天使シリーズの完結巻
ネグレクトを受けて育った中学生の少女が30過ぎの歩太くんに出会うお話し
文庫の発売当初に買ってはあったんだけど、読み始めるのになかなか踏ん切りがつかず
だって、あの天使シリーズの完結なんて、悲しいような嬉しいような複雑な気持ちで
なので、一気読みできるときにと思ってなかなか読めずにいました
黒村山を経たからなのか、暗くドロドロした部分が多い
まぁ、世の中にはもっと黒い小説もあるけど、天使シリーズにしてはちょっと黒すぎるといったところ
それでも、そんな黒い部分を乗り越えるからこそのハッピーエンドなんだけどね
二人とも人生の再生、再開ができてよかった
夏姫は天使の梯子で救われているし、これで歩太くんも救われた
一応、キレイに終わっている
それでもちょっと納得がいかないのは、茉莉が歩太にとってはどんな存在なのかというところ
茉莉を描いたシーンは、これまでの事を知っているからこそ
「歩太くん、やっと人物を描く事ができたんだね。よかった、君は救われていいんだよ」ととても感動したんだけど
ふつふつと湧き上がる「でも、何で茉莉?」という疑問
茉莉に春妃を重ねたんだろうけど、それってどんなところなんだろうね?
「ありがとう」の言葉なのか、それとも外見なのか、中身なのか・・・
まぁ、でも描かれたものが宗教画のようなものだったというあたりにそんな共通点があったんだろうね
前作では、風景画を書いていても春妃を書いているのと同じことという描写だったけど
今作ではしっかりと人物画を描けたというのは良い演出だよなぁ
あと、最後のところでお母さん達の養子になっていたけど
実際のところ20歳差ってどうなのよ?
歩太くんと春妃、夏姫とフルチンでも8歳差だものね
ま、それを言うのは野暮ってやつかな
とりあえず、天使の卵で僕が号泣してから15年あまり
ちゃんとした完結が見られるとは思っていなかったので、完結は余計と嬉しく感じます