【感想・ネタバレ】●●にいたる病のレビュー

あらすじ

”殺戮”に捧ぐ。

我孫子武丸デビュー35周年記念アンソロジー

待ち受ける6つの“衝撃”

【収録作品】
我孫子武丸「切断にいたる病」
神永学「欲動にいたる病」
背筋「怪談にいたる病」
真梨幸子「コンコルドにいたる病」
矢樹純「拡散にいたる病」
歌野晶午「しあわせにいたらぬ病」

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Posted by ブクログ

良いアンソロジーだった。グロテスクでホラー味が効いた6つの短編。我孫子氏の「切断」は短編でも揺るぎなかったし、お目当ての背筋氏の「怪談」も期待通り。唯一ハマらなかったのは欲動に至る病くらいで満足な一冊。

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2025年09月23日

Posted by ブクログ

私が今年の5月から本を読み、アプリに記録をし始めたのは『殺戮にいたる病』を読んだからなのでこの本を書店で発見したときは感極まった。短編集だから読みやすい。個人的には背筋の話が好き。

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2025年11月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

まーーじで作家さんが豪華すぎる
短編集好きじゃないけど読み切れた
殺戮にいたる病、大好きだよ
小説沼に戻ってくるきっかけになった本
これを最初に読んだ時のワクワクと衝撃の快感が忘れられなくて今日まで色んな小説を読み漁ってるまである。

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2025年11月21日

Posted by ブクログ

購入理由は我孫子武丸の作品が読みたかったので!
でも1番好きだったのは背筋著の『怪談にいたる病』
色々な文章、仕掛けがあって面白かった!!
オチはありがちだけど内容がとても良かったです!
自分も登山をするのでそういう意味では
くわばらくわばら

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2025年11月13日

Posted by ブクログ

我孫子武丸さんデビュー35周年記念のアンソロジーです。
作家陣も錚々たるメンバーで、私に割とトラウマを植え付けた『殺戮にいたる病』に因んだテーマ。
我孫子さんご本人がヘンテコなテーマで作家さん方に申し訳ないし、自身も書かれるとは思って無かったので苦労したと仰っていましたが、そこは流石の力量を持った作家さん方!見事にテーマに沿った短編集となっております。
それでいて、それぞれの作家さんの個性がキラリ。
ではでは、いつもの如くさらっと短編毎の感想をば。
(なるべく短く…)

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【切断にいたる病】我孫子武丸さん
はい、エログロいー!
我孫子さんのはこうでなくっちゃ!(風評被害)
違法のAV制作会社でチョンパ事件(何処をって…お股がヒュンするアレです…ヒュン!)
捜査はやがて1人のセクシー女優を巡ってのストーカー事件に繋がって行く。

見事にメインパーソナリティーとしての力を見せつけて下さいました。
そして思い出したよ『殺戮にいたる病』でのアレコレを!ちょっと解凍中の肉を眺めてやめようかな、とか思っちゃったよ!
本短編はあれに比べるとマイルドですが、良い具合にうっ…となれます。(なりたいのか?)
たまに降臨する私の中のはじめちゃんが「じっちゃんの名にかけて!」とか言い出して途中で犯人が当たってしまったものの、そんなこたぁ些末な問題。
分かっていてもこのワクワクとハラハラ感!流石です!
あいつがこれで、こいつがこれ?!はぁ?!
これが堪らない!!
我孫子さんは作家業の他に様々なエンタメのお仕事が忙しそうですが、また長編を読みたいなあ。

【欲動にいたる病】神永学さん
僕の前に1つの血塗れの遺体が倒れている。目の前には血で濡れたナイフを持つ少女。
僕は思った。
美しい…。

倒錯の世界。ミステリーとしても読ませてくれますが、文学的な流れに惹かれる作品でした。
若い男女の三角関係は甘酸っぱく、こんな青春送りやがってちくしょーという青春拗らせが発動するも、どんどん2人は危うい方向へ…。

心理描写が丁寧で、グロさなど全く無いにも関わらず、美しさまで感じさせるのに、1番『いたる病』としての完成度が高かったです。
この内容を長編で読んでみたくなりました。

