太宰治のレビュー一覧

  • ヴィヨンの妻

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    相変わらず陰鬱で独特の空気感があった。夫は妻に働かせたお金で酒を飲むどうしようもない男だが、妻はそれが幸せだと言う。何が幸せか本人にかわからない。
    店の大将の、「お金は自分の手の中に握るまで、どうなるかわからないよ?」ってセリフが面白かった。
    実際その通りだと思うし、含み益みたいだなとも思った。

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    2026年01月21日
  • ヴィヨンの妻・桜桃 他九篇

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    太宰を読むのは高校生のとき以来か。時代背景など考えずに太宰を正面から受け入れたときと異なり、今読むと戦後の荒廃や廃退が迫ってくる。

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    2026年01月12日
  • 太宰治全集(4)

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    「佐渡」の自分の乗った船の行き先が佐渡なのか佐渡じゃないのか、人に聞こうかやめとこうか、明らかに挙動不審なところに笑っちゃった
    勢いと勘違いで作家に手紙を送っちゃう「恥」も好き

    勢いつらつら読める作品が多かった

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    2026年01月07日
  • パンドラの匣

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    正義と微笑
    シンプルな若さ、青さ。
    自分の中で固まり切っていない思想が、兄などに影響を受けながら変容していき、その中でたまに見える信用に足るものがある、というのが若者らしくていい。

    181 思いがけない事ばかり、次から次へと起ります。人生は、とても予測が出来ない。信仰の意味が、このごろ本当にわかって来たような気がする。毎日毎日が、奇蹟である。いや、生活の、全部が奇蹟だ。

    210 「善く且つ高貴に行動する人間は唯だその事実だけに拠っても不幸に耐え得るものだということを私は証拠立てたいと願う。」(ベートーヴェン)

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    2026年01月01日
  • ヴィヨンの妻

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    昭和21年から23年にかけて発表された八編が収録。

    「ヴィヨンの妻」は、太宰の妻からの目線で描かれています。苦労が滲み出ているものの、懸命に生きていると感じさせる小説です。しかし太宰は自分の都合の良いように解釈しているようですが‥。この小説の最後に、妻のセリフで「人非人でもいいじゃないの。私たちは、生きてさえすればいいのよ」は、何だか切なくなりました。

    こちらとは対照的に、「おさん」では妻と太宰の本音がぶつかり合っているような小説が書かれています

    社会に馴染めず、孤独な太宰治は聖書の引用と共に小説にしがみついて生きている‥そんな惹きつけられる力強い文章に魅力を感じます。

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    2026年01月02日
  • 人間失格

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    太宰は6男坊で生まれて、甘えられないし我儘も言えない数々の苦労がある幼少期を過ごしています。
    最後に登場する飲み屋のママが言うように「お父さん(実家)も悪かった事もあると思う」に同感します。けれども、これだけ兄弟が多ければ両親もそれぞれの子供に構っていられない様子も納得できました。

    お金もあり、学校へも通えて。
    かなりの美男子が更に罪ですね。

    薬局でモルヒネが買えるのは、この時代ならでは、完全に依存症のようでした。だれか賢くて支えてくれる女性がいたら良かったのに‥。

    友人の堀木は、本物の悪友です。それでも堀木自身は、自宅で両親とうまく同居し、それを見た太宰は複雑な心境になっています。

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    2025年12月26日
  • 女生徒

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    一人の女子生徒の独白で話が進んでいく。

    大人になりきるまえの 本人も持て余してしまうような感情の揺れ動きがよく描かれていた。

    特に大人に対する視線は辛辣だ。
    私にも覚えがある。

    私は中学生の頃 『走れメロス』を読まされて以来 太宰治は好んで読まない。
    今回は大掃除しながらの耳読だったので まぁ途中でやめてもいいか ぐらいの気持ちでこの作品を選んだのだけれど 中学生の時に読んでいたら共感していたかも。


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    2025年12月23日
  • パンドラの匣

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    ネタバレ

    ○正義と微笑
    純真な青年の内面を、日記形式で巧みに表現した作品。
    主人公(芹川進)の感情の動きをとても丁寧に綴っており、学生(こども)から社会人(おとな)になっていく過程での苦悩や葛藤が描かれる。
    拗らせた陰キャのような思考(自分は特別だと思っている)に、とても感情移入できた。
    春秋座で厳しい稽古に必死に食らいつき、どんどん活躍の場を広げていく中で、あれだけ尖っていた青年が、「己れ只一人智からんと欲するは大愚のみ」と悟る。社会の厳しさ、地に足をつけることの重要性を理解するラストの余韻が素晴らしい。
    序盤に出てくる黒田先生の勉強論は、幅広く教育現場で引用されるべき。(p.17)
    自分自身も死に物

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    2025年12月10日
  • 斜陽 アニメカバー版

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    ネタバレ

    初めて日本を代表する小説家の本を読んだ。非常に興味深くて読んでて楽しかった、小説でこんなに夢中になれたことはなかった。
    途中までは貴族の、のんびりしてる話かと思ってたら
    なんだ 恋だの革命だの性欲だの思想だの ぐちゃぐちゃしていて、リアルな人間を言葉で表現しているなと感じた。希死念慮がある時に読まなくてよかった

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    2025年12月10日
  • 人間失格

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    題名が気になって見た。共感したり、確かにと思ったところがいくつもあった。

