あらすじ
「恥の多い生涯を送って来ました。自分には、人間の生活というものが、見当つかないのです」東北の大金持ちの息子であり、廃人同様のモルヒネ中毒患者だった大庭葉蔵の手記を借りて、自己の生涯を極限まで作品に昇華させた太宰文学の代表作品。「いまは自分には、幸福も不幸もありません。ただ、一さいは過ぎて行きます」ほかに、家族の幸福を願いながら、自らの手で崩壊させる苦悩を描いた「桜桃」も収録。(C)KAMAWANU CO.,LTD.All Rights Reserved
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Posted by ブクログ
久しぶりの再読で、人間失格とJOKERってむちゃくちゃ色んなものが通底するんやなと思った
世間と個人
喜劇と悲劇
他人の評価
道化という仮面
一方で、演じる道化に対する他人からの評価の違いで、葉蔵とアーサーのその後どう振る舞うのかは異なっていく。自らを破滅させるか社会を敵対視するか。
Posted by ブクログ
"人間失格"昔から聞いたことはあったが、読んだことは無かった作品。それを今ほど、読み終えることが出来て、大変嬉しく思う。
初っ端の感想としては、難しい!!だ。
ただ、内容は73%は理解できたと思う笑
それを踏まえて、葉ちゃんの、女にモテてるが女が苦手、というのが、また贅沢な男だなぁと思った。
ただ、社会に対しての生きづらさというのは、私も歳を重ね、社会に絶賛揉まれ中の今だからこそ、共感できる部分はあった。
映画化もしていたような気がするから、映画を見て答え合わせでもしようかしら。笑
Posted by ブクログ
断るということをずっとしてこなかった、できなかった葉蔵。モルヒネ中毒の前後不覚の中で、自分を信じて疑わないヨシ子が再びモルヒネを差し出した時に初めて「いや、もう要らない」と、生涯で初めて人から差し出されたものを断った。自分を信じてくれる人の前に初めて毅然とした行動を取れたところが感動したなー。
Posted by ブクログ
人間失格とあるが1番人間らしく生きているのではないかと思った。それゆえのベストセラー、それ故に共感する人も多いのではないかと思った。この小説のどこかでは必ず共感することがあると思う。
Posted by ブクログ
何度も最初の数ページ読んでは断念して、しばらく読むことも忘れてました。
でもやっぱり一度は読破しないと‼︎と思い直し読み切りました。
そして太宰が人間臭くて好きになりました。
Posted by ブクログ
何度も読み返した本!!
この本を読んだ時、一番最初に思ったのが「私じゃん!!」という事。
墜落していくお話だが、どこかとても共感でき、だからこそこんなにも売れているのだと思った。葉蔵の苦悩は葉蔵だけのものでは無かったから!!
Posted by ブクログ
太宰の「斜陽」の書評で太宰の”明るさ”に触れたが、この本を読むと、それがまた屈折したものであると分かり、太宰の複雑な人格になかなか理解が追い付かないことに気づく。
太宰の人格の複雑性の中に、普遍的な共感性があるからこそ、今でも衰えない人気があるのだろうか。
人間、誰しも弱さがあるのだが、それを文章に表現することは難しいし、その恥じらいもある。
太宰は、それを明晰な文章にし、そして赤裸々にできる。
自分自身をこれまでに深く見つめ、考えられるだろうか。表面を繕うこと、社会への適用、への反動。
彼の生い立ちにも拠るところがあると思うのだが、それが特異な才能を生んだのか。
太宰人気の自分にとっての謎解きは、今後も続く。
以下抜粋(「桜桃」より)
・ヤケ酒というのは、自分の思っていることを主張できない、もどっかしさ、いまいましさで飲む酒である。
いつでも、自分の思っていることをハッキリ主張できるひとは、ヤケ酒なんか飲まない。(女に酒飲みの少ないのは、この理由からである。)
Posted by ブクログ
初めて読みました。
主人公の葉蔵は?私を含め、自分を道化させ生きてる人は多いのではないか?
考えさせられる思いがします。
後、巨匠と云われる画家の心理とか!
短い小説ではありますが中味が濃ゆい!
