村山由佳のレビュー一覧

  • 彼方の声 おいしいコーヒーのいれ方 Second Season VI

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    Second season6巻。

    ラストで感情が溢れてしまった勝利。後悔に囚われて、自分の感情を押し殺すしかなかった状態から、前進するきっかけになったのだろうか。
    自分自身を追い詰めることが、見せかけの贖罪であるとは理解していても、そうすることでしかできなかったであろう日本での自分との別れになれば良いと思います。
    どんなことがあっても、人は前に進むしかないのだから。

    オーストラリアで出会った人々は、さまざまな悩みを抱え、自身の人生を歩んでいました。進めなくなって押し潰れてしまった佐藤さんや、迷路から抜け出せないリッキーのように、勝利が陥るかもしれなかった人たちも。
    処理だけじゃない。アレッ

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    2022年01月21日
  • キスまでの距離 おいしいコーヒーのいれ方 I

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    おいしいコーヒーのいれ方シリーズを読んでみたくなったため、第1巻を買ってみた。
    想像以上に古かったため、登場人物の言葉遣いや言葉選びに笑ってしまう部分があった。

    在り来りだといえば在り来りだが、そこにコーヒーやジャズについての事が入り交じっていて、面白かった。
    単純で何も考えずにラブストーリーを読みたい人にはおすすめだと思う。

    勝利のかれんに対するぶっきらぼうな言葉には度々笑わせられた。
    令和の男子高校生が、20歳の女の人を胸で泣かせられるとは思えない。どんだけ抱擁力あるんだ。
    ストーリーも好きだったが、作者の後書きの方が好きだった。

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    2022年01月20日
  • 雲の果て おいしいコーヒーのいれ方 Second Season V

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    Second season5巻。

    4巻の終わりを受けて、どんな形で始まるのかと思いきや、まさかのオーストラリアで開幕。あの出来事から半年後のオーストラリアからです。
    秀人さんの元で、アボリジニ研究所のバイトとして過ごす日々。半年後でも、あの出来事の後悔は癒えてはいない様子。あの直後、どんな状況だったのかは語られていないので想像するしかないのですが、見るに耐えないものだったのだろうと思います。
    その勝利を見たくないから、5巻を読むのが怖い、と思ったので半年後から物語が始まったのは一安心か。
    ただ、それは物事と向き合わずに目を逸らしていることでもあるので、一時的な緊急回避ではあります。

    南半球

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    2022年01月20日
  • 猫はわかっている

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    ネタバレ

    【収録作品】村山由佳「世界を取り戻す」/有栖川有栖「女か猫か」…学生アリスと江神部長/阿部智里「50万の猫と7センチ」/長岡弘樹「双胎の爪」/カツセマサヒコ「名前がありすぎる」/嶋津輝「猫とビデオテープ」/望月麻衣「幸せなシモベ」
    猫好きの愛が溢れている短編集。読んでいるとかわいいのはわかる。

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    2022年01月17日
  • 消せない告白 おいしいコーヒーのいれ方 Second Season III

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    Second season3巻。

    前巻の不穏な幕引きは、大家さんチでの一件でした。
    秀人さんかぁ。山男には惚れるなよ、という文言を思い出す人です。社会の通念を放り投げてでも、自分の意を通したいものがある。そのためなら、全てを投げ打っても構わない。という覚悟を隠し持って、ギリギリのところで踏みとどまっている人だ。
    それは違うだろう、と思いもするけども、そういう覚悟を持って生きている人には憧れてしまうものです。自分の人生全てを、これまで培ってきたもの全てを捨ててでも、成し遂げたいものがあるのなら、自分自身のためだけに進むことを選ぶ。
    憧れです。
    そこに憧れる一方で、秀人さんのお兄さんの生き方が魅

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    2022年01月14日
  • 明日の約束 おいしいコーヒーのいれ方 Second Season II

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    Second season2巻。

    星とかれんの関係は安定飛行に入ったように思えるけども、そうは問屋がおろさないという引きです。そのきっかけとなった出来事が何なのかは、3巻なのでしょう。
    大家さん関係な気もするけど、部活関係なのかなぁ。ために溜め込んだものが爆発してしまった、大人の人間関係のような気がするなぁ。

    収録のサイド・ストーリー。かれんさん視点での語り。普段は勝利の一人称の語りなので、どうしてもかれんさんの気持ちは想像するしかなく、そのもやもやしたりやきもきする部分が、物語に引き込まれる要素なのですが。
    それだと、勝利に偏りすぎだと思うので、たまにはかれんさん視点でもありだと思います

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    2022年01月12日
  • 猫はわかっている

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    猫モチーフのアンソロ。人と猫の繋がりみたいな話で、村山由佳さん、阿部智里さん、望月麻衣さんの作品はああこれは猫経験が非常に豊富な作家さんだなと読んで解るが、別の作家の密室仕立ての話とガールズバーでブチ切れる話は猫を小道具に使い書いてみましただけ感が凄い。表題に近い「猫をわかってる」人選はもっとあったんじゃないだろうか。

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    2022年01月07日
  • 蜂蜜色の瞳 おいしいコーヒーのいれ方 Second Season I

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    Second season開幕。
    タイトルの蜂蜜色の瞳の持ち主はかれんさんのことなのですが、その瞳がどんな状況でショーリを見つめてくるか、ということです。
    前巻の「夢のあとさき」の内容を読めばわかるのですが、まあ幸せであること。

    作品は違うけども、「天冥の標」の『混爾』はこういうことなのだろうな。

    若菜ちゃんの悩みも、ここにあります。本能的に勘づいているから、不安になる。それをストレートに口に出してしまうと、裏切っている気持ちになるから、罪悪感で望むままに行為に及んでしまう、といったところでしょうか。罪悪感を盾にするという甘え。心当たりがあるようなないような。
    進行中にはわからない。そして

