村山由佳のレビュー一覧

  • 彼方の声 おいしいコーヒーのいれ方 Second Season VI

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    どんな言葉も、誰に言われたかによって、掛け算のように強さが増して迫ってくる。大したことない仕草だって、足したことない筈なのに。

    アレックスとかれんの似ているところ、真逆に思えるところ、勝利の反応が素直で(もちろん心の声がみられる我々のため)、どれほどの想いかが伝わってくる。

    慣れない土地で慣れてきた頃、笑うたびに罪悪感が同時に、お前は笑顔になれる立場なのかと襲いかかってくる。これが本当の罪。太陽と影のように、地球の裏側にいったって振り切れない。振り切ることすら逃げてる恥だと自分を責めてしまう。

    誰も自分を知らない土地というのは、これほどまで楽か。苦労を超える安堵が背伸びのように出てくる感

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    2025年07月11日
  • 雲の果て おいしいコーヒーのいれ方 Second Season V

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    舞台の変わったおいこーシリーズ
    勝利を救うために手を伸ばすた秀人の元に向かったが、吉と出るか凶とでるか。

    やはり、他のことで頭を埋め尽くすのは心が楽になる。
    それが忙しければ忙しいほど。いつかは向き合わなければならないことはわかっていつつも、無くせないフェーズに感じる。

    研究において、知りすぎていることは不利に出ることがある。普通なんて曖昧、形がなくて、他人の前に押し付けることなんて烏滸がましい。だが、僕らはそんなものを頼りに他人と生きている。誰が言ったかもわからないルールの上に立って、揺れている感覚。普通、単語を聞くたびに思ってしまう悪い癖。

    家族であるが、それゆえに素直になれず、強く

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    2025年07月09日
  • 凍える月 おいしいコーヒーのいれ方 Second Season IV

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    最後が気になってしまう。

    怒涛に嫌な予感が相次いだラスト。
    次を読むしかないなこりゃ。

    「恋人にただ会えるだけで、嬉しいもんでしょ。」
    そんな2人はすでに幸せに思える。

    結局は信頼できるかどうか。
    会った後にあれこれ考えるのだって大事だけど、会えるだけで元気がって最強、スターを取ったような、

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    2025年07月02日
  • ダブル・ファンタジー(下)

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    いろんな相手と性的関係を持っていますが、お互いに家庭がある以上、100%を相手にあげられるわけではなくて。
    それは家庭の有無に関係ないかな。
    どれくらい相手に望むか、そのバランスが崩れるとしんどいですね。

    同じ相手の同じ言動なのに、あれほど嬉しかったものが鬱陶しくなる。
    人間の心は不思議です。

    相手に振り回されるほど溺れる恋も、穏やかに浸れる恋も、どれが正解というわけでもなくて。
    誰に対しても、他にも関係を持つ男性がいることを隠していないという点では、誠実とも言えるのかな。
    きっと彼女は一人の人に留まるタイプじゃないんだと思う。

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    2025年06月25日
  • 星屑

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    星3.5
    昭和の芸能界をめぐるサクセスストーリー。

    女で短大卒という学歴ゆえ、大手芸能事務所で芽が出なかったマネージャーの桐絵は、博多のライブハウスで歌う少女ミチルに惚れ込み、自腹を切り、独断で上京させる。
    また、超のつくわがままなお嬢様、真由のデビューが決まっていたが、ミチルのソウルフルな歌声は周りを変えていくのだった。

    懐かしい昭和歌謡の歌手名(少し名前は変えてある)がたくさん出てきたり、芸能界の裏側を見ることができ、また村山由佳の素直な文章でサクサク読めてしまった。
    それにしても、福岡出身の芸能人が多いことは、今も昔も驚き。芸能界に進むことを容認する風土があるのだろうか?

