感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2024年01月11日
巻末エッセイを含め、白地の背景に焦茶色(?)の文字のページが、印刷が上手くいかなかったのか何なのか、字が少しずれてぼけて見えて、目がチカチカして気になった。せっかく可愛くて素敵で好きなのに、残念。
それはさておき、引用したくなる、線を引いて覚えておきたくなる文章だらけだった。とっても鋭い。
この『...続きを読む女生徒』は、わたしの鏡だ。
ふいに「お父さん」と口に出してみて気恥ずかしくなったり、「よいしょ」と掛け声をした自分に気持ち悪さを感じたり、可哀想な犬に居た堪れず敢えていじわるをしてやったり、理不尽な状況を前に結局何もできず、悔しさに「こんなくだらない事に平然となれる様に、早く強く、清く、なりたかった。」と思ったり。
お父さんが後で「中心はずれの子だ」と言う。
他のレビューを見て、人がこの作品の是非を論じる様子をチェックして、素直に好きなものを好きと、人の目を気にせず全力で訴えることができないでいる自分に気づき、ああ、くだらないと思う。
バスから降りたところ、くすくす笑ってしまった。
「いい娘さんになろうと思った。」
Posted by ブクログ 2023年05月06日
『女生徒』の素晴らしいところは、感情の描写のリアリティさにあると思う。
本当に繊細に、丁寧に伝わる。美しい。
実際に共感できるし、なるほどこの子ならそう言語化するのかと関心する。
ヒロインの名前が最後まで明かされないミステリアスさも魅力。太宰作品は、苗字か名前どちらかでも明かされることが多い気がする...続きを読むので、なんとなく気になる。どんな名前なのか想像してみるのも結構楽しい。
(元ネタは有明淑という太宰ファンの日記らしいので、少女の名前は「シズ」とかかもしれないなぁ。と思ったり。ちなみに元ネタの資料は青森近代文学館で販売されているのでぜひ!)
ヒロインの行動は時に才女で、時にあどけなく、急にしょげたり、おどけてみたり、難しいことを考えてみたりでとてもかわいい。
思考する話題がころころ変わったり、感情の浮き沈みが激しかったり。まさに成長期真っ只中。
主人公のことを知れば知るほど親近感が湧いて、友達になりたくなる。まったく作り物という感じがしない。
初めて読んだ中学3年生の頃からずっと、ずっと大好きな作品です!!これからも読み返して、こんな感覚あったなーと懐かしみたい。私のバイブルの1つです♡
Posted by ブクログ 2022年11月07日
この作品を初めて読んだ時は自分も同じ女生徒であり本から得た言葉に頼っている狡くて厭なやつでした
少女のまま死ねそうにないので自分も美しく生きたいと思います
Posted by ブクログ 2021年07月29日
自分しか知らないと思っていた感覚が沢山描かれていて、恥ずかしくなった。今井キラさんのイラストが可愛くてページをめくるのが楽しかった。心に残る一冊。
Posted by ブクログ 2021年04月13日
今も昔も思春期の子というのは変わらないのですね。
冒頭から最後に向けて少女が大人になっていくようなそんな感覚がこの一冊に詰まってます。
少女の気持ち何となく自分も10代に感じていた気持ちのような気がして自分に置き換えながら読みました。もっとこの少女の気持ちを知りたい。ご縁があれば元の本読もうと思いま...続きを読むす。
Posted by ブクログ 2019年02月26日
美しい文章に今井キラの繊細な絵がぴったりで、この先ずっと本棚に並べておこうと思った。原作となった有明淑の感性には厭というほど共感を覚えた。文章越しに垣間見える彼女には憧れずにはいられない。
Posted by ブクログ 2018年01月11日
ゾクゾクしていた。
あんまり素晴らしいから。
視覚の効果が大きいと思う。
よくこんな文句のつけられないようなものが出来上がったなって。
が、
原作を知らないまま読んだため、
今から原作読んでも、この絵を知らなかったときには戻れない。
たぶんイメージは先行してしまうだろうなって。
先に読んでおきた...続きを読むいところではあった。
でも文章だけだどまた違う味わいを味わえるのかもしれない。
どちらにしても素晴らしくよくできた一冊だ
と感じたことに変わりない。
Posted by ブクログ 2023年09月16日
〈乙女の本棚シリーズ〉
太宰治+今井キラ
あさ、目をさますときの気持ちは、面白い。の書き出しで始まる女生徒。
1日の出来事で感じたことを言葉にしている。
その言葉ひとつひとつが音符のようでリズムを感じる。
