太宰治のレビュー一覧
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『男はもはや孤独を怖れる必要がなかったのです』
桜の森の満開の下 坂口安吾
『誰かが後にいて、じっとその視線を彼女の上に集注しているような心もちである』 影 芥川龍之介
『そこの二階の六畳は、二人にとって唯一の世界であった』 芋虫 江戸川乱歩
『那時あの妓ーは緋の長襦袢を着て居ました。月夜のような群青に、秋草を銀で刺繍して』
浮舟 泉鏡花
『この美しい若衆はもて囃されていた』
身毒丸 折口信夫
『落盤に鎖された真暗な隧道の中で、十四郎は恐怖のために変貌を来たしてしまい』白蟻 小栗虫太郎
『この足こそは、やがて男の生血に肥え太り、男のむくろを蹈みつける足であった』
刺青 谷崎潤一郎
『この美しい、楽しい島はもうスッカリ地獄です』
瓶詰地獄 夢野久作
『あの人は、誰のものでもない。私のものだ』
駆け込み訴え 太宰治
『「何がって、知ってるじゃないか」と子供は嘲けるように答えた』 夢十夜 夏目漱石
美しい日本語に触れたくて読み始めましたが、十作のどれも不思議な世界にどっぷり浸かってしまいました -
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太宰治の文学忌は6月19日、遺体が発見された日で 誕生日でもありました。
今日は 入水した日、ご命日です。
『晩年』は、1936年(昭和11年)6月に刊行された、太宰治 の第一創作集(第一短編集)
すでにどこかで発表されていた作品の中より
15作品
「葉」
1934年、同人誌『鷭』発表。
太宰治による断章形式の心象モザイクアート。
「魚服記」
1933年、同人誌『海豹』創刊号。
太宰治文壇デビュー作。
レビューは『魚服記』(乙女の本棚)にて。
「列車」
1933年、『サンデー東奥』203号。
太宰治名義の第一作、懸賞小説。
令和となった日本ではもう想像がつかないけれど、上野という駅は東北への入口のような場所だったのだと思う。
列車が運ぶ、荷物でないもの。
「地球図」
1935年(昭和10年)12月1日
『新潮』第三十二年十二月号。
イタリア人宣教師と新井白石の実話から、当時の日本の鎖国性を。
新井白石がキリスト教について、ほとんど興味を示さない感じが面白い。
「猿ヶ島」
1934年(昭和9年)10月
『文藝』第2巻第10号
レビューは『猿ヶ島』(乙女の本棚)にて。
「雀こ」
1935年(昭和10年)7月1日
『作品』7月号
冒頭に「井伏鱒二へ。津軽の言葉で。」という献辞。
津軽方言で書かれた子供の遊び。おそらく「はないちもんめ」のような遊びの風景。
「道化の華」
1935年(昭和10年)1月
『文藝』第3巻第1号。
心中事件を素材にした自伝的小説。
作者自身が作品に介入する、メタフィクション。
レビューは『道化の華』(青空文庫)にて。
「猿面冠者」
1934年(昭和9年)11月
『文藝』第2巻第11号。
私小説かと思わせるような、主人公の作中作と現実とが入り組み、次第に見失ってしまう。
「猿面冠者」とは、太宰自身への戒めなのだろうか。
「逆行」
1935年(昭和10年)9月
『文藝』第3巻第9号。
「蝶々」「盗賊」「決闘」「くろんぼ」の四章から成る連作。
25歳の男から小学生へと遡りながら、自身の投影と思われる人物像を 虚勢と情けなさを織り交ぜて描く。
第一回芥川賞候補となったけど 残念だった作品。この時の芥川賞は石川達三
「彼は昔の彼ならず」
1934年(昭和9年)10月
『世紀』
所有する借家に住み着いた男。同居する女は時々変わる。なんとも主体性のない賃貸人に振り回されているかのような家主。
付き合う女によって変わってしまう太宰治のような男を、心配しながら見守る太宰治っぽい家主。
「ロマネスク」
1934年(昭和9年)11月
『文藝』第2巻第11号。
津軽の仙術太郎、三島の喧嘩次郎兵衛、江戸の嘘つき三郎。
別々の土地で人生を踏み外した男たちが飲み屋で出会い、それまでの人生を語り合う。
本来は冒険譚や英雄譚を意味する「ロマネスク」という題名そのものが、風刺的なコメディとなる。
「玩具」
1935年(昭和10年)3月
『文藝』第3巻第3号。
小説についての悩みを綴った随筆のようでもあり、幼児期の記憶の断片のようでもある。
「陰火」
1936年(昭和11年)3月
『改造』3月号。
「誕生」「紙の鶴」「水車」「尼」からなる。
