太宰治のレビュー一覧
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「太宰治」というより、本名「津島修治」による、故郷の津軽の随筆。紀行文。道中記。
まあ、なんでもいいや。
なかなか楽しい話であった。
勝手なイメージだが太宰には暗くて人嫌いというものがあったが、見事にそれを覆してくれた。
親友と呼べる友、幼馴染、親戚たち、可愛らしい姪っ子まで大歓迎で太宰を迎える。
またこの人たちはホントに酒が好きだね。とにかく酒。とりあえず酒。戦時下であり、酒も配給制であったことから酒を出せない宿もあり、それを予想して自分たちで用意して持ち歩く。
そこまでして飲みたいものなのかと、正直呆れた。
ラストは太宰の育ての母ともいうべき、子守りのたけとの再会を果たす。
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ぼんじゅ山脈の馬禿山、そこの滝の近くで父親と小さな茶店を営む15歳のスワは、父が炭を売りにしょっちゅう村へ下りて行くので、その度に一人で店番をしている。
ことしの夏の終りごろ、スワは滝の淵に落ちて亡くなる人をその目で見た。店はほとんど閑散としており、暇な時間でスワは滝について思いをめぐらせる。父親は酒臭い息をさせて帰ってくる。
秋土用も過ぎてすっかり客足も遠のくと、二人は店をたたむ。スワは山奥できのこを採集して持ち帰り、それをまた父親に託し、じぶんは小屋にこもりくろい飯に焼いた味噌をかけてひとりで夕飯を食べる。
夢心地で見えた初雪の晩が明けると、スワはからだに疼痛を覚えていた。あのくさい呼吸を -
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「私」であるイスカリオテのユダを主人公とした視点で、イエス・キリストへの愛憎渦巻く感情や言動が綴られている。
聖書において、ユダが"裏切り者"の弟子であることは有名だが、会計担当で金銭をくすねていたこととか、イエスはそれを承知のうえだったとは知らなかった。
いわゆる最後の晩餐の席で、イエスがとうとう苦しげに告発し、一つまみのパンをユダの口に押し当てるシーンは厳かさがある。そのままそこを飛び出して、「あの人(イエス)を罰して下さい」と駆け込み訴えるユダ。イエスに対する、尊敬と侮蔑。彼の屈折した台詞の端々に、それでも私はどこか悲しさを感じた。