【感想・ネタバレ】乙女の本棚7 蜜柑のレビュー

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感情タグBEST3

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乙女の本棚3連発、3つ目。
檸檬、蜜柑、と続きました。たまたまです。
イラストレーターさんが檸檬と蜜柑、一緒なのは敢えてですよね、きっと。

鮮明さは手前で読んだ檸檬のほうがビビッドなんですが、夕暮れどきの汽車、煤、蜜柑、の色の移り変わりと、主人公の世の中を胡乱でダウナーなところから、少女の勝手な行動に気持ちが落ちきって、そこから蜜柑と少女の光景に心が彩られる移り変わりが凄く伝わってきました。

芥川龍之介、好きなんです。
この作品、知らないと思ってたんですが読んでいる途中で思い出しました。
あ、この作品、芥川龍之介だったのか、やっぱり私、好きだ、芥川、って乙女のように自分の気持ちを再確認できました。
乙女のように、は流石にこのシリーズに託けすぎました笑

2024.3.24
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2024年03月24日

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ネタバレ

絵本の醍醐味を堪能した!舞台情景が鮮明に(リアル)に脳内に飛び込んできた。汽車の二等席は自分しかいない。動き出す直前、みすぼらしい13,14歳の娘が入ってきた。不快に思う主人公。気を紛らわすために新聞を読むが、退屈な人生を感じる。ウトウトしたが娘は自分の席の横に移動し、窓を開けようとする。そして石炭の真っ黒い煙が入ってきた。咳き込む、怒りが。娘は蜜柑を汽車の外へ。見送りのため懸命に手を振っていた弟達だろうか。この娘はこれから奉公に行くのか。娘を見る目が一気に変わる。個々の人生模様、強く生きなくては。⑤↑

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2024年02月10日

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これはいいぞ!
今のところシリーズベストかと

はい、12おネエは芥川龍之介&げみさんの『蜜柑』です
郷愁をそそる古いフイルム映画のようなげみさんの蜜柑の舞うイラストが良すぎです

この一枚を見るためだけに手に取っても良いですね

そして龍ちゃんの文章からは存分に日本語の美しさを感じることが出来ました!
まぁ半分はそんな分かったようなこと言いたかったのと半分は身贔屓と半分は心からそう思ったのです


ん?

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2023年10月27日

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ネタバレ

蜘蛛の糸、鼻、地獄変、羅生門、河童、杜子春、魔術など、どれも個性ある独特な非日常の世界観の作品が印象深い芥川龍之介
私はどれも大好きなのだが、この
【蜜柑】という作品はちょっとタイプが違う
日常の風景の些細なひとコマを切り取ったような素朴な作品であった

素朴な作品であっても、そこは芥川作品
【蜜柑】の印象的な光景が絵画みたいに心に焼き付くし心理描写や情景描写も素晴らしく短いストーリーでも、しっかりあったかい気持ちが残るような読後感

『私』(芥川)とそして13〜14歳の少女の列車内の物語
『私』の気持ちの移り変わりを丁寧に細やかに描いているところが特に巧みだなと感じた
もともと陰鬱な気分で列車に乗り込んでいた『私』の感情が、さらに少女のみすぼらしい姿や愚鈍な行動によって嫌悪感を抱き、イライラ感を加速させていく心理描写はリアルな感じを受けた

だが最後に、『私』が少女の【蜜柑】を使ったある行動をみることによって先程まで抱いていた気持ちを忘れることができる…

それはこの列車に乗っているこの少女は恐らく、奉公先へ赴こうとしているのでは?と、さらにこの少女の抱えている境遇とこれから先の苦労や不安な今の気持ちもあるだろうに…、などと『私』はそこではじめていろいろ想像したのだろう

それで少女の【蜜柑】を使った最後の行動だけで、この少女は家族に対する優しい思いを持っているのだろうとか、貧乏な身なりであっても心は美しくしっかりしているのだろう…と感じたのだろう

はじめの『私』は(顔も下品で服装も不潔だし、列車の二等と三等の区別もつかない愚鈍な小娘だと)さんざんな酷い気持ちでいたのが一瞬の出来事でそれが一変してしまう!!
列車の中でひとことも会話をすることない二人であったのだが、『私』の荒んだ心もそれによって癒やされたという場面で終わる。。。

やっぱり芥川龍之介作品!!
良いですね〜

げみさんの絵も素晴らしい!
見開きで横長にして、 列車の絵を効果的に 描いていて
特に【蜜柑】のシーンも躍動感があって
感動的でしたー

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2023年06月04日

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なんともあたたかく、せつなく、美しい情景。
娘の手からこぼれる蜜柑をこの眼で視たような心持ちになった。
同じ果物を表題にしたという点で、太宰の“桜桃”をつい思い出し、両者の世界観の違いにほくそ笑んだ。

