太宰治のレビュー一覧

  • 人間失格 グッド・バイ 他一篇

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    この本を読んだ後、非常に戸惑いました。
    私はこの本から一体何を感じ取ったのか、頭の中で整理しようとしても、何故かうまくできません。この物語の主人公はただ、「人間」という到底理解できるものではない存在に対して、怯え、暮らしていただけなんです。それだけなのに、得体のしれないモヤモヤが胸に引っかかります。きっとこれも「人間」の仕業なのでしょう。

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    2016年07月15日
  • 津軽通信(新潮文庫)

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    中期の安定してい時期から死の間際までの太宰の短篇を収録。死の近づいた時期の作品「酒の追憶」はそれを感じさせないほどユーモラスである。連作「短篇集」の「ア、秋」は詩情豊かな作品だ。「秋ハ夏ノ焼ケ残リサ。」なんてそりゃカブれます。「リイズ」がかなり胸キュン。女性にはぜひ読んでもらいたい。「黄村先生言行録」は風変わりな老人黄村先生の行動がおかしい。三編とも好きだ。「チャンス」は「恋愛はチャンスなんかではない。意志だと思う」に始まり据え膳食わない太宰がかわいい。太宰の短篇巧者ぶりが軽く楽しめる好著だ。

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    2016年05月21日
  • 新ハムレット(新潮文庫)

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    太宰中期の作品の中でも最も骨太で知的な作品が多いような印象を持った。収められている作品は海外文学に取材した作品が目立ち、かなり知的な太宰を味わうことが出来る。「新ハムレット」はハムレットをよく知らない私が読んでも面白かった。登場人物があまりに太宰的でちょっと笑えた。ハム(レット)にレヤチーズにポローニヤス…なんだか美味しそうである。本作のハムレットはかなり中二病をこじらせているが原典でもそうなのだろうか。「乞食学生」はまんまと騙されてしまう作家がカルピスを飲むラストがかわいい。あざとい。

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    2016年05月21日
  • 新樹の言葉(新潮文庫)

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    太宰が麻薬中毒から立ち直り数多の佳作を残した初期から中期への移行期の短編集。意外なほど読み易かった。「葉桜と魔笛」が最高。物悲しくも美しい希望と余韻のある読後感だ。「新樹の言葉」は乳母の子供たちとの再会を想像して書かれたものだがこんな風に太宰は心温まる交流をしたかったのだろうな…と考えると切ない。「春の盗賊」はユーモアを織り交ぜつつ小市民的な生活と再び破滅に身を委ねたいという葛藤が伝わり強烈だ。「もういちど、あの野望と献身の、ロマンスの地獄に飛び込んで、くたばりたい!できないことか。いけないことか。」

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    2016年05月21日
  • 新ハムレット(新潮文庫)

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    ネタバレ

    ハムレットはシェイクスピア派。ポローニアスがしゃべりすぎ。

    乞食学生を初めて読んだとき、「熊本くんにも、佐伯くんにも欠点があります。僕にもあります。助け合って行きたいと思います。」という文章にどきっとした。一番好きなとこ。

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    2016年04月16日
  • 人間失格 グッド・バイ 他一篇

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    今まで太宰といえば『人間失格』で、暗いというイメージだったしあまり読みたいと思わなかったけれど、試しに読んでみようと思って手に取りました。思った以上に読みやすい。でも内容はずっしりきた。太宰もこういう気持ちで人生を過ごしていたのかと衝撃をうけました。そしてまったく異なるグッド・バイ。未完なのが残念、続きはどうなる予定だったんでしょう。書かれているところはとても面白いし太宰にしてはさくさく読めるなあという感じでした。如是我聞、かなりざくざくと書いていてすごい面白い。こちらも未完なんだ…

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    2016年02月10日
  • 斜陽 人間失格 桜桃 走れメロス 外七篇

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    未読の「 葉桜と魔笛」「駆込み訴え」、青空文庫にもあるようだけれどせっかくなのでまとめて。葉桜、は妹が姉の耳元で・・・派です。

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    2016年01月10日
  • 太宰治全集(4)

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    4巻目にして、だんだん面白くなってきた、肩ひじ張らず、娯楽として読むようにしているのだが、それでいい気がする。

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    2015年12月05日
  • 斜陽 人間失格 桜桃 走れメロス 外七篇

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    【斜陽】
    この世には、美しいものと醜いものとが混在していて、もちろんそれは明確に線引きされてこっちは美でこっちは醜だという風にはなっていません。むしろ、美醜は同一のモノやコトに同居していて、見るとき、見る者によってどちらの面も発現しうるものであるのだ、ということを徹底的に謳った物語のように感じました。
    話の大筋だけを捉えると、旧貴族の凋落を描いたどうしようもなく暗い話です。暴力はありませんが、全体が死の気配で満ちています。
    嫌悪、疾病、泥酔、困惑、貧乏、没落。そういうネガティブなものが充満する中にあって、可愛らしさや純粋さがところどころで突然に顔を出します。小さく容易に壊れてしまいそうなもので

