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    2020年03月08日
  • 僕らの夏 おいしいコーヒーのいれ方 II

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    ネタバレ

    徐々に惹かれ会う男女の物語。
    冗長とは感じさせず、愛し合う姿は美しく、そして切なさを落とし込めていると感じる。
    まだまだ物語は始まったばかりではある。

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    2020年03月08日
  • 妖し

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    【怪異】をテーマに描く奇譚小説。
    アンソロジーシリーズ。
    この面子だし、と思って読み始めたのが
    間違いだった…

    想像のはるか上の上をゆく怖さだった…
    夜、部屋で一人で読んでいられないページが
    何度もあった。

    大好きな米澤穂信の
    「わたしキャベンディッシュ」も、
    あーー、これが伏線でこうなる感じかぁ
    のんきに思っていたあたし。
    伏線は伏線でも回収先が違っていて
    安定の穂信のぞわぞわ感。

    乾ルカの「かぐわしいひと」なんか
    ここから先は、もう読めない……と
    次の日に
    持ち越したくらいなのに
    その怖さに上塗りされるように
    壊れていく人間の怖さがくる。
    えーーー??そっちーーー??!みたいな…

    そんな中、
    なんとも言えない感情と思いに溺れたのが
    窪美澄の「真珠星スピカ」
    母と娘、父と娘。
    このそれぞれの【2人きりの時間】には
    切なさとやりきれなさ、
    それに希望が詰まってる。

    まだ読んだことがない作家さんも多かった。
    少しずつ読んでみたい。

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    2021年05月30日
  • 夢のあとさき おいしいコーヒーのいれ方 X

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    ネタバレ

    「私には、ジャンプのことはわからないけど・・・。でも、いい記録を残すことだけが先輩の役割だとは思わないな」

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    2020年02月07日
  • 明日の約束 おいしいコーヒーのいれ方 Second Season II

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    ネタバレ

    世の中ってのは不公平なもんだ。人間は平等だなんて言われるけどな、世の中には、初めから人よりも多く持って生まれてくるやつがいるんだよ。神様にとくべつに愛されているみたいなやつがさ。人間が平等でなきゃなんていうのはあくまでも、「チャレンジの機会だけは平等に与えられるべきだ」という意味であってさ。結果が平等なんかであるはずはないんだ。結果はむしろ、不平等でなくっちゃおかしいんだよ。でなけりゃ、競争に意味なんかなくなる。そうすると、努力の意味までなくなっちまう。

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    2020年02月07日
  • 放蕩記

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    共感する部分が多かった。母と娘の関係性をうまく言葉で表せることがすごいと思った。あまり思い出したくない、向き合いたくない過去であり、今はまだもう一度読みたいと思えない。性に関する話が苦手で他の本を途中で断念したことがあったけれど、いろいろ印象が変わったのでもう一度読んでみようと思う。

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    2020年02月01日
  • 妖し

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    気持ち悪い話が多かった。は?何?と思っても読み返さないほうがよかった…。皆さんお上手なので気持ち悪さが絶妙。

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    2020年01月26日
  • 花酔ひ

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    挑戦的ともとれるレビューで手にとって、いやあああ後悔(笑)

    ダメでした、堕ちていきそうな想いに絡め取られます。
    あの情念だったり、色んな意味で純情だったり、欲望だったり、頭と体の中で咀嚼しきれない気持ちをもて余します。縁も艶も炎も「えん」ですよね、こんなにも文字が文章が艶やかだと感じたのは初めて。

    この四人を是としてはならないのだけれども、この情動をどうしたものか?憧れてもいけない世界、どんなに言葉を尽くしてこの情動には勝てないのだ。
    やはり神は見ている「恋愛−己の心から苦しむなり、秘めよ」

    #花酔ひ
    #村上由佳
    #官能
    #本好き
    #本好きさんと繋がりたい
    #小説倶楽部

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    2020年01月24日
  • 妖し

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    評価は三ツ星半と言ったところか。
    タイトルどおり「妖し」を共通テーマとした異なる作者による短編集であり、それぞれに異なる趣きの作品からなっており、飽きることなく読み終えることが出来た。

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    2020年01月04日
  • 坂の途中 おいしいコーヒーのいれ方 VII

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    10数年ぶりに読み返すことになったこの作品。
    若い時に読んだようなドキドキ感はなく、、、
    年取ったわ

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    2019年12月30日
  • 妖し

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    表題「妖し」のような統一感はあまり感じない。
    「真珠星スピカ」「李果を食む」「フクライ駅から」が良かったかな。特に「フクライ」の終盤に雪崩れ込むような展開のスピード感がなかなかよい。朱川湊人氏の作品は読んだことがないので、今度読んでみたい。

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    2019年12月27日
  • 放蕩記

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    子どもの頃は自慢だったはずの母親が憎悪の対象、疎ましい存在になってしまったのはいつからなのか。
    母の捌け口になっても愛されていると信じていられたのは、いつまでなのか。
    大人になり結婚して離婚して、改めて向き合った母と娘の物語。

    母と娘であり、女性同士であり、その関係性は人それぞれ。
    要領よく逃げる妹と違って、すべて受け止め苦しんでいる様子は、ただただ痛々しい。
    この母親は、親になりきれていないというのか、親になることに向いていないというのか。
    愛と憎しみは紙一重。

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    2019年12月23日
  • もみじの言いぶん

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    村山由佳 文と写真「もみじの言いぶん」、12019.3発行。主人公は、2018.3、17歳で旅立った三毛猫のもみじ。もみじの写真と語りで、著者との17年が・・・。

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    2019年11月15日
  • 晴れときどき猫背 そして、もみじへ

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    房総半島の鴨川で自然たっぷりの田舎暮らし。
    猫を中心とした動物たちとの触れ合いの日々を綴るエッセイ。
    「晴れ ときどき猫背」を大幅に加筆修正した増補改訂版。
    鴨川での暮らしの中に迷い込んだ2匹の猫。
    彼らとの暮らし、猫のお産と子猫たちの成長。
    馬たちの事。
    そして、農地を求め・・・農場という夢に向かって邁進する。
    そんな人生あみだくじだった鴨川生活を綴っています。
    猫たちの写真は可愛いけど・・・でも、今の生活は・・・ね。
    あの頃は一生懸命楽しかったんだよね。

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    2019年10月23日