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    2025年06月22日
  • ダブル・ファンタジー(上)

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    モラハラ夫の束縛に吐き気がする。
    これを本人は悪気なく愛情だと思い込んでいそうだから質が悪い。
    過干渉としか思えないけど、こういう支え?を必要とする人もいるのかもしれない。
    相性の問題なのかな。
    それともどこかで何かが変わってしまったのかな。

    「いいところもあるんだよ」とフォローしてる時点で、それはもう愛情じゃなくて情みたいなものに聞こえますね。
    自分で自分に言い聞かせてる、みたいな。

    そこから救い出してくれそうな相手が現れたら、惹かれてしまうのは必然かもしれない。
    ましてそれが敬愛してる相手なら尚更。
    お互いに割り切って付き合えたらよかったんでしょうけど、依存したくなるのも無理ないですね

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    2025年06月21日
  • 星屑

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    ネタバレ

    グングンと読めておもろかった!
    ミチルを送り出すシーン泣けたな。別れってなんであんなにも寂しいんだ。

    昭和歌謡が流行っていた時代を生きていないから映像でしか見たことないしエピソードで聞いたことしか知らないけど、解像度めちゃくちゃ高いのでは!?と思った。なんにも知らないくせに、あったあった〜!みたいな気持ちに。笑

    様々なことを乗り越えた2人なら、この先なにがあっても大丈夫だなと思った。なんとかなる。どんなことも乗り越えられる。みんな幸せに生きていてほしいと願った。

    そして自分自身にも、この先なにがあっても大丈夫。なんとかなる。自分だけの人生を生きていける。頑張ろう。

    そう思えたことで、こ

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    2025年06月15日
  • 妖し

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    怪異をテーマに10人の作家が描く短編アンソロジー。

    豪華な顔ぶれです!
    怪異がテーマだけあって、ちょっと怖い話や不気味な話が多め。

    亡くなったお母さんの幽霊が現れる、窪美澄さんの「真珠星スピカ」
    室町時代が舞台の武川祐さんの「細川相模守清氏討死ノ事」
    の二作が好きでした。

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    2025年06月11日
  • 天使の梯子

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    完全に題名に釣られて読みました笑。


    切ない、、、けどちゃんと救いがある恋愛小説。
    夏姫さんが完全にドストライク。
    よき。

    最初の期待とはちょーっと違かったけど、でもこうちゃんと最後は前を向いて歩み出せた感じですごく良かったかな、、、。

    たまにはこういうちょい重だけど涙を誘う恋愛小説もよいね。

    この人の作品すごくなんていうか、美しい、感じなんだよね。
    他の作品もそうなんだけど、言葉遣いとか、描く景色、言葉選びがすごく、世界を美しくしてる。

    私ももっと世界を美しく書きだしたいな。

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    2025年06月02日
  • 星々の舟

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    ネタバレ

    戦争時代の心の傷を引きずり家族に怒鳴り散らす父、生真面目ながら流されて不倫する長兄、血がつながっていると知らず恋に落ちてしまった兄と妹、不倫でしか恋愛できない末妹、そして彼らを優しく見守り亡くなった母。彼ら一人一人の明るく寂しい日常を順に描いた短編集。
    作者にしては珍しく青少年以外が主人公で、テーマも「叶わぬ恋」と少し重い。本筋以外にもどす黒く生々しい描写が多く、文体や作品の雰囲気からはかけ離れて暗い。読んでいてどうしても沈んだ気分になるが、なんとなく気になって最後まで読めてしまい、読後感はほんわかして意外に悪くない不思議な作品。

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    2025年06月01日
  • ダブル・ファンタジー(下)

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    内容をよく知らないで読んだらびっくりした。
    官能小説だと思って楽しんだ。
    香港の戯曲の話がどうなったのか気になる。

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    2025年06月01日
  • PRIZEープライズー

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    小説家 日記とかコラムぐらいの文章量なら何とか書けますが、小説は書こうと思っても書けないです。才能というものをまざまざと感じさせる物です。そんな小説を書ける小説家が直木賞に執着している姿を、赤裸々に書き綴った小説でした。

