太宰治のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ太宰治作品が読みたくなって読んだ。
ろまん燈籠は兄弟5人が物語を連作することを中心とする家族の話だ。
兄弟5人全員の性格が異なるため、それぞれの書く話には個性があり、それを書き分ける太宰の文筆能力には恐れ入った。
兄弟5人の中では、次男が書く物語が最も気に入った。次男が物語に新たな展開を生んでいると思った。
しかし、どの兄弟も他の家族から作品が批判されており、最も評価されたのは陰の功労者であった母であった。
兄弟の物語を読んだ祖母からは、「若者は陰の功労者の存在を蔑ろにするから良くない」と言われていた。
私も陰の功労者に目が届かないため、そういった人達に目を配れるようになりたい。
あと、『 -
Posted by ブクログ
ネタバレろまん燈籠
5人の兄弟が物語を連作する話。5人の性格の描写が細かく、それぞれの作風がわかりやすく出ているのも面白い。末弟の物語は拙く、いろんな物語のつぎはぎだった。長女の物語は小説を自作しているだけあって文才が1番あり、女性ならではのラプンツェルの心理描写が見事だったように思う。次男の文章は口伝だったため、途中愛とは何かと熱弁し脱線していたが、物語の展開を大きく変え、続きが気になるようなストーリーに仕上げていた。次女の物語は、彼女の普段読んでいる本が影響を与えたのか、言い回しが独特で、長女が作り上げたラプンツェルの批判がメインであった。最後の長男は真面目な性格が故に、せっかくの物語の展開を台無