村山由佳のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
私のツボを押さえてくる、村山由佳氏の官能的表現を含む小説を新たに。こういうのが一冊、今読んでるリストにあると正直心に潤いを感じる。
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「恋とはまた違う、友情や情愛に近い睦み合いを重ねることに、二人ともいまだに罪悪感は薄い。人生の隠れ家のような関係は心地よかった。」
うわーいいな、と思ってしまった。
いいなと思うことに、罪悪感が薄い。大丈夫か。多分、仕事と家庭だけってのは性分に合ってないってことだと思う。第3の居場所に憧れてるだけ、と言い聞かせる。
自由とは、孤独と表裏一体。「かなり自由でありながらあまり孤独ではない」いい表現。
「毎日の家事というものは、もちろん煩わしいものでもあるけど、決してマイナス面ばかりではない。それらは『生活を営んでいる』という手応えと、日々自らの足で歩いている実感をもたらしてくれる」
めちゃくちゃ同感。一時期は生産性という言葉に呪われていたが、回り道が近道のこともあると30半ばで実感している。 -
Posted by ブクログ
ネタバレまあよかったけれど、少し話が出来過ぎのような・・・
懇親会を兼ねた寄り合いで航介が『納屋カフェ』をPR、しかし自治会役員 山崎の文句で張り詰めた雰囲気になり、そこで英理子が話をして場がなんとなく収まる場面、特にそこで感じた。これが現実だったらこんな一発逆転みないなことにはならない。これはお話(フィクション)だから一発逆転でよいのだけれど、それがこの展開だったことが出来過ぎに感じた。他にも、それは話がうますぎるのでは?と思ったり、道徳の教科書のような感じを受けるところがあった。
雪乃は小学五年生⁉ 考え方が大人でそう思えなかった。自分が小学五年生をもっと子供だと考えているだけで、実際はこういった考え方をするのだろうか?
「いじめは、いじめられるほうにもそれなりの原因があるのではなく、いじめる側が100%悪い」の意味を明確に理解できた。気の合わない人、好きになれない人がいるなら、関わりを持たなければよいだけのこと。それをわざわざマイナスの関わりを持つのがいじめる側。いじめる側が100%悪い。
ちなみに寄り合いの場面、自分は売り言葉に買い言葉で山崎への反論を考えていた。田舎の世界は狭い、こいつの発言で『納屋カフェ』への来客は期待できない、それなら『納屋カフェ』をあきらめこいつと真っ向勝負してやろうと。胸がすっきりすることはなくても言われっぱなしはたまらない。
・・・こういう性格をこの本でダメ出しされたかも。 -
Posted by ブクログ
口は悪いが腕のよいキャラ強めな院長、それを支えるスタッフ達、プラス猫好きな青年土屋が色々な事情を抱えた患者さんと向き合っていく物語。
今まで動物を飼ったことがないので、ペットにも、獣医師という仕事にもあまり馴染みがない。だが、人間と同じく、動物それぞれにも人生があり物語があるんだな。当たり前だけど。
命あるものを飼うということは、その命を預かる責任があるということ。物語の1つに奥さんが飼っていたインコをぞんざいに扱う夫がいる。気持ちの良いものではなかったが、そういう人も一定数いるんだろう。
ペットを飼うことの素晴らしさ、それだけではない大変な部分も描かれているのが良い。
また獣医師の仕事を、少しでも知れたのが良かった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレう、ん。。主人公の1人である夫が見せる幼さは、とてもよく分かったし理解もできたし身につまされた。
恥ずかしながら共感できる所もあって、いやもう言ってしまえば独りよがり暴発気味なこの亭主の眼鏡からでしか読めなかった。
女性が綴った作品だからこそ痛痒い。いや掻きすぎてもうそこ痛いところですから。
あぁ外野のみなさまからはやっぱりこう見えるんですのね、なしんどさ。
だからこそきっぱりと言う。
その不倫、うらやましいぞと。
というか男は、いやわたしはと言っとこ、ナイトでいたいのいつまでたっても。いやナイトでいさせて。なんか支えて。「キミかわいいね」なんて会社で言っちゃいけないけど家で愛妻に向かって言うならいいじゃない。「あなたいつもご苦労様」「かっこいい」「素敵」「頼り甲斐がある」とかいーじゃない別に。ねえ?(誰に)
まーそんな成れの果てのような昭和を抱えるオッサンなんておぞましく見られるんだろうけど、時代錯誤とか封建的とかどーでもよくて。育った環境という消極的な個性です。
ムダに発奮してしまったけど、やっぱりここは柔らかくてモヤモヤするところなんです。恐ろしく整理されてない、とも言い換えられる。
だから女性の活躍推進とは、どんな作品を通して読んでいて針山のようなチクチクを伴う。なんか悪いことをしてしまった後ろめたさ、これなに。
まーその視点ならばこの不倫は破滅させて欲しかった。ラストはサッパリした感がある。逃げ切った、みたいな。
同じタイミングで似たタイトルの『マザーアウトロウ』を読んだ時の方が、亭主が死んで後悔してることは離婚しなかったこと!とか子どもなんか産まなくたって(姑と嫁の)フィーリングッドなマブダチが爆誕したんだからいーじゃないの!とか突き抜けてて爽快だった。 -
Posted by ブクログ
村山由佳さん作品の中では、『しっぽのカルテ』のような温かさとも、『プライド』のような激しさとも少し違う、大人の恋愛と夫婦関係を描いた物語でした。
夫婦として長く暮らす中で生まれる不満や諦め、男女それぞれのプライドや孤独がリアルに描かれていて、「こんな夫婦、本当にいそうだな」と感じました。ドロドロした部分もありますが、それだけではなく、登場人物たちが自分の人生や幸せについて向き合っていく姿が印象的です。
特に、当たり前になってしまった夫婦の役割や我慢について考えさせられました。「これでいい」と思っていたことが、本当はそうではなかったのかもしれない――そんな気づきもありました。
恋愛小説としては心が熱くなる場面もあり、続きが気になって一気に聴いてしまうほどの面白さ。大人の恋愛ドラマをラジオで聴いているような感覚で楽しめる一冊でした。