    個人的には酒、タバコとか色々経験してからもう一度読もうと思う。

    まだ子供だから難しいなと思った。

    読んでみたくなったら読んでいい。でも大人になってできることをやってから見た方がいい気がした。

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    2025年12月07日
  • きりぎりす(乙女の本棚)

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    久々の乙女の本棚シリーズ

    画家として成功した旦那様と離縁しようとする女性の独白作品。

    こんな人だったっけ。。。?って思ってしまった人と一緒にいるのって結構しんどいよね

    2025.11.30
    214

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    2025年11月30日
  • 津軽(新潮文庫)

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    ネタバレ

    かなり集中して読まないと100%楽しむのは難しい。太宰治と行く!津軽探索、そして酒。といった感じの一冊。

    内心、小説らしい物語を期待していたから、少し残念な気持ちも無くはないが、全体的に面白かった。酒を求めて歩き回り、太宰治の故郷を作者自身の目で体感できたことは面白かった。

    ただ、自分が津軽に対してイメージする事が難しく、綺麗な風景や何もない長屋が並んだ村など、戦時中の津軽はこんな感じなんだと思いながら読んでいた為、感動も薄かったかもしれない。

    人に慣らされた景色、人の匂いのする景色。この表現はとても秀逸だ。どれだけ綺麗な場所であっても、観光客が押し寄せ、たくさんの人の目に晒されるほど、

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    2025年11月21日
  • 津軽(新潮文庫)

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    他所の家のお酒をこんなにも、、、とか思ってしまったけど、津軽へ行ってみたくなるし
    よく知って土地勘があるともっとこの作品を楽しめるんだろうなとしみじみ

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    2025年11月16日
  • ヴィヨンの妻

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    人の幸せの感じ方、文学などの作品の評価は、人によってそれぞれ違う。お酒を店で飲んで、お金を払えば喜ばれ、お金を払わなければ、やっかい者になる。そんな常識と非常識を疑う主人公は、非常識の行動をし生きていく。それを心地よく寄り添う奥さんの心は、主人公より満たされ、好き放題している主人公は実は苦悶して生きている。それは太宰治自身の心の中だったのかもしれない。よい作品だが好き嫌いがわかれると思う。

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    2025年11月15日
  • ろまん燈籠(新潮文庫)

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    表題作でもある"ろまん燈籠"は5人兄妹が順々に書き連ねて1つの物語を作る話だが、それぞれの個性が作品の中にも滲み出ている中でストーリーも良くできており作中のラプンツェルはまた別の作品として楽しめた。
    純文学に置いてはストーリーよりも表現を楽しむものだと感じていたがこの作品はストーリーとしても面白かったので他の太宰作品も読んで見たい。
    その他の話では"禁酒の心"で描かれる禁酒をしようと思ってもつい誘惑に負けてしまう気持ちや食べに来ているのか飲みに来ているのか分からなくなる気持ちに共感できた。
    "雪の夜の話"では短い話しながらも戦時中でも

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    2025年11月10日
  • 乙女の本棚3 葉桜と魔笛

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    ネタバレ

    まさに「乙女の本棚」という感じで、共感性羞恥というか、昔の自分の日記を読む気持ちというか、幾度となく照れてしまい、面映ゆい気持ちになってしまった。

    姉「思ったより2人の仲が醜く進んでいる!」
    妹「この手紙、お姉さんが書いたのね」
    妹「私、この手紙自分で書いたの」
    父「(口笛)」←全部聞かれていることがわかる

    とはいえ、自分の死を予感している妹と、その妹を思う姉の心は沁みた。姉は後年「物欲」が増していると語るが、この物欲とはなんだろう?

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    2025年11月04日
  • 人間失格

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    ネタバレ

    段々と人間が堕落していく様がありありと描かれていた。
    が、自分にはいまいち刺さらずよくわからなかった。
    かなり前に読んだため、もう一度読めばさらに理解できるはず。もう一度読む必要あり。

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    2025年11月01日
  • 人間失格

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    80年近く前にこういった作品を書くひとがいたことに驚く。自己の内面に向き合い、悩み抜く。貧しく食べて生きることに必死だった時代にあって、作者の生まれに起因する悩みか。とにかく周囲の人間との境を意識し続けた点において、ひとの中にあることを望んだのであろう。怖くなるくらい人間を求めたのではないか。魅力的に映る。また曖昧にしておくことができない真摯なひとだと思う。自分は曖昧だらけだ。

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    2025年10月29日
  • 斜陽 アニメカバー版

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    太宰の考える愛が見えた気がした。
    子供の時より大人になった方が自分の欲に忠実になる。ただそう見えないのは大人の方が自分を正当化出来るずるさを持っているから。

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    2025年10月28日
  • 斜陽 アニメカバー版

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    ネタバレ

    正直あまりよく分からなかったというのが読み終えた後の率直な感想だ。父を亡くし、華族としての家が没落して行くなかで、病気がちな母と戦争帰りの弟とくらす主人公のかず子のそれぞれの心情の移り変わりが滑らかに描かれていたと思う。個人的には「人間は恋と革命のために生まれてきた。」というセリフが1番好きなセリフだ。人間の生というのをこんな短い言葉で言い表してしまうのが流石太宰治だなと感じた。

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    2025年10月24日