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2023年04月02日

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ネタバレ

横須賀線に乗った私がみた、発車間際に乗り込んできた小娘の行動に感動したお話。
奉公に出る女の子が、見送りに来ていた弟たちに、車窓から蜜柑をなげる。横須賀線に乗った私がみた、発車間際に乗り込んできた小娘の行動に感動したお話。
奉公に出る女の子が、見送りに来ていた弟たちに、車窓から蜜柑をなげる。鮮やかなその一瞬に、私の憂鬱だった気持ちが晴れる。
蜜柑をなげるイラストが、効果的で、とても素敵だった。

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2022年06月10日

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黒色の景色がラストで一気に橙色に変わる、色の変化が美しい作品でした。読後感が心地よく、蜜柑のいい匂いまでしそうな気がした。
著者である、芥川龍之介さん曰く「文章の中にある言葉は、辞書の中にある時よりも美しくなければならない」
文章の中に、その人がいる。

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2021年09月19日

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『蜜柑』
この短編は学生時代にも授業で取り上げられていたし、大人になってからも何度か読み直す機会があったのですが、歳を重ねるにつれ、娘が投げた蜜柑の色鮮やかさに切ないものがこみ上げてきます。

疲労と倦怠、退屈な人生に辟易している「私」の目に飛び込んできた、心が踊るような暖かな色。走り去る汽車で起きた一瞬の出来事。娘の優しく美しい心に、忘れてしまった歓びがよみがえる。しかしそれも汽車が走り去るように、すぐに消えてしまうのでしょうけど…
さすが芥川。文章だけなのに、蜜柑が落ちる様子から汽車の速度まで情景が浮かび、読後、一枚の写真のように心に残ります。

ところで、こんな画集があるとは知りませんでした。ぜひ買って読んでみたい。

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2021年06月29日

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夕陽と蜜柑の色が鮮やかで、深く心に残る話。
芥川龍之介はほぼ全作品読んでいて、
「蜜柑」は好きな作品。
こんなに素敵なイラストをつけてくれて、げみさんありがとう。

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2021年03月31日

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心が暖かくなるお話でした(^-^)
げみさんのイラストがいい感じにお話とマッチしててとても読みやすかったです♪
このシリーズ読みやすくて本当におすすめです♪

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2021年03月07日

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芥川龍之介の作品は子どもの頃以来かも。
蜜柑を汽車の窓から弟達に向かって投げる少女(おそらく)とその光景が文章から鮮やかに目の奥に浮かび上がるのだが、この絵本がさらに鮮やかなものにしてくれる。
辛い別れの場面なんだろうが、暮れゆく夕焼け空と金色の蜜柑、本当に綺麗な絵だ。

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2024年01月25日

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 乙女の本棚シリーズから、芥川龍之介さんとげみさんのコラボ作品「蜜柑」です。やっと手にすることができました!!

 横須賀線の汽車の車中が物語の舞台…。鬱々としていた私が出会ったのは、見すぼらしい風情をした13,14歳くらいの少女だった…。そもそもなぜ自分とこの少女が一緒の車両に乗らなければならないのか…と感じながらも、その少女から目が離せない…。だけど、少女が車窓から見送りの弟たちに蜜柑を放る場面は、そこまでの重い雰囲気が一気に晴れて清々しさを感じさえ感じさせます。きっと、少女は家族のもとを離れて奉公先に行くのであろう…見知らぬ場所へ行くのに不安もあるだろうに、こうして家族の幸せを願っている…そんな風に思うと私の心も穏やかになって、車内にもあたたかな空気が流れる…というもの…。

 「蜜柑」のあたたかみと清涼感を感じさせるオレンジ色、そして、汽車の車内に差し込む夕陽や空を染める夕焼け、じんわりと心に染み入るげみさんのイラストもとってもよかったです。あぁ…読めてよかったっ(*^^)v

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2023年10月07日

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過去に読んだ記憶がうっすらとあったが、こんなにしっくり読めたのは年を重ねたせいかもしれない。

挿し絵のタッチが変化していくのも良かった。
挿し絵が、というより文章が挿し絵を引き立てているように感じた。
とにかく文章表現が天才的。

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2023年10月04日

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檸檬の白熱灯に対して、この蜜柑では夕焼けに踊る蜜柑。蒸気機関列車の疾走感と陽の温かみにほんのり心が温まる。