Posted by ブクログ
今の自分と重ね合わせられるようで、共感できる部分が多くあった。太宰治も色んな悩みを抱えていて、それは今の時代でも共通だと思うと、自分だけじゃないんだと救われた気持ちになれた。
Posted by ブクログ
思ってたより暗くなくて、読みやすかった。
少しだけ救われたような気がする。生きづらさを感じている人は共感できると思う。
自分に秘密を打ち明けてくれているようで、親しく感じられるところが良い。
Posted by ブクログ
斜陽に比べて、改めてこの年になって人間失格を読だが本当にとまらず面白いと感じた。
前提とされるくらい当たり前のことだが、この時代で今でもスラスラと読める本を書ける技術はすごい。
今でも、きっと自分に与えられた天性的な物に悩まされること、世間と自分の常識の違いを早くから知り、自分を世間に適合させようとする姿は共感する人は何人もいるはずだと思う。
共感できないと言う点がある人はそれはそれで幸せだと思うし、その立場になって考えるとより感慨深く思えると思った。
何年も苦しみ犯され自分の人間としての尊厳を失ってしまったら、このような愚行を犯すこともあると思う。また天才であるが故にここまでの思考にもなってしまうというところは、天性的な物で憎めない同情してしまうところがあった。
また、幼い頃から直接的に相手を傷つけるという行為をとれなかった主人公にはどうしても憎めない魅力がある。
Posted by ブクログ
人より優れているが故の生きにくさ、人間社会にうまく溶け込めないからこそ道化という名のエンターテインメントに走ったのかなと思った。
失格というより、葉蔵(太宰)が描く理想像の自分になれなかっただけだなと感じた。が、なんやかんや1番人間らしさがある。人間らしさを求める割に1番人間臭い、太宰はそういう人間。
人間失格は一通り人生を楽しんだ後にまた読みたい
Posted by ブクログ
人のことを気にして着飾ったり、嘘をついたりなど、したことあることや感じたことを言語化してるのですごく共感できた
ここまでは堕落してないがこうもなり得たと思うから反面教師にしていきたい
Posted by ブクログ
全体的に暗い雰囲気で、文体が好きだなと思った。共感できる部分が多く、オチも面白い。ただ、主人公と同じ悩みを抱えてる人も多いと思うから、題名は人間失格というより社会不適合者とかの方が合っている気がする。
Posted by ブクログ
初めてThe 文学みたいな本を読んでみました。内容としては正直分かりませんでした笑、でも何故かわからないのですが全然飽きません。体が読みたいって反応してる感じでした。
Posted by ブクログ
人間でありながら、人間の感情や生活が上手く飲み込めない男・大庭葉蔵。彼の半生を、彼の残した手記をもとに辿っていく。道化を演じて人間の営みの中に溶け込もうとした少年期。東京に出て、酒と女で自身の空白を埋めようとした青年期。まともに生きようともがきつつも、それがかえって酒毒と薬に蝕まれる要因となっていく青年後期。
生まれながらにして他人とどこかズレている。そんな葉蔵にとって、世間とは夜の海に等しかった。見通しがきかず、何が出てくるのか見当もつかない暗い海。そのただ中にある彼にとって、唯一の防衛手段が道化を演じることだった。笑わせれば、少なくとも危害は加えられない。だが、世間が分からず、結果として自分自身も分からず、ズレた歯車は永遠に噛み合うことがない。
傍から見れば葉蔵は、無責任で世間知らずで、調子のいいことばかり言う生活破綻者だ。でもそれが怠惰によるものだけでないと思わせる筆致はさすがである。葉蔵は葉蔵なりに、まともであろうとした。それだけに悲しい。
最後に、関係を持った女性が「葉ちゃんは神様みたいな人でした」と呟くのが、なんとも言えず切なかった。ある時、葉蔵は「罪」の対義語を「神」や「信頼」であると定義した。しかし、ある側面では類義語であるとも考えていた。傍から見ていて、葉蔵の存在は「罪」だったのだろうか。「神様」だったのだろうか。それらは対極に位置するのだろうか。それとも隣合っているのだろうか。「人間失格」を読む上で、大事なテーマである気がしてならない。
Posted by ブクログ
期待していたほど憂鬱な気持ちにはならなかった。
自分のした小さな事が周りにどのように影響するのかとても不安になる気持ちに共感した。
主人公はとても生きづらそうだと思った。
Posted by ブクログ
大庭葉蔵という男が人間失格に至るまでの過程を、彼自身の視点から手記にまとめたお話。手記は三葉に分かれており、幼年期・青年期・成人期の出来事と彼の心情が記されている。
