太宰治のレビュー一覧

  • 津軽(新潮文庫)

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    ネタバレ

    かなり集中して読まないと100%楽しむのは難しい。太宰治と行く!津軽探索、そして酒。といった感じの一冊。

    内心、小説らしい物語を期待していたから、少し残念な気持ちも無くはないが、全体的に面白かった。酒を求めて歩き回り、太宰治の故郷を作者自身の目で体感できたことは面白かった。

    ただ、自分が津軽に対してイメージする事が難しく、綺麗な風景や何もない長屋が並んだ村など、戦時中の津軽はこんな感じなんだと思いながら読んでいた為、感動も薄かったかもしれない。

    人に慣らされた景色、人の匂いのする景色。この表現はとても秀逸だ。どれだけ綺麗な場所であっても、観光客が押し寄せ、たくさんの人の目に晒されるほど、

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    2025年11月21日
  • 人間失格

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    人間、特に日本人が薄ら感じ、考えていることをここまで突き詰めているのは凄まじいと思った。道化を演じる、他人の素性への無関心、父親への懐かしみと恐怖など激しく共感できる部分があったが、大ベストセラー小説というのもあって、読んでいる時の自分の感情を少し冷めた目線で見てしまうところもあった。正直、科学がより身近になった現代で、この小説が悩みのための「お薬」になることはなかった。シンプルに体を鍛えようと思ってしまう。太宰治がこの小説を書く時どのような感情が強かったのだろう。虚栄心、羞恥心は容易に想像できるが、芸術や小説そのものを壊してやろうという気概はあったのだろうか。彼の人生観と密接にリンクしている

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    2025年11月18日
  • 津軽(新潮文庫)

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    他所の家のお酒をこんなにも、、、とか思ってしまったけど、津軽へ行ってみたくなるし
    よく知って土地勘があるともっとこの作品を楽しめるんだろうなとしみじみ

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    2025年11月16日
  • 人間失格

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    人と付き合う上で誰しもが少なからず道化を演じることがあると思うが突き詰めるとこうなるのかと感じることが出来た。

    整った顔のおかげもあり次から次へと女と交わるが、忽然と姿を消したり共に心中を試みてはを繰り返す様は中々に酷いと感じた。
    女性は魅力的な人物が多く登場したが、自分は純粋無垢なヨシ子の人物像が好きだった。

    後半にかけては金が尽きては家内のものを質屋に入れ手に入れた金で酒を飲み、挙句の果てには薬にまで手を出した様子はまさに"人間失格"の様に感じた。

    繊細に記された自身の堕落していく様子は先日読んだろまん燈籠と同じ作者のものとは思えずまた違う太宰の人間性を知ることが

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    2025年11月15日
  • ヴィヨンの妻

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    人の幸せの感じ方、文学などの作品の評価は、人によってそれぞれ違う。お酒を店で飲んで、お金を払えば喜ばれ、お金を払わなければ、やっかい者になる。そんな常識と非常識を疑う主人公は、非常識の行動をし生きていく。それを心地よく寄り添う奥さんの心は、主人公より満たされ、好き放題している主人公は実は苦悶して生きている。それは太宰治自身の心の中だったのかもしれない。よい作品だが好き嫌いがわかれると思う。

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    2025年11月15日
  • ろまん燈籠(新潮文庫)

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    表題作でもある"ろまん燈籠"は5人兄妹が順々に書き連ねて1つの物語を作る話だが、それぞれの個性が作品の中にも滲み出ている中でストーリーも良くできており作中のラプンツェルはまた別の作品として楽しめた。
    純文学に置いてはストーリーよりも表現を楽しむものだと感じていたがこの作品はストーリーとしても面白かったので他の太宰作品も読んで見たい。
    その他の話では"禁酒の心"で描かれる禁酒をしようと思ってもつい誘惑に負けてしまう気持ちや食べに来ているのか飲みに来ているのか分からなくなる気持ちに共感できた。
    "雪の夜の話"では短い話しながらも戦時中でも

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    2025年11月10日
  • 人間失格

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    太宰治が自身について書き綴った、とあとがきにあったんだけど、だとしたら1番最後の「神様みたいな人でした」はどう捉えたらいいんだろう

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    2025年11月07日
  • 人間失格

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    初めて触れる太宰治作品
    昔特有の読みにくさはあるものの、
    序盤は、少し分かる部分も有り、
    太宰に勝手にリンクしたような気になり、
    書いてる姿すら想像して、
    妙な楽しみ方が出来た。

    中盤あたりから、
    これ、主人公のクズが太宰の表現と
    時折見せる鬼気迫る文章力で
    名作にされてるだけでは?と
    袋小路に入ってしまい、楽しめなくなった。

    最後に主人公の年齢を見て、
    「ええッ?」
    解説を読んで、
    太宰が主人公のモデルと知って
    「マジか。。」
    更に遺作と知って、
    「・・・」

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    2025年11月07日
  • 乙女の本棚3 葉桜と魔笛

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    まさに「乙女の本棚」という感じで、共感性羞恥というか、昔の自分の日記を読む気持ちというか、幾度となく照れてしまい、面映ゆい気持ちになってしまった。

    姉「思ったより2人の仲が醜く進んでいる!」
    妹「この手紙、お姉さんが書いたのね」
    妹「私、この手紙自分で書いたの」
    父「(口笛)」←全部聞かれていることがわかる

    とはいえ、自分の死を予感している妹と、その妹を思う姉の心は沁みた。姉は後年「物欲」が増していると語るが、この物欲とはなんだろう?