【怪談にいたる病】背筋さん
「幽霊が見えるんです」
そう告げる女性の体験談は、自身が映画研究会に居た時の恋愛話から始まる。
意気投合してキャッキャウフフだった筈の2人の話はどんどんと恐ろしい雪山の話へと変貌して行き…

背筋さんだわ、紛うことなき背筋さんの作品だわ。
怖いよ。アテントは必要無かったけどこんな目に遭ったら私なら発狂して自ら雪に埋もれる事を選ぶよ。
でも怖いだけじゃ無いんです。
きちんといたる病に持って行く技の妙!背筋さんは本来は短編で力を発揮するタイプの方かも知れない。

こんなに素晴らしい構成が出来るのに、なぜ『近畿地方の~』劇場版のストーリー協力であんな事に(強制終了)


【コンコルドにいたる病】真梨幸子さん
私が1番好きだったのがこちら!
もう凄すぎる。何が凄いってこの短編1つで沢山の叙述トリックを読めるんです。しかもどれも下らなくて笑える。
よくまあこんな下らない叙述トリックを幾つも思いつくなあと感心しました(いや本当に褒めてるんです)

売れなくなった落ち目の作家が主人公。短編ミステリーの競作で叙述トリックを書いてくれと編集者から依頼される。ところが書いてはボツ、書いてはボツの繰り返し。彼は途中から、自分はコンコルド症候群に陥っているのではないかと苦悩し、果てには究極の考えに辿り着く。
「はい、ということで決めました。お前をぶっ殺します」

まさかこんな最後に向かうとは!最高です。
ちなみにコンコルド症候群とは、超音速旅客機コンコルド事件に因んで、これ以上続けても損をすると分かっていながら、それまでにかけたお金や時間、労力がもったいないと感じて、投資をやめられない心理現象の事です。

【拡散にいたる病】矢樹純さん
『或る集落の●』の最後の章と同じ作品ですが、改めてこれだけで読んでみてもきちんと独立したホラーなんですよね。こちらが先なのか、あちらが先なのか?あちらでもこのタイトルだったので、あちらにも使えるように合わせて書かれたのかも知れません。

リスナーから届いた怪談話を独特の辛口でズバッと切って行くコーナーが人気のラジオ番組。
ところが、あるリスナーからの怪談話が盗作では無いかとクレームが入る。調査を始めるスタッフ達だが、それはP集落と言うジェノサイド案件の村へと繋がる話だった。

おっと、既に『或る集落の●』を読んでいるので思わずあの村の恐ろしさを思い出してしまった。
とにかくあの村は放置しておくとろくでもない事ばかり起きるので、いち早く燃やした方が良いと思う。
改めて私はそう思った(キリッ)

【しあわせにいたらぬ病】歌野晶午さん
コンコルドと同じ位に好きなのがこちら!
最後で1番驚いた作品です。そっちだったのか…!!

訪問介護をしている比佐子の元に所長から連絡が入った。彼女が担当している女性と連絡が付かないので様子を見てきて欲しいと娘からの依頼だった。
休日を返上して向かった比佐子を待ち受けていたのは、介護を担当していた女性と、女性の母親2人の遺体だった。
無理心中にも見える2人の死の真相は…?

短編でこの重み。ドスンと来ました。更に最後にメガトンパンチを喰らいます。社会問題がこれでもかと言う程詰まった短編。
この作品だけでも本作を読んだ価値がありますし、これを最後に持ってくる編集さんのセンスが凄い…。

うん、これは確かにしあわせにいたらぬ病だ…。もうそれ以外のタイトルが思い付かないよ。


度々思うのですが、作家さんって本当に凄いですね。
こんな難しいテーマを与えられてもご自身の個性を消さずに、しかも短編できちんと読ませる。
試しに私ならどんな話にするだろうと考えてみたのですが、グロい殺人シーンしか思い浮かびませんでした。(大問題。私が逮捕されたら「そう言えばこんな事言ってました」と音声変えて言われるやつ)

そして今更思うのですが、『殺戮にいたる病』ってセンスのあるタイトルですよね。
今後何かある毎に、私は〇〇にいたる病なのだ、とか言いたくなる。

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2025年11月03日

Posted by ブクログ

おもしろかった
しあわせにいたらぬ病が1番お気に入り
拡散にいたる病はなんか怖いけど好き

人の感想見ててもかなり好み分かれてて、人の感想見るのも楽しい

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2025年10月27日

Posted by ブクログ

あの「殺戮にいたる病」のような様々な衝撃を抱え込んだ6作のアンソロジー
個人的には「欲動にいたる病」が一番驚かされた
背筋さんのはホラー苦手でも読めたので良かった
本家はやっぱり安定だなぁと…最後まで騙されてた

