あらすじ
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萩原朔太郎の『猫町』が人気イラストレーターとコラボレーション!
萩原朔太郎の『猫町』が、『刀剣乱舞』のキャラクターデザインなどで知られ、pixivフォロワー21万人超えを誇るイラストレーター・しきみによって、鮮やかに現代リミックス。全イラスト書き下ろしで贈る、珠玉のコラボレーション・シリーズです。巻末には、『グッドモーニング』『死んでしまう系のぼくらに』などで知られ、今をときめく詩人・小説家である最果タヒのシリーズ共通エッセイを収録。自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊です。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
しきみさんの絵が、とても文章の雰囲気に合っている本だった。
「すべての軒並の商店や建築物は、芸術的に変わった風情で意匠され、かつ町全体としての集合美を構成していた。」はたくさん使われているイラストの色使いの統一感にも通じるし、確かに美しい絵ばかりなんだよね。でもちょっと不思議なところとか、好きだなあ。
この文章をこの挿絵付きで読めて良かったと思った。
Posted by ブクログ
胡蝶の夢のようにどっちが現実か分からなくなって、反対側の世界に紛れ込む。猫、猫、猫。周りすべて猫。意識した途端現実に戻りつまらない日常となる。
魅力はない幻想の世界と感じられるがいい言葉が思いつかないがゆっくりした時間が流れているような話だった。
Posted by ブクログ
イラストが綺麗。このシリーズのイラストレーターさんたちは、本当に良いイラストばかり描いてくれるから好き。全巻集めたいけど、小説より高価だからなかなか他のに手を出せない。年々イラストレーターさんが増えるのは嬉しい。でも集めるのに月に一度程度で買わないとお金なくなる…。本を沢山持ってるから、本棚ともよく相談しないといけないかも。紙の本で集められなかったら、電子書籍の方を買おうと思います!出来れば長く続いて欲しいシリーズの一つです。
Posted by ブクログ
温泉に滞留していた私は、あるとき迷子になり、見知らぬ町に辿りつくが、そこは猫ばかりがいる町。
物語の不思議な世界観に引き込まれました。しきみさんのイラストも物語に合っていてとても素敵です。
Posted by ブクログ
この本で起こる現象と同じ経験をした人はいますか?
「いつも見慣れた風景が、すっかり珍しく変わってしまって、全く別の違った世界に見える。夢から覚め、現実の正しい方位を認識する。そして一旦それが解れば、始めに見た異常の景色は、平常通りの見慣れたつまらないものに変わってしまう。」
「三半規管の喪失」
この現象に私は身に覚えがありました。ずっと気になっていたことなので、この本の考察などを読んでみると、ただ方向音痴なために右と左が逆になってしまって、景色が全く違うように見えるという自分なりの結果が出ました。
この現象について私なりに考えました。
上記のように、萩原さんには全く違う場所に見えたため、いつも見ているつまらない町ではなく見知らぬ町に来た、という錯覚を起こす。そして見慣れた町の全てが新しく違ったものに見え、それが萩原さんをワクワクした気分にさせた。
だからあのような不思議な幻想を見たのだと思いました。
私たちが想像する全てのものは、この世のどこかにあると思います。猫の町がどこかにあると考えるとなんだか世界がとても広く感じます笑
Posted by ブクログ
萩原朔太郎の『猫町』と素敵なイラストがコラボする、乙女の本棚シリーズ第1段2冊中の1巻です。
極度の方向音痴である主人公は、ある時自分のよく知る町で違和感を禁じ得ない場所へ迷い込みます。
そこは全てのものが反転した似て非なる世界で、徐々にこの不可思議な世界へ行き戻る方法を習得していくのです。
北越の温泉地を訪れた際、普段とは違う世界へ迷い込んでしまった主人公。
そこは山とは思えない上品な街並みの都会で、行き交う人々にも気品が溢れています。
しかし、いざ元の世界へ戻ろうとしたところ…。
猫、猫、猫、猫、猫、猫、猫。
不可思議で美しい純文学を不可思議で美しいイラストが彩り、世界観を更に色濃く描く良書です。
Posted by ブクログ
初乙女♡
以前一読してすきになった萩原朔太郎の『猫町』
今回は、「しきみ」さんというイラストレーターのかたのコラボ絵本で読んでみる。
まず、主人公がペーパータグのピアスを付けた◯◯◯の姿で表現されているのにびっくり。
そうか!◯◯◯だったら✕✕に恐怖を覚えてもしょうがないもんね。
後半のクライマックスが、主人公を◯◯◯にすることによって活きてくる。
***
前半。
いやーぼくってもう旅行とかもう興味ないんだよね。だってどこ行ってもおんなじじゃん?だからクスリでトリップしてたんだけど、からだこわしちゃって、けんこうのために家のまわり散歩なんかしてんの。そしたらさー、道迷っちゃってさ。ははは。だってぼくって三半規管弱いじゃん?よく迷子になってんの。そんで、びっくりしちゃって。何がって。町がだよ。町が見たことのない場所に変わってんの!
