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青空文庫で初めて読んだときから好きな作品です。乙女の本棚シリーズのこの本は美しい挿絵もあり、絵本のように楽しめました。
檸檬の瑞々しさ、ひんやりとした温度、爽やかな香りなどが想像できます。
スーパーで檸檬を見たら、本作品を思い出します。オチも衝撃的です。
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綺麗なイラストが、梶井基次郎先生の文体、作品の世界観に合っていて、何度も何度も読み返していた。
今回ので3、4回目くらいだろうか。
何かにつまづいたりしたら、檸檬の奇っ怪な爆弾を弾けさせるのが丁度いい
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乙女の本棚シリーズから、梶井基次郎さんとげみさんのコラボ作品の「檸檬」です。まずは、いつものように表紙から…なんとも懐かしいようなぬくもりを感じるような、それでいて檸檬の色彩がはっきりしていて、思わずわくわくしてしまいます(^-^)
肺病を患い、借金もあり友人宅を転々としている主人公の青年…。町を歩きふと手にした檸檬…檸檬によって一時的に鬱々としていた気持ちが晴れたため、丸善に立ち寄ったのだが、またしても心が沈んでいく…。そこで先ほど手に入れた檸檬の存在を思い出す…。
檸檬爆弾か…手榴弾って檸檬のサイズくらいなのかも!何気にそんなことを感じました。青年の抱える孤独感、疎外感などのマイナスな感情を、檸檬を手にしたことで得たプラスの感情が上回ったんじゃないかと感じました。こうやって、視点を変えてみると色んなことが目新しく感じられたり、変化のない日常もドラマチックに感じられるのもいいですよね!また、げみさんのイラストは、あたたかみがあって、この作品の作風にぴったり!檸檬もみずみずしく感じられました。
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肺の病に苦しんでいた梶井基次郎。
迫りくる死の恐怖と様々な複雑な不安な気持ちと共に
研ぎ澄まされた鋭敏な感覚を持っていた人だったのではないかと感じた。
この作品、五感に訴えてくるように鮮やかな文章で美しさも感じられて心震わせられた。
不朽の名作。素晴らしかった!
『得体のしれない不吉な塊が私の心を始終圧えつけていた』から始まる文章が印象的。
何だか自分でもわからない陰鬱な焦燥感は以前のように「私」の好きだったものも楽しめなくなってきた。以前のように美しい音楽は楽しめないし、素敵な場所である【丸善】も行きたくなくなる位に…。
裏通りにある果物屋でふと見つけた一つの檸檬。
レモンエロウの色、紡錘形の格好。例えようもなく良い冷たさ。何度も嗅ぎたくなる匂い、産地のカリフォルニアが想像に上る、この重さも良い!…などと
「私は」胸を躍らせて、幸せを感じるまでに気分が高揚し大きく変わる!!
『或いは不審なことが逆説的な本当であった』という表現も、面白い。
この表現は(考えてみれば檸檬一つで気分が変わるようなおかしなことが私に起こった事は本当だった)
と自分でも驚いているような感じで、読んだ。
そんな「私は」檸檬を持ったことで丸善にも思い切って入るのだが、その気分は長続きしない。また陰鬱な気持ちになってしまう。そして檸檬爆弾のラストの展開は、「私」と共に読み手であるこちらまで爽快な気分になり面白いなと感じる衝撃を受けた。
…黄金色に輝く恐ろしい爆弾。奇怪な悪人である私…。
(…気分を晴らす想像力って素晴らしい!)