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2025年10月13日

Posted by ブクログ

殺戮にいたる病に衝撃を受け、ずっとお勧めしたい本No. 1なのだが、この本が出ると知って真っ先に買わねばと思った。まさにファンブックのよう。様々な作家が色々なテーマで描いているのだが個性的でどれも面白かった。これからも益々、本の可能性は広がりそうとワクワクもさせられた。

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2025年10月11日

Posted by ブクログ

豪華な作家さん達の短編集。それぞれ良さがあって満足。歌野先生の作品は現代の様々な社会問題を盛り込んでいて良かった。

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2025年10月09日

Posted by ブクログ

「殺戮にいたる病」のアンソロジー。どの編もちゃんとミスリードされた。特に「巧い」の意味がガラッと変わる背筋さんの「怪談にいたる病」が面白かった。
でも、やっぱ本家の「殺戮にいたる病」が一番だわ(∩˘ω˘∩ )

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2025年10月06日

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個性と魅力あふれる作家陣によるアンソロジー、ミステリー読みすぎにいたる病にご注意 #●●にいたる病

■きっと読みたくなるレビュー
我孫子武丸先生の名作『殺戮にいたる病』のインスパイア企画。著名なミステリー作家により『●●にいたる病』と題し、アンソロジーとしてまとめられた作品です。

『殺戮にいたる病』を初めて読んだのは、もう30年くらい前になる。時間が経過するのは何故こんなにも早いのか、もはや最大のミステリーですな。

ずらりと並んだ作家陣は、今もっとも脂がのってる先生から大ベテランの先生まで全6名。皆さん個性が出ていて、らしいなぁ~と思いながら読ませていただきました。どの作品もゾワゾワっとさせてくれることは間違いなしで、皆さん気の効いた作品ばかりでした。

読み物としてのイチ推しは背筋先生の「怪談にいたる病」。またオリジナルと最も近しい、共感が感じられたのは、歌野晶午先生の「しあわせにいたらぬ病」でした。

■各作品の簡単レビュー
●切断にいたる病/我孫子武丸
違法スレそれのAV制作会社で殺人事件が発生、遺体損壊された猟奇殺人の真相は…

いいね! まさしく『殺戮にいたる病』を思い出す、グロさではピカイチですね。AV業界って、正直こういったイメージあるよね。リアリティがあって怖い。

●欲動にいたる病/神永学
高校生の同級生による殺人事件、恋愛の三角関係よるものらしく…

神永先生らしいですね、若い世代の心情を描くのがお上手。どす黒い部分も良く描けてました。

●怪談にいたる病/背筋 【おすすめ】
映画研究会の大学生カップルの物語、映画をきっかけに結ばれた恋人が作品性の違いで価値観がずれ始め…

おもろい!そして怖い!後から後から恐怖が押し寄せてくるのよ! じつは背筋先生の作品は読んだことがなく、初めて拝読しましたがすごかった。短編としてもまとまってるし、捻りも効いており上手。ストーリーテラーなんですね。

●コンコルドにいたる病/真梨幸子
落ち目のミステリー作家に出版社の担当から原稿の依頼がくる。叙述トリックをテーマにしたミステリーを書けとのことだが…

まずタイトルに興味津々でし、どんな理由でこのタイトルなんでしょうか? いつもの真梨先生らしい飾り気がなく率直な表現、ストレートで力強い筆致でいいですね。書きたいこと書きましたって感じで、読者としても嬉しくなる。

●拡散にいたる病/矢樹純
怪談話が人気のラジオ番組、ある日番組内の怪談が盗作ではないかとクレームが入る。その怪談を調査すると、P集落に関する逸話のようで…

矢樹先生のセンスが光る、こんなにも不気味な作品なのに品があるんだよねー。途中まではぜんぜん普通のお話なのに、後半から終盤にかけて一気に不気味さが増してくる。ラストも秀逸でした。

●しあわせにいたらぬ病/歌野晶午 【おすすめ】
訪問介護員が介護宅に訪れると、高齢と寝たきりの女性二人が亡くなっていた。同居している20代孫娘は介護を続けていたのだが…

タイトル通りの作品、なんちゅう救われない話を読ませるんですか。扱ってるテーマとしては一番オリジナルに近く、読み終わると何もかもが不安に包まれる。幸せに生きるのって、なんでこんなにも難しいんでしょうか。

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2025年10月06日

Posted by ブクログ

一つ一つの話が短いので、さらっと読みやすかったです。切断にいたる病と、しあわせにいたらぬ病がとても好きでした!

