村山由佳のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
【2024年171冊目】
伊藤野枝と大杉栄。数奇な人生を送った二人の男女を中心に、物語は展開していきます。野枝の幼少期に始まり、初恋とその相手である辻、文壇の世界に飛び込むきっかけとなった平塚らいてうや、大杉の妻である保子など、物語の主体は次々と移り変わりますが、そこは作者の手腕。話自体はするすると入ってきます。
が、私はどうやら実在の人物を題材にした話はあまり好みではないようで、読むのに結構時間がかかりました。あまりにも世界観に入り込めなくて、読書好きで博学の友人に相談したところ、二人の死因について教えてくれ、それをきっかけに興味を持ち直したという体たらく。
上巻の最後が修羅場じみていて -
Posted by ブクログ
ネタバレやや抵抗ある内容ながらも、さすがの筆力でグイグイ読めた。
官能部分は…直接そのものを書かなくても、こんなに表現できるものなんだな、と。
普段の生活じゃお目にかからないようなプレイが出てきます。
嫌々やめて(本当はしてほしいんだろ?)みたいな展開、嫌いじゃないはずなのに今作ではちょっと引いてしまった……
それぞれ罰をうける、みたいな展開になるけど、1番やらかした感がある女性がどうなったのかイマイチ分からんかったのが消化不良。
メインどころの人達よりも、周りの人達の言葉が印象的だったし、登場人物の仕事内容にフォーカスした部分のほうが面白かった笑 -
Posted by ブクログ
ネタバレ恋愛小説に感動できなくなったのは、私が大人になったからかそれとも単純に冷めた人間になってしまったからなのか。
今でこそLGBTQが世間の流行のようになっているが、2009年の小説でセクシャリティーに踏み込んでいたというのは珍しいのでは?とは感じた。
ただどの登場人物にもあまり共感できず寄り添えなくて、物語に入り込めなかった。
また風景や人、ものの描写が多くて、まるで旅行記でも読んでいるかのような…それが好きな人には合うかもしれないが、それもストーリーに入り込めなかった要因かも。
さらに死者の声が聞こえるという設定?たびたび登場する周本人の声に何となく興醒めしてしまった。
ファンタジックな感じが -
Posted by ブクログ
ネタバレ10人の作家さんが描く怪異の短編アンソロジー。多種多様な怖い話。一体、どこからこんなアイデアが出てくるのかと驚きながら楽しみました。
恩田陸『曇天の店』
北陸の料理屋。開けてはいけない勝手口。フェーン現象がつれてくるカワケが人を狂わせる。ラストの夫婦の会話が不穏で、余韻たっぷりで終わる。
米澤穂信『わたしキャベンディッシュ』
バナナの種って貴重なんだなあ。シゲルはどんな味なのかしら。
村山由佳『ANNIVERSARY』
小2のときの儀式が35歳で効果を発揮?
夫と息子と幸せに暮らしていたのに、少し違う世界で小2からやりなおし。新しい世界で新しい家族と幸せになっても、新旧、どちらも裏切って