村山由佳のレビュー一覧
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水彩絵具のチューブから、紫色の液体と固体の真ん中のものが出てきた。
パレットの上にいるときはにゅるっとしているものが、
紙の上にのると活力と表現力が溢れだした。
(以下抜粋)
○背中に腕をまわして肩甲骨を撫で、背骨をひとつずつ数えおろしていき、
その手を斜め下へ滑らせると、必ずと言っていいほど、
よく冷えた臀に出くわす。(P.8)
○正直に自分の年齢を言うと、とてもそうは見えないと笑ったが、
「とてもそうは」とわざわざ口にするところにこそ女の三十五歳を
どうとらえているかが透けて見える気がして、
奈津はその時もぬくる微笑むしかなかった。
曲がりなりにもプロを名乗るなら、
<三十五、か。女性がいちばん魅力的な年齢だね>
さらりとそう言ってのけるくらいの芸当ができないものか。(P.14)
○性欲の強い女の何が悪い。
男の場合は「絶倫」で、女の場合は「淫乱」。納得がいかない。(P.30)
○ありがちなくらいが、人の胸には届きやすいのだ。
少しダサいくらいでちょうどいい。
大衆を甘くて見ているのはない。
セリフというものは、文字をともなわずに音として耳に届くから、
あまりにも研ぎ澄まされていてはかえって受け止めてもらえないのだ。
鋭利な刃物が向かってくれば本能的によけるのと同じように、
鋭利な言葉に対して、多くの人は無意識のうちに身をかわす。(P.280) -
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ネタバレ妻を自分のカゴに閉じ込めたい夫
美味しいとこ取りしたい貢がせ愛人(男)
ってヤな男子しか出てこないじゃんw
主人公(40手前女子)が自立できそうになって
「離婚したら」みたいな話になったら、愛人めっちゃ
へっぴり腰だし。
あーやだやだ
しかも最後旦那殺しちゃうし
その気持ちは分かるけど
ばれるかな
ばれるよね、きっと
でも「夫は海外で仕事が」って言って、
車悪くなっちゃうからって業者に引き取ってもらって、好きに長く旅行とか行けば「あら?旦那さんのとこかしら?」ってご近所さんは勝手に(!笑)噂してくれそうだし。
旦那フリーランスだから、ばれなそうじゃない?
って思うのは浅はかか? -
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勝利は、原田先輩の妹の若菜の家庭教師をしたり、隣の部屋で父親と二人で暮らしている鈴木幸太という少年の面倒を見たり、大家である森下老人と将棋をしたりして、一人暮らしをつづけています。
その後、かれんが勝利のもとに帰ってきて、久しぶりに二人で過ごすことになります。ところが、りつ子と原田先輩に遭遇してしまい、いまだに失恋の傷から癒えていないりつ子の心ないことばによって、勝利の気持ちはしぼんでしまいます。それでもかれんは勝利の気持ちに寄り添い、二人の信頼関係はまた一つ強くなっていきます。
りつ子と中沢の役回りがおなじような展開ばかりで、既視感をおぼえてしまいます。 -
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一人暮らしをしていることをりつ子に告げずにいた勝利でしたが、佐恵子の口からりつ子に知らされることになり、しかもりつ子が勝利とかれんの交際を佐恵子に話してしまったため、勝利は佐恵子に苦しい嘘をつくことになります。その後、りつ子が勝利のもとを訪れ、混乱した気持ちを彼にぶつけます。
今回は、あるいは勝利とかれんがプラトニックな関係でいることの不自然さを解消しようという著者の意図があったのかもしれません。たしかに不自然といえば不自然なのですが、本作の登場人物はいずれも著しくキャラクター化されているので、リアリズムへ向けてエクスキューズをする必要はないようにも思うのですが、「ライト文芸」というジャンルが明確に成立していなかった本書刊行当時にはそうした配慮が著者には求められていたのかもしれません。 -
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ついに勝利は、かれんと交際しているという事実を、りつ子に伝えます。気丈に彼のことばを受け入れたりつ子でしたが、そのことがきっかけで彼女の身体は食べ物を受け付けなくなってしまいます。こうして、複雑な事情をかかえながらも、勝利はりつ子のことを放っておくことはできず、彼女の回復を支えるためにできることをしたいと考えるようになります。
勝利のかれんに対する想いがブレない以上、ストーリーを回していくにはこの展開以外にはないのかもしれないと思う一方で、りつ子のキャラクターとちょっとそぐわない展開のようにも感じてしまいます。
なお巻末には、京子に恋する丈の視点からえがかれた短編が収録されています。 -
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勝利とかれんとの仲は大きな進展を見せないまま夏休みに入り、勝利は合宿のためにかれんと離れなければならなくなります。そんな彼にりつ子が積極的にアプローチを開始します。
合宿を終えた勝利は、かれんといっしょに、彼女の実母である鴨川のおばあちゃんの元を訪れます。そしてその夜、かれんは今日は家に帰らないと勝利に告げ、二人はペンションで一夜を過ごすことになります。
現在の著者は官能描写を含む小説も執筆していますが、もちろんベタ甘な純愛をえがいた本作ではそうした展開になることもありません。19歳の男と24歳の女という設定ですが、二人ともキャラクター的な人物造形になっているので、ここまでの作品世界を受け入れてきた読者にとっては安心感をおぼえる展開になっています。 -
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自分というものを持っていなくてなんて身勝手なんだろう……
脚本家の高遠ナツメ(奈津)は自分の性欲の強さに薄々気づいていた。その性欲を満たしてくれるのは夫の省吾ではなく、意を決して呼んだ出張ホストでもなかった。
ある日、自分をこの世界に押し上げてくれた恩師とも言える脚本家の志澤から舞台のチケットが送られてきた。
お礼のメールを送る。それから志澤とのメールのやり取りが続く。最初は近況報告程度だったものが段々と深いところまで相談していく事になる。奈津は親身になって相談に乗ってくれる志澤に心を許していく。
「舞台の千秋楽に東京に泊まりで出てこれるか?」
こうなる事を予想していたかのように奈津は志澤との逢瀬に溺れる。
心も体も満たしてくれるのは志澤だったと気づく。しかしそれから夫の省吾とはすれ違いが多くなりやがて奈津は家を飛び出す。
志澤とは4回ほど会ったが全てにおいて満足させてくれた。しかし最後会ってから志澤の態度が急に変わった。
「自分のどこがいけなかったのか」
「悪いところがあれば言ってもらえれば直します」
色々メールを送ったのだが志澤からの返事は一切なし。
もやもやしているところに昔の仕事仲間から久しぶりに電話がかかってきた。
「香港でレポーターの仕事をしないか?」
奈津は少し考えてOKを出す
香港で無事に仕事を終えた最終日に大学時代の先輩にバッタリ出くわす。
彼とは二ヶ月の間だけ付き合った事がある…
とここで上巻は終わり。
親身になって相談を受け奈津と体を重ねた志澤
ただやりたいだけのエロじじぃやん!とツッコミを入れたくなる。
実力のある奈津が今落ち込んでいていい脚本が書けない事に対してこういう経験をさせて今よりももっと上の脚本をかけるようになって欲しいとも読み取れるが…ただのエロじじぃやん!
更に輪をかけて悪いのが友達の岡島杏子、奈津からの話しか聞いていないのに夫と別れる事を煽る煽る。
まぁ、全ての登場人物に対してあまりいい印象は持たなかった上巻ですが下巻で考えが変わるのかな?と期待しつつ下巻を読む事にします「まる」