ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
3pt
困難な戦争期にあって、深く芸術世界に沈潜することで時代への抵抗の姿勢を堅持し、日本文学の伝統を支えぬいた太宰中期の作品から、古典や民話に取材したものを収める。“カチカチ山”など誰もが知っている昔話のユーモラスな口調を生かしながら、人間宿命の深淵をかいま見させた「お伽草紙」、西鶴に題材を借り、現世に生きる人間の裸の姿を鋭くとらえた「新釈諸国噺」ほか3編。(解説・奥野健男)
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
見栄とか、世間体とか、プライドとか、そう言ったものにどうしても自分で自分の首を絞める現代人にはピッタリじゃないでしょうか。なるほどこう展開するのかな?と思っている方向にいかずバッドエンドもあれば、昔話をこう解釈したのか!という驚きも楽しめます
読むのは2回目だが、面白かった。今まで読んだ太宰治の中でもトップクラスに面白い物語ばかりだった。 新釈諸国噺とかお伽草子とか既にあるものについて空想を巡らして、自分のスタイルにすると言うのはとても面白い。特にお伽草子カチカチ山の兎と狸を16歳の処女と37歳の中年大食男にしているのが痛快だった。男...続きを読むとして恐ろしくなるようなことではあったけど。 新釈諸国噺は全て楽しく読めたが、中でも「義理」という作品が印象的だ。武士の義理の悲しさがよくわかる。西鶴がベースとのことだが、西鶴は読んだことがないので、元になった話も読んでみたい。
12/20 お伽草子 太宰治 ずっと読みたかった作品400ページ越えの大作。短編集。 どんなものかと思って読んだが、盲人独笑以外、清貧譚、新釈諸国噺、竹青、お伽草子面白かった。盲人独笑も意味がわかったら面白いのだろう。面白かった。 好きな話は猿塚、裸川、女賊、赤い太鼓、カチカチ山。 太宰中期の作品も...続きを読む好きだな。
太宰治氏によるお伽噺や古典。 読みやすくて面白かったです。 太宰治氏らしい登場人物や動物たちに思わず笑ってしまいました。
全部面白かったけど、「浦島さん」が特に好き。 亀が、すぐ何でもかんでも批評や干渉をしたがる人間の煩わしさをズバズバ論破していくのが爽快だった。 確かに人間は他の生き物と比べておせっかいなところがあると思う。 ネットで言うと、どこの誰かもわからない匿名の書き込みにあれやこれやと批判や同情をよせていたり...続きを読む。 また、どこの馬の骨かもわからない奴の虚勢を張った自慢話が蔓延っていたり。 彼らは外聞に重きを置きすぎている。 そんなに外聞は大事か。 亀にそんな疑問を投げかけられたような気がした。 価値観を押し付けたり押し付けられたり、そんな世の中じゃ多様性からは程遠い。 相手は相手、自分は自分。 それぞれが自分軸を確立し、周りに干渉しない、また自分とは全く異なった価値観を同情や蔑みなしにただ受容する。 そんな考えの生き物たちが集まった竜宮城、ぜひとも行ってみたい。 ※だいぶ昔に読んだ作品なので内容を断片的にしか覚えていません。
太宰によるフォークロア新解釈をたっぷり味わえる一冊。新釈諸国噺などは、西鶴の原文にちかいのだろうなという話と、『粋人』『遊興戒』『吉野山』など太宰節が滲み出ている話とに分かれている。 特に好きだったのが『竹青』と『浦島さん』。 こうも伸びやかな想像力、幻想的な世界を鮮やかにいきいきと書くことができる...続きを読む作家とは。戦時中の制限された中で、ひとびとを、そして自分自身を鼓舞させるような、そんな切実とした思いも裏に感じる。両者、あまりにうつくしい世界観で、もっと色んな人に読んでもらいたいなぁと思った。これを作者名を伏せて読んで、一体どのくらいのひとが太宰と気づくだろうかと。 そうした美しい描写のなかで、太宰が綴る率直な言葉というのはまたいつも以上に胸にひびくものがある。「年月は、人間の救いである。忘却は、人間の救いである。」 お伽草子は珍しくも「父」としての太宰治が垣間見えるところもあり、なんだかほっこりもした。
タイトル*お伽草紙 著者*太宰治 出版社*新潮社 作品紹介* 困難な戦争期にあって、深く芸術世界に沈潜することで時代への抵抗の姿勢を堅持し、日本文学の伝統を支えぬいた太宰中期の作品から、古典や民話に取材したものを収める。”カチカチ山”など誰もが知っている昔話のユーモラスな口調を生かしながら、人間宿命...続きを読むの深淵をかいま見せた『お伽草紙』、井原西鶴に題材を借り、現世に生きる人間の裸の姿を鋭くとらえた『新釈諸国噺』ほか3編。
太宰さん流の昔話、好きだ。 軽快に語られているが 人間の中に根強く存在する 慈悲、強慾、怨恨、嫉妬が 語られていて興味深い。 浦島太郎の話。これもまた良い。 『年月は、人間の救ひである。 忘却は、人間の救ひである。』 人間が最も恐れる老いというのも 美しく、幸福なことなのかもしれない。 年老いて...続きを読むまたこの本を手に取った時、 私はどう感じるのだろうか。
特に印象に残ったのは「浦島さん」。物語中には太宰の独自の解釈が垣間見られるが、最も感銘を受けたのはやはりパンドラの箱の話である。パンドラの箱は開けると膨大な憎悪や悲観など否定的な感情、悪物質が放出される。ただ、底に残るのは希望である。どれだけ辛くても、希望を見出して生きていけという太宰の強く優しい訴...続きを読むえだと考えることができる。そして、「浦島さん」を太宰が執筆完了したのは昭和20年、終戦直後のことである。 本当に太宰治は偉大な作家だと思う。
洒脱なユーモアと豊富な語彙、軽やかでそれでいて格調を感じさせる文体。 太宰治の良さに満ちている短編集。『お伽草紙』を太宰の最高傑作に挙げる人も多いが、わたしもこの作品は好きだ。防空壕の中での娘への語り話という設定が凄い。日本絶体絶命な時に、こんな戦意高揚に全く寄与しそうにない作品群を書く太宰はやはし...続きを読む凄い作家なのだと思う。西鶴の作品に材をとった『新釈諸国噺』や古典的短編も、太宰の教養の深さがうかがえる。“猿塚”という話だけは相当後味が悪いけどやはり巧い。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
お伽草紙(新潮文庫)
新刊情報をお知らせします。
太宰治
フォロー機能について
「新潮文庫」の最新刊一覧へ
「小説」無料一覧へ
「小説」ランキングの一覧へ
ヴィヨンの妻・桜桃 他九篇
試し読み
太宰治 名作ベストセレクション『走れメロス』『富嶽百景』『人間失格』『斜陽』『ヴィヨンの妻』『グッド・バイ』など
正義と微笑
走れメロス
ア、秋
愛と苦悩の手紙 君を思い、思うことあり
青森
あさましきもの
「太宰治」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲お伽草紙(新潮文庫) ページトップヘ