太宰治のレビュー一覧

  • 晩年

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    太宰治なら『人間失格』と『斜陽』だね、という太宰ファンを見つけたらそいつはモグリである。太宰の小説はかなり、笑っちゃうことばかり書いてある。彼は本物の道化なのだ。シリアスに太宰を読む人間はどうかしている。太宰という作家は、お笑芸人系の作家なのだ。どれもこれも一級品の道化心が散りばめられていて、彼の人生同様いい加減でもったりした話しぶりとドライヴ感により読者たちを引き込んでいく。すなわち、三島由紀夫ほどに、固定観念を押し付けてこない、優しい場所に読者を誘い込み隔離し幽閉するのが太宰流なのである。太宰にかぶれた憐れな少年少女たちは、太宰と自分をダブらせ、なんて人生は儚いんだろうねえ、なんて前髪をは

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    2009年10月04日
  • お伽草紙(新潮文庫)

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    『御伽草子』は戦争末期の昭和20年3月、連日の空襲警報の最中に書き始め、敗戦直前の7月に完成したという。
    防空壕でむずかる5歳の娘に絵本を読んでいる太宰は『人間失格』のイメージとかなり離れていた。

    ムカシ ムカシノオ話ヨ
    昔ばなしをベースに太宰の脚色が始まる。言論統制が厳しくなるなか、古典を題材にこんな物語を書いていたとは。
    他に井原西鶴の『諸国噺』もたっぷり味付けされて収録されていた。手を変え品を変え、厳しい時代に書き続けていたことがよく分かった。

    時々太宰自身の言葉が顔を出す。
    これもイメージ作りの脚色なのかな?と思いながらも身近に感じられたりして、その部分はまるでブログを読むようで面

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    2026年02月15日
  • 魚服記(乙女の本棚)

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    人里離れた山間の炭焼き小屋で父親と共に暮らすスワの閉鎖的な暮らしか語られる。
    最初読んだ時頭の中が?でいっぱい…意味不明すぎる!?
    考察サイトを読んで何となく起こった内容が理解できたかな。津軽の伝承と太宰の当時の状況とかが関係しているらしいから、暗い感じなのも納得。

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    2026年02月15日
  • 斜陽

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    暗さの中に一筋の西陽が。夕暮れは確かに影が濃いけれど、明るさも濃い。子供は希望

    後書きがよかったな、お陰で太宰文学の解像度があがって暗くなさそうな話もあると知れた。
    夕方の太陽は「静かなふかい喜び」がある。

    なんか良いなと思った文など
    ・「トマトも毎日5つくらいは召し上がるのよ」「うん、トマトはいい」
    ・ご無事で。もし、これが永遠の別れなら、永遠に、ご無事で。バイロン
    ・私は生きて行かねばならないのだ。子供かもしれないけども、しかし、甘えてばかりもおられなくなった。
    ・生きていること。生きていること。ああ、それは、何というやりきれない息もたえだえの大事業であろうか。

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    2026年02月14日
  • 魚服記(乙女の本棚)

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    乙女の本棚シリーズ。
    感想としては…難しい。展開に理解が追いつかないというか何というか。考察サイトを読み再読したけれど、何ともいえない気持ちになる作品でした。
    どう解釈しても閉塞感があり、主人公の少女スワの人生って何だったのだろう、と考えてしまいました。大蛇になったと喜んだけど、実は鮒だったスワ。あのまま生きていているより、この結末の方が本人の望む生き方だったんでしょうか。

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    2026年02月14日
  • ヴィヨンの妻

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    現代とはまるで違った価値観、経済状況での生活であり、今の自分の悩みや不安はどれだけ贅沢なものなのかを痛感した。これからのことはとりあえず生きて、生きながらゆっくり考えようと思う。

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    2026年02月14日
  • 人間失格

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    どこまで事実でどこまで虚構か分からないけれど、太宰のだらしなさとメンヘラ具合が全面に出ていたし、実体験も多くちりばめられているような印象を受ける作品。

    社会の生きづらさとかアイデンティティの喪失とかテーマ的には共感するものが多かったけど、ものすごい傑作かと言われると、私はこの作品にそこまで特別な感情は抱けなかったかな~。

    主人公の葉蔵は幼い頃から周りの人に本来の自分を悟られないように自分を取り繕って生きていたけど、太宰もこんなふうに、うわべで関係を築くだけで本当に信頼できる人が少なく、常に人間に怯えながら生きていたのかなと思った。
    あとは、タイトルや手記では自分の事を「人間失格」と定義付け

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    2026年02月11日
  • もの思う葦(新潮文庫)

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    太宰治のエッセイ。現代を生きる私たちに身近なものから縁遠いものまで、当時の太宰を取り巻く物事に対しての太宰の気持ちが綴られている。
    中には共感できるものもあった。

    太宰治という人間が好きな人や、彼の考え方が好きな人、彼の心情を知りたい人に読んでほしい1冊。
    太宰を知るにはおすすめの本だと思う。

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    2026年02月01日
  • 人間失格

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    正直一回読んだだけではよくわからなかった。文豪と言われている所以は由緒で感じられたが、ストーリーとして面白いと感じなかった。
    ただ解説サイトを見ると自分の視点が甘かったようにも感じたのでいつかもう一度読み返そうと思う。

