太宰治のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ暗いし死の影も見える一方で、ダメな自分を女性視点で描く冷静さもあるのが面白い。それでも罪の意識やうまく生きていけない自分への苛立ちが全体に滲み出ていて、本当に生きづらかったんだろうなと思った。共感できる部分もあって、晩年の作品は好みのものが多いと思った。ヴィヨンの妻、おさん、家庭の幸福、桜桃、と続く後半の流れが好きだった。
トカトントンは分かりすぎた。夢中になっていたはずなのにふとした瞬間に急に冷めてしまう。そんなことばかり。できないことがあった時に勇気を出せず逃げているだけだったのか。
そして斜陽然り、おさん然り、太宰の描く女性が捉える革命がかっこいい。太宰が捉えている破壊や死に繋がるような革命との対比?
"革命は、ひとが楽に生きるために行うものです。悲壮な顔の革命を、私は信用いたしません。夫はどうしてその女のひとを、もっと公然とたのしく愛して、妻の私までたのしくなるように愛してやる事が出来なかったのでしょう。(中略)気の持ち方を、軽くくるりと変えるのが真の革命で、それさえ出来たら、何のむずかしい問題もない筈です。"
p169 おさん -
Posted by ブクログ
太宰治の、いや津島修治の遺書とも言えるこの作品、本当に残っていることが奇跡なぐらいだけれど、なんともいえない内容かも。
ただの弱い人間の自伝だと言われたらそれでお終いだけれど。
太宰治の感受性とか、社会や命、自分に対して、一般的な人々が深く入り込まずにふわふわと生きている中、太宰治はそうはいかなかった。自分を批判しないといけなかった。
そこらへんに生きる人々のほうがよっぽど卑怯で、人生から逃げていると言われているみたい。
太宰治は自分に厳しい。その感受性が良い方に行くには環境がダメだったのか。
周りの人から勝手に好かれて逃げるたびに好かれて、誇張だとしても本当にそのように思えて津島修治の無念さを感じた。
太宰治は死ぬまでどこにも心を置いたことがないのか。本当の信頼や愛情を感じたことがあるのか?
それは誰のせいなんだろう。
考えさせられる。 -
Posted by ブクログ
『右大臣実朝』
太平記を、太宰流に空想の世界を広げた作品。語り手は実朝に仕える近習(武の者ではない?)
平家ハ、アカルイ。
アカルサハ、ホロビノ姿デアロウカ。人モ家モ、暗イウチハマダ滅亡セヌ。
無理カモシレマセヌガ、学問、ソレダケガ生キル道デス。
↑この辺り、太宰は自分を実朝に被せてるんだろうな〜。と言うか、むしろ実朝を自分に被せて理解してそうだな〜と思いました。
『惜別』
仙台時代の魯迅を描く作品。語り手は魯迅と同級だったという設定。まぁ〜これは、当局に頼まれて書いてるのもあり、時代の制約もあり所々は読むに堪えない箇所もあるけど、それはしょうがない。
烏の話が面白かった。1人で松の上にポツンととまっていれば様になる烏も、群れてガーガー騒ぎ出したのではいかにも低俗でどうしようもない。これは太宰も気に入ってたのかな?何回か繰り返し出て来てましたね。
「いよいよ出ていよいよ奇である」とか言う表現が面白かった。
この作品は太宰のいつものスラスラ〜っとした滑稽みがあんまり無くて、暗に当局に対する批判じみてたり逆に日本賛美だったりで表現が少し重くなってたから、ここ嬉しかった。