みたいなトホホ混じりの不思議エピソード(5552超訳)で、引っ張って、その後、「見たことのない近所の町」の種明かしをしたあと、また、おなじようなエピソードを披露したかと思えば、また違う展開をみせるのがニクい。
✕✕をこんなふうに書くということは、朔太郎は✕✕嫌いだったのか?それとも?と思ってざっと調べたら、犬を二匹飼ってたらしいそうです…。
別に伏せ字にしなくても良かったですね…。
Posted by ブクログ
〈乙女の本棚シリーズ〉
萩原朔太郎+しきみ
まず驚いたのは「刀剣乱舞』のキャラクターで知られるイラストレーターしきみさんの絵がアニメを観ているようで今にも動きだすのでは…と感じるほど魅力的だった。
萩原朔太郎の小説も現代版のように感じてSFの世界へ入り込んだような気分だった。
旅は、単なる同一空間における同一事物の移動にすぎないと思っていた私が、ある日狐に化かされたかのようにふと道を間違え、方角をわからなくしてしまう。
偶然の発見から違った世界へ。
どこへ迷い込んだのか、それとも悪夢か。
猫の大集団がうようよと…。
幻影だったのか…。
それは「三半規管の喪失」にかかったからだと。
なんとなく既視感がある…というのを思い出してしまった。
見たことのある風景、光景というような…そんなことを考えては楽しんだ。
Posted by ブクログ
乙女の本棚シリーズから、萩原朔太郎さんとしきみさんのコラボ作品の「猫町」です。このなんとも不思議な印象を抱かせる表紙、これもまた期待できそうっ♪
主人公は、耳の三半規管の疾病によるものか、薬物による影響か、よく道に迷う私…。迷い込んだ先には別世界が広がる…。ある日、温泉場に逗留していた私は、猫神に支配され住民は魚しか食べない地域があるらしいという言い伝えを聞くが…気に留めることなく、迷い込んだ町は居心地のいい洗練された風情のある町並みと、温和で満ち足りたように見える住民…それが一変し、どこを見ても猫だらけの猫町に…!!思わず驚愕したが…次の瞬間そこには見慣れたいつもの町並みが…。一貫して不思議な感情をもたらす作品でした。
猫だけの世界…いいなぁ(*´▽`*)♡
私、猫大好きなんで、まぼろしでもいいんで「猫町」行ってみたいなぁ~♪楽しいだろうな!しきみさんのイラストは、幻想的だけれどこう主張するところは譲れない鮮やかさがあって、またいい感じです。
Posted by ブクログ
「猫町」という作品自体がとても好きだと感じたのだけどそれだけではなくて、巻末エッセイの最果タヒさんの言葉にも惹かれた。
言葉を読むあいだ、遠いものと近いものとがぐるぐると回転をしながら目の前を通り過ぎていくような感覚に溺れる。
自分の体内に消化が難しい食べ物が急に飛び込んできたような感覚。
知っている、とすら思い、自分の「知っている」という感想に、あとでちょっと首をかしげる。
そんな経験はないのに、そんな経験を思い出したような心地がした。
描写された音もされない音も、私には聞こえているとどうしてか思いこんでいて…
読書っていうのは言葉を追いかけ回すことではないのかもしれないな。
Posted by ブクログ
乙女の本棚シリーズ。
萩原朔太郎は初めて読んだ気がする。小難しい言葉や言い回しが多いかなという印象。
普段見慣れている景色でも、場所や方角や時間帯等その時の状況によっては全く未知の場所に来たように感じる不思議な感覚。
私も子供の頃に家から割と近場で迷ったことがあるからその感覚はわからないでもない。
でもこのお話についての猫の町は果たして実在したのか幻なのか…?