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2025年10月05日

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個性あふれる6作品。我孫子武丸さんのはスカッと。神永学さんのはぞわっと。背筋さんのは怖!真梨幸子さんのは面白かったです。1つ1つの作品が短いので読みやすかったです。

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2025年09月25日

Posted by ブクログ

豪華メンバーによる我孫子武丸氏デビュー35周年記念企画

「●●にいたる病」というテーマで書かれた作品はどれもおもしろかったです
先生方それぞれの色が出ていてさすがの一言
めちゃくちゃ気持ち悪くて最高
不快なのにまた読み返したくなる、そんな魅力溢れるアンソロジーでした

#我孫子武丸

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2025年09月24日

Posted by ブクログ

人が犯罪を犯す理由。

生まれながら犯罪者としての血が流れているのか。

事件が起きるまでや、起きた後、色んな視点で書かれてるので面白かった。


もし、不慮な事故を目撃し、人の死が美しいと思ってしまったら。。。

もう見れないとわかっていても、また見たいと思ってしまう。
自分は異常かもしれないと思いながらも倫理と欲望に揺れ葛藤する。

その時私だったらどうするのだろうと考えずにはいられなかった。

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2025年11月19日

Posted by ブクログ


我孫子先生の35周年祝いアンソロジー。
全体的には面白い。ただ全ての作家さんのイヤ度を知ってるとかなり易しい気がした。
もっと厭で陰鬱で胸糞で後味悪くていいんですよ…!と。まぁ導入には丁度いいのかな。

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2025年11月17日

Posted by ブクログ

「え?え?え〜!」率直な感想と云うより反応!
著書でも出てくる「叙述トリック」まさに完璧にハマってしまう。
特に心に残る?う〜ん印象に残る、短編が
・切断にいたる病
・怪談にいたる病
この我孫子武丸著、「殺戮にいたる病」を読んだ時の様な衝撃を感じる。
この短編2作は「世にも奇妙な物語」的世界観で進行していく不思議な物語。
正直、次の展開が気になり、ついつい一気読み!しかし読後、冒頭の「え?え?え〜!」と反応してしまい、もう一度読み直す、この感覚は非常に良かった!
我孫子武丸ワールドと背筋ワールド、それぞれでも更に読みたくなる!
正直不思議な感想!

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2025年10月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

企画がオマージュではなくインスパイアなので、どの作品も"殺戮にいたる病"みたっぷり!というわけではないが、歌野氏はかなり寄せてきたなーと思った。こういうのばっかり入ってると思ってたから少々肩透かし。
とはいえ、背筋氏はホラーとして完成度を高めながら最後にあのオチ、神谷氏は耽美な変態み、真梨氏は叙述をネタにした懐かし本格ミステリみと、作者によって、「殺戮に至る病」の解釈("我孫子武丸"の解釈?)が違ってそうなのが楽しい。
ただ矢樹氏だけは、イマイチ「殺戮に至る病」感がありませんでした…

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2025年10月26日

Posted by ブクログ

著名な作家さんが多く、絶対面白い!と思って購入したけど、期待が空回りしてしまった。

冒頭の我孫子武丸さん、自分で自分の作品のアンソロジーに参加しているだけあって一番らしい作品でした。

『●●にいたる病』という題名だけで、あとはテーマを絞らず作者ごとにお任せオファーだったのかな?『殺戮~』ってエログロがテーマだと思っていたんだけど…我孫子さん以外はそれぞれの分野で書いてる。
アンソロジーだからこれでいいのかな?
もう少しテーマ絞った上で、オリジナル作品が読みたかったなとも思った。