女生徒ならではの女に関する言葉も鋭い。
草をむしっては、形はちっとも違っていないのに、い...続きを読むじらしい草と、にくにくしい草と、どうしてこう、ちゃんとわかれているのだろう。
理屈はないんだ。女の好ききらいなんて、ずいぶんいい加減なものだと思う。
けさ、電車で隣り合わせた厚化粧のおばさんをも思い出す。ああ、汚い、汚い。女は、いやだ。
自分が女だけに、女の中にある不潔さが、よくわかって、歯ぎしりするほど、厭だ。
女生徒の言葉とは思えないほど辛辣である。
彼女には亡くなった父への思いがあるのだろうが、母には何も求めていないことに不穏さを感じる。
朝目覚めるとまた灰色で虚無で意地悪だと思うのだろうか。
王子さまのいないシンデレラ姫だと言うのは辛い。
儚さが絵に現れている。
色も柔らかく、溶けていきそうだ。
そっと箱を開ける手は、何かを期待しているのに…。
Posted by ブクログ 2023年06月28日
乙女の本棚シリーズ、記念すべき第一作目。
少女の朝目覚めてから眠るまでの一日、その心象を描いた作品。
少女というには時間が経ちすぎたけれど、「ああこんなこと考えていたな」と懐かしく思う箇所もあれば「今もこんなことで悩んでるな」と成長してない自分に辟易したりする、それくらい人の心に丁寧で気持ちに寄り添...続きを読むう物語。
Posted by ブクログ 2020年11月23日
若い頃の1日っていろんなことを考えたし、目まぐるしく考え方や物事の捉え方が一寸の出来事で入れ替わること、それをうまくまとめられないこと、深い理由があるようなないようなモヤモヤした感じを思い出した。こんな濃厚な1日を日々送りたい。
Posted by ブクログ 2020年08月23日
読み始めた時はつい太宰の顔がちらついて、その文章とのギャップに身悶えなかなか入っていくのが大変だったりしたが、さすがにうまい。この潔癖でつらつらと頭でっかちな感じ、残酷だったり感じやすかったり両極端な感じ、外国に憧れる感じとか、こういう状態だった時の自分を思い出させられて素直に関心した。今井キラさん...続きを読むのイラストが作品を引き立てていて、とても良かった。
Posted by ブクログ 2018年10月15日
女の子はお砂糖とスパイスと,素敵な何かでできている(マザーグース)。
しかしその成分は,子どもから大人になるにつれて,変容していくものだろう。
しだいに素敵な何かはこぼれていって,醜い何かとなって堆積していることに気づく。
太宰治の『女生徒』。
以前から読みたいと思っていたのと,表紙のイラスト...続きを読むが気になって手にとった。
可憐な少女の絵と,描写ごとに変わる文字の色が,女生徒のうつりゆく心情を表しているようで引き込まれた。
それでいて,あまりにもリアルな描写が,少女の私生活をのぞき見たようで,どうも後ろめたく感じる。
Posted by ブクログ 2017年03月09日
女生徒は多分、銀河鉄道の夜と同じくらい、何度も違う装丁の本で読んだ。
この本は丸善で見つけるまで知らなくて、見つけた瞬間に即買い。太宰で一番すきだ、間違いなく。こういう綺麗な、独特なイラストに飾られた女生徒も、悪くない。
放っておいたら忘れ去られてしまいそうな物語が、こういう形で甦るのはすごく嬉しい...続きを読む。
Posted by ブクログ 2024年04月05日
自分も同じ事を考えてると共感できる部分がでてからスラスラ読めるように、内容も分かるし、頷きながら読んでた。振り返ると内容は忘れてしまったけど綿菓子のような金平糖を食べているような甘くてふわふわ時にはジャリっと鋭さを持った感覚。
Posted by ブクログ 2023年04月13日
東京に暮らす一人の少女。
彼女のある1日の心の動きを描く。
繊細なようで図太い。
猫のように気まぐれで子リスのように臆病、万華鏡のように気分が移ろう少女。
これぞ思春期って感じがした。
Posted by ブクログ 2022年08月21日
ようやく購入できた本の一冊。
乙女の本棚シリーズの「女生徒」
物語が素敵なイラストとコラボレーションして、より一層イメージが付きやすい。
「私」と同じ時代を経たことですべてではないけど、共感しやすいなと感じた。
この本に描かれている「私」の想いや、感情が切なく、悲しく、時に心温まる。
も...続きを読むどかしさや、自分の中では処理できないどうしようもない感情。
どれも自分で感じたことのある感覚。
思っていたほど、読みにくくなくさらっと読むことが出来た。
イラストもとっても素敵で物語の雰囲気がより感じられた。