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    2022年01月06日
  • 夢のあとさき おいしいコーヒーのいれ方 X

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    遠距離恋愛を始めた勝利とかれん。
    案の定、すれ違いが続くことに焦りと不信を覚える勝利。信じているとかいないとかではなく、変なルール決めるからいけないのだと思います、うん。
    変に希望があるから、それがなかったときの落差が辛い。互いを慮るあまりに、自分と相手を縛ってしまって、どうにもこうにも動けなくなってゆくやつです。
    ルールは決めた以上完全に守らないと意味ないので、とんだ縛りになってしまう。
    感情が先走りがちな恋愛に、とってつけたようなルールを作るのはよくない。

    勝利が早く大人になりたい。自分が思い描いている、かれんにふさわしい男性になりたい、という願望が強いからでしょう。敵ながら認めざるを得

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    2021年12月24日
  • ワンダフル・ワールド(新潮文庫)

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    再読
    匂いっていいよね
    つらいきもちもそうだけど嬉しい気持ちも呼び起こしてくれる
    時折知ってる香りをかぐと、いろんな感情が呼び起こされる
    それがまた生きてきた軌跡なんだろうなぁと思う

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    2021年12月20日
  • ヘヴンリー・ブルー

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    ネタバレ

    『天使の卵』のサイドストーリーで、主人公に対する作者の思いの深さを知る一冊。
    恋愛対象が自分から姉に移るというあるようなないような設定ではあるが、そんな状況下に置かれてしまう主人公の心のうちが実によく、隠されることなく描かれていると思う。恨みと愛情、信頼と裏切り、相反するテーマが心の中で葛藤している中で突如現れる物語の終わり。同じような状況下に置かれたら自分は正気を保てるかどうかすら怪しい、と感じてしまう。

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    2021年12月14日
  • 嘘 Love Lies(新潮文庫)

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    テンポよく読み進めだけど、合わなかった。資材置場の出来事の後、普通の生活に戻って行けたのは少し無理があるような気がする。

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    2021年12月12日
  • キスまでの距離 おいしいコーヒーのいれ方 I

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    勝利とかれんの思いが通じそうでなかなか通じ合わないところが、じれったく、甘酸っぱく、恋愛初期って感じがした。勝利から見た視点で描かれているけれど、かれんの心のうちはどんなだったのだろう。今後長く続いていくシリーズなので、山あり谷ありいろんなことがあるんだろうなあと思うと楽しみ。

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    2021年11月20日
  • 女ともだち

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    このアンソロジー、構成がうまい!!!!

    最初は女友達という独特の
    ヒリヒリ感、もやもやしたもの、
    縛り縛られる逃げられない女の友情の話しで
    グッと掴まれる
    ここまでは無いものの、やっぱり時には
    面倒くさい、共感できる部分についつい入り込む

    そこからだんだんと
    でもやっぱり女の友情っていいよなぁというお話しが
    特に最後の森絵都さんのお話がすごく好きだった

    女友達は脆くて危ういけど
    どうしようもなく男にはわからない無敵なものだ、ともおもった

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    2021年11月16日
  • 風は西から

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    ほぼ一気読み。
    過労自殺は、他人事だと思ってしまえば、そんな酷いはずはないと楽観的に捉えてしまうけれど、実際に信じられないような過酷な状況の中で働いている人がいるという事実は知る必要があると思う。

    過労自殺ではないけれど、似た経験がある私、本書の『残された大切な人がどのような想いになるか、考えられなくなる程追い詰められていた』というような内容に少し救われた。

    村山由香さんの本は読みやすくて好き。

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    2021年11月07日
  • ダブル・ファンタジー(上)

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    妻の才能に嫉妬する夫と、より大きな才能で心地よく屈服させる大演出家と、売れっ子女性脚本家のお話。下巻はどうなるんかなあ。

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    2021年11月06日
  • ヘヴンリー・ブルー

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    天使の卵と梯子の、夏姫側からみた話。
    新しい夏姫の感情が見えるのかなーと思ったけど、
    真新しいものはなかったかなぁー。
    久しぶりに天使の卵の映画をみたくなったよ。
    サクッと読めちゃいますー!!

    それよりも、長いあとがきー笑
    途中でクスっと笑う所もあり、おもしろかったなぁー。
    真剣に読むんじゃなくて、
    ダラダラ読むのにちょうど良かったなぁ。

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    2021年10月24日
  • 妖し

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    ネタバレ


    短編集は知らなかった作家さんに出会えるのが楽しい。
    今回いちばんのお気に入りは村山由佳さんのANNIVERSARY。
    「俺が寂しいの」に不意にきゅんとしてしまった。
    話のあらすじとはズレちゃうけど、こんな旦那さんと結婚したいなあとしみじみ思いました。笑

    真珠星スピカはちょっとうるっと来たし、
    マイ、マイマイは思春期のムズムズ感を思い出したし、
    わたしキャベンディッシュはぞわっとした。

    一冊で色んな感情を引き出される本でした。

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    2021年10月24日
  • 燃える波

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    ここまでのクズ男もなかなかいなかろう!!!…でも実際にいそう…ってなった。その人間のクズの心理が描かれてるのはよかった。全く共感はできなかったけど。その共感のできなさには、自分に対して安心しても良いと思った。

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    2021年10月21日
  • 地図のない旅 おいしいコーヒーのいれ方 Second Season VIII

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    暗い感じのまま、クライマックスへ続くのか…ラストは明るい未来が待ってることが予感できるものになって欲しい。ショーリとかれん、そしてみんなが。中沢さんも秀人さんも原田先輩もいい人だったな、ショーリとかれんの周りには悪い人はいなかった。

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    2021年10月15日