太宰治のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレトカトントン、何を表した音なのかはっきりとは説明できないけど、ふっと我に返って冷める瞬間は自分にもあるので共感して読めた。最後の一段落の意味するところを理解できるようになりたい。
ヴィヨンの妻は、「人非人でもいいじゃないの。私たちは、生きていさえすればいいのよ。」というラストらへんの台詞が心に残った。
この短編集で意外にも一番好きだと思ったのは眉山だった。眉山が可哀想で。「ほかへ行きましょう。あそこでは、飲めない。」というラストらへんの台詞から「僕」の強い後悔に胸を痛める心情が伝わってきた。そこで店を変えてしまうのはなんだか卑怯にも思えるけれど、あえてそういう人間の弱さ狡さみたいなのを描いたんだろうなと思う。 -
購入済み
男
メロスという人間は,突っ込みどころ満載である。
確かに正直で誠実な男であり,絶対に真似できない。
でも,リスク管理ができていないし,常に感情の赴くまま,全部自業自得なところがある。
ラストのくだりは面白かった。
セリヌンティウスは繊細な優しさに溢れる男に違いない。 -
Posted by ブクログ
うーん、やっぱり太宰治はおもしろいなぁ。
著者中期の14の短篇を収録した本書では、どの登場人物も貧しくて自虐的な性格なため、正直読んでいてうんざりすることも少なくなかったのですが、それでも(むしろそれだからこそ?)全ての作品を楽しむことが出来ました。
とりわけ、クスッと思わず笑ってしまいつつ、最後はちょっとほっこりした「畜犬談」には著者のユーモラスな一面を感じ取れたり、「鷗」や「風の便り」といった作品からは著者の考えのようなものを学び取れたりしました。
しかし、強く印象に残ったのは最後の2編。「水仙」と「日の出前」です。どちらも後味の悪さが醍醐味かと。とりわけ後者のラストには人間の不気味さを感じられて、なんだか単純でないその言葉の意味を考えてしまいました。 -
購入済み
他の作家さんの漫画版「人間失格」を何作か読みましたが、これが一番面白いコミカライズだと思いました。
絵も非常に耽美で恐ろしく、太宰治の原作のまとう空気感が表現されていると感じました。
伊藤先生のさらなる日本文学のコミカライズを期待しています。
ドグラ・マグラとか? -
Posted by ブクログ
『人間失格』
文章の構成がうまい。自伝的な部分はあるにしても、それだけでは単なる自意識過剰になると分かっているので、客観的な視点を持ち込み、そして、最後に一文で、人間の複雑さを表現している。
太宰治のことはそれほど好きではないけれども(行間がうるさい、というか、「俺ってすごくない?」という主張がうるさいので)、彼の文章のうまさは本物だと思う。
『グッド・バイ』
未完が惜しまれる。
10人くらいの愛人がいる田島でも、キヌ子には形なし。その喜劇性が面白い。
『如是我聞』
実際のところ、太宰治は頭の良い人だったのだろうと思う。だから、周りの人間が馬鹿に見えて仕方ない。
それに、いつの世にも、「権威」にあぐらをかく輩はいるものだ。