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    2015年11月23日
  • 新ハムレット(新潮文庫)

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    一区切りずつ、丁寧に読むのが味わい深い短編集。太宰治の、緊張しきった鋭利な文章が目を覚まさせる。

    『古典風』散文調が現代ではツイートと呼ばれる、様に思われた。てると十郎については少々思い当たる節がある。

    『女の決闘』作中の作品とされるものの空気はまるで映画のよう。澄み切った文体で時は冬に違いないと感じた。ただ、舞台はロシアで水溜りは凍ってはいないが。ドキッとしたところを抜き出しておきたい。「真実は、家庭の敵」「念念と動く心の像のすべてを真実と見做してはいけません」「薄情なのは、世間の涙もろい人たちの間にかえって多いのであります」「『女は、恋をすれば、それっきりです。ただ、見ているより他はあ

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    2015年11月05日
  • ヴィヨンの妻

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    「眉山」が良かった。「ヴィヨンの妻」も良かった。
    ユーモアにあふれた太宰が実にいい。私は分かった。
    彼の云う「死」は私の思う「死」とは異質なのだ。太宰の
    「死」は「退屈だな。なにか愉快なことないかな?そうだ
    死んでみるか!どんな気分だろうな?どうであれ、今よりは良かろう」

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    2015年07月01日
  • ろまん燈籠(新潮文庫)

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    短編集。
    戦争に突入していく厳しい時代だからこそ立ち昇る
    人間臭さに太宰はどうしようもなく惹かれたのだろう。
    「佳日」と「散華」が好きだった。
    どの話もタイトルが秀逸。

    小説だけでなくてエッセイ的な文章もあり、
    特に「服装について」は元祖こじらせとも言える
    自意識過剰のぐるぐるっぷりが面倒臭いなと思いつつも、共感できてしまう。

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    2015年02月21日
  • 女生徒

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    内容はどうということはないですが、太宰治はどうしてそんなに女子の気持ちがわかるんだ、という思いになります。

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    2015年01月04日
  • 一灯

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    戦時の文章

    これはもう見事に、時局に迎合した文章である。余りに見事なので、太宰が心底から皇室に敬意を表している、とても単純素朴な人という印象を受ける。が、拙者のイメージの中の太宰は、もっと皮肉な人の筈なので、その齟齬がとても気持ち悪い。太宰は見事に素朴な人を演じきったのか、それとも拙者のイメージが間違っているのか?
    「皇太子誕生で、兄の怒りから一時逃れられたぜ、ラッキー!」と読めてしまうのは、拙者の心が汚れているからであろうか?

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    2014年11月01日
  • 斜陽

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    貴族の没落していくさまが描かれた話。
    お母様のキャラが貴族の呑気さが伝わってきて良い。
    かず子さんの行動力の凄さに脱帽。
    おもしろかった。

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    2014年10月11日
  • ヴィヨンの妻

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    トカトントンがかなりお気に入り。
    よく太宰の小説は思っていることを代弁してくれている、なんていうけれど、この話はそうだなと思った。
    行動力と勇気、明らかに私に足りないものだな。

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    2014年09月10日
  • 美少女

    購入済み

    物語風エッセイ

    実際に起こった出来事のようだが、普通に小説としても読める。温泉で見かけた少女を、床屋でも見た。それだけのことを、これだけストーリーとして語れるというのは、やはり太宰は、骨の髄まで作家なのである。
    ただの日常に対しても、自然と物語性を見出す。そういう風に生きられたら、なかなか楽しみが多いかも知れない。が、苦しみも多いのだろうな……

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    2014年09月03日
  • 清貧譚

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    原作もののファンタジーだが

    よく書けていると言えるでしょう。どこまでが太宰の手柄か、となると難しいですが。
    『聊斎志異』はどれも面白いから、リライトとは言え外れる筈もない。
    強いていえば、自意識と美意識が過剰な主人公像が、太宰好みかも、というところでしょうか。

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    2014年09月02日
  • あさましきもの

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    他人のことを書いても

    一番見えるのは自意識。哀しいかな、太宰。傑作「人間失格」の元ネタらしきものもある。まあまあ読み甲斐のある随筆。

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    2014年09月01日
  • 貨幣

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    吾輩は……

    途中までは「気の利いた書きっぷり」が少し鼻につくかなと思ったけど、落とし所は善し。戦後直ぐの読み物としては、それなりに読者の心を癒やしたろうと思われる。

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    2014年09月01日