太宰治のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
津軽の近代風土記。太宰の津軽回想録と冒険譚。
太宰自身、本書を書く上で、津軽の歴史を勉強していることが窺え、資料の引用部分が冗長に感じるほど長く、頻繁にある。故に読みづらい箇所が多く、小説として読むにはかなり時間がかかるのではないかと思う。その部分は非常に面白くない。この部分は津軽に興味のある人でないと読めないのではないかと思う。太宰の回想部分や冒険譚で、ようやく太宰節が出てくるように感じがする。
また、他の太宰の作品に比べて、本書の太宰の筆致はかなり明るい。(といっても相対的に明るいというだけではある。)太宰の精神状態は常に病んでいると思っていたが、比較的健康な状態で書いたことはすぐにわ -
Posted by ブクログ
70年以上前に書かれた作品が今も多くの人に読まれていることが、ただただすごいことだと思う。
太宰治の本名の津島修治が作中に出てくるのも楽しい。
個人的には、「親友交歓」と表題作の「ヴィヨンの妻」がよかった。
「親友交歓」は、実際にこんな図々しい同級生が訪ねてきたら絶対嫌だけれど、読んでいる分にはおもしろい。
「ヴィヨンの妻」も、妻子がありながら借金までして飲み歩く夫は絶対嫌だけれど、奥さんのさっちゃんはたくましい。
「男には、不幸だけがあるんです。いつも恐怖と、戦ってばかりいるのです」という夫の言葉に、太宰本人の思いが重なっている気がして、切ない。