村山由佳のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
星3.5
昭和の芸能界をめぐるサクセスストーリー。
女で短大卒という学歴ゆえ、大手芸能事務所で芽が出なかったマネージャーの桐絵は、博多のライブハウスで歌う少女ミチルに惚れ込み、自腹を切り、独断で上京させる。
また、超のつくわがままなお嬢様、真由のデビューが決まっていたが、ミチルのソウルフルな歌声は周りを変えていくのだった。
懐かしい昭和歌謡の歌手名(少し名前は変えてある)がたくさん出てきたり、芸能界の裏側を見ることができ、また村山由佳の素直な文章でサクサク読めてしまった。
それにしても、福岡出身の芸能人が多いことは、今も昔も驚き。芸能界に進むことを容認する風土があるのだろうか?
-
Posted by ブクログ
モラハラ夫の束縛に吐き気がする。
これを本人は悪気なく愛情だと思い込んでいそうだから質が悪い。
過干渉としか思えないけど、こういう支え?を必要とする人もいるのかもしれない。
相性の問題なのかな。
それともどこかで何かが変わってしまったのかな。
「いいところもあるんだよ」とフォローしてる時点で、それはもう愛情じゃなくて情みたいなものに聞こえますね。
自分で自分に言い聞かせてる、みたいな。
そこから救い出してくれそうな相手が現れたら、惹かれてしまうのは必然かもしれない。
ましてそれが敬愛してる相手なら尚更。
お互いに割り切って付き合えたらよかったんでしょうけど、依存したくなるのも無理ないですね。
終盤の展開が予想外で、なんだか一緒にショックを受けてしまいました。
短期間でめまぐるしく揺れ動く心。
下巻も気になります。 -
Posted by ブクログ
ネタバレグングンと読めておもろかった!
ミチルを送り出すシーン泣けたな。別れってなんであんなにも寂しいんだ。
昭和歌謡が流行っていた時代を生きていないから映像でしか見たことないしエピソードで聞いたことしか知らないけど、解像度めちゃくちゃ高いのでは!?と思った。なんにも知らないくせに、あったあった〜!みたいな気持ちに。笑
様々なことを乗り越えた2人なら、この先なにがあっても大丈夫だなと思った。なんとかなる。どんなことも乗り越えられる。みんな幸せに生きていてほしいと願った。
そして自分自身にも、この先なにがあっても大丈夫。なんとかなる。自分だけの人生を生きていける。頑張ろう。
そう思えたことで、この本を読んで良かったと感じた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ戦争時代の心の傷を引きずり家族に怒鳴り散らす父、生真面目ながら流されて不倫する長兄、血がつながっていると知らず恋に落ちてしまった兄と妹、不倫でしか恋愛できない末妹、そして彼らを優しく見守り亡くなった母。彼ら一人一人の明るく寂しい日常を順に描いた短編集。
作者にしては珍しく青少年以外が主人公で、テーマも「叶わぬ恋」と少し重い。本筋以外にもどす黒く生々しい描写が多く、文体や作品の雰囲気からはかけ離れて暗い。読んでいてどうしても沈んだ気分になるが、なんとなく気になって最後まで読めてしまい、読後感はほんわかして意外に悪くない不思議な作品。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ毎回だけど、前のストーリーを忘れすぎていて、初めて読むかのように新鮮な気持ちで読んでいる。自分で書いた人物相関図を見ながら(笑)
勝利は時々星野さんと一緒にごはんを食べていて、しかもかれんに言ってないとかさらっと書いているけど、それは嫌だなぁ。せめて何人かで行くとか。
星野さんは勝利のことを切り離さないといけないのに依存して、心配させて、頼りまくって。無意識かもしれないけどこの関係は良くない。やっぱり星野さんは苦手だ。
勝利も八方美人というか、この場合全員を助けて丸く収めるのは無理だということに気付かないと、一番守りたいはずのかれんが傷付く。懸念事項を放っておくと、その内とんでもなく悪いことになって襲ってくるものだ。
かれんは花村家では丈のお姉ちゃんだけど、勝利と接している時はなんか長女ぽくないなと思ったけどそりゃそうか、マスターというお兄ちゃんがいるので、妹や真ん中っこでもある。意外と年下と付き合う下の子って多いよなーと思い出した。
90年代から2000年前後って、まだネットもSNSもそこまで普及していなくて、勝利の部屋探しもチラシを見て電話して・・・と所々アナログ感が残っていて懐かしさを感じる。人との出会いやコミュニケーションも今より自然だったかもなぁ。
一人暮らしの自由で爽やかな空気が良い。この巻はその幸福感のまま終わって欲しかった。
巻末のサイドストーリー、お兄ちゃん目線で面白かった。事故の日のこと、詳細が読めて良かったけど、残酷で切ない。後輩(花村父)が責任感じるのも分かるわ。
たまに作中の洋楽のタイトルを調べてみるけど、『What a Wonderful World』、イントロでピンときて知ってる歌だった。
幼少期に子供向け番組で何度も流れていて特に好きだった。なぜか飛行船と、髭の生えた白人のおじさんを想像していたけど、黒人のおじさんが歌っていたんだね。
いつ聞いても安心感と開放感を感じられる歌。
そして毎回楽しみなあとがき。
作中でもそうだけど、村山さんはいつも私が日々思うことや悩みに対して、処世術のような言葉をくれる。
数学の話を読んで、私も最近、自分の感情を無視して嫌なことをしたり嫌な場所に居続けたりするのをやめて、積極的に逃げる、能動的に避ける、を実践しているのでとても刺さった。
「世間と同じように」ってなんだろう?