    ラストの展開は好きでした。前半はもたついた感がありました。直木賞受賞作家だからこそ書ける作品で、取ってない人が書いてたらそれはそれで面白いだろうなと思いました。

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    2025年12月03日
  • 蜂蜜色の瞳 おいしいコーヒーのいれ方 Second Season I

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    恋人の間に必要な事は信頼
    相手を疑ってしまうものだから、
    愛する想いが強すぎるが故に辛いことも増える。

    楽しいだけは面白くないし、
    チャイティーくらいのバランスが必要なのかな。

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    2025年05月30日
  • 星屑

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    芸能事務所のマネージャーを主人公としたお仕事小説。芸能界のシンデレラストーリーをまさに小説にしたようで、起伏がはっきりしていて読みやすかったかなと思います。

    個人的には主人公のキャラが1番の魅力のように感じました。お仕事に心血を注ぐ熱い主人公であるけれど、少し暴走気味な感じは、少年マンガの主人公みたいで好みでした。

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    2025年05月15日
  • もの書く人のかたわらには、いつも猫がいた NHK ネコメンタリー 猫も、杓子も。

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    6人の作家さんの、猫との過ごし方の話。
    猫が人生に与えてるものとか、変わったこととか、作品への影響とか、質問形式で答えて下さり、かつエッセイとかでも表現してくれたり、かわいい写真も沢山載ってたりん。
    もう、可愛すぎるんんんんんฅ(*‎´꒳`*ฅ‪)ꪆ‬

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    2025年05月12日
  • 聞きたい言葉 おいしいコーヒーのいれ方 IX

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    クリスマスの話

    2人が遠距離になるまでの道
    少しつなぎのような巻

    相手を思う故に言わない本音に
    縛り付けられる勝利

    恋愛ってムツカシイ

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    2025年05月09日
  • 遠い背中 おいしいコーヒーのいれ方 VI

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    ネタバレ

    毎回だけど、前のストーリーを忘れすぎていて、初めて読むかのように新鮮な気持ちで読んでいる。自分で書いた人物相関図を見ながら(笑)

    勝利は時々星野さんと一緒にごはんを食べていて、しかもかれんに言ってないとかさらっと書いているけど、それは嫌だなぁ。せめて何人かで行くとか。
    星野さんは勝利のことを切り離さないといけないのに依存して、心配させて、頼りまくって。無意識かもしれないけどこの関係は良くない。やっぱり星野さんは苦手だ。

    勝利も八方美人というか、この場合全員を助けて丸く収めるのは無理だということに気付かないと、一番守りたいはずのかれんが傷付く。懸念事項を放っておくと、その内とんでもなく悪いこ

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    2025年04月30日
  • 二人キリ

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    性描写が生々しいけどいやらしくない。一種の愛の形って感じ。でもとにかく長い。もう少しコンパクトにできてたらもっと読みやすくなるのに…と思った

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    2025年04月27日
  • 遠い背中 おいしいコーヒーのいれ方 VI

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    今回は嵐の前の静けさのような
    元気でいう雨の匂いがする!的な、

    相手を想ってが裏目に出てる?
    誰もが感じる悩みどころ

    毎度かれんのふとした仕種に
    くすぐったくなる

    だが少し悩みの種を抱えた彼女
    読んでいてどこか喉に引っかかる

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    2025年04月26日
  • Row&Row

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    ネタバレ

    夫の甘い考えに言葉がでない。妻と語るときも、言い訳ばかり。自分が不利になると怒鳴る。最後の最後に妻に「一緒に育てよう」「ただの浮気だよ」と言ってみたり。

    妻の最後の夫に怒るシーンがよかった。

    泣きたい夜もあるが自分の巣と自由、友達もいて、自分で決められる、自分だけのものを手にいれて、彼女は動き出す。

    p506-2~6

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    2025年04月20日