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Posted by ブクログ
富嶽百景を読みたくて手に取る
はじめの富士の頂角の話しから
おもしろく、のめり込んだ
甲府でみた富士があまりにも完璧で
かえって好かない、まるで風呂屋のペンキ絵
注文通りすぎて恥ずかしいとまでいっている
確かに完璧なところで見たら
そう思うかもと納得
他にも短編が9篇
ロマネスクや、女学生など
テンポがよく、楽しくもある
太宰治のイメージが変わる
また東京八景は
本人の自伝のようなもので
太宰治の苦悩が色濃く書かれている
なるほどこうしてこの方が
出来上がっていたのかと
またも納得
太宰治の作品もっと読みたくなった
今更だけどさっそく次の作品を探そう
#富嶽百景、走れメロス
#太宰治
Posted by ブクログ
人間の悩みのほとんどは、他人についてなのかもしれない。
太宰治の短編集を読み、そう思う。
以前『人間失格』を読んだときに、世間や他人に合わせた生き方ができない自分のことを「人間失格」と主人公の要蔵は言い表していた。
そのときにふと感じた、「じゃあ何が人間の合格なんだ?」という疑問は、ずっと胸にある。
世間に合わせ、他人にへつらい、自己を曲げて生きていくことが、人間としての正しい姿か?
そうは思えない。
私見だが、自分が自分らしくあることこそが生き方であると思っている。
この短編集の中でも、そうした周囲との不調和に関する話が多くある。
特に『東京八景』なんかは、ほぼ太宰治の自伝のようだ。
ただ、私の太宰治へのイメージは『人間失格』から陰鬱なものだったが、この短編集の、特に『ロマネスク』や『満願』、『富嶽百景』からは、明るく爽やかな印象を受けた。
こんなものも書けるのかと衝撃的だった。
私はこの中でも、『女生徒』が好きだ。
「あすもまた、同じ日が来るのだろう。幸福は一生、来ないのだ。それは、わかっている。けれども、きっと来る、あすは来る、と信じて寝るのがいいのでしょう。」(p124 女生徒)
こんな言葉があった。
『女生徒』では、主人公の女生徒の内面が語られ、亡くした父への回顧、母への不満、自分の体の変化など、暗い気持ちが吐き出される。
しかもそれはいつまで続くかも分からない。
それでも、最後に先の言葉を言って終わるところに、希望も絶望も合わせ持った、複雑な心境を感じる。
生きていれば楽しいことばかりではなく、辛く悲しいこともたくさんある。
それでも、寝れば明日は来る。
『東京八景』の中で、
「多くの場合、人は、いつのまにか、ちがう野原を歩いている。」(p236 東京八景)
という言葉がある。
自分の力だけで変えられるものはそうなく、人生の多くは自分の意志とは関係なく、転がっていくものだと思う。
だからこそ、何があっても、とにかく寝て明日を待つ。
そうすることで、少し生きていくことに希望が持てるのだと思う。
太宰治の作品は、人の暗い部分も明るい部分も、抉り出すような感じがある。
Posted by ブクログ
表題作の他、女生徒、ロマネスク、東京八景など10作の短編集。
太宰の短編はどれも好きだけど、特に印象的なものをメモ。
『富嶽百景』…最初は富士の一辺倒な姿を横目で見るような様子だった主人公は、茶屋の人々や彼を訪ねてきた人々との交流を通して少しづつ富士の様々な表情に触れ、心を許し始める。富士はそこにあるだけでいい。
『走れメロス』…学生の時に初めてこの作品を読んだ時はメロス身勝手、という身も蓋もない感想だったけれど、年を重ねてこの直球の友情ストーリーが沁みるようになった。
『女生徒』…思春期特有の揺れを表現する秀逸さ。この危なっかしい様がまた魅力。
井伏鱒二のあとがき…太宰とのエピソード。不思議と愛を感じる。
読む度に違う印象や感想を持たせてくれる作品。何度も読み返したい。
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