背筋のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
とにかく不気味で、洒落怖を読んでいる不気味さに近い。謎を散りばめながらもしっかりと回収しない感じや、怪異の理不尽さがとても怖く、後味の悪さを感じた。だが、そこがこの手の本の面白さでもある。時系列がバラバラなので、整理されているネットの情報等を見るとよりわかりやすい。赤い女、息子、山の白い鬼?はいったいどういう関係なんだろうか?山の白い鬼は子どもを産んでない女を求め、女は息子の母親を求めて、息子はとにかく命を奪うといった感じか。整理できたようで整理できてない。
追記 モキュメンタリーをいろいろ読んだが、この本の二番煎じ感は否めない。読めば読むほどこの本の素晴らしさが際立つ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ初めて読んだモキュメンタリーというジャンルの本がこの本だった。
「結末を知るだけで呪われる」読み終わると同時に作者の罠にひっかかるトリックが読み終わったタイミングでやられた!と感じて読み終わってからも面白かった。
結論としては、著者は赤い女に選ばれて本書を媒体にして呪いを広める役割を担っており、母親が著者を使い読者と怪異の縁を深め呪いを大きくすることでひたすらに我々の命を食らう「あきらくん」を育てる、これが本書の存在意義。
新しい小説の読み方、見方を目の当たりにしてワクワクしながら読み進めれ、散りばめられた情報が最後にひとつになるのもスッキリした。
読みやすい本だとおもう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ近畿地方のある場所について
感想をあえて端的に示せば
「世の中のあらゆる事象にいいも悪いもない、
それをどう受け止めどう伝えるかでいい悪いが決まってくる、
そして悪いことは伝え方がむつかしくぶれやすい」
理系寄りの人間に言わせてしまうと、全てはことわりどおりに進んでる、という話であって、その事象には善悪もなければ意味もない。
極端な話「死」という言葉だけを聞くと、多くの人はそれをネガティブにとらえると思うのですが、「〇〇の死」と書くと〇〇次第で意味か変わってくる。
〇〇に親密な人の名前が入れば、それはどうしようもない不幸であり悪なのだけど、
〇〇に入るのが自分が嫌いで迷惑をかけてきた人の名前であればそうはならない、
そして〇〇がそこいらの羽虫であれば善も悪もない無の領域になりうる。
そして死の部分を別の言葉に言い換えても同じ事が言える。
「大切な友人の結婚」は素晴らしい話だけど、「羽虫の結婚」はやはり多くの人にとって無となる。
何が言いたいのかと言うと…あらゆる事象に意味なんてなくて。
それに「〇〇の△△」みたいな言葉や意味づけをすることによって、意味であったり善悪が決まってきたりする。
この作品の主たる舞台は出版業界ですが、出版業界は「〇〇の△△」の意味づけに一番敏感な人たちが集まる場所と認識されている。
この作品が多くの人に反響を呼んだ一因がそこにあるんだとは思う。
そして…いいことよりも悪いことの方が伝えにくく婉曲的になりがちで、それがホラーとか噂話とかにつながりがちで、
その婉曲さと今ならネットの表現が相性がいい、と踏んだのもこの作品の興味深いところ。
いいところって…割と簡単に説明できて共感を呼べるんですよね。
例えば「いい人」とか「かわいい」とか、評判は悪い表現ですけど、そこからイメージするものはなんだかんだで共通してる。
極例ですが「人の死を美談にする」話は場所や時代を問わず出ますし、びっくりするほどワンパターンですが、常にそれが出るのは共感を呼びやすいから。
この作品にはキーとなる人物の死が(自分の目からすると)二例あって。
それは両方とも「不幸な状態にある人が、その親近者の死をきっかけに狂ってしまいその後死んだ」パターンで、これは誰にとってもいい意味付けはしにくい事象。
だからこそ…その伝え方は婉曲的になる。
それは…それをあまり残したくない側もそうだし、逆にそれを残したい人もやはりストレートには表現しない。
そのいろんな人の婉曲的表現がホラーとすごく相性がいいし、いろんな表現の場として今はインターネットがすごく向いてる。
それを上手に話に組み入れて…話を上手くまとめたなぁ、と。
そんなお話として楽しませていただきつつ…自分自身の感想文を見て「この人、ほんとにホラー話を楽しむ才能がねぇなぁ」と。
なんかホラーの読み手として何かが足りてないんですよね…人の心とかかな?