あらすじ
激動の戦後。不倫に苦しみ、真の幸福を求める姉。薬に溺れる弟。結核を病む母。没落貴族に希望は訪れるのか。新しい幸福を求めた太宰の傑作。
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匿名
話の進みがわかりやすい
太宰治の中で一番好きな話なので、マンガ版も気になって買ってみました。
小説での長い話が簡潔にまとめられていて、とてもわかりやすいです。
小説の方では比喩などで意味が分かりにくい部分もマンガで表すことによって、ああ、こういうことなんだ、と改めて話を理解することができます。一番おすすめは小説とマンガのどちらも読むことです。マンガの方はわかりやすいですが、あくまでも補足書と見ておいた方がいいと思います。
Posted by ブクログ
すきなひとを生きる目的と、革命の源泉だと言い切る主人公。それは、妾という一般の道からは外れた形だったがその潔さと無垢な姿勢は美しさすら感じた。
主人公の弟の遺書にある生きる目的が母親しかないという部分は共感した。
自分もお酒をよく飲む。騒ぐ。女とも遊ぶ。でもそれが心の底で求め、楽しいと感じることができる時間ではないと意識の裏で思う。
主人公の弟は母親にものすごく愛されていたのだと思う。母親の大きな愛は異質ともいえる力、長く覆いかぶさるような影響力を持つ。
愛されすぎてしまった人間は他の幸福が入り込む余地がなくなり、転じて空っぽになってしまう気がする。