このお話を初めて読んだ時は、葉蔵が抱える苦しみに同情し、彼の身に起こる出来事を不運に思っていた。
しかし、改めて読んでみて、どこか遠回しに相手を馬鹿にするような葉蔵のクズさに、不快感を持った。彼がヒラメから学業復帰の話を持ちかけられた時、ヒラメに助けを求めず家出してしまう。
この一人で何とかしようとして、結局他人に迷惑をかけてしまうようなことが、お話の中で多々あり、葉蔵の幼さを感じた。
お話の中で印象的だったのは、物語終盤で堀木と葉蔵が対義語・類義語の言葉遊びをするところ。直接的ではないものの、どこか葉蔵が堀木に対してイライラしているように感じる、そんな文章のヒリつく表現にドキドキした。
人と上手くやっていくことの難しさへの解像度が高く、「葉蔵のようになってはいけない」という反面教師に良いお話だった。
Posted by ブクログ
葉ちゃんは道化を演じており本当の自分を見せない。自分は彼に共感はしなかったが、偽ることでしか生きられない人間もいるのだと悟った。今でこそ多様性という言葉で許されるような言動、思えば彼は何かしら精神疾患を抱えているのかと察するほどの社会不適合感があった。現代社会でも彼のように偽りの皮を被って苦しむ人が大勢いるのかも知れないと感じた。
Posted by ブクログ
人のことが好きなのに、人と生きることができない。誰といても、苦しみも悲しみも自分のなかでしか発生しなくて、ずっと1人で生きている感じがした。
でも、どんな時間を過ごそうと、時間は勝手に過ぎていって、すぐに過去になるんだ。
Posted by ブクログ
人間くささを捨てたから人間失格なのか。語彙力。幾人かの現代人でも心の奥底で思っているだろうことがスラスラ言語化されている。見ず知らずの他人でも自分が注目されているかもと思う瞬間は私にもあってしまう。皿が空くのを待っている人や現金を出すまで待ってくれる店員など。それに怯えるような、酷く非難されているような気がしてしまう時もある。どの時代にも変わらない心が見れた気がして不思議な気持ちになった。やはり文字というのは素敵だ。ただ、知っていて考えないようにする人、そもそも気づいてない人がいる中、この闇と向き合っていた太宰治の苦悩は計り知れない。
Posted by ブクログ
題名が気になって見た。共感したり、確かにと思ったところがいくつもあった。
個人的には酒、タバコとか色々経験してからもう一度読もうと思う。
まだ子供だから難しいなと思った。
読んでみたくなったら読んでいい。でも大人になってできることをやってから見た方がいい気がした。
Posted by ブクログ
人間失格も、後に綴られている桜桃も人間なら誰でも感じたことのある感覚が語られている感じがある。
人間失格は最初に語られていた写真の雰囲気と、その後手記で語られる生活とが読み進めるうちに一致していくのが面白い。「人間失格」という仰々しいタイトルではあるが手記の人物と共感できる部分がある。
Posted by ブクログ
純粋無垢が汚れていく。PTSDよね?
幼い頃から社会生活をきちんと教わっていたら。。
汚い部分を見て、? 本音と建前?みたいなものが分からない。自分は周りとちがう?人の気持ちがわからない。道化を演じることで世を渡る。辛かったろうね。
世の中がいやになるね
もがいてこの世の果てに辿り着いたみたい。
Posted by ブクログ
とにかく先が気になり止まれなくなります。全体的に退廃的で、時に胸糞悪い暗い話もあり、主人公に同情も嫌悪感も感じながらも、この作品の世界に引きずり込まれてしまいます。
良くも悪くもこれが太宰治という作家の持つ文章のエネルギーなのか、とにかくこの作品が作家の心血を注いだものである事は間違いなく、それを嫌でも感じ取らされてしまいました。
なので、読後感はちょっと胃もたれみたいな感じで、あまり軽々しく人にオススメするような好意的な感じは無いので、評価はちょっと辛めです。
Posted by ブクログ
今さら初めての人間失格。難解でめんどくさそう…のイメージから避けていましたが、考えていたよりずっと読みやすくてよかった。なんていうか意外と…今風…?な人間感。太宰治めちゃくちゃ俗っぽいじゃん。
とにかくあの有名な人間失格を今世で読む機会があって満足。
Posted by ブクログ
初めて人間失格を読みました。
読まなきゃなと思いながらも先延ばしにしていた一冊。
非常に読みやすく、古さもあまり感じず、非常に読みやすかったです。
もっと早く読んでおけばよかった!