この本の舞台となった【丸善】は、現在丸善京都本店として移転している。調べてみると新店舗オープン時から今もレモンを置きたいお客様用のカゴを棚に設置しているとのこと。そんな遊び心あるお店を思うと、この本はやっぱり凄いなと感じ入る。
先日読んだ「夏休みの空欄探し」の作中にも関係した文が出てきたし他にも、小説、短歌、曲などにも、
ずっと影響し続けているように思う。
げみさんの絵も素敵だった。
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乙女の本棚シリーズ。
梶井基次郎の「檸檬」初めて読みました。
檸檬が爆弾!?文豪ストレイドッグスの梶井基次郎の異能力と同じだ!と思いました。
げみさんの温かみのあるイラストも素敵です。
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憂鬱な生活を送る青年の、心の呟きと、ある日の行動を描いたお話。ただそれだけなのに、面白いのが、すごい。この感じわかるわ~っていう。
以前は好きだったモノが、病気や貧乏のために心に響かない。
お気に入りの果物屋で、手に入れた檸檬をもって、丸善へ。期待とは裏腹に、やはり楽しめない。ふとした思いつきで、本のタワーを作り上げ檸檬を置いて、それをそのままにして外にでる。檸檬が爆弾だったら、という妄想で自分の気持ちを奮わせる?なお話。
うだつのあがらない青年の、青い独り言を、これだけ美しく魅せてしまう梶井基次郎が素晴らしい。
げみさんの絵が、また秀逸。
読者の想像を引き出すのに、とても役立っている。
はじめて読んでも、情景が理解しやすい。
このシリーズ、とても好き。
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げみさんの描くイラストが好きで手に取りました(*^^*)
もうどのページも素敵です。(*^^*)
檸檬一つでこんなにも物語が繰り広げられるなんてすごいです。
私の掌が誰のよりも熱かった。その熱い故だったのだろう、握っている掌から身内に浸み透ってゆくようなその冷たさは快いものだった。この表現が好きです。げみさんの素敵なイラストをみながら読めたので楽しんで読むことができました。(*^^*)
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高校生のころ、初めて「檸檬」に出会い、それからこの作品の虜になりました。
そこに美しい挿絵が加わり、私の宝物になりました。
文学作品に抵抗があるが、ご興味のある方、イラスト好きの方、「乙女の本棚シリーズ」は大変、おすすめでございます。
集めたくなってしまいます。
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一目惚れして購入した、乙女の本棚の「檸檬」。暗闇に浮かぶ清冽なレモンイエローと温かみのあるオレンジ色を基調とした絵が、梶井基次郎の作品の世界観ととても合っていて素敵。ただ、ラストの爆破シーンの得意げな表情と飛び散る本にはどうしても笑ってしまう。
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乙女の本棚3連発の2作目。何気にちゃんと読んだのは初めての、檸檬。
イラストも相まってとても美しくビビッドな作品でした。真っ暗なところからみずみずしい黄色い檸檬に情景が変わるところがありありと目に浮かび、だから檸檬一つで心持ちが変わる主人公の気持ちも理解できました。
それにしてもマジで爆弾だったんだ(文ストで知ったのが先って言う)
2024.3.24
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梶井基次郎文学忌、檸檬忌。
何回目かの「檸檬」は、げみさんのお陰様で今までになく理解できた気がしています。
得体の知れない不吉な塊。
焦燥や嫌悪等では言い表せないその塊から檸檬爆弾という彼の希望の象徴で解放される。
丸善は西洋の思想の表現か、贅沢の象徴かな。
ずーっと丸善は東京駅のところ丸善だと思っていた。ここが檸檬爆弾の丸善ですというような紹介を読んだ気がするんですよね。丸善カフェで檸檬スウィーツもいただいたし。
げみさんの描く丸善が、本当に素敵でした。
“ずかずか”と入るも疎外感。
彼の檸檬爆弾は、確かに彼の気持ちを軽くしたようだ。
今でも丸善には檸檬を入れるカゴを用意しているらしい。悩みの種類は違ってきても 若い苦悩を解放したい読者を長く惹きつけている。
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〈乙女の本棚シリーズ〉
梶井基次郎+げみ
表紙の絵に釘付け…。
美しい青年と檸檬のバックに浮かぶ色彩のレトロ感に惚れ惚れする。
何に憂いているのか…この青年には孤独が似合う。
身体の辛さか借金なのか、街を浮浪し続けては、見すぼらしくて美しいものに強くひきつけられた。
檸檬を買った。レモンエロウの絵具をチューブから搾り出して固めたようなあの単純な色も丈の詰った紡錘形の恰好も好きだから。
始終私の心を圧えつけていた不吉な塊がそれを握った瞬間からいくらか弛んで来たと見えて、わたしは街の上で非常に幸福であった。
この檸檬の重さが彼にとってちょうど良かったのか。
丸善へ入り本を積み上げ、その頂きに檸檬を据えつける。
爆弾に見立てた檸檬。
彼の奇妙な企みに驚かされる。
檸檬。
彼にとって檸檬色は眩しすぎたのか。
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乙女の本棚5冊目は梶井基次郎!
いやーなんだか甘やかされてる
おじさんたちが若い頃はなーもっと苦労して苦労して一人前になっていったもんだ
こんなことだから最近の若いヤツは軟弱ですぐ泣きごと言うんだわ!
と飲み会の席で最も嫌われるおじさん代表的な考えもなくはないんよ
梶井基次郎なんてほぼ詩やからね
意味なんてわからんのよ
そもそも本人が易しく伝えようなんてしてないんだから
その棘だらけの難解な文章を苦労して苦労して読み解くのに意味があるんだから
そういった意味では乙女の本棚なんて天津甘栗と一緒ですからね
しかもすでに剝いて袋詰めしてあるタイプの天津甘栗ですからね
いがぐりの状態すっ飛ばしての甘栗ですからね
だから、若い子たちは乙女の本棚は読んじゃダメ!
これはもう一通り苦労したおじさん、おばさんの読みものやで逆に
げみさんのすんばらしいイラストを手にするのは君らにはまだ早い!
