あらすじ
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人気シリーズ「乙女の本棚」第33弾は、文豪・太宰治×イラストレーター・ホノジロトヲジのコラボレーション!
小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。
あの人は、私の女をとったのだ。いや、ちがった! あの女が、私からあの人を奪ったのだ。
「ずたずたに切りさいなんで、殺して下さい」。男はそう言って、自らの師の居場所を密告した。
太宰治の名作が、有名ゲームのキャラクターデザインなどで知られ、本シリーズではイェイツ『春の心臓』、江戸川乱歩『人間椅子』、夢野久作『死後の恋』、『瓶詰地獄』、泉鏡花『外科室』を担当する大人気イラストレーター・ホノジロトヲジによって描かれる。
名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。
自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
はい、45おネェはホノジロトヲジさんと抜群の相性でお馴染み『読まずにレビュー』第8弾です!(パオーン!)
*『読まずにレビュー』とは?
表紙と題名、作者のみを手がかりに本の内容を推理し、感想まで書いちゃう!という傍若無人のレビューです!(先に表紙拡大して確認してみてね)
はい、やっちゃいましたよ
あれほど注意してね!って言っておいたのにやっちゃいましたよ
アレルギーですよ
一目見てわかりました
アナフィラキシーショックですよ
いやほんと笑い事じゃないのよ!!
生命に関わるのよ!
救急車〜救急車〜
いやQ急車じゃなくて!(小ネタ)
なんのアレルギーか?だって!
そんなも見ればわかるやん!
持ってるやん!
ポッキーやん!
ポッキーアレルギーやん!
【あらすじ】
日系三世の名探偵サム・太斎は大学時代の恩師からN県の奥地にひっそりと佇む山荘へと招かれる
その山荘には、すなみ(清水美砂)、ちなみ(牧瀬里穂)、こなみ(中江有里)、えなみ(今村雅美)という名のポッキーを素敵な笑顔で美味しそうに食べるポッキー四姉妹が住んでおり、その山荘は全面を黒く塗りつぶされた細長い形と合わせていつしか「ポッキー館」と呼ばれるようになっていた
そしてサムと恩師、四姉妹が夕食をとっていると、ひとりの若い男が駆込んできてなにかを訴えるのだが…
『館シリーズ』最新作!遂に登場!!
【感想】
いわゆるクローズド・サークルってやつですね
もうお決まりのように雪に閉ざされ外界と遮断されちゃうベタ展開と思わせておいて連続殺人の方法が斬新で全てアレルギーを利用してるんです
登場人物が次々と殺害されていくんですが、それぞれどんなアレルギーを持っているのか?という謎解きも並行して進んでいて、そちらもなかなか楽しめました
そしてもちろん犯人は四姉妹の中に…と思わせておいて、いやいやこれ以上はネタバレになりますので伏せさせてもらいますが…名探偵サムの回りくどい謎解きも含めて驚きの連続で楽しめました
ポッキー館に隠された謎を解け!
Posted by ブクログ
文豪・太宰治の二次創作。
聖書を読んでユダに感情移入してしまい、昂った気持ちのまま勢いよく書いたような作品。
初めは「可愛さ余って憎さ百倍」なヤンデレ展開ですが、終盤「商人として主を売った」とユダが自身が悪人であることを自覚する流れが、羅生門みたいで好きです。
最初、挿絵の意味がよく分からなかったですが、小羊(羊小屋で誕生)、小鳥(イエスの棘を抜く前のコマドリ?)、銀貨30枚と狐(罪のイメージ)など、聖書などでイメージが定着している動物が描かれているのかなと思いました。
全部の意味はわからなかったですが、聖書読んでる人なら理解できるのかも?
