背筋のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
カクヨム版・単行本版と比べて、文庫版は明らかに「物語」としての顔を濃くしてきた。モキュメンタリーホラーとしての立ち上がりから一歩抜け出し、同じ素材を使いながら「エモさ」を付加してまったく別の読後感に仕上げているのが面白い。
特に文庫版で追加された最終章はもはや純然たる「小説」で、モキュメンタリーの枠を完全に離脱している。この辺りについては、先日行った「1999展」の特典書き下ろし短編でもそうだったが、この作者の本質は読者の共感やノスタルジーを喚起するエモーショナルな描写力にあるのではないか、という予感を強く裏付ける仕上がりだった。
ただ、それがプラスに振り切れているかといえば微妙なところだ -
Posted by ブクログ
「え?え?え〜!」率直な感想と云うより反応!
著書でも出てくる「叙述トリック」まさに完璧にハマってしまう。
特に心に残る?う〜ん印象に残る、短編が
・切断にいたる病
・怪談にいたる病
この我孫子武丸著、「殺戮にいたる病」を読んだ時の様な衝撃を感じる。
この短編2作は「世にも奇妙な物語」的世界観で進行していく不思議な物語。
正直、次の展開が気になり、ついつい一気読み!しかし読後、冒頭の「え?え?え〜!」と反応してしまい、もう一度読み直す、この感覚は非常に良かった!
我孫子武丸ワールドと背筋ワールド、それぞれでも更に読みたくなる!
正直不思議な感想!
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Posted by ブクログ
著名な作家さんが多く、絶対面白い!と思って購入したけど、期待が空回りしてしまった。
冒頭の我孫子武丸さん、自分で自分の作品のアンソロジーに参加しているだけあって一番らしい作品でした。
『●●にいたる病』という題名だけで、あとはテーマを絞らず作者ごとにお任せオファーだったのかな?『殺戮~』ってエログロがテーマだと思っていたんだけど…我孫子さん以外はそれぞれの分野で書いてる。
アンソロジーだからこれでいいのかな?
もう少しテーマ絞った上で、オリジナル作品が読みたかったなとも思った。
個人的には、歌野晶午さんの作品が一番引き込まれて良かったです。
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Posted by ブクログ
ネタバレ企画を成功させる為には脚色も厭わない、幽霊の存在には中立的な編集者、心霊スポットに突撃している割に、頑なに幽霊の存在に否定的なYouTuber、企画に協力してくれる、幽霊が見えてしまうライター。
心霊スポットの背景や謂れを元に、あれこれ考察を繰り広げでっち上げる中、各登場人物の過去と幽霊観が明かされていく。
各心霊スポットへの考察がしっかりと成される一方、「真実であるかはどうでもいい」という前提である為、当事者達の実際の物語は簡潔に語られるのみである。後に各スポットに共通する重要な要素が語られるとは言え、若干物足りなさを感じた。
第八章において、六部殺しの怪談が日本各地で語られている理由と -
Posted by ブクログ
角川ホラー文庫30周年を記念し、最大の恐怖を詰め込んだアンソロジー第3弾。
以下印象的だった作品。
北沢陶「お家さん」
唯一読んだことのなかった作家さん。大阪の商家を舞台にしたしんねりしたジャパニーズホラーという感じでとても好みでした。お家さんの執念が深すぎる。他の作品も読んでみたい。
恩田陸「車窓」
新幹線の車窓から外を眺めていたらふいに見かけた灰色の楕円形の看板に浮かんだぼんやりした模様や数字や人の顔。自分もふいに見てしまうのでは、という恐怖と、ラストシーンにぞわっと来た。看板って近くでみるとめちゃくちゃでっかくてそれだけでも結構怖いもんな。
背筋「窓から出すヮ」
ネットから寄せ集め