作者が元々麻薬を常用していたり上記のような近場での迷子もよくあったといったことから考えるとまた幻覚でも見たのではと一蹴されるのがオチだろうけど、
同じものでもみる視点を変えることで受ける印象がガラリと変わる多面性に関して言うなら、一見見慣れた普通の人間の町でも別視点から見ると猫の町……ということも絶対にないとは言えないんじゃないかなぁなんて思ったりもする。
猫の町…異世界感あって少し怖いかもしれないが、もしあったらちょっとだけ見てみたいような…₍˄·͈༝·͈˄₎◞ ̑̑ෆ⃛
Posted by ブクログ
乙女の本棚シリーズ。
この作品も、作者も今回初めて知りました。
いつもの風景が、全く違う場所のように見えるという感覚。分かるような、分からないような…。しきみさんのイラストが、作品の不思議さ、怪しさを増加させています。
一体どういう事だったのか?不思議な気持ちが残る作品でした。
Posted by ブクログ
私もかなり方向オンチだ。だからいつか猫町にいきたいな。
それらの話や会話は、耳の聴覚で聞くよりは、何かの或いは柔らかい触感で、手触りに意味を探るというような趣きだった。
Posted by ブクログ
乙女の本棚シリーズ。シリーズ名に乙女のとあるわけで、乙女が読めばそのよさを感じるのだろうが、残念ながら乙女でもなんでもない自分には、文章だけのほうがよかったかもと思ってしまうのであった。これは、本のせいではない。最初から「乙女の」って謳っているのだから、乙女でもないのに手に取った私の責任です。乙女がこのシリーズから日本文学に興味をもってくれたら、それでいい。教科書から文学がなくなっていく傾向にあるなか、「乙女の本棚」が果たす役割は決して小さくはないぞ。
Posted by ブクログ
道一つ、曲がり角一つ違うところにある異世界。そういや、昔ほんの気まぐれでいつもと一本違う道を自転車で通ってみたことがあったな。ただ遠回りしただけで終わったけれど。静かな街の描写に、ちょっと行ってみたくなったけれど、大体この手の”異界”はロクな目に合わないからなぁ…。一瞬垣間見えるだけ、くらいがいいのかも。私のような凡俗人間は。
「私がそれを「見た」ということほど、私にとって絶対不惑の事実はない」という一節。その通りだと思う。自分で見たものくらい信じたいよな。
Posted by ブクログ
現実か頭の中だけの出来事か分からなくなる
不思議で綺麗で張り詰めた危うい世界に迷い込む話だった
しきみさんの絵も幻想的で美しくより世界が曖昧になる
Posted by ブクログ
口語自由詩の完成者(国語便覧より)
萩原朔太郎文学忌、死因は急性肺炎。
散文詩風小説
幻想的で夢幻的、加えて人外の世界観
距離と時間の移動から 異空間への移動
猫町へのいざない
薬物からの幻影なのか
作家としての創作なのか
あるいは、作者にとっての現実なのか
村上春樹さんの1Q84で紛れ込んだ「猫町」を
思い出します
あちらは海外文学に着想があるらしいけれど
いつもの街角からふと入り込む猫町
幻想と現実の狭間 危うげな均衡
共通点は多いと思う
イラストはしきみさん
彷徨える男がねずみとして表現されていて
猫町からの対比からなのかしら
そうすると村上春樹さんの初期作品に出てくるねずみ男も そういう関係なの?