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    2026年02月01日
  • 斜陽

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    ネタバレ

    ○貴族
    最後まで貴族だった母親
    貴族に抗おうとするも貴族として死ぬ直治
    革命を起こし貴族を投げ捨てたかず子
    三者の対比が面白い。

    「人間はみな同じ」この言葉に苦しむのは貧しい人たちかと思っていたが貴族もまた苦しめられるのだというのが新しかった。

    直治の恋の相手だった上原の奥さんに子どもを抱かせたいというかず子の思いが、直治の最期の思いを受け取った証拠で切なくなった。

    ○ヘビが象徴するもの
    母がヘビを怖がるのは「悪いこと」を怖がっているから、かず子が怖がらないのは「悪いこと」を怖がっていないから。


    あとがき
    直接呼びかけてくる潜在的二人称の文体
    自分ひとりに話しかけられているような心の

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    2026年01月24日
  • 斜陽 アニメカバー版

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    太宰作品は読んだあとに陰鬱な気持ちになるまでがテンプレート。
    人間の欲深さや虚飾性、そして生死への思い全てが詰め込まれた作品。人間が抱えている葛藤を少しだけ誇張した感じがするが、本質を捉えて言語化する能力には驚かされてばかり。やはり、最高峰の文豪の1人。

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    2026年01月22日
  • ヴィヨンの妻

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    相変わらず陰鬱で独特の空気感があった。夫は妻に働かせたお金で酒を飲むどうしようもない男だが、妻はそれが幸せだと言う。何が幸せか本人にかわからない。
    店の大将の、「お金は自分の手の中に握るまで、どうなるかわからないよ?」ってセリフが面白かった。
    実際その通りだと思うし、含み益みたいだなとも思った。

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    2026年01月21日
  • 斜陽

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     読んでいてすごく面白いわけではない。かといって、つまらないことは全くない。ただ、純文学的作品にありがちな、自分の言葉にして感想を語るのが難しい系の代物だった。自分の感性はまだまだ未熟。
     かずこの母の雰囲気がなんとなく好きだった。また、当時の貴族には、貴族なりの苦しさがあったことを知った。

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    2026年01月14日
  • ヴィヨンの妻・桜桃 他九篇

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    太宰を読むのは高校生のとき以来か。時代背景など考えずに太宰を正面から受け入れたときと異なり、今読むと戦後の荒廃や廃退が迫ってくる。

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    2026年01月12日
  • 太宰治全集(4)

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    「佐渡」の自分の乗った船の行き先が佐渡なのか佐渡じゃないのか、人に聞こうかやめとこうか、明らかに挙動不審なところに笑っちゃった
    勢いと勘違いで作家に手紙を送っちゃう「恥」も好き

    勢いつらつら読める作品が多かった

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    2026年01月07日
  • パンドラの匣

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    正義と微笑
    シンプルな若さ、青さ。
    自分の中で固まり切っていない思想が、兄などに影響を受けながら変容していき、その中でたまに見える信用に足るものがある、というのが若者らしくていい。

    181 思いがけない事ばかり、次から次へと起ります。人生は、とても予測が出来ない。信仰の意味が、このごろ本当にわかって来たような気がする。毎日毎日が、奇蹟である。いや、生活の、全部が奇蹟だ。

    210 「善く且つ高貴に行動する人間は唯だその事実だけに拠っても不幸に耐え得るものだということを私は証拠立てたいと願う。」(ベートーヴェン)

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    2026年01月01日
  • 斜陽

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    戦後、没落貴族となった母と姉弟の生きざまを描いた作品。

    時代の変化による生きづらさや葛藤、それは立場こそ違えど現代も同じ。
    人間の弱い部分や脆さが生々しく、滅びゆく姿もまた美しかった。

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    2025年12月30日
  • ヴィヨンの妻

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    昭和21年から23年にかけて発表された八編が収録。

    「ヴィヨンの妻」は、太宰の妻からの目線で描かれています。苦労が滲み出ているものの、懸命に生きていると感じさせる小説です。しかし太宰は自分の都合の良いように解釈しているようですが‥。この小説の最後に、妻のセリフで「人非人でもいいじゃないの。私たちは、生きてさえすればいいのよ」は、何だか切なくなりました。

    こちらとは対照的に、「おさん」では妻と太宰の本音がぶつかり合っているような小説が書かれています

    社会に馴染めず、孤独な太宰治は聖書の引用と共に小説にしがみついて生きている‥そんな惹きつけられる力強い文章に魅力を感じます。

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    2026年01月02日
  • 人間失格

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    太宰は6男坊で生まれて、甘えられないし我儘も言えない数々の苦労がある幼少期を過ごしています。
    最後に登場する飲み屋のママが言うように「お父さん(実家)も悪かった事もあると思う」に同感します。けれども、これだけ兄弟が多ければ両親もそれぞれの子供に構っていられない様子も納得できました。

    お金もあり、学校へも通えて。
    かなりの美男子が更に罪ですね。

    薬局でモルヒネが買えるのは、この時代ならでは、完全に依存症のようでした。だれか賢くて支えてくれる女性がいたら良かったのに‥。

    友人の堀木は、本物の悪友です。それでも堀木自身は、自宅で両親とうまく同居し、それを見た太宰は複雑な心境になっています。

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    2025年12月26日
  • 女生徒

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    一人の女子生徒の独白で話が進んでいく。

    大人になりきるまえの 本人も持て余してしまうような感情の揺れ動きがよく描かれていた。

    特に大人に対する視線は辛辣だ。
    私にも覚えがある。

    私は中学生の頃 『走れメロス』を読まされて以来 太宰治は好んで読まない。
    今回は大掃除しながらの耳読だったので まぁ途中でやめてもいいか ぐらいの気持ちでこの作品を選んだのだけれど 中学生の時に読んでいたら共感していたかも。


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    2025年12月23日