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2023年02月20日

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素敵な絵に惹かれて、読んでみました。
芥川龍之介の著書はほとんど読んだことがなく、蜘蛛の糸くらいしか知りませんでした。
この話も少女の実情を知れば、本当はせつないお話なんですね。
文章だけよりも絵があることで、より情景が見えてわかり易かったです。

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2022年11月27日

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ネタバレ

自分の理解力がないからかもしれないが、なぜ小娘が蜜柑を投げる必要があるのか、さっぱり分からなかった。
弟に分かれを告げるなら、家で蜜柑を渡せばよかったのでは? 弟が隣町にいるとかで家で普段会えないからそうせざるをえなかったの? 踏切に来てと伝えたのは手紙? 印象的にするためにわざわざそういうシチュエーションを作った? 蜜柑って当時、高価なものだったの? 周りにすみませんとも何も言わずに窓を開けて煙で車内をモクモクにしてたけど、もっと乗客が多くても同じ事をしたの?    こんな疑問がわんさか湧いてきて、主人公とは違い、私は小娘に対する嫌悪感を払拭することができなかった。
しかし、それを差し置いても、イラストの美しさには天晴だ。イラストのお陰で、なんとも言えぬイライラ感が若干収束した気がする。
もっときちんと読めるよう、再読したほうがいいかなと思った。

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2024年02月28日

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芥川龍之介の短編『蜜柑』とイラストレーターげみ氏の絵がコラボした、新しいタイプの絵本のような作品。教科書に載っている文豪の文章はやや古臭い感じもするが、絵(イラスト)がとてもキレイなので、眺めるだけでも楽しめると思った。『乙女の本棚』シリーズということなので、"乙女"じゃないけど追いかけてみたいと思う。

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2023年07月22日

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ネタバレ

ふつうに小娘に怒るなり注意するなりしてもいいのにな。迷惑この上ない。しないのは小娘と、雑多なこととかかわりあいたくないからだろうか。
そんな主人公の心の変化が、ラストのイラストの色のやわらかさで表れていてとてもよかった

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2023年05月09日

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乙女の本棚。

横須賀線に乗った「私」。
発車間際に乗り込んできた田舎娘と相乗りに。

退廃的な心持ちでいた私は小娘の蜜柑を見送りに来た兄弟にまくという行為にひととき心を慰められる。
読みやすかった。

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2023年03月20日

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<乙女の本棚>シリーズ。たぶん2018年に読んでいたのに、登録し忘れていた。この本は芥川個人の体験を基にしたのものだろう。読後にほっこりする。絵もいい感じだ。

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2021年05月09日

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ネタバレ

昔の話ではあるけど、読んで何だかホッとした。

イライラした気持ちだと周りにあるもの全てが気に食わない。

でもそんな主人公の気持ちは、たまたま同じ車両に乗り合わせた女の子の行動を目の当たりにする事で穏やかなものになった。

自分1人の力で暗い気持ちを変える事は難しい。

自分ではない何かに触れる事によって変えられるのなら、部屋の中で一人悶々と考える事がバカバカしく思えてくる。

何かに行き詰まった時は何かに触れよう、と改めて思えた一冊でした。

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2019年09月16日

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ネタバレ

芥川龍之介の蜜柑をげみの絵と併せて絵本仕立てになっている。奉公に行く姉が見送りの弟たちに汽車から蜜柑を投げたという短編であるが、芥川の情景描写とげみの絵がうまくマッチしている。

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2019年06月11日

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「乙女の本棚」シリーズ。
文豪の名作短編×人気イラストレーターによる絵本仕立て、よいコンセプトだなー。
ほかにも
泉鏡花「外科室」/夏目漱石「夢十夜」/夢野久作「瓶詰地獄」/江戸川乱歩「押絵と旅する男」/梶井基次郎「檸檬」/太宰治「葉桜と魔笛」/萩原朔太郎「猫町」/太宰治「女生徒」
HPには全9作。検索すると新見南吉の「赤とんぼ」も出版されてるようだから、これからどんどん増えるシリーズなのかもしれない。
乙女の、というからには耽美、退廃、浪漫っぽい作品が並んでますが、短編×プロの絵というコンセプトは今後増えていくのかもなぁ。SF系でもやってほしいなあ星進一とか筒井康隆とかの、ブラック&シュールな短編とかでも。
文才に、絵師の解釈と才能をのっけたみたいなかんじで、お得感のあるすてきな1冊。できれば元短編を、絵のない状態でいちど読んでから見れたら、なおさら味深まりそう、です。

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2019年05月08日

Posted by ブクログ

乙女の本棚シリーズ。
芥川龍之介の短編。
げみさんのイラストで。
絵がつくと印象に残りやすいですね。

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2018年08月15日

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