背筋のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
今年読んだ本の中で一番「!!?!!!!」となった。
心拍数が一気に上がって、字の色が変わっている部分の理由がわかりました。
移動中に読みながら「あれ?言うほど怖くないような…?」「よくある呪われた系…?」とか思っていたが、最後の最後の最後の数行に全部、全部乗せられた!!
あのドキッッッ!!!とした感覚は、本でページをめくりながらだからこそ得られる体験で、まるで一つのアトラクションに乗った後のような感じがしました。
もう一度読み返すならやっぱり翔太くんと竜也くんのところかな……
どうかどうか、登場人物全員が、穏やかに過ごせておりますように。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ怖いより気味が悪いが勝る。
怖いんですけど何が怖いかと聞かれると難しいんですよね。ただ気味が悪い。
でも背後は怖い。
いたるところに気配を感じる風船男。
3人が3人とも人を間接的に殺したという意識がある。
三者三様、実際どうであれこんなに捉え方が違うのか。
幽霊を利用する精神はいいけど、人まで誘導して利用してしまうのか。
鈍感というよりどうでもいい。どうしようもないですね。
あなたの番と言われた池田さんは後少しでぐるぐるめぐって頭大きくなって風船男になったかも知れないんですかね。
他の人どんな感想書いてるんだろうと見てたら背表紙が怖いとあってから見たけど後悔した。
気付いて無かったか -
Posted by ブクログ
ネタバレ最初はホラー小説の短編を詰め込んであるのかと思った。一つ一つがとてもリアルで夜に読んだのを後悔した。しかし最後まで読んでみるとこの話は、ある一家の悲しい物語だったことが明かされる。夫がなくなって孤独になった妻がおかしくなってしまい、そこから始まる呪いの連鎖のようなものが怪談となり続いていた。
人が死ぬから幽霊が生まれる。幽霊は怖いものだけれど、人が死んでいることに悲しさを覚える。
恐怖を感じながらも、人の脆さを感じられるような小説だった。
とにかく怖かった。過去一のホラー小説。
袋とじの画像が怖すぎた。
伏線回収は完璧ですごく気持ちのいい作品だった。 -
Posted by ブクログ
6編の短編集で、いずれも文芸誌やWEB版で既出済とのこと。
表紙や帯にはその旨の記載はなかったけど、最後のページにちゃんと記されてました。
そうですよね、だいたい初出の記載ってありますよねウンウン。
前読んだ本に初出の記載がなくて、とても残念な思いをしたから…(まだ根に持ってる 笑)
どのお話も面白かったです。
中でも、栗原さんのお話が印象に残りました。
読み終わった後も、例の家のカギに書かれてる「なし」の意味にとらわれてて…名を成しての成し?(おじいさんの家だから) それとも名を成して無いの無し?(おばさんが幽閉されてた家だから) どういう意味なんだろ…
あと、今回の梨(なしの話の後に梨 -
Posted by ブクログ
ネタバレデビュー作「近畿地方のある場所について」は非常に良くできたモキュメンタリー作品だったが、今作はそこに小説的な物語の深みが上積みされ、さらなるパワーアップを遂げている。
特に主要登場人物3人の造形が秀逸で、それぞれが抱える特殊性が巧く描き込まれている。
そして全体の構成は極めて精緻。
最後まで読み終えた後、途中で引っ掛かっていた各所の答え合わせを行っていくと、すべてが整合し辻褄が合い、その様式美に感動すら覚える。
普通ここまで気付かんやろ…という些細な伏線でさえ疎かにしていない。
終盤に置かれた敬一の元カノブロックを契機に、池田がプロットの根幹を成す呪いの輪廻と継承に組み込まれた一人であることが