村山由佳のレビュー一覧
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Second season6巻。
ラストで感情が溢れてしまった勝利。後悔に囚われて、自分の感情を押し殺すしかなかった状態から、前進するきっかけになったのだろうか。
自分自身を追い詰めることが、見せかけの贖罪であるとは理解していても、そうすることでしかできなかったであろう日本での自分との別れになれば良いと思います。
どんなことがあっても、人は前に進むしかないのだから。
オーストラリアで出会った人々は、さまざまな悩みを抱え、自身の人生を歩んでいました。進めなくなって押し潰れてしまった佐藤さんや、迷路から抜け出せないリッキーのように、勝利が陥るかもしれなかった人たちも。
処理だけじゃない。アレッ -
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Second season5巻。
4巻の終わりを受けて、どんな形で始まるのかと思いきや、まさかのオーストラリアで開幕。あの出来事から半年後のオーストラリアからです。
秀人さんの元で、アボリジニ研究所のバイトとして過ごす日々。半年後でも、あの出来事の後悔は癒えてはいない様子。あの直後、どんな状況だったのかは語られていないので想像するしかないのですが、見るに耐えないものだったのだろうと思います。
その勝利を見たくないから、5巻を読むのが怖い、と思ったので半年後から物語が始まったのは一安心か。
ただ、それは物事と向き合わずに目を逸らしていることでもあるので、一時的な緊急回避ではあります。
南半球 -
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Second season3巻。
前巻の不穏な幕引きは、大家さんチでの一件でした。
秀人さんかぁ。山男には惚れるなよ、という文言を思い出す人です。社会の通念を放り投げてでも、自分の意を通したいものがある。そのためなら、全てを投げ打っても構わない。という覚悟を隠し持って、ギリギリのところで踏みとどまっている人だ。
それは違うだろう、と思いもするけども、そういう覚悟を持って生きている人には憧れてしまうものです。自分の人生全てを、これまで培ってきたもの全てを捨ててでも、成し遂げたいものがあるのなら、自分自身のためだけに進むことを選ぶ。
憧れです。
そこに憧れる一方で、秀人さんのお兄さんの生き方が魅 -
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Second season2巻。
星とかれんの関係は安定飛行に入ったように思えるけども、そうは問屋がおろさないという引きです。そのきっかけとなった出来事が何なのかは、3巻なのでしょう。
大家さん関係な気もするけど、部活関係なのかなぁ。ために溜め込んだものが爆発してしまった、大人の人間関係のような気がするなぁ。
収録のサイド・ストーリー。かれんさん視点での語り。普段は勝利の一人称の語りなので、どうしてもかれんさんの気持ちは想像するしかなく、そのもやもやしたりやきもきする部分が、物語に引き込まれる要素なのですが。
それだと、勝利に偏りすぎだと思うので、たまにはかれんさん視点でもありだと思います -
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Second season開幕。
タイトルの蜂蜜色の瞳の持ち主はかれんさんのことなのですが、その瞳がどんな状況でショーリを見つめてくるか、ということです。
前巻の「夢のあとさき」の内容を読めばわかるのですが、まあ幸せであること。
作品は違うけども、「天冥の標」の『混爾』はこういうことなのだろうな。
若菜ちゃんの悩みも、ここにあります。本能的に勘づいているから、不安になる。それをストレートに口に出してしまうと、裏切っている気持ちになるから、罪悪感で望むままに行為に及んでしまう、といったところでしょうか。罪悪感を盾にするという甘え。心当たりがあるようなないような。
進行中にはわからない。そして -
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遠距離恋愛を始めた勝利とかれん。
案の定、すれ違いが続くことに焦りと不信を覚える勝利。信じているとかいないとかではなく、変なルール決めるからいけないのだと思います、うん。
変に希望があるから、それがなかったときの落差が辛い。互いを慮るあまりに、自分と相手を縛ってしまって、どうにもこうにも動けなくなってゆくやつです。
ルールは決めた以上完全に守らないと意味ないので、とんだ縛りになってしまう。
感情が先走りがちな恋愛に、とってつけたようなルールを作るのはよくない。
勝利が早く大人になりたい。自分が思い描いている、かれんにふさわしい男性になりたい、という願望が強いからでしょう。敵ながら認めざるを得