切れ味のない男たちの、自意識や不安、救済かなよくわからないですよ
「めくら草子」
1936年 新潮
小説の途中に枕草子が出てくるので タイトルはそれを意識しているということで良いと思う。
読んで 何がめくらか?ストーリーが 筋立ってないという事ではないのかなあ。
乙女の本棚のように 一作ごと読む程度が 太宰治は許せるなあと思いました。
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2023.12.14
★3.2
戦後の没落していく旧華族の家庭を背景に、母と娘の生き方の変化を描いた物語。主人公のかず子は、時代の変化の中で貴族としての価値観が崩れていく現実に向き合いながら、自分らしい生き方を模索していく。一方で母は旧来の秩序にしがみつき、やがて家族は衰退の中でそれぞれの選択を迫られていく。物語は、かず子の手紙という形で語られ、彼女が「愛」や「生きる意味」を探していく過程が中心になっている。
難しかった!!!!けど、太宰さんの言葉遣いすごく好き。
母がスウプを召し上がる冒頭のシーンすごく好き。
本物の貴族である母と貴族であることが嫌で破滅していく直治、恋のために革命を起こすかず子が対照的で面白かった。
直治の遺書が僕は、貴族です。で締めくくってあったの良かったし苦しかった。
6年越し?に上原に恋心を抱くかず子はなぜって感じだったけど、「今でも僕を好きなのかい」「僕の赤ちゃんが欲しいのかい」って言っちゃうあたり、沼るのもわかる気がする。
太宰さんも上原さんみたいな感じだよ絶対。
てか三通も手紙出して返事こなかったのに、会いに行って、子供作っちゃうのすごくない?最初の方は、世間知らずのお嬢様ってイメージだったのに、、、
金!酒!女!薬!以外の太宰さんの作品読みたい。
✍︎私のこの胸の炎は、あなたが点火したのですから、あなたが消して行って下さい。
私ひとりの力では、とても消す事が出来ないのです。
#さとの本棚
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Posted by ブクログ
この感想に論理も何もない、ほんとに感想を書きました。
第一の感想として、大学一年生の今の私にはまだ早かった。
ページはスルスル捲れる、面白いと思える、読みやすい文章、でも何かが分からない。すごく抽象的な感想に、言語化できていないなーって悔しさがある。
直治は孤立が嫌なため、酔った状態であっても人と付き合いたかったんだなーって、でも周りからはどうしようもない不条理から受け入れられなかったんだなーって。
ズレているかもだけれど、ドストエフスキーの『罪と罰』を思い出した。
直治もラスコーリニコフみたいに寄り添い続けてくれる人がいたら、自分自身の生きる自由を持てたのかな。
お母さんはともかくカッコよかったなー。高貴な人は行動で現れるんだなーって、自分の正しさを強さとして持ってるんかなーって思った。
そしてかず子、この人がよく分からない。
かず子が芸術家に憧れているのは自分が持っていないものを持っているから。
あー、わかんねー。
貴族としての誇りはとうにないとして、最後にクズ野郎上原と子作りしたのはなんでだろう。
恋を求めていたのだろうけど、性欲とは何が違うんだろ。現実を見たくなかったんかな。 -
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初太宰。
予想よりも明るく、ホームドラマのような二編だった。
少年が10代に持つ理想と周りの同級生や大人と言う現実への葛藤とそれでも希望に満ちたエンド。
あれ太宰の小説って実はこんな傾向なの?と思ったら、解説によるとこの二編は戦前〜終戦直後に書かれ戦争という暗い時代を脱したあとの世界を皆で変えていくぞと言う希望に満ちた感じで描かれたものの、その後は日本の変わらなさ?に失望してゆきその後に書かれた小説は暗くなって行く…とみたいなことが書いてあった。
ただこの二編は太宰が若者の時に書いた小説ではなく30代にはいってから書かれたとのことで(昔書いたものの焼き直し小説だったり、元ネタとなる友人の日記や書簡などもあるそうだが)、その年で10代の感情と行動をスラスラと書けるほどの瑞々しい感性の煌めきみたいなものが見て取れる。
太宰の性格や生涯を知ると、良くも悪くも本人が良く言えば純粋、繊細だったんだろうなあというのがこの作品からもわかる気がした。