村山由佳のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ2026年本屋大賞第3位ということで手に取りました。
直木賞をどうしても獲りたい作家・天羽カイン。その強い執念ゆえに気性が荒く、個人的にはあまり好きなタイプではありませんでしたが、感情を隠さずさらけ出す人間臭さには不思議と惹きつけられました。
前半は、直木賞の選考方法や作家と編集者の関係性、編集者の仕事など、普段知る機会の少ない出版業界の裏側が興味深く、夢中で読み進めました。
そして後半、編集者・緒沢千紘の危うさが見え始めたあたりから、物語はさらに面白くなります。フィクションとはいえ「本当にこんなことがあるのだろうか」と思いましたが、実際に似た事例があったと知り、驚きました。
『作品は -
Posted by ブクログ
読破後はなんとも形容し難い感情になった。
後を引くような、登場人物の気持ちに少し寄り添えるようになって、すっきりするような、不思議な気持ち。
テーマは重い、苦しい、悲恋。いじめ、性的虐待、戦争の負の歴史である慰安婦への扱い、兄弟愛。
扱うテーマはどれも重く、人間の綺麗ではない部分を容赦なく描いていた。
外から見れば普通の家族。でも内側では皆が傷や孤独、弱さを抱えていて、崩壊寸前のまま生きている。
本作は短編集で、各登場人物の視点から物語が繰り広げられる。その人格を形成した理由、出来事が本人の目線から語られる。誰しもが苦しい局面があり、読んでいるだけで気分が悪くなる。
そして、人は見えてい -
Posted by ブクログ
ネタバレこの巻でまたあんまり話が進まなくなったので、なかなか読めなかった。
かれんの母(勝利の叔母さん)は手強い。言ってることがもっともすぎて、この母親とはちゃんと議論できないと丸め込まれて終わりだなと思った。
でも一方で、なんでこんなに過保護な母親が少なからずいるんだろうとも思う。
娘の一人暮らしが心配なのは分かるけど、かれんももう25歳だし、いずれ絶対に親元を離れる。もし親が世話をし続けた結果、自分のことが自分でできない高齢の子供を生み出してしまったら、それこそどう責任を取るつもりなんだろう。親は子供より長生きしない可能性が高いのに、なんで親が死んだ後の子供の生活は心配にならないんだろう。歳を -
Posted by ブクログ
女性の官能小説。
描写がとてもリアルで読んでいて恥ずかしい気持ちと、どこか清々しい気持ちも。
主人公の奈津はとことん性欲が強かった。
ここまで強かったら大変だろう。
セックス依存症なのかと思ったけれど、
きっと奈津はそれだけではなく愛されたい欲が強いのではないかと思った。
言葉で愛されたい。
軀をぐちゃぐちゃに愛されたい。
私を見て欲しい。
満足させて欲しい。
そんな欲が止まらないのだろう。
そして、1人じゃ満足しない。
途中から旦那はどこにいったのだろうと思ってしまったが、性欲の強い女の心境を覗けた気がして面白かった。
2026.5.9(土) -
Posted by ブクログ
全体的に「言葉によらない心の交流」が描かれており、読みやすい文体で独自の世界観を表現した短編集。
個人的にはあまり好みの話ではなかったが、話によってテイストが異なり一冊で色々なストーリーが楽しめた。
■晴れた空の下
あらすじ:病気で認知が曖昧になっている女性が、自分を忘れられるのが怖いからと、先生に今までの人生で楽しかったことを話していくが……。
感想:切なく悲しいけれど深い愛のお話。女性が伴侶と共に歩んできた幸せな半生が語られ、微笑ましく思っていると後半の急展開で感動して涙が出た。
■同じ夢
あらすじ:記者の女性はとあるバンドマンから犬の世話を任される。以前飼っていた飼い犬によく似たジ -
Posted by ブクログ
オーディブルで。広告代理店勤務のバリキャリウーマンの妻に、自宅で開業している美容師の夫。休みも、人生に対する考えも違うように思える二人だが、双方に婚姻関係を継続させる意思はあり、そのため、妻は夫が雇った若い女性アシスタントにもやつき、夫は仕事を理由に妻が外泊をするのにもやつく。そしてそうなる自分に対して、苛立ちを抱えている。絶対にうまくいくわけない組み合わせなのに、結婚当初は互いに愛し、家庭を築こうとしていたなんて、恋愛っておそろしい。妻が外で活躍することに対して、夫はコンプレックスを抱え、妻は引け目を感じる。妻が家庭に縛られていたころの古い価値観であり、ばからしいと思うのだけれども、いまだ根