太宰治のレビュー一覧

  • ヴィヨンの妻

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    文体が流れるようで読みやすかった。
    内容が、私とあっていないのか、あまり共感?することはなかった。
    どう感じていいかよくわからなかった。、

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    2025年09月28日
  • ヴィヨンの妻

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    70年以上前に書かれた作品が今も多くの人に読まれていることが、ただただすごいことだと思う。
    太宰治の本名の津島修治が作中に出てくるのも楽しい。

    個人的には、「親友交歓」と表題作の「ヴィヨンの妻」がよかった。

    「親友交歓」は、実際にこんな図々しい同級生が訪ねてきたら絶対嫌だけれど、読んでいる分にはおもしろい。

    「ヴィヨンの妻」も、妻子がありながら借金までして飲み歩く夫は絶対嫌だけれど、奥さんのさっちゃんはたくましい。
    「男には、不幸だけがあるんです。いつも恐怖と、戦ってばかりいるのです」という夫の言葉に、太宰本人の思いが重なっている気がして、切ない。


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    2025年09月27日
  • ヴィヨンの妻

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    短編が読みたくなって、なんとなく太宰の作品を初めて読みました。

    文章のリズムがよくて、作品によっては、詩を読んでいるような気持ちになりました。
    内容は、家庭を顧みないダメ夫が出てくる話が多いですが、視点がシニカルで、でもクスッと笑ってしまうような作品が多く、楽しめました。

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    2025年09月26日
  • きりぎりす(乙女の本棚)

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    乙女の本棚シリーズ。
    妻が売れっ子画家になってしまった夫に、別れの意を伝える話です。夫の反応や言葉の描写は一切無し。妻視点でしか、夫の事は分かりません。でも「いるよね、こういう人」とウンザリしたし、嫌になる気持ちに共感を覚えました。
    妻も世間知らずなのでは?別れて大丈夫なのか?と思わなくも無いけれど…。
    このあと2人はどうなったのでしょうか。何ともいえない余韻の残る作品でした。

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    2025年09月23日
  • パンドラの匣

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    太宰治の辛辣な親戚のルックスいじりや自由思想とは反抗精神であるなど、読むのに時間はかかったが面白い箇所は随所に溢れている。

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    2025年09月21日
  • 人間失格

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    人間をできる限り悪く、捻くれた見方で見た作品であると感じた。
    葉蔵の考えや人生観について多少共感できることもところもあったが、やはり全体としては理解できず。そもそも太宰としては理解されることを目的としてはおらず、遺書のつもりで書いたのだろうと感じた。一文が1ページ近くに渡ることがあるなど、勢いで書いていたことが感じられる。
    実生活で思うことがあり手に取ったが、読み終わってから「これよりはマシかな…?」と思い、少し気が楽になったのは読書経験として印象的だった。

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    2025年09月15日
  • 人間失格

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    私たち人間の本質が顕著に現れた作品だと思う。人の前で道化を演じて自分を欺き否定し、孤独を恐れ、居場所さえ見いだせない。人生を人間として上手く生きれなかった彼の遺書は、いつの時代にも通ずるものや受け取れるものはあると感じた。

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    2025年09月15日
  • 乙女の本棚3 葉桜と魔笛

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    乙女の本棚シリーズ。
    亡くなった母に代わり、家を取り仕切っている姉が、病を患い死期の近い妹と過ごした最後の時期を回想するお話です。
    姉妹愛があふれています。お互いを思いやる気持ち、姉の辛さや、妹の辛さ、それらがスッと胸に響いてきました。

    イラストも素晴らしく合っています。特に妹の手紙を盗み見た姉が想像したであろう、妹と2人で楽しく過ごしている様子のイラストは、生き生きして素敵でした。だからこそ、現実の辛さが刺さります。

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    2025年09月09日
  • ヴィヨンの妻

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    ネタバレ

    暗いし死の影も見える一方で、ダメな自分を女性視点で描く冷静さもあるのが面白い。それでも罪の意識やうまく生きていけない自分への苛立ちが全体に滲み出ていて、本当に生きづらかったんだろうなと思った。共感できる部分もあって、晩年の作品は好みのものが多いと思った。ヴィヨンの妻、おさん、家庭の幸福、桜桃、と続く後半の流れが好きだった。

    トカトントンは分かりすぎた。夢中になっていたはずなのにふとした瞬間に急に冷めてしまう。そんなことばかり。できないことがあった時に勇気を出せず逃げているだけだったのか。

    そして斜陽然り、おさん然り、太宰の描く女性が捉える革命がかっこいい。太宰が捉えている破壊や死に繋がるよ

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    2025年09月09日
  • ビルディング(乙女の本棚)作品集(乙女の本棚)

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    「乙女の本棚作品集」としての三冊目。
    『赤とんぼ』『山月記』『魚服記』『鼠』『ルルとミミ』の五篇に加えて、書き下ろしイラストの『ビルディング』(夢野久作)も収録されている。