誰にもわからないね
たぶん この作品とのコラボって大変だったと思う
Posted by ブクログ
萩原朔太郎が詩以外の小説を書いているとは知らなかったので、まず、そこに驚いた。
旅した気分になるために、モルヒネやコカインを使ってエクスタシイを感じるという日常は、朔太郎自身もしていたものなのだろうか。
今いる町が、左右反転しただけで、非日常にうつるというのは、私もどこかで感じたことがある。例えば、普段見ている漢字の文字が、急に知らない記号に見えてくる、そんな感じとか。
猫だらけの町というのは、なにかのアニメ映画で数本見た記憶がある。この作品がモチーフになっていたりするのだろうか。不思議な世界観が後世の作品にもたらした影響や、作者の薬物歴などが、妙に気になった作品だった。
Posted by ブクログ
この作品は文字だけの方がいいな。
なぜなら、描写がものすごく細かく、描写だけで頭の中に細部まで映像化ができてしまうので、それと合わないイラストによって逆に再現された映像が壊れてしまう。
猫が迫り来るシーンはまるでサメがあの有名な音楽と共に迫り来るジョーズのような緊張感があるのだが、イラストとはずれる。
イラスト自体がどーの、というよりは作品の魅力とビジュアライズということが相性があわないのかな、と思いました。
2024.1.27
13
Posted by ブクログ
で『猫町』はねこ助さんじゃないんかーい!
と、言いたいためだけの詩人萩原朔太郎唯一の小説『猫町』です
いやーわからんかった
ぜんぜんわからんかった
お手上げ
えっと麻薬中毒者の妄想でなくて?
わからんかったモノはわからんかったと書くそれがわいの正義や!(わからんかったくせに偉そう)
そしてこっからあのなんか深みのあるイラストが出てくるしきみさん本気(マジ)リスペクト
マジリスペクトプラズム(語感だけ)
そして申し訳ないが最果タヒさんの解説はいらん
本気(マジ)イラン人
あれ読むとわかったような気にさせられる
最初からわかってましたよって言っちゃいそう
脳の中身を書き換えられる
あーわいも似たようなこと思ってたんだよねって言っちゃいそう
わからんかった!それがわいの正義や!(2回言うた)
あ、わかったと書いてる人を疑ってるわけではありませんよ(ー_ー)
Posted by ブクログ
温泉に滞留していた私はあるとき迷子になり見知らぬ町に辿り着く。そこには不思議な光景が広がっていた。
薬物中毒者のうわ言のような印象をうけた。
幻覚と現実の境目、どちらが表かわからない。
狐に化かされたような気分になった。
Posted by ブクログ
何度か読み返すと更に深く入り込めそう、あとでもう何度か読みたい。
非日常な世界は、少し不気味で物怖じしてしまうけれど、なぜだろう、どこか憧れてしまうなあ
今後、朔太郎もっと読みたいですね
Posted by ブクログ
「世界の中心で愛を叫ぶ」の主人公・朔太郎は、この萩原朔太郎から名付けられたらしい、と言う話をつい先日きいたけど、全然ぴんとこなかった。ということで初読み。
タイトルが素晴らしい。猫の町、猫町。
萩原朔太郎がかつて訪れた温泉街で見かけた不思議な光景について書いた、エッセイのようなものだけど、散文詩風の小説とある。
或る第四次元の世界——景色の裏側の実在性——を仮想すること。
視界がぐらぐら揺れて酔って、ふたたび目を開けた時には私も異世界にトリップしたように錯覚してしまう。猫町いいな、行ってみたい。
Posted by ブクログ
いつもみている角度とは別の角度から見ることで世界が変わって見える。つまらない風景もきらめいて見えるかもしれない。
絵が可愛い、何度見ても飽きないと思う
Posted by ブクログ
ちょっと難しいように感じましたが、薬のせいでみえた世界なのですかね??それを何年経っても信じているのもちょっと怖い気もしますが。
本だからこそ色々と憶測をしながら読めました。
イラストがとてもいい。画集感覚で読めます(*^^*)
Posted by ブクログ
すべりこみ「猫の日」本
中学生にも文学を手に取らせる、
「乙女の本棚」シリーズ。
まるで画集のようです。絵本と言うよりは画集。
イラストと装丁の力は本当に偉大。
あの「夢十夜」が乙女の本棚シリーズのおかげで軽くブームになっていたもの、、、。
この作品も、萩原朔太郎の奇妙な、不思議な世界観の話なんだけれど、イラストと相まってまた趣のある雰囲気に仕上がっています。