村山由佳のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
どんな言葉も、誰に言われたかによって、掛け算のように強さが増して迫ってくる。大したことない仕草だって、足したことない筈なのに。
アレックスとかれんの似ているところ、真逆に思えるところ、勝利の反応が素直で(もちろん心の声がみられる我々のため)、どれほどの想いかが伝わってくる。
慣れない土地で慣れてきた頃、笑うたびに罪悪感が同時に、お前は笑顔になれる立場なのかと襲いかかってくる。これが本当の罪。太陽と影のように、地球の裏側にいったって振り切れない。振り切ることすら逃げてる恥だと自分を責めてしまう。
誰も自分を知らない土地というのは、これほどまで楽か。苦労を超える安堵が背伸びのように出てくる感 -
Posted by ブクログ
舞台の変わったおいこーシリーズ
勝利を救うために手を伸ばすた秀人の元に向かったが、吉と出るか凶とでるか。
やはり、他のことで頭を埋め尽くすのは心が楽になる。
それが忙しければ忙しいほど。いつかは向き合わなければならないことはわかっていつつも、無くせないフェーズに感じる。
研究において、知りすぎていることは不利に出ることがある。普通なんて曖昧、形がなくて、他人の前に押し付けることなんて烏滸がましい。だが、僕らはそんなものを頼りに他人と生きている。誰が言ったかもわからないルールの上に立って、揺れている感覚。普通、単語を聞くたびに思ってしまう悪い癖。
家族であるが、それゆえに素直になれず、強く -
Posted by ブクログ
星3.5
昭和の芸能界をめぐるサクセスストーリー。
女で短大卒という学歴ゆえ、大手芸能事務所で芽が出なかったマネージャーの桐絵は、博多のライブハウスで歌う少女ミチルに惚れ込み、自腹を切り、独断で上京させる。
また、超のつくわがままなお嬢様、真由のデビューが決まっていたが、ミチルのソウルフルな歌声は周りを変えていくのだった。
懐かしい昭和歌謡の歌手名(少し名前は変えてある)がたくさん出てきたり、芸能界の裏側を見ることができ、また村山由佳の素直な文章でサクサク読めてしまった。
それにしても、福岡出身の芸能人が多いことは、今も昔も驚き。芸能界に進むことを容認する風土があるのだろうか?
-
Posted by ブクログ
モラハラ夫の束縛に吐き気がする。
これを本人は悪気なく愛情だと思い込んでいそうだから質が悪い。
過干渉としか思えないけど、こういう支え?を必要とする人もいるのかもしれない。
相性の問題なのかな。
それともどこかで何かが変わってしまったのかな。
「いいところもあるんだよ」とフォローしてる時点で、それはもう愛情じゃなくて情みたいなものに聞こえますね。
自分で自分に言い聞かせてる、みたいな。
そこから救い出してくれそうな相手が現れたら、惹かれてしまうのは必然かもしれない。
ましてそれが敬愛してる相手なら尚更。
お互いに割り切って付き合えたらよかったんでしょうけど、依存したくなるのも無理ないですね -
Posted by ブクログ
ネタバレグングンと読めておもろかった!
ミチルを送り出すシーン泣けたな。別れってなんであんなにも寂しいんだ。
昭和歌謡が流行っていた時代を生きていないから映像でしか見たことないしエピソードで聞いたことしか知らないけど、解像度めちゃくちゃ高いのでは!?と思った。なんにも知らないくせに、あったあった〜!みたいな気持ちに。笑
様々なことを乗り越えた2人なら、この先なにがあっても大丈夫だなと思った。なんとかなる。どんなことも乗り越えられる。みんな幸せに生きていてほしいと願った。
そして自分自身にも、この先なにがあっても大丈夫。なんとかなる。自分だけの人生を生きていける。頑張ろう。
そう思えたことで、こ -
Posted by ブクログ
ネタバレ戦争時代の心の傷を引きずり家族に怒鳴り散らす父、生真面目ながら流されて不倫する長兄、血がつながっていると知らず恋に落ちてしまった兄と妹、不倫でしか恋愛できない末妹、そして彼らを優しく見守り亡くなった母。彼ら一人一人の明るく寂しい日常を順に描いた短編集。
作者にしては珍しく青少年以外が主人公で、テーマも「叶わぬ恋」と少し重い。本筋以外にもどす黒く生々しい描写が多く、文体や作品の雰囲気からはかけ離れて暗い。読んでいてどうしても沈んだ気分になるが、なんとなく気になって最後まで読めてしまい、読後感はほんわかして意外に悪くない不思議な作品。 -
-
Posted by ブクログ
ネタバレ毎回だけど、前のストーリーを忘れすぎていて、初めて読むかのように新鮮な気持ちで読んでいる。自分で書いた人物相関図を見ながら(笑)
勝利は時々星野さんと一緒にごはんを食べていて、しかもかれんに言ってないとかさらっと書いているけど、それは嫌だなぁ。せめて何人かで行くとか。
星野さんは勝利のことを切り離さないといけないのに依存して、心配させて、頼りまくって。無意識かもしれないけどこの関係は良くない。やっぱり星野さんは苦手だ。
勝利も八方美人というか、この場合全員を助けて丸く収めるのは無理だということに気付かないと、一番守りたいはずのかれんが傷付く。懸念事項を放っておくと、その内とんでもなく悪いこ