あと、ユダの足が鳥なところも謎です。
聖書って解説本読んだりしないと理解しきれ ないと思うのですが、どうして太宰治は聖書を読もうと思ったのか、どれくらいの期間をかけて理解を深めたのかが気になります。
宗教を信じると生きやすくなるかもとか思って必死で聖書読んだけど、人間味あるユダの方が気に入って信仰心は微塵も芽生えなかった、みたいな流れなら辛い…。
Posted by ブクログ
冒頭の話しかけるところから始まり、最後に話しかけていたのが誰か名乗って終わるというのが好きです。
愛憎とはこのことだなと思わせてくれる話しです。
元々、この話の内容は知っていましたが画集として挿絵があるというので購入。
絵と内容があまり合ってるとは思えませんが、きれいな絵なので良しというか私の解釈とは違った絵なのだろうなと思い楽しんで読みました。
Posted by ブクログ
太宰治の書く世界観と、ホノジロトヲジさんのイラストの世界観が合致していて、手元に置いて時々眺めたくなる本だと思いました。まるで絵本のように読み進められる点も良かったです。
太宰治が1番好きな文豪なので、これをきっかけにもっと著書を読みたくなりました。
Posted by ブクログ
ユダがどういう心持ちでキリストを裏切ったかが、ユダの一人称で綴られている名作。
GOの影響で、新国立劇場の演劇「骨と十字架」を観たりして、この手のものに興味が向いてる。
太宰治、じつはあまり好きじゃないんだけど、これは非常によくできてる。むかーし若い時にも読んだけど、今の方が理解できる。年を重ねたんだろうな、それなりに。
イラストも不気味で美しくて善き。
このシリーズ、良いですね。
Posted by ブクログ
もう絵が最高です。
としか言えない。
ストーリーは元あるものとして、
それに掛けた絵がもう見てて飽きない。
どんな意図でこの絵を描き込んだのか、
細かく見ているのが楽しい。
文豪の好きな短編と好きなイラストレーターのコラボ。
Posted by ブクログ
うあああ・・!
文庫でこの作品は事前に読んでいたけれど、やはりスゴい・・!
愛憎、思慕と幻滅、自己嫌悪と裏切り、推しを思う心と勝手?それとも的を得てる自己解釈。
人間の心情って決して単純ではない。移り変わる心は複雑。
でもなにか(小説などの作品や報道記事)を作るとついわかりやすくしてしまう。
煩雑、まとまらない気持ちを本当に丁寧に、しかししっかり描いているのはさすが文豪。
イラストのホノジロトオジ氏ははじめて読む人のために「私」が誰なのか、徐々にわかっていく過程を楽しんでもらうためにわかりやすいシンボルは最初は避けていたとのこと。
わかりやすい挿し絵ではないけれど、独特の雰囲気はすごい。
本文がわかりやすい独白、挿し絵はやや難解。
素敵な化学反応。
Posted by ブクログ
途中で、あ!キリストの話かっと気付いた。何だか日本的な雰囲気が漂っていて不思議な後読感だった。
太宰治っぽい、ネチネチ、だらだらした独白で、私は好き。
Posted by ブクログ
文は素晴らしい。こういったタイプの絵は私にはわからない。ので、絵をシャットアウトして読んだ。読み終わって、じっくり絵を見た。
1人の人間に執着した人間の愛憎、師など、高い位についた人間の振る舞いなどが、勢いある文章で描かれていた。まさかユダが主人公とは…。最初の方は気づかなかった。ただキリストと使徒の話をなぞらえて書いているだけだと思っていた。
ここに描かれているユダの愛憎は、ある世界的ピアニストを慕い、ピッタリとくっついている、ある日本のピアニストを連想させた。彼女も似た様な心境なのだろうかと重ね合わせて読んだ。
無駄のない力強い文章。素晴らしかった。
この文に絵はいらないかな。
Posted by ブクログ
主人公はキリスト教のイスカリオテのユダ。
っていうのは最初のころにわかった。ので、ラストの一文に驚きはなかった。
ただユダ視点で考えるとなぜイエスを裏切ったのか?という問いに対し、銀欲しさなどではない。イエスへの鬱屈とした愛情と独占欲、という解釈は面白かった。
一言、お礼を言って欲しい。自分だけを見て欲しい。特別な女を作らないでほしい。
「旦那様」と訴えているが、凄く混乱している感じで、押し付けがましい信仰心なのか、同性愛なのか、どっちかなあ、と思った。
Posted by ブクログ
もっと絵があればいいのに。が最後まで読んだ感想。
何故か冒頭からすごく早口で話している感覚で途中ついていくのに必死だったが文字を追う目がどんどん先をいき、途中文字から目を離さないとどんどんエスカレートしていく。文字をこんな早く、急かされるように読む感覚は初めてでびっくり。そして、誰が話しているのだろうと思っていたらあんなに忠誠心を示して自分がいかに想っているか語り尽くしていたのに最後に裏切り者だと知る。どんでん返し。
Posted by ブクログ
最初は読んで理解しきれず、
後半になるにつれ、だんだんと話の流れが理解できた。
これが最初に繋がるわけね、と2回読むと面白かった。
また、ボカロ曲のロウワーのモチーフと知ってさらに楽しめた。
最後の晩餐の絵やキリストについても知っていたらもっと面白くなるのかな。
そういう深い解釈なしにしての感想としては、
歪んだ愛情は怖いね、、と思ったお話でした。
Posted by ブクログ
「裏切り者」のユダが、イエスと彼自身のこれまでの顛末をひたすら訴え続けるお話。ユダの愛情が憎しみに変わるまでの心情をただひたすらに吐露し続ける物語の勢いに圧倒された。口述筆記で書かれた物語だというからさらに驚き
Posted by ブクログ
「旦那様…」との書き出しに、主人公は女性と思いきや、まさかの、かの有名なユダ!ユダがこんなにもイエスを慕い、愛し、敬い、トクベツの情と行動を捧げてきたのに、それに期待するほど応えてくれないのは、あまりにも悲しい。片思いの辛さというべきだろうか。
この人だけには分かってもらえたと思うときがあっても、本当のところはそうでもなくて、ユダの寂しさ、辛さが伝わってきた。太宰治は、心の機微を描くのがとてもうまいと思う。この寂しさ、私も分かるところがあり、とても共感できた。
Posted by ブクログ
書き出しの部分が ずっと耳に残っていて 気になっていた 知ってるようで 未読のままになっていた作品
なるほど こういうお話だったのね...
