太宰治のレビュー一覧

  • 斜陽

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    読んだのと表紙が違うがおそらくこれであっていると思う。
    ヨイトマケ、とは土方で地ならしをする仕事の事のようだ。
    「斜陽族」という言葉を生むほどのブームが起きたという事が現代を生きる私には俄に信じがたい。

    しかし考えさせる節々がありおもしろかった。
    財産を食いつぶしていく没落貴族。
    滅びの美学。


    お嬢さまだった私の祖母ら、本書が刊行された頃、かず子に近い年齢であったはずだ。若い頃の逸話を聞く事はあったが戦後どのように思いながら生きたんだろうとふと思った。そういう人たちにとって斜陽の受け取り方は私とは異なるであろうことに興味がわく。

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    2010年04月17日
  • ヴィヨンの妻

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    松山くんカバーバージョン。
    ヴィヨンの妻は映画を見ていたので内容はわかっていたけれど、
    やっぱり大谷はひどいヤツ。
    ひどいけれどどうしてか魅力的。
    「私たちは生きていさえすればいいのよ」
    グッド・バイ、続きが気になる!
    どう終わらせたかったのだろう?
    トカトントンがお気に入り。

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    2010年04月12日
  • 斜陽

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    途中、ヤンデレの話かと思いきや、意外にも最後まで気丈に生き、それなりにハッピーエンド。
    いや、思いを遂げはしたけど、ハッピーではないか。

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    2010年04月08日
  • 新ハムレット(新潮文庫)

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    表題作、こんなにあっという間に読むほどのめりこむと思いませんでした。元のハムレットを軽く読んで途中挫折しそうだったから。
    新ハムレットのハムレット君のまぁ痛いような切ないようなアルアルな若者らしさに目も当てられなかったり頷いたり恥ずかしくなったりしつつ、それぞれのキャラクター同士の会話に引き込まれて行きました。

    愛してるというのは恥ずかしいのか恥ずかしくないのか
    愛してくれというのは恥ずかしいのか恥ずかしくないのか

    どうなんじゃろね。

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    2010年12月15日
  • ヴィヨンの妻

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    パンドラの匣、トカトントン、ヴィヨンの妻、眉山、グッド・バイ

    どれも好きな作品。
    パンドラの匣:
    友人への書簡の形式になっている。書き手は結核患者であり死を感じずにはいられないが、書き手は嬉々としたり落ち込んだり苦悩したり感情豊か。彼は生きているのだ、ということが伝わってくる。
    同室の登場人物も看護婦とのやりとりもなんだかさわやか、ほがらか。しかし、背景は隔離された健康道場であることを思い出すととたんに、そこは幻想で、暗い死にとつながっている感じもする。
    トカトントン:
    無気力になる瞬間を「トカトントン」という音であらわす。
    わかる。そういう瞬間がある。
    ヴィヨンの妻:夫は

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    2010年02月19日
  • 太宰治全集(3)

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    100周年の余波で読む。ちまっとした短編が面白い。
    「畜犬談」「春の盗賊」「駆込み訴え」が個人的ベスト3。
    「昔の小説」のイメージを払拭させるユーモアが、確実にある。

    MVP:熊本くん(「乞食学生」)

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    2010年02月07日
  • 人間失格 1巻

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    原作を読んでから読みました。
    漫画版ということで、原作とはまた違う
    独特の雰囲気が良かったです。

    だけど私的に、人間失格は昔の印象が強いので
    時代は昭和、制服は学ランが良かったです。

    心情の表現がとても上手なので、2巻が楽しみ!

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    2010年01月31日
  • 女生徒

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    「葉桜と魔笛」、「皮膚と心」、「きりぎりす」、「恥」…挙げたら限がないけど、とにかく全て描写が綺麗だし、やっぱり太宰は女性視点の話が上手だと再確認した。太宰が苦手だと思っている人に是非読んでほしい。

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    2009年12月23日
  • 人間失格 1巻

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    太宰の人間失格を、現代に置き換えた作品。
    生きることの虚しさなどは、現代のほうが痛々しく描けるのかもしれない。
    続きが楽しみな作品。

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    2009年12月18日
  • 太宰治全集(3)

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    ☆走れメロス:
    冒頭なぜ「激怒した」のかすっかり失念しての読み直し。ちょうど深夜アニメでこの題材が使われていて、比較もでき有意義。

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    2009年12月05日
  • 津軽通信(新潮文庫)

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    ア、秋/女人訓戒/座興に非ず/デカタン抗議/一燈/失敗園/リイズ/黄村先生言行録/花吹雪/不審庵/庭/やんぬる哉/親という二字/嘘/雀/未帰還の友に/チャンス/女神/犯人/酒の追憶 2009/11

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    2009年11月17日
  • 新樹の言葉(新潮文庫)

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    この本に収録されている、火の鳥が大好きです。女主人公の感情描写や成り立ちにの細やかな文章が良いです。
    火の鳥は、途中で挫折して未完で終わっています。