個人的には、歌野晶午さんの作品が一番引き込まれて良かったです。

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”殺戮”に捧ぐ。
我孫子武丸デビュー35周年記念アンソロジー
待ち受ける6つの"衝撃"

【収録作品】
我孫子武丸「切断にいたる病」
神永学「欲動にいたる病」
背筋「怪談にいたる病」
真梨幸子「コンコルドにいたる病」
矢樹純「拡散にいたる病」
歌野晶午「しあわせにいたらぬ病」

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2025年10月23日

Posted by ブクログ

殺戮にいたる病のアンソロ!?、と飛びついてしまった。
どの作品もミスリードがあり、読みやすかったけど、我孫子先生の作品は相変わらず、エログロ!という感じでめちゃくちゃパンチ効いてた。
個人的には、背筋先生と歌野先生の作品がすき。

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2025年10月05日

Posted by ブクログ

読み出しからアクセル全開やったけど全てがそうでは無かった。。タイトル通りの病。正直、コンコルドだけは??でした。ラストのタイトルはなんだかなぁって、、、。リアルなテーマで苦しいです。
あとはっきり言ってしまうと物足りなさを感じてます。殺戮にいたる病を読んでからこの作品を読んだので余計にそう思ってしまったのかも。
怪談にいたる病は。。。なかなかのホラーです。

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2025年10月03日

Posted by ブクログ

気軽に読めたり初めての作家さんに出会えたのはアンソロジーならではでしたが、短編という特性上、どの作者さんもどうしてもあともう一捻り、二捻り欲しいなと思ってしまいました。
特に我孫子さん、歌野さんは長編の方が本領発揮できるんだろうなと。(ただの一読者のくせに上から目線ですみません。。。)

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2025年10月02日

Posted by ブクログ

読みやすく面白かったです。好きな作家さんも、知らない作家さんの作品も読めたところも○。企画自体とても豪華で予約してワクワクしながら届くのを待ちました。

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2025年10月01日

Posted by ブクログ

我孫子武丸さんデビュー35周年記念ということで、殺戮にいたる病からタイトルをとった各作家さんによるオマージュ的オムニバス。

まえがきでご本人が書かれているように、編集者さんのアイデアありきのものなので、作家さんごとにタイトルは共通しているものの、テイストが全く異なり…。
正直、我孫子武丸さんご自身がいちばん力が入っていないような…。

その中でも背筋さんは、モキュメンタリー作家さんと受け取られていますが、普通の物語もうまくまとまっているし、
八樹純さんのは別の著作を読めばしっかりその世界観を楽しめるらしいです。
とはいえ、ラストに行くまでは、淡々と読んでおりましたが、
歌野晶午さんよ。

さすがに同世代でライバルでもある我孫子さんへの尊敬の念がしっかりと伝わってくる、まさにこれぞ殺戮にいたる病のオマージュ。
全体に漂う空気感、ラストのネタ、これぞ殺戮にいたる病のファンが望んでいるものですよね。
で、編集者さんから「●●にいたる病」でお願いします、と言われたであろうものを「幸せにいたらぬ病」としたのも秀逸。
これ一話だけでもファンは必読。

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2025年09月29日

Posted by ブクログ

どの作品も驚くほど読みやすく、それでいて各作家の個性が鮮やかににじみ出ていた。
一つひとつの筆致が異なるのに、全体を通して流れる不穏さや緊張感は共通していて、不思議な統一感があった。

もともと『殺戮にいたる病』が好きで、この企画を知った時から期待していたのだけれど、その期待を裏切られるどころか、さらに深く引き込まれていった。
ページをめくるたびに作家ごとの色合いが重なり合い、同じテーマがこんなにも多様な景色を見せてくれるのかと感嘆した。

読み終えた後に残るのは、重苦しさよりもむしろ「言葉と物語の可能性」の豊かさ。恐ろしくも、美しい。

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2025年09月28日

Posted by ブクログ

「作家それぞれの我孫子さん的叙述トリックを楽しめる本です」

我孫子さんの「殺戮にいたる病」にどハマりし、そのアンソロジーが発売されると耳に入り発売日に即買いしました

神永学さんの「欲動にいたる病」が我孫子さん好きにはたまらないと思います

殺戮にいたる病が好きな方是非一度手に取っていろんな「いたる病」を楽しんでください

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2025年09月24日

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