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ああおいしい。姫君の喉もたべてやりましょう――。おぞましい遊戯に耽る男と女(坂口安吾「桜の森の満開の下」)。大怪我を負った夫に堕ちてゆく妻(江戸川乱歩「芋虫」)。幼き兄妹が罪深き愛故に望む裁き(夢野久作「瓶詰地獄」)。泉鏡花、谷崎潤一郎、小栗虫太郎、太宰治ほか名だたる文豪達による10の良識や想像力を越えた怪作。物語は今、あなたの網膜に焼き付き、忘却を拒む。
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Posted by ブクログ
10作品が載っている贅沢な作品集です。
「桜の森の満開の下」坂口安吾
日本ホラーに相応しい小説でした。
桜、美しい女性、都などのワードが妖艶で恐怖心をあおります。
「影」芥川龍之介
短い作品なのに、内容を理解するまで時間がかかります。場所が鎌倉、横浜と変わるのでついていくのが、読み終えてから、ああこういう事か!と腑に落ちる。時系列が明確そうなんだけど、読書を惑わす怖さがありました。
ズルズルと状況を説明して終わらせず、読者を起承転結の結をほんの数行で完結されているのに驚き。
「芋虫」江戸川乱歩
何度か読んだ事があります。結構好きな作品です。
戦争中は皆が躍起になっていたのに、戦後に残る悲しみと相まって感慨深くなります。
フランツ•カフカの「変身」を彷彿とさせます。
「泉鏡花」浮舟
難読する作品でした。何十年前が時代背景かはわかりませんが、漢字にたくさん振り仮名があり、難しい。
「身毒丸」折口信夫
美しい10代の男子、身毒丸は遺伝で性を慎まなければならない。師匠より浄い(きよい)生活をしなければならず、経文を血書しつづけます。
寺山修司作の舞台作品の一部として有名ですね。
「白蟻」小栗虫太郎
作品集の中で一番長文な作品でした。家族内での恐ろしくも悲しい、怖い悲劇のお話。
滝人の運命が可哀想
「刺青」谷崎潤一郎
間近に見た事はないのに、美しい刺青を連想させます。何というか日本語が美しい。例えば「女は剣(つるぎ)ような瞳を動かした。」とか。
10ページにも満たないのに、日本文化が息づいていて素敵でした。
「瓶詰地獄」夢野久作
これが一番怖い小説でした。日本語のカタカナ文字は、時に気味が悪い。そして、人の極限心理を考えると恐ろしい
「駆込み訴え」太宰治
ユダの一人称での語り口です。聖書をこんなふうに小説にするなんで、やっぱり太宰治ってすごいなぁ
「夢十夜」夏目漱石
各十話による、こんな夢をみたというお話し。それぞれが種類が違う怖さ(悲しすぎて怖い、人じゃないようで怖い、など)でした。
Posted by ブクログ
『男はもはや孤独を怖れる必要がなかったのです』
桜の森の満開の下 坂口安吾
『誰かが後にいて、じっとその視線を彼女の上に集注しているような心もちである』 影 芥川龍之介
『そこの二階の六畳は、二人にとって唯一の世界であった』 芋虫 江戸川乱歩
『那時あの妓ーは緋の長襦袢を着て居ました。月夜のような群青に、秋草を銀で刺繍して』
浮舟 泉鏡花
『この美しい若衆はもて囃されていた』
身毒丸 折口信夫
『落盤に鎖された真暗な隧道の中で、十四郎は恐怖のために変貌を来たしてしまい』白蟻 小栗虫太郎
『この足こそは、やがて男の生血に肥え太り、男のむくろを蹈みつける足であった』
刺青 谷崎潤一郎
『この美しい、楽しい島はもうスッカリ地獄です』
瓶詰地獄 夢野久作
『あの人は、誰のものでもない。私のものだ』
駆け込み訴え 太宰治
『「何がって、知ってるじゃないか」と子供は嘲けるように答えた』 夢十夜 夏目漱石
美しい日本語に触れたくて読み始めましたが、十作のどれも不思議な世界にどっぷり浸かってしまいました
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