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    2009年10月25日
  • 太宰治全集(8)

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    -「わかい頃には、」と兄は草をむしりながら、「庭に草のぼうぼうと生えているのも趣があると思ったものだが、としをとって来ると、一本の草でも気になっていけない。」-

    太宰治のエッセイはほんとに脱力系でよい。引用は「庭」というエッセイ。疎開先の津軽の家で太宰が兄と草むしりをしながらの会話をかいていて「利休」のことが話題になってたりして、おもろい。兄が普通にインテリで、弟をアホだと思っている感がなんか、笑える。

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    2009年10月07日
  • 惜別(新潮文庫)

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    時代としては太平洋戦争中、
    太宰文学としては中期後半に書かれた
    長編二作が収録。

    「右大臣実朝」は、
    源頼朝と北条政子の子として生を受け、
    年若くして征夷大将軍となり、
    28歳で甥の公暁に暗殺される源実朝の半生を、
    その死によって源氏の将軍は
    三代で途絶える事となった悲劇の年若き権力者の姿を
    傍で仕えた従者の視点から語った作品。

    謀略や抗争といった血生臭い場所に身を置き、
    自身の破滅、源氏の破滅に向かって静かに進みつつも、
    真の貴族であり、「金塊和歌集」などを生み出した
    優れた歌人であった実朝。

    「アカルサハホロビノ姿デアロウカ。
    人モ家モ、暗イウチハマダ滅亡セヌ。」

    そんな彼の発する

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    2012年01月04日
  • 新樹の言葉(新潮文庫)

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    小説よりエッセイの印象。
    エッセイというと人生の指南書みたいで好きじゃない。
    太宰も暗くて好きじゃない。

    毎回の王様のブランチのブックコーナーで勧められて
    読む。
    お!予想外に読みやすい。

    最近、草食系男子という言葉があるけど、
    喩えて言うなら草食系小説。草食系エッセイ。

    指南書のようなおせっかいな感じもなく、
    長編小説のような読まなきゃ!ということもない。

    色んな短編が入っている。
    太宰が人気あるのがわかるなって思う一冊。
    もっと若い時に読みたかったな。

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    2009年10月10日
  • 斜陽

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    何年か前に、文学を読もうと思って買ったのに、読んでいなかった本。2年くらい前かな。

    09年3月19日15時2分26秒より更新


    直治の自殺の告白の遺書は、こころに出てくる先生の告白に似ている。

    辞書を見ながら読んだので時間はかかったが、読んでいていろいろ感じた。

    まず、お金について。お金がないと生きて行けないと思った。・・小説を今まで読んでこなかったので、こんな凡庸かつ的外れなことしかかけなくて情けない。

    直治の気持ちに少し共感を覚えながらも、自分もそうなるのではないかと思い怖くなった。


    太宰治昇天:

    これもとても興味深い。行き詰まりなどないのにそういう言葉で一括りにしてしまう

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    2009年10月04日
  • 惜別(新潮文庫)

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    『右大臣実朝』と『惜別』の二篇を収録。

    『右大臣実朝』はなんか肌に合わず半分で断念。
    しかし、これを読んだらきっと実朝を好きになるに違いないと思った。

    『惜別』は魯迅と医師と藤野先生の話。

    「このように誰にも知られず人生の片隅において
    ひそかに不言実行せられている小善こそ、
    この世のまことの宝玉ではなかろうかと思った。」

    「文明というのは、生活様式をハイカラにする事ではありません。
    つねに眼がさめている事が、文明の本質です。
    偽善を勘で見抜く事です。
    この見抜く力を持っている人のことを、教養人と呼ぶのではないでしょうか。」

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    2015年11月12日
  • 斜陽

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    不器用な生き方しか知らず、時代に翻弄される貴族の一家の悲壮に満ちた物語。
    ポツダム宣言受諾、そして昭和天皇の人間宣言により、日本国民は旧来の倫理観の転換を余儀なくされました。中でも古い道徳の只中にあった貴族(皇族)の心の葛藤は、現在に生きる僕らの想像を絶するものであったに違いありません。
    最期まで貴族を貫くか。
    現実と向き合い戦うか。
    死か。
    どちらにせよ、辛い選択には変わりないのです。

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    2009年10月04日
  • 新ハムレット(新潮文庫)

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    奇抜な発想で現代風(!?)な心理描写を加え、構成されなおした「新ハムレット」。太宰はパロディが得意ですが、その中でもこの「新ハムレット」は最高峰じゃないかと。
    ユーモラスだけど現実的な登場人物の内面の動きが面白かった。
    ハムレットの悪口をハム母に言っちゃうオフィリヤとかね!

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    2009年10月04日
  • 女生徒

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    太宰治の作品。昭和20〜30年ごろの女学生の心を成り切ったように透視した作品。
    父が死んだ次の日から話が始まり、少女が1日を終えるまでを書いてある。

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    2009年10月04日