多数派の生き方が自分に合うとは限らない。無理に合わせて自滅しても誰も責任は取ってくれない。皆にある程度の幸福が約束されている訳でもない。
人は一人一人全くの別人なので、量産型ではなくオーダーメイドの人生を送らなければならないはず。
それに、自分を偽って自分に合う人生を模索「しなかった」しわ寄せや代償みたいなものがいつか来る気がする。
どんな人生を送ればこんな文章になるのだろうと村山さんについて調べてみると、紆余曲折あり相当苦労されたようで納得した。経験豊富で、あらゆる方面に考えを巡らせてきたから達観されているのだろうなと想像できる。
やっぱり作家と作品は切り離せなくて、作者の経験や理想が反映された半身のようなものなのだろうなと思う。
いつか自伝的小説も読んでみようと思う。
個人的に人生の先生・師匠にしたい人。
20250428 -
Posted by ブクログ
村山由佳さんの作品は久しぶりです。
新人発掘オーディションでグランプリを獲得した真由。
福岡のクラブハウスで歌っていたところをスカウトされたミチル。
二人の少女がアイドルとしてデビューして輝くスターになるため駆け上がって行く物語。
面白かったです。
物語の先が気になって、省いて飛ばして最後まで読んでしまいました。
それで終わっても良かったのですが、もとに戻ってもう一度読みました。
二人の少女がスターへ駆け上る様子は、とても勢いがあって面白かったです。
また、時代設定が昭和となっていて、他の登場歌手が当時の人気歌手の名前を少し変えて使われていて、「あっ。この人あの歌手だ」と見つけるのも楽しかったです。
村山由佳さんって、こんなに読みやすかったんですね。
とてもテンポ良く読めました。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ途中から最後まで一気読み。
歩太から春妃への想いや行動に、「あぁ、若いってこういうことだな」と思わされた。言葉の選び方が綺麗でありながらも場面がリアルに思い浮かぶ文章で、賞を受賞するのもさもありなん、という感じ。
ただ、そうであるがゆえに物語としては後半に向け「え?」と思ってしまう箇所が多かった。
年末に男が乗り込んでくる場面は、その後の2人の関係性の進展を描くのに必要だったとはいえ、春妃が病院の同僚に家を教えているのは不自然ではないか。(性格上教えていてもおかしくはないかもしれないし、名簿とかで見ていたのかもしれないが…)
春妃が亡くなった時は妊娠していた状態で、結果として2回も赤ん坊を殺すことになってしまう演出は正直人の親の立場としてはしんどいし、夏姫との鉢合わせからの流れと合わせて展開が駆け足で一気に作り物感が増してしまった印象。
実際働きながら母になった身としては、赤ちゃん用の靴下を編む時間なんて正直なかったし、考えたこともなかった…(個人差あるとは思うけど、精神科医って忙しそうだし余裕あるんだろうかと思ってしまう)
とはいえ、リアルさを物語に求めるのも違うのかもしれないけれど…
個人的にはなんとかハッピーエンドになって欲しかったがゆえに結末は辛かったけど、続編があるようなのでまた読みたいと思った。