18年早い!(具体的)
Posted by ブクログ
学生時代に読んで以来
です。
路地裏や街角の暗さに
惹かれる主人公。
しんしんと降ってくる
雪の様に紡がれる言葉。
心がしんと鎮まります。
そして薄暗いトーンの
世界に唐突に投げ入れ
られた、
鮮烈極まる原色の檸檬。
檸檬を置いて踵を返す
その刹那一瞬の気持ち、
ほんの少しだけわかる
気がします。
げみさんによる寂しさ
をたたえた挿絵が素敵
です♪
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これは小説なのか、エッセイなのか。夭逝の作者自身と重ねて読む。
イラストの書生はあまり病的な感じがなく、いまひとつ感情移入しにくいが、白熱灯のオレンジの光の中でそれでも黄色く輝く檸檬は印象的。
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ええええええ
ええええええええええええ!?
ええええええええええええ
どうしてこうなった
丸善ってまるやって読むんだ!?まるぜんって読んでた。本と文具屋さんなの?店名を出していい時代なんだね。
梶井元次郎は絵を描く人なんだね?
貧乏な感じがすごく共感できて切ないです。
南京玉とは何だ?
「肆」って「ほしいまま」とも読むんですね。
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話が簡潔にまとめられていて読みやすかった。
イラストレーターによる絵が本文のように、繊細で美しく描かれていたため、情景をイメージしやすかった。
近代文学を最後まで読み切ることは、今まで大変だったが、これは短時間で読めるため、シリーズになっている他の本も読んでみたいと思った。
気持ちに余裕がない時、何となく現実逃避したくなったり、妄想が止まらなくなったり…
また現実から引き戻された時の胸が苦しくなる感じが、細かく表現されていた。
画集の上に檸檬を置き、因縁の場所が爆発されるという妄想(?)は、うんざりしている現実が吹き飛んでしまえばいいのにという主人公の思いを表現していてすごいなと思った。
また、せっかく現実と向き合う勇気を出せたのに、妄想だけで満足してしまうのも人間らしくて好きだなと思った。
嫌な現実を忘れられるくらいの檸檬なんとも言えない純粋さは、主人公が現実と向き合う勇気をくれた。
案外、勇気を出せずにいる時に、寄り添ってくれるのは檸檬のような些細なものなのかもしれないと感じた。
檸檬の美しい描写そして健康的な黄色が、読んだ後ずっと頭の中に残っている。
私も今度、八百屋で檸檬を買ってみようと思う。
Posted by ブクログ
病気になると趣が変わることはとても共感できました。
ほんの些細な小さなモノに感動や美しさを感じる事ができるようになること、つまりそれは、それだけ自分も儚く小さな存在になってしまった事を自覚したときではないかと個人的に考察します。それまで好きなものは、自分に自信があるからこそ、まだまだ自分が健在だからこそ扱えるものばかりで、命短くなった今、それらを扱える力がもうなく、むしろ、無機質なモノや儚く綺麗なモノに感動を覚えるようになったと感じました。
追求されたことは「無」。その無の頂点が主人公にとっては爆破であったから、ああいった想像をしたのかもしれないです。
個人的には、額に檸檬をあて檸檬の存在を楽しんでいるシーンが好きでした。
人が美しいと思うポイントは本当にそれぞれです。しかし、この本を読んで、個人的にびいどろおはじきを集めたくなる衝動にかられました。
Posted by ブクログ
乙女の本棚シリーズ3冊目。
物語というより、どちらかというと絵に惹かれて読む。
学生と思われる若い男性の鬱々とした気分と、描かれている絵がしっくりくる。
「檸檬」は初めて読破。
Posted by ブクログ
乙女の本棚シリーズ♪
有名だけど読んだ事なかった「檸檬」。
げみさんとのコラボ作品でした。
まず、げみさんのイラストの色使いや雰囲気がとても素敵だった!
どこか懐かしい様な、あたたかい様な。
お話自体はちょっと解釈が難しく感じるとこもあったけど、イラストがすごくマッチしてたのもあって、私なりに理解してこの世界に入り込めたと思う。
得体の知れない不安に苛まれている主人公。
人は心の持ち様で良くも悪くもなるもんだな〜。
もう場所も変わってるけど、京都の丸善本店には何度か行った事があります。
その時、檸檬コーナーには気づかなかったけど(--;)、今度は重い気持ちの時にぜひ立ち寄ってみたい!
Posted by ブクログ
初めて読みました。「檸檬」気になっていた作品だったのですが、難しいという先入観で読んでませんでした。
イラストがあると、想像しやすく少しですが理解しやすかったです。
Posted by ブクログ
味のしないはずのびいどろの味を思い浮かべてしまう。
鮮烈な果物として具現化したという、形のないはずの音楽を想像してしまう。
ついさっきまで、爽やかで美しくてこころよいと散々褒めちぎっていた物体を、爆弾としたらという妄想に転化する。
独特の発想に引き込まれます。
Posted by ブクログ
イラストが、自分の読む世界とちょっとズレがあって
一緒に楽しめなかったけど
げみさんの描く絵は本当に美しい!!夕焼けの絵が秀悦!
学生時代を京都で過ごした、げみさんだから描ける(^^)
編集さんナイス!