カリスマは 遠くから憧れているにはいいけれど
側にいると 自分の心のバランスを保てなくなるものなのだろう
ユダの心の揺れが 激しく痛々しい
人の心の揺れは 時代も国も越えるんだなぁ
Posted by ブクログ
イラストはよく分からなかったが、途中からキリスト教っぽいと思ってやっぱりユタで嬉しかった。
聖職者の隣にいるのも大変だと思った。
太宰治らしい、暗いけど惹かれる話だった。
Posted by ブクログ
師を殺してくれと訴える私。
師を愛するあまり、自分だけのものにしたいと願うあまり、応えられない想いが積もる。
新約聖書は読んだが太宰にかかると彼の行動原理はこうなるのか、と感心した。
Posted by ブクログ
「あの人は酷い、酷い。はい。厭な人です。悪い人です。ああ。我慢ならない。生かして置けねえ。」
ある男が自分の主を殺して欲しいと願い出ており、憎しみ哀しみ恨み…愛情。さまざまな感情が混乱した独白に目が離せなくなる。イラストも世界観と合っていて良し!
乙女の本棚シリーズの太宰チョイスは面白いなあ!
Posted by ブクログ
乙女の本棚シリーズ。
太宰治作の、初めて読む作品でした。ある人物が、自分の主人についての不満を訴える所から始まります。読んでいくうちに、あれ、なんだか聞いたことあるような?と思い始めましたが、まさかキリストのあの有名なエピソードを基にしたお話しだとは知らす、ビックリしました。
愛故なのか、その告白もウソなのか、本当に狂っているのか。ホノジロトヲジさんのイラストが、妖しさ満点で、不穏な空気感を見事に演出しているなと思いました。
Posted by ブクログ
乙女の本棚シリーズの一冊。
有名作なのだが、実は読むのは初めて。
太宰の告白体の作品に外れはないよね。
途中まで読んで、ああこれはあの人が語り手なのねとわかって、さらに面白さが増したように思う。
ただ、乙女でない身には、どうもこの絵が馴染めない。作品と合っているのかな?
乙女はこれで納得するのかな?
Posted by ブクログ
内容はかなりうろ覚えだったが、一人称の語りから透けて見える心の動きがうまくて、もどかしくて、面白い。
知識がある方は、「あー、あのくだりね」となるのだろうか。再読だが、前回も同じことを思った気がする。進歩がない。
このような手に取りやすい形になって、再読できて嬉しい。
Posted by ブクログ
久々の乙女の本棚シリーズです。
初めて読んだ作品でした。そりゃそうだ、太宰治はほとんど読んだことがない。
読み進めれば誰と誰の話かはわかってきます。
愛憎がたっぷり詰め込まれた、そんな作品です
2024.6.29
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Posted by ブクログ
「私」であるイスカリオテのユダを主人公とした視点で、イエス・キリストへの愛憎渦巻く感情や言動が綴られている。
聖書において、ユダが"裏切り者"の弟子であることは有名だが、会計担当で金銭をくすねていたこととか、イエスはそれを承知のうえだったとは知らなかった。
いわゆる最後の晩餐の席で、イエスがとうとう苦しげに告発し、一つまみのパンをユダの口に押し当てるシーンは厳かさがある。そのままそこを飛び出して、「あの人(イエス)を罰して下さい」と駆け込み訴えるユダ。イエスに対する、尊敬と侮蔑。彼の屈折した台詞の端々に、それでも私はどこか悲しさを感じた。