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    2025年11月04日
  • 斜陽

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    お転婆な娘であったかず子が上原に恋をし、子を孕んでいく。そんな中で段々とかず子が唯一本物の貴族であったおかあさまのような気高さを持っているように感じた。
    弟の遺書で最後には貴族として死んでいくところが良かった。
    しかし、やはり太宰治の作風はいまいち私と波長が合わない気がする。読解力が足りないのか。

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    2025年11月01日
  • 人間失格

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    ネタバレ

    段々と人間が堕落していく様がありありと描かれていた。
    が、自分にはいまいち刺さらずよくわからなかった。
    かなり前に読んだため、もう一度読めばさらに理解できるはず。もう一度読む必要あり。

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    2025年11月01日
  • 人間失格

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    80年近く前にこういった作品を書くひとがいたことに驚く。自己の内面に向き合い、悩み抜く。貧しく食べて生きることに必死だった時代にあって、作者の生まれに起因する悩みか。とにかく周囲の人間との境を意識し続けた点において、ひとの中にあることを望んだのであろう。怖くなるくらい人間を求めたのではないか。魅力的に映る。また曖昧にしておくことができない真摯なひとだと思う。自分は曖昧だらけだ。

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    2025年10月29日
  • 斜陽 アニメカバー版

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    太宰の考える愛が見えた気がした。
    子供の時より大人になった方が自分の欲に忠実になる。ただそう見えないのは大人の方が自分を正当化出来るずるさを持っているから。

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    2025年10月28日
  • 人間失格

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    中学生の頃読んで、これこれ俺じゃんとなりひどく影響されたが、25歳の今読むと、こいつ生きるの下手だなーと少し苛つきに似た感情が湧いた。

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    2025年10月25日
  • 斜陽 アニメカバー版

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    ネタバレ

    正直あまりよく分からなかったというのが読み終えた後の率直な感想だ。父を亡くし、華族としての家が没落して行くなかで、病気がちな母と戦争帰りの弟とくらす主人公のかず子のそれぞれの心情の移り変わりが滑らかに描かれていたと思う。個人的には「人間は恋と革命のために生まれてきた。」というセリフが1番好きなセリフだ。人間の生というのをこんな短い言葉で言い表してしまうのが流石太宰治だなと感じた。

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    2025年10月24日
  • 人間失格

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    人間失格も、後に綴られている桜桃も人間なら誰でも感じたことのある感覚が語られている感じがある。
    人間失格は最初に語られていた写真の雰囲気と、その後手記で語られる生活とが読み進めるうちに一致していくのが面白い。「人間失格」という仰々しいタイトルではあるが手記の人物と共感できる部分がある。

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    2025年10月24日
  • 津軽(新潮文庫)

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    津軽の近代風土記。太宰の津軽回想録と冒険譚。

    太宰自身、本書を書く上で、津軽の歴史を勉強していることが窺え、資料の引用部分が冗長に感じるほど長く、頻繁にある。故に読みづらい箇所が多く、小説として読むにはかなり時間がかかるのではないかと思う。その部分は非常に面白くない。この部分は津軽に興味のある人でないと読めないのではないかと思う。太宰の回想部分や冒険譚で、ようやく太宰節が出てくるように感じがする。

    また、他の太宰の作品に比べて、本書の太宰の筆致はかなり明るい。(といっても相対的に明るいというだけではある。)太宰の精神状態は常に病んでいると思っていたが、比較的健康な状態で書いたことはすぐにわ

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    2025年10月23日
  • 斜陽

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    解説者の10代の頃と同じく「よく分からない」と思った。善とも悪ともはっきりできない人ばっかりなのが良かった

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    2025年10月23日
  • 人間失格

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    読むのに時間がかかった。
    昔の言葉遣いに慣れていないということもあるが、ものの言い回しがめちゃめちゃ遠回しで言ってくることにあると思う。長い時は半ページも言い回しに使っていたこともあった。後半は、それにも慣れてきてスイスイ読めたと思う。

    内容については、はしがきとあとがきの使い方が上手だと感じた。物語の本編などにあまり関係しないものの上手く全てを包んでいる感じがした。本編は、葉蔵の最初は人間を真似ていたが、最後には人間でなくなってしまった。からのタイトル回収が気持ちよかった。ほとんどの葉蔵の気持は共感できなかったが、何事も個人なのだという部分には共感できた。

    内容は難しくて、頭に入ってきづ

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    2025年10月15日
  • 人間失格

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    純粋無垢が汚れていく。PTSDよね?
    幼い頃から社会生活をきちんと教わっていたら。。
    汚い部分を見て、? 本音と建前?みたいなものが分からない。自分は周りとちがう?人の気持ちがわからない。道化を演じることで世を渡る。辛かったろうね。
    世の中がいやになるね
    もがいてこの世の果てに辿り着いたみたい。

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    2025年10月09日