    ねこ助さんの幻想的な淡いタッチの絵は、読者を物語世界によりいっそい深く深く誘っていくようでとても好き。
    児童向けや童話風のお話とぴったりなのだけど、私は山月記がとりわけ好き。見開きで描かれる、あの威風堂々としながらも繊細そうな虎は忘れられない。

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    2025年09月08日
  • 女生徒

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    男の著者が若い女性の心情をうまく表現したな、と思いました。しかも太宰治が、このような切り口の小説を描かれた事が意外性あり良かった。

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    2025年09月04日
  • 斜陽

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    弟は貴族出身ということに実はプライドがあって、それを捨て切ることも、それに相応しくなることもできず、苦しかったんだと思う。私も捨てられないプライドに苦しむときがあるから共感した。
    ネット上の解説を読むと、姉と弟の対比構造を理解できて面白かった。

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    2025年09月01日
  • 魚服記(乙女の本棚)

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    短いが難しい。
    調べてみると津軽地方の伝説をもじって作ったものらしい。

    男子学生が滝壺に落ちた意味はあるのかが疑問。
    「そんなことで自殺するん?」って思っていたが、実は近親相姦にあっていた説があるとか。
    どちらにせよ不思議な物語。
    最後は大蛇でなく鮒になったという皮肉。

    スワの飛び込み自殺=太宰の自殺(しかも入水)との関係性は絶対にあるに違いない、、。

    と思いながらも、今回は高校生以来の再読ですが、なかなか読みとることが難しかったです。

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    2025年08月22日
  • 文豪たちの微妙な関係

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    新紀元社の文豪アンソロジー第三弾。『文豪誕生』、『文豪死す』に続いての今回は『微妙な関係』。
    ということで、切り口は
    (1)芥川と谷崎の「文芸的な、余りに文芸的な」論争
    (2)無頼派三人衆(座談会エピソードなど)
    (3)中原中也と周囲の友人達
    となっています。

    人物相関図や年表、代表作の紹介(あらすじに加えて、その作品の解説付き)なので、文豪に興味ある人の入門としてはとても良い本だと思います。

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    2025年08月20日
  • 人間失格

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    とにかく先が気になり止まれなくなります。全体的に退廃的で、時に胸糞悪い暗い話もあり、主人公に同情も嫌悪感も感じながらも、この作品の世界に引きずり込まれてしまいます。
    良くも悪くもこれが太宰治という作家の持つ文章のエネルギーなのか、とにかくこの作品が作家の心血を注いだものである事は間違いなく、それを嫌でも感じ取らされてしまいました。
    なので、読後感はちょっと胃もたれみたいな感じで、あまり軽々しく人にオススメするような好意的な感じは無いので、評価はちょっと辛めです。

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    2025年08月20日
  • 斜陽 アニメカバー版

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    ネタバレ

    栄枯盛衰。
    美しく滅んでいく者。
    苦しみ退廃し滅んでいく者。
    退廃の最中にいる者。
    退廃、滅びを纏い自分に革命をおこし生きていく者。

    ふーぅ。

    そうでもしないと生きていけないよね。貴族だった人の中にはさ。
    かず子は長生きしそうね。。

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    2025年08月18日
  • 駈込み訴え(乙女の本棚)

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    「あの人は酷い、酷い。はい。厭な人です。悪い人です。ああ。我慢ならない。生かして置けねえ。」

    ある男が自分の主を殺して欲しいと願い出ており、憎しみ哀しみ恨み…愛情。さまざまな感情が混乱した独白に目が離せなくなる。イラストも世界観と合っていて良し!
    乙女の本棚シリーズの太宰チョイスは面白いなあ!

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    2025年08月14日
  • 駈込み訴え(乙女の本棚)

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    乙女の本棚シリーズ。
    太宰治作の、初めて読む作品でした。ある人物が、自分の主人についての不満を訴える所から始まります。読んでいくうちに、あれ、なんだか聞いたことあるような?と思い始めましたが、まさかキリストのあの有名なエピソードを基にしたお話しだとは知らす、ビックリしました。
    愛故なのか、その告白もウソなのか、本当に狂っているのか。ホノジロトヲジさんのイラストが、妖しさ満点で、不穏な空気感を見事に演出しているなと思いました。

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    2025年08月13日
  • ヴィヨンの妻

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    ネタバレ

    家庭のしがらみは疎ましいが、その温もりは愛おしい――そんな気持ちがこめられた作品であるように感じました。

    小さいこどもがいるにも関わらず、何日も家を空けて飲み歩く夫――家に帰って妻である主人公を抱き寄せて泣くシーンもあることから、妻への気持ちはあるのでしょうが、愛情よりも依存というワードの方がしっくり来てしまいました。

    同時に、ここでへこたれず、夫の通う店で働くことで、歪ながらも家族関係を再構築した主人公(さっちゃん)の胆力がすごいと感じました。

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    2025年08月11日
  • 斜陽 アニメカバー版

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    ネタバレ

    『しくじった。惚れちゃった。』のフレーズに惹かれて読んだが、自分には難しい内容だった。
    しかしこのフレーズが読む前と後では強くイメージが変化し、そこが面白かった。
    直治の遺書やMCの意味の